夢を叶える方法は、夢を叶えた人の話を聞くのが一番。

フリーランス

子供のころの夢は、漫画家だった。

いつも、スケッチブックを小脇に抱えて幼稚園に通っていたらしい。小学生時代にはパトラッシュの似顔絵を描いて見せたら、クラスメートの女の子に私にも描いて描いてとせがまれたのを覚えている。Dr.スランプ第1話に衝撃を受け、鳥山明さんみたいになりたいと思って、漫画ばかり描いていた。ほとんど模写をしていただけだけど、とにかく絵を描くのが好きだった。

体育会系の方がモテるだろうと、中学では得意としていた卓球部に所属。部活に試験に受験勉強。もうペンを握ることはなかった。それから高校入学時は芸大を志望していたが、国際化の波に乗ろうと語学系の大学に進学。漫画家を目指すといったこととは全く無縁の生活を送っていた。

そして社会人になった時の同窓会で、ほぼ20年ぶりに再会した小学校時代の同級生から「たしか、漫画家になりたいって言ってたよね?」と言われ、唖然とした。「俺って、漫画家のイメージなんだぁ」と少し嬉しかったと同時に、広告業界に就職し、平々凡々なサラリーマンを送っていることに少し後ろめたささえ感じた。しかし、それでもペンを握ることはなかった。

なのに、結婚し、子育てがひと段落した40歳のとき、一念発起「一から絵を学びたい!」とアートスクールに通い始めたのだ。そして、絵を描いているときは、2時間が1時間に感じるぐらいに集中していて、まさに至福の時間だった。習い始めてから2年間はデッサンに明け暮れた。そして、油絵、漫画に転向しようとした矢先に、会社の上司にゴルフを勧められ、週末は芝を刈る日々と化してしまったのだった。正直、自分には失望した。

しがない男の人生遍歴をダラダラと書いてしまったが、そんな夢物語を実現したような本に出逢ったので、とにかく紹介したかったのだ。

ジュンク堂の独立・起業コーナーで、表紙が漫画で描かれて面陳列されひと際目立っていた「【マンガ】フリーランスで行こう! 会社に頼らない、新しい「働き方」」である。高田ゲンキさんというイラストレーター兼漫画家さんで、奥様もイラストレーターでベルリン在住の海外フリーランスというご夫婦の漫画で描かれた成功物語なのだ。

読みだしたら止まらなくなって、(立ち読みにて)小一時間で読破してしまった。高田さん、ごめんなさい。でも、この本は、私の座右の漫画としてあらためて購入するつもり。

そんじょそこらの週刊誌の人気漫画よりも面白い。その理由は、自身のサクセスストーリーを自分で漫画で描いているため、熱い思いが100%伝わってくるのだ。生きざまに、思わず憧れを抱いてしまう。

人生の舵は、自分で見つけ出せ、という教訓を教わった。

夢を叶える方法は、夢を叶えた人の話を聞くのが一番。