ドル円コンパス

【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2026年3月11日)

おはようございます。Trader MTです。昨日のドル円は、東京朝方に発表された日本の第4四半期GDP【改定値】が予想を上回る強い結果となったことや、中東情勢をめぐる警戒感の揺り戻し、原油価格の乱高下などを受けて上下に振れながらも、最終的には158円ちょうど前後で引ける一日となりました。日中は157円台半ば〜後半での押し目買い・戻り売りが交錯しましたが、NY時間の終盤にかけて米長期金利がじり高となったことで上値を切り返し、今夜の米CPI発表を前に「158円台を試しつつも方向感は出にくい高値圏レンジ」といったムードが強まっているように見えます😌(公開時刻:08:02/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円は、東京早朝の158円ちょうど近辺からスタートすると、8時50分に公表された日本の第4四半期GDP【改定値】が、前期比・年率ともに市場予想を上回る上方修正となったことで一時は円買いが先行し、157.30〜40円台まで水準を切り下げました。ただ、その後は「日本の景気が相対的に底堅い=日銀が急ピッチで追加緩和に動きにくい」との見方から、下押し局面では押し目買いも入りやすく、157円台半ばでは次第に下げ渋る展開となりました。

欧州時間に入ると、前日までの「有事のドル買い」の巻き戻しが一巡する一方で、中東情勢をめぐるヘッドラインや原油相場の激しい値動きが続き、リスク選好・回避の思惑が交錯。欧州株の堅調さや米金利の持ち直しを背景にドル買い戻しが優勢となる場面では158円ちょうど前後まで反発する一方、原油が一時急落した局面では安全資産とされる円買いも入り、157円台後半へ押し戻されるなど、方向感に欠ける値動きが続きました。

NY時間にかけては、ホルムズ海峡をめぐる情報が錯綜するなかで原油価格が前日比で一時10%超下落するなど、市場全体がやや神経質なムードに包まれました。それでも、米株が持ち直し、米10年債利回りも上昇基調を維持したことで、ドル円は157.70円前後から158円台前半にかけてじり高。最終的には始値157.645円、高値158.134円、安値157.272円、終値158.036円と、下ヒゲのやや長い小幅な陽線を形成し、「下押しをこなしながら158円台を視野に入れた高値圏での持ち合い」が継続している形となっています。

日付 始値 高値 安値 終値
2026年3月10日 157.645 158.134 157.272 158.036

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

10日の東京時間のドル円は、158円ちょうど近辺からスタートしたのち、第4四半期GDP【改定値】の発表直後に一時157.30〜40円台まで下落しました。実質GDPは前期比・年率ともに速報値から上方修正となり、市場予想をも上回る強い内容でしたが、「サプライズの強い国内指標=日本側の金利上昇余地」が意識されたことで、いったんは円買い・ドル売りが優勢となった格好です。

もっとも、その後は「国内指標の強さは円買い材料である一方、世界全体では米景気・米金利動向の方が依然として主導権を握っている」との見方から、下押し局面では実需筋や短期筋の押し目買いも入りやすく、午前〜午後にかけては157.40〜70円台でのレンジ取引が中心となりました。5分足チャートで見ると、25本移動平均線に上値を抑えられながらも、157.20円台では下ヒゲを何度も付けて切り返す動きが続いており、「157円前半では買い意欲が控えている」ことがうかがえる展開でした。

欧州・NY時間

ロンドン勢参入後の欧州時間に入ると、欧州株が総じて堅調に推移したことや、原油価格がいったん90ドル近辺で落ち着きを取り戻したことから、市場全体に「リスク警戒の後退」が意識されました。この流れのなかでドル円もじり高となり、157円台後半から158円ちょうど付近まで戻りを試す動きに。ただ、中東情勢をめぐる不透明感は依然として根強く、158円台では戻り売りも控えていたため、一気に上抜けるには至らず、上値の重さも確認されました。

NY時間序盤は、原油相場がヘッドラインに振り回されながら乱高下するなかで、株高・債券安を背景にドル買いが優勢となる場面と、「イラン・中東情勢をめぐるニュースを材料にした安全資産買い」が意識される場面が交互に訪れ、ドル円も157.70〜158.10円前後で上下に振れる展開となりました。引けにかけては米10年債利回りが上昇基調を維持したことから、再び158円台に乗せて取引を終えており、今夜の米CPIを前に「どちらかと言えばドル高方向への期待がやや優勢」といった地合いで本日の東京市場を迎えています。

