おはようございます。Trader MTです。週明けのドル円は、中東情勢の緊迫化と原油急騰を背景に「有事のドル買い」が再燃し、一時は159円手前まで上昇する場面があったものの、G7による石油備蓄放出協議の報道や、トランプ大統領が対イラン軍事作戦の早期終結に言及したことでリスク回避ムードが和らぎ、引けにかけては157円台後半まで押し戻される展開となりました。上方向の勢いは依然として強いものの、政府・日銀による円安けん制や介入警戒感から、160円方向を一気に抜けていくにはやや荷が重い印象も出てきていますね😌(公開時刻:07:47/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、東京早朝の158円ちょうど近辺からスタートすると、週末からの中東情勢悪化と原油先物の100ドル乗せを受けた「有事のドル買い」が続き、仲値にかけて158.70円近辺まで一気に上昇しました。原油高による日本の貿易収支悪化懸念も重なり、輸入企業のドル需要も相場を押し上げる格好となり、午前中は158円台半ば〜後半で高値追いの展開が続きました。
正午以降は、原油高がさらに進んだことを背景に159円ちょうど手前までジリ高となったものの、G7とIEAが緊急備蓄の協調放出を協議していると報じられると、原油相場が急反落。これまでの「戦争リスク」を織り込んだドル買いポジションの一部が巻き戻され、ドル円も158円後半から158円前半へと水準を切り下げました。その後も、介入警戒感の高まりから上値では戻り売りが目立ち、158円台半ばで伸び悩む時間帯が続きました。
欧州時間に入ると、ロンドン勢も「原油高と有事のドル買い」を意識しながら158円台半ばを中心に取引をスタートしましたが、G7財務相会合の結果待ちで新たな材料に乏しく、158.50円前後で方向感に欠ける値動きに。NY時間入り後は、米長期金利の上昇がドルを支える一方、トランプ大統領がメディアとのインタビューで「イランとの戦争はほぼ終わりつつある」との趣旨の発言を行ったと伝わると、原油価格が落ち着きを取り戻し、有事のドル買いも一服。ドル円は158円台半ばからじりじりと上値を削り、最終的には157.60円台まで反落して取引を終えています。
結果として、始値158.045円、高値158.900円、安値157.625円、終値157.645円と、日中は約1.3円近い上昇局面を挟みながらも、引けにかけては上げ幅をほぼ吐き出した「上ヒゲの長い小陰線」でのクローズとなりました。160円方向の上値トライを試しながらも、当局の牽制と中東情勢のヘッドラインに左右されやすい神経質な相場つきが続いている格好です。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月9日 | 158.045 | 158.900 | 157.625 | 157.645 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
9日の東京時間のドル円は、158.10円前後から取引を開始すると、イラン情勢の悪化とホルムズ海峡の封鎖懸念を背景に原油先物が時間外で100ドルを超えて急伸したことから、「エネルギーショックへの警戒」を意識したドル買い・円売りが優勢となり、午前中を通じてじり高基調を維持しました。輸入企業の決済フローも重なり、仲値にかけては158.70円台まで水準を切り上げています。
昼過ぎには、G7がIEAとともに石油備蓄の協調放出を協議しているとの報道が伝わり、原油相場がピークアウト気味となると、ドル円も159円手前から上昇が一服。5分足で見ると、158.80〜90円台でダブルトップを付けたあと、25本移動平均線を下抜けて158円台前半まで押し戻されており、「有事のドル買い一辺倒」から「ややポジションを軽くする動き」にシフトした様子がうかがえました。
欧州・NY時間
ロンドン勢参入後の欧州時間は、158.40〜60円台を中心としたレンジ相場。G7財務相会合の結果待ちとあって新たな材料に乏しく、原油や株価、米債先物の動きを横目に、158円台半ばで売り買いが交錯する展開が続きました。それでも、「原油高+米金利上昇」を背景としたドル買い基調は維持され、下押ししても158.20〜30円近辺では押し目買いが入りやすい地合いでした。
NY時間入り後は、米主要経済指標の発表がなかったこともあり、中東関連のヘッドラインが相場を左右しました。序盤こそ原油高と米長期金利の上昇を背景に158.50円前後で底堅く推移しましたが、G7会合後の声明で「必要に応じてエネルギー供給を支える用意がある」とのメッセージが示されたほか、トランプ大統領がイランへの軍事作戦について「想定以上に進展しており、戦闘はほぼ終了に近い」との認識を示したと伝わると、市場の緊張感が一気に後退。これまで積み上がっていた有事のドルロングが巻き戻され、ドル円は一気に158円台前半を割り込みました。
その後は米長期金利も低下に転じ、リスク回避ムードの緩和とあわせてドル売りが優勢な流れに。5分足チャートでは、200本移動平均線(赤)が完全に上値抵抗として機能し、NY後半にかけては戻りがすべて売られる形で下げ足を速め、最終的には157.60円前後まで下落して引けています。「原油ショックを材料にした急騰劇の反動調整で終わった一日」と整理できそうです。
今日の注目材料
| 時間 | 通貨 | 指標・要人 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 08:50 | 🇯🇵 | 第4四半期GDP【改定値】(前期比) | ⚡⚡⚡ | +0.1% | +0.3% |
| 08:50 | 🇯🇵 | 第4四半期GDP【改定値】(前期比年率) | ⚡⚡⚡ | +0.2% | +1.0% |
| 08:50 | 🇯🇵 | 名目GDP【改定値】 | ⚡⚡ | +0.6% | +0.8% |
| 08:50 | 🇯🇵 | GDPデフレーター【改定値】 | ⚡⚡ | +3.4% | +3.4% |
本日は、日本の第4四半期GDP【改定値】が東京時間の寄り付き直後に発表される点が最大の注目材料です。速報値からの上方修正幅が大きければ、「実体経済は想定より底堅い」との評価から、日銀の正常化ペースに対する思惑がややタカ派方向に傾き、長期金利上昇とともに円買いで反応する可能性があります。一方で、数字が予想を下回るか、ほぼ横ばいにとどまるようであれば、「利上げは急がない」との見方が再確認され、結果的に円安を後押しするシナリオも想定されます。
海外ではこれといった重要指標が予定されておらず、引き続き中東情勢や原油価格、G7のエネルギー政策に関するヘッドラインが相場を左右しそうです。昨日は「有事のドル買い」が一気に巻き戻されましたが、情勢そのものが完全に落ち着いたわけではなく、報道のトーン次第では再びリスク回避方向へ振れやすい点には引き続き注意が必要です。
今日の見通し
今日のドル円は、昨日の急騰・急落の揺り戻しをこなしながら、157円台後半〜158円台半ばを中心とした「高値圏での持ち合い」がメインシナリオになりそうです。朝方の日本GDPがサプライズになれば一時的にボラティリティが高まる可能性はありますが、海外勢は引き続き中東ヘッドラインと原油・金利・株価の組み合わせを見ながら、ポジション調整を優先する地合いと考えています。
ファンダメンタルズ分析
米国サイドでは、直近の雇用統計が弱い結果となった一方で、サービス業を中心とした景況感は依然として底堅く、FRBの利下げ開始時期を大きく前倒しするほどの材料にはなっていません。金融市場は「年内2〜3回の利下げ」シナリオをベースにしつつ、中東情勢悪化による原油高がインフレ再燃リスクを高めるのか、それとも景気下押し要因として意識されるのか、そのバランスを探る段階にあります。今回のG7による備蓄放出協議は、エネルギー価格の急騰を一定程度抑え込む効果が期待されるものの、地政学リスク自体は継続しているため、ニュースの出方次第で相場がぶれやすい状況が続きそうです。
日本側では、マイナス金利解除を含む政策修正は一巡したとみられるものの、賃金と物価の動向次第では「その後の利上げペース」をどう描くかが今後の焦点となります。今日のGDP改定値が強く出れば、賃金交渉や物価動向とあわせて、マーケットの一部で「日銀が想定よりも早いペースで追加引き締めに踏み切るかもしれない」との思惑が浮上する余地もあり、円の下値を支える材料になり得ます。ただし、原油高が長引けば日本経済にとってはマイナス要因でもあり、日銀としても過度な円安・物価高を放置しにくい一方で、急激な円高も避けたいという難しい舵取りを迫られている点は押さえておきたいところです。
テクニカル分析

日足チャートでは、昨日のローソク足は長い上ヒゲを伴う小陰線となり、158円台後半〜159円手前のゾーンで強い上値抵抗が意識されていることを示しています。それでも、終値は25日移動平均線(およそ156円台半ば)や一目均衡表の雲上限を明確に上回っており、中期的な上昇トレンド自体は維持されたままです。「156円台半ば〜157円前半が押し目候補、158円後半〜159円が上値の壁」というレンジの中で、高値圏のもみ合いに移行していると捉えるのが自然でしょう。
📈 移動平均線(25日・75日・200日)