今日の注目材料

✅ 3月11日(水)の重要イベント
時間 通貨 指標・要人 重要度 前回 予想
21:30 🇺🇸 消費者物価指数(前月比) ⚡⚡⚡ +0.2% +0.3%
21:30 🇺🇸 消費者物価指数(前年比) ⚡⚡⚡ +2.4% +2.4%
21:30 🇺🇸 消費者物価指数 コア(前月比) ⚡⚡⚡ +0.3% +0.2%
21:30 🇺🇸 消費者物価指数 コア(前年比) ⚡⚡⚡ +2.5% +2.5%

今夜は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の今後の利下げペースを占ううえで最重要指標のひとつである米消費者物価指数(CPI)が発表されます。ヘッドラインの総合指数では、エネルギー価格の変動を背景に前月比+0.3%と、前回からの小幅な加速が見込まれている一方、前年比では+2.4%とFRB目標の2%台前半に収まる見通し。市場は「インフレ鈍化トレンドは維持されつつも、完全に安心できる水準にはまだ到達していない」という微妙なバランスをどの程度確認できるかに注目しています。

特に注目されるのは、変動の大きい食品・エネルギーを除いたコア指数です。コアの前月比は+0.2%への鈍化が予想されているものの、前年比では+2.5%と、総合指数よりもやや高い水準が続く見込みです。住宅関連やサービス価格の粘着性が残るなか、もしコアCPIが予想を上回るようであれば「FRBは利下げに慎重にならざるを得ない」との見方からドル買い・金利高方向に反応しやすく、一方で予想を下回る弱い結果となれば、早期利下げ観測が再燃し、ドル売り・円買いのきっかけとなる可能性があります。

今日の見通し

今日のドル円は、昨日の日本GDP上振れを受けた円買いと、米金利上昇を伴うドル買いが綱引きするなかで、今夜の米CPIを待つ「イベント待ち相場」となりそうです。東京〜欧州時間は158円ちょうど前後を中心に、157.70〜158.40円程度のレンジ取引がメインシナリオ。一方で、NY時間のCPI発表後は、結果次第で157円台前半〜158円台後半まで一気に振れる可能性もあり、ボラティリティの高まりに備えたリスク管理が重要な一日となりそうです。

ファンダメンタルズ分析

日本側では、第4四半期実質GDP【改定値】が前期比・年率ともに速報値から上方修正され、市場予想を上回る結果となりました。設備投資や個人消費が堅調だったことに加え、名目GDPやGDPデフレーターもプラス圏を維持しており、「デフレからの脱却が徐々に定着しつつある」との見方を後押しする内容です。これにより、日銀が近い将来に大規模な追加緩和に踏み切る可能性はやや後退しており、中長期的には円の下支え要因として意識されやすい状況と言えるでしょう。

一方の米国では、これまでの雇用統計やISMなどから「景気は減速しつつもリセッションには至っていない」といった評価が優勢で、FRBの利下げ開始時期については「年内に数回」とする見方が根強いものの、そのタイミングや回数についてはCPIなどのインフレ指標次第という状況が続いています。中東情勢をめぐる不透明感や原油価格の乱高下が続くなか、エネルギーを通じた物価への波及がどの程度続くのかも含めて、今夜のCPIは想定以上に市場の注目度が高いイベントとなりそうです。

テクニカル分析

日足チャートでは、昨日のローソク足は下ヒゲのやや長い小陽線となり、157円前半では買い戻しが入りやすい一方で、158円台前半では上値が重くなりつつあることを示しています。それでも終値は25日移動平均線や一目均衡表の雲上限をしっかり上回っており、中期的な上昇トレンド自体は依然として健在です。直近高値である158円台後半〜159円台手前のゾーンが強いレジスタンスとして意識されており、「高値圏の持ち合いフェーズ」に移行している印象です。

📈 移動平均線(25日・75日・200日)
25日移動平均線と75日移動平均線はいずれも緩やかな上向きを維持しており、200日移動平均線も右肩上がりの形状です。現在レートは25日線・75日線のいずれも上に位置しているため、テクニカル的には「押し目買い優位」の地合いが続いていると言えます。ただし、足もとでは25日線からのかい離が徐々に広がっており、短期的なオーバーシュートには注意が必要です。158円台後半を明確に上抜けるには、新たなファンダメンタルズの後押し(=今夜のCPIなど)が求められる場面に差し掛かっています。