25日線と75日線はいずれも緩やかな右肩上がり、200日線もゆっくりと上昇しており、中長期的には依然として「押し目買い優勢」のチャート形状です。現在レートは25日線と75日線のいずれも上に位置している一方、直近高値圏との乖離がやや拡大しているため、ここからさらに160円台方向を追いかけるには、ファンダメンタルズ面で新たな材料が求められそうです。テクニカルだけを見ると、157円台前半〜半ばへの調整があってもトレンド崩れには直結しない水準感と言えます。
📈 一目均衡表
一目均衡表では、ローソク足が厚めの雲を上抜けた位置で推移しており、先行スパンも上向きで比較的きれいな上昇トレンドを示しています。遅行スパンも実線の上側に位置しているため、中期的なトレンドは依然として上向きですが、目先は158円台後半のレジスタンスゾーンで何度か跳ね返されており、「上昇トレンドのなかでの高値圏調整」といった様相。下押しがあった場合には、156円台半ば〜後半に位置する雲上限+25日線の重なるゾーンが、テクニカル上の重要なサポートとして意識されます。
📈 MACD
MACDはゼロライン上でシグナル線をわずかに上回る形となっており、ヒストグラムもプラス圏を維持していることから、上昇モメンタムはまだ残っています。ただ、昨日の上ヒゲを伴う反落を受けて、ヒストグラムの伸びはやや鈍化しており、「強トレンドからもみ合いトレンドへの移行期」に入りつつある印象も否めません。今後、MACDとシグナル線の再度のゴールデンクロスが鮮明になれば160円方向の再トライが視野に入る一方、デッドクロスに転じるようであれば156円台半ばまでの調整を想定しておきたい局面です。

2026年3月9日 ドル円5分足チャート
5分足チャートでは、東京午前〜正午にかけて158円台前半から後半へと切り上がる安定した上昇トレンドを描いたあと、159円手前で頭打ちとなり、その後は158.30〜50円台を中心とするレンジへと移行。欧州時間のもみ合いを経て、NY時間後半にトランプ大統領の発言をきっかけとした急落が発生し、200本移動平均線の下抜けとともに157円台後半まで一気に下げる「上昇の往って来い」の形となりました。短期的には戻り売り優位の形状で、158円ちょうど〜前半が目先の戻り売りポイントとして意識されやすそうです。
シナリオ分析
↗ 上昇シナリオ(確率40%)
上昇シナリオでは、日本のGDPが予想を下回るかほぼ横ばいにとどまり、日銀の追加引き締め観測が後退する一方で、中東情勢をめぐる緊張感が再び高まり、原油と米長期金利が上昇するパターンを想定します。この場合、157円台後半で下値を固めたあと、再び158.30円、158.80円といったレジスタンスを試しに行く展開となりそうです。終値ベースで158.90円前後をしっかり上抜けることができれば、160円方向への上値余地も見えてきますが、その過程では円安けん制や介入警戒感が一段と強まるため、上昇スピードは段階的に鈍る可能性が高いでしょう。
↘ 下落シナリオ(確率60%・やや優勢)
下落シナリオでは、G7によるエネルギー供給支援への期待やトランプ大統領の「作戦早期終結」発言を受けて、原油高と有事のドル買いが一段と後退するケース、あるいは日本のGDPが市場予想を上回り、日銀の正常化ペース加速が意識されるケースを想定します。この場合、まずは157.40円前後のサポートを維持できるかが焦点で、ここを明確に割り込むと25日線の位置する157.00〜156.80円近辺まで下値余地が広がる可能性があります。さらに156.80円を終値ベースで下回るようであれば、「高値圏からの調整フェーズ入り」と見なされ、156円ちょうど〜半ばにかけてのサポートを試す流れを警戒したいところです。
時間帯別の展開予想
🕒 東京時間
東京時間は、まず08:50のGDP改定値が最初の山場となります。数字が強ければ、発表直後に157.50円台から一気に157円ちょうど近くまで円高が進む可能性もあり、逆に弱ければ158円台前半まで瞬間的に跳ね上がるシナリオも考えられます。ただ、その後は中東ヘッドライン待ちとなりやすく、指標直後の初動が一巡したあとは157.50〜158.20円程度のレンジに収れんしていくイメージです。指標前後はスプレッド拡大や値飛びも想定されるため、ポジション管理には注意したい時間帯です。
🕔 欧州時間
ロンドン勢参入後は、アジア時間の値動きを受けたポジション調整が中心となり、157.50〜158.30円あたりのレンジが意識されそうです。欧州株や原油先物の寄り付き動向、G7関連の続報次第では、一時的に上下どちらかに振れやすいものの、米国側に目立った指標がないことから、「原油・株・金利」の三点セットをにらみながらのレンジ取引がメインになると見ています。