📈 一目均衡表
一目均衡表では、ローソク足が厚みのある雲の上方で推移しており、先行スパンも上向きで広がる形状を保っています。遅行スパンも実線を上抜けて推移していることから、中期トレンドとしては上昇優位のシグナルが点灯したままです。一方、158円台半ば〜後半のゾーンには過去に何度も上値を抑えられた価格帯が重なっており、このエリアを終値ベースで明確に上抜けられるかどうかが、次のトレンドの方向性を占う重要なポイントになりそうです。

📈 MACD
MACDはゼロライン近辺のプラス圏でシグナル線の上方に位置しており、ヒストグラムも小幅ながらプラスを維持しています。短期的な上昇モメンタムは続いているものの、勢いそのものはやや鈍化してきており、「強い上昇トレンド」というよりは「高値圏でのじり高」といった印象です。今夜のCPIをきっかけにMACDとシグナル線の乖離が再び広がるようであれば上昇トレンド再加速、逆にデッドクロス気味に再接近するようであれば、レンジ相場または調整局面入りを警戒したいところです。

5分足チャートでは、東京時間のGDP発表直後に157.30円台まで急速に下押ししたあと、徐々に下値を切り上げながら157.70円前後まで戻す動きが確認できます。欧州時間入り後は200本移動平均線(赤)がレジスタンスとして意識されつつも、高値・安値ともにじり高となり、NY時間序盤には158円台前半を試す場面も見られました。しかし、その後は原油相場や中東関連のヘッドラインに振らされる形で上下に振れ、終盤は158円ちょうど前後でのもみ合いに収れんしており、「イベントを前にしたポジション調整の一日だった」と整理できそうです。

シナリオ分析

↗ 上昇シナリオ(確率55%)
上昇シナリオでは、米CPIがヘッドライン・コアともに市場予想をわずかに上回り、「インフレ鈍化ペースがやや鈍い」と受け止められるケースを想定します。この場合、米長期金利は一段高となり、年内の利下げ回数が減るとの思惑からドル買いが優勢となりやすい地合いです。テクニカル的には、まず158.30円前後のレジスタンスを上抜けられるかが焦点で、ここを越えてくると158.50円、さらに昨年の高値圏である158.80〜159.00円付近を試す展開も視野に入ります。ただし、その過程では当局の円安けん制や介入警戒感が一段と強まりやすく、短期的には急伸・急落を繰り返すボラティリティの高い相場になる可能性が高いでしょう。

↘ 下落シナリオ(確率45%)
下落シナリオでは、CPIが総合・コアともに予想を下回り、「インフレ鈍化が再加速している」との評価が広がるケースを想定します。この場合、米長期金利は低下方向に傾き、年内利下げ回数の増加や利下げ開始時期の前倒し観測が強まることで、ドル売り・円買いが優勢となりやすくなります。まずは157.70円前後のサポートを割り込むかどうかが分岐点で、ここを下抜けると157.40円、さらに157.20円付近(昨日の安値圏)まで下値余地が広がる可能性があります。157円ちょうどを明確に割り込むようであれば、25日移動平均線や一目均衡表の雲上限が位置する156円台半ば方向への調整も視野に入ってきます。

時間帯別の展開予想

🕒 東京時間
東京時間は、前日のNYクローズ水準である158円ちょうど前後を中心に、157.80〜158.30円程度の比較的狭いレンジでのスタートを想定しています。昨日の日本GDPを受けた円買いフローはひとまず一巡していると見られ、きょうは「CPI待ち」のなかで輸出入企業や短期筋のフローが中心となりそうです。株価や中東関連ヘッドラインの突発的な動きがなければ、上がれば戻り売り・下がれば押し目買いが交錯するもみ合い相場が続くイメージです。

🕔 欧州時間
ロンドン勢参入後は、米CPIを控えたポジション調整が本格化しやすく、158円台前半〜157円台後半のレンジ内で「どちらかと言えばドルロングを軽くする動き」が出てくることも想定されます。欧州株や米金利先物の動きを睨みながら、157.80円割れや158.30円超えの場面では一時的にストップを巻き込んだ振れが出る可能性もあり、値が飛びやすい時間帯です。ただ、CPIそのものを待つムードが強いことから、欧州時間単独でレンジを大きく抜ける展開はメインシナリオではありません。