🕙 NY時間
NY時間は、経済指標の予定が乏しい一方で、中東情勢に関する要人発言や追加報道が出やすい時間帯です。トランプ大統領や米軍関係者から「作戦縮小」「停戦交渉」など、緊張緩和を示唆するメッセージが増えるようであれば、158円台前半〜半ばを頭に157円台へとじり安となるシナリオがメイン。一方で、軍事行動の拡大や原油供給不安をあおるようなニュースが入れば、一気に158.50円超えを試す展開もあり得ます。方向感が出るのはむしろNY後半になりやすく、深夜帯の急変動には要注意です。
今日の予想レンジ
↕ 予想レンジ:157.00円〜158.80円
今日は、157.00円〜158.80円のレンジをメインシナリオとします。東京時間はGDP改定値をきっかけに上下に振れたあと、157円台後半〜158円台前半へと落ち着き、欧州〜NY時間にかけて中東ヘッドライン次第でレンジ上限または下限方向を試す展開をイメージしています。
🔼 上値抵抗線:158.30円、158.80円、159.20円
上方向では、まずは昨日も何度か上値を抑えられた158.30円前後が目先のレジスタンス。その上の158.80円近辺は「159円手前での戻り売り」が出やすいゾーンであり、ここを終値ベースで明確に上抜けることができれば、昨年高値圏である159円台前半〜半ばを視野に入れた上昇局面に入る可能性があります。ただし、158円台後半〜159円台では当局の円安けん制発言や介入警戒感が急速に高まりやすく、上値追いの際はポジションサイズを抑えるなどリスク管理を徹底したいところです。
🔽 下値支持線:157.40円、157.00円、156.70円
下方向では、まず157.40円前後に、昨日のNY終盤の下げ止まり水準と短期サポートが重なっており、ここが最初の防衛ラインとなりそうです。157.40円を割り込むと、25日線が走る157.00円近辺までの下押しを警戒する必要があります。この157円ちょうどは、直近のもみ合いの中心でもあり、テクニカル上は「トレンド継続か調整拡大か」を分ける水準。157円を明確に割り込むと、次は156.70円付近のサポートを試す流れとなり、その下は一目均衡表の雲上限や過去のレジスタンスが控える156円台半ばまで視野に入ってきます。
💥 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、原油価格が再び急騰し、中東情勢の緊張が高まるなかで米長期金利が一段と上昇、かつ日本のGDPが弱めの結果となって円売りが強まるケースが考えられます。この場合、158.80円を明確に突破し、NYクローズでも158円台後半〜159円台を維持するようであれば、160円乗せを視野に入れたトレンド相場に移行する可能性があります。
下方向のブレイクアウト条件としては、G7や米国からエネルギー供給に関する追加支援策が打ち出され、原油高と有事のドル買いが大きく後退するなかで、日本のGDPが予想を上回る強い数字となるパターンです。このシナリオでは、157.00円を一気に割り込み、156円台半ば付近でクローズするような動きとなれば、「高値圏からの本格調整入り」と見なされ、戻り売り優勢の地合いにシフトすると考えられます。
⚠️ 注意すべきリスク要因
今回の相場では、
・中東情勢を巡る軍事行動の拡大や停戦報道
・G7や産油国からの追加コメント、協調備蓄放出の具体化
・トランプ大統領やFRB高官の発言内容
といったヘッドラインが、テクニカルレベルを簡単に飛び越える値動きを引き起こすリスクがあります。また、直近の有事相場で投機的なポジションが膨らんでいる可能性も高く、「一方向に走り出したあと、わずかなニュースで急反転する」といったボラティリティの高い地合いが続きやすい点にも注意が必要です。
☑️ 投資判断における留意点
値動きが荒く、ニュースヘッドライン次第で相場観が一変しやすい局面では、「どこを損切りラインにするのか」「どの時間帯で勝負するのか」を事前に決めておくことが何より大切です。今日は、
・157.00円割れ、あるいは158.80円超えなど、自分なりの「分岐点」を決める
・指標直後やニュース直後の値飛びに無理に飛び乗らず、数分〜数十分待ってからエントリーする
・1回あたりの許容損失額をあらかじめ固定しておく
といった基本を徹底し、「取れるところだけを取りに行く」スタンスで臨みたいところです。相場が読みにくいと感じたときは、あえて様子見を選ぶのも立派な戦略。ルールに忠実なトレードを心掛けていきましょう。
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