🕙 NY時間
NY時間は、21時30分発表のCPIが最大のヤマ場となります。指標発表直後はアルゴリズム取引やストップ注文を巻き込み、数分〜十数分のあいだに1円近い値幅が出る可能性もあるため、スプレッド拡大やスリッページには要注意です。初動の方向がそのまま継続するトレンド相場になるケースもあれば、「最初の方向とは逆方向へ巻き戻すフェイク」のような動きになることも多く、少なくとも発表後30分〜1時間程度は、値動きのパターンが定まるまで慎重に見極めたいところです。CPIの結果と合わせて、米株・米金利・原油の動きがどの方向に収れんしていくかが、NYクローズに向けたトレンドを決めることになりそうです。

今日の予想レンジ

予想レンジ:157.20円〜158.80円
今日は、CPIを控えるなかで157.20円〜158.80円のやや広めのレンジを想定しています。東京〜欧州時間は158円ちょうど前後を中心とした157.80〜158.40円程度のもみ合いをメインシナリオとしつつ、NY時間のCPI結果次第では、レンジ上限または下限方向へのブレイクを試す動きを想定しておきたいところです。

🔼 上値抵抗線:158.30円、158.50円、158.80円
上方向では、まず昨日の高値圏に相当する158.30円前後が最初のレジスタンスとして意識されそうです。ここを上抜けると、節目の158.50円、さらに昨年高値に近い158.80円前後が次のターゲットになります。特に、CPIをきっかけに158.80円を終値ベースでしっかり超えてくるようであれば、159円台への上値追いが現実味を帯びてきますが、その分、当局の円安けん制や介入警戒感が一段と強まると考えられますので、上値追い局面ではポジションサイズや利確のタイミングにいつも以上の注意が必要です。

🔽 下値支持線:157.70円、157.40円、157.20円
下方向では、まず直近で何度も下げ止まりを確認している157.70円前後が最初のサポートとして機能しそうです。ここを割り込むと、昨日の東京時間の押し目となった157.40円付近が次の注目水準で、さらにその下の157.20円前後には日足ベースのサポート帯も重なってきます。157.20円を明確に下抜けるようであれば、25日移動平均線や一目均衡表の雲上限が位置する156円台半ばまでの調整リスクも視野に入ってくるため、その場合は戻り売りスタンスが優勢になりやすいと考えています。

💥 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、「米CPIが総合・コアともに予想を上回り、米長期金利の一段高とともに158.50円を上抜け、NYクローズでも158円台後半を維持すること」が挙げられます。この場合、159円台方向へのショートカバーを巻き込みながらの急伸も想定されます。
下方向のブレイクアウト条件としては、「CPIが予想を大きく下回り、157.70円→157.40円→157.20円とサポートを次々と割り込み、NYクローズで157円ちょうどを明確に下回ること」がポイントになります。このケースでは、156円台半ば〜前半にかけてのサポート帯を試す調整局面入りを意識し、戻り売り優勢の流れを想定したいところです。

⚠️ 注意すべきリスク要因
今回の相場では、CPIの結果に加えて、
・中東情勢をめぐる追加の軍事行動や停戦報道
・原油価格の急激な変動(供給懸念・需要懸念のどちらも)
・米要人発言やトランプ大統領のコメントによる期待・失望
といったヘッドラインが、テクニカルの節目を一気に飛び越える値動きを引き起こす可能性があります。特に、原油と株式・債券の動きが同時に大きく変化した場合には、「ドル高・ドル安」「円高・円安」が短時間で入れ替わる展開も起こり得るため、レバレッジのかけ過ぎや指値・逆指値の置き場所には十分注意したいところです。

☑️ 投資判断における留意点
CPIのようなビッグイベント前後は、「すべての値幅を取りに行こう」とすると、ちょっとした反転やノイズに巻き込まれて想定以上の損失を被りやすい局面です。今日は、
・どの水準を背にポジションを取るのか(157.20円割れか、158.50円超えか)
・どの時間帯で勝負するのか(発表直後の瞬間なのか、30分〜1時間後の落ち着いた局面なのか)
・1回のトレードで許容できる損失幅はいくらか
を事前に決めたうえで、「自分が決めた条件が揃ったときだけ参加する」くらいの慎重さがちょうど良いと思います。動きが読みにくいと感じるときは、あえてノーポジションで見送るのも立派な選択肢。ご自身のルールとリスク許容度に沿ったトレードを心がけていきましょう。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。