おはようございます。Trader MTです。週明けのドル円は、中東情勢の緊迫化を背景とした「有事のドル買い」と、原油高を嫌気した円売りが重なり、156円台前半から一時157円台後半まで上昇する展開となりました。氷見野日銀副総裁が「利上げの影響は限定的で、金融環境は依然として緩和的」と述べたことも、円の上値を重くする要因に。地政学リスクと金融政策の思惑が交錯するなかで、157円台に乗せてきた動きが今日以降も続くのか、やや神経質なスタートになりそうです😌(公開時刻:07:58/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、東京早朝にかけて155円台後半まで売りが先行したものの、その後はイラン情勢の緊迫化を受けた「有事のドル買い」が強まり、156円台を回復。日中は日経平均の大幅安や原油高などをにらみつつも、156円台前半〜後半で底堅く推移しました。欧州時間に入ると中東情勢の先行き不透明感から再びドル買い・円売りが優勢となり、NY時間には157円台半ばまで水準を切り上げています。
結果として、始値155.944円、高値157.750円、安値155.944円、終値157.349円と、日足ベースではほぼ安値から高値方向へ駆け上がるような長い陽線となりました。地政学リスクの高まりによる安全資産としてのドル需要と、原油高が日本経済に与える悪影響への懸念からの円売りが重なり、「リスク回避の円高」ではなく「有事のドル高・円安」という少し歪んだリスクオフ相場になっている点には注意が必要です。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月2日 | 155.944 | 157.750 | 155.944 | 157.349 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
東京時間のドル円は、週明けの中東情勢悪化を受けて序盤こそ155円台後半まで売られたものの、その後は米・イスラエル軍によるイランへの軍事攻撃報道を背景に「有事のドル買い」が優勢となり、156円台後半まで切り返しました。原油先物相場が急伸し、ホルムズ海峡の封鎖懸念からエネルギー供給懸念が強まるなか、リスク回避の動きが株式市場では売り圧力として現れる一方、為替市場ではドル需要の高まりとして現れた格好です。
午前中には、氷見野日銀副総裁が講演で「これまでの利上げによる企業・家計への影響は限定的で、金融環境は依然緩和的な領域にある」と発言。これを受けて一時的に156円前後まで押し戻される場面もありましたが、「日銀は急激な引き締めに動きにくい」という見方が改めて意識されると、押し目ではドル買い・円売りが入りやすく、5分足チャートでも25本移動平均線が徐々に右肩上がりへと転じています。
欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ロンドン勢も中東情勢の不透明感を背景にドルロングを積み増す動きがみられ、ドル円は156円後半〜157円ちょうど付近まで水準を切り上げました。WTI原油が一時1バレル=70ドル台後半まで急騰するなか、「原油高は日本の貿易収支悪化や実体経済の下押し要因になりやすい」との見方から、円売りがやや目立ったとの指摘も出ています。
NY時間では、有事のドル買いと米長期金利の4%台回復が重なり、ドル円は157円台半ばまで上昇。10年債利回りの持ち直しに加え、「原油高がインフレ圧力を再燃させるのでは」との思惑もあり、FRBの早期利下げ観測がやや後退したこともドルを支援しました。一方で、157円台後半では日本当局による為替介入への警戒感もくすぶっており、上値では利食い売りや戻り売りも散見され、ニューヨーククローズにかけては157円前半でのもみ合いに移行しています。
今日の注目材料
| 時間 | 国・地域 | 内容 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 13:00 | 🇯🇵 | 植田日銀総裁 発言(フィンテックフォーラム) | ⚡⚡ | ― | ― |
| 23:55 | 🇺🇸 | ウィリアムズNY連銀総裁 発言 | ⚡⚡ | ― | ― |
| 23:55 | 🇺🇸 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 発言 | ⚡⚡ | ― | ― |
今日は、指標面では目立ったものがなく、日銀・FRB要人の発言が中心となります。植田総裁の発言は、フィンテックフォーラムでの挨拶・パネルであり、通常の金融政策決定会合とは位置付けが異なりますが、最近の賃金・物価動向やマイナス金利解除のタイミングに関するニュアンスがあれば、円相場が一時的に敏感に反応する可能性はあります。
一方、NY時間にはタカ派寄りとされるカシュカリ総裁、比較的中立的なウィリアムズ総裁の発言が予定されています。中東情勢悪化や原油高が続くなか、「インフレ再燃リスク」にどの程度言及するのか、また利下げ開始時期に関するトーンが強まるのかによって、米長期金利とドルの方向感が左右される可能性があります。もっとも、今日一日でトレンドが決まるというよりは、地政学リスク・原油価格・米金利の動きと合わせて総合的に判断される局面といえるでしょう。
今日の見通し
今日のドル円は、157円台を維持できるかどうかが一つの焦点になりそうです。東京時間は中東情勢のヘッドラインに一喜一憂しつつも、前日の上昇の反動から157円前後での利食い売りと押し目買いが交錯する展開をイメージしています。欧州〜NY時間にかけては、原油価格と米長期金利の動向、そしてFRB要人の発言内容次第で、157円台半ばから上を試す動きと、156円台後半への調整の両シナリオを抱えた「ニュース待ち相場」となりやすいでしょう。
ファンダメンタルズ分析
現在のドル円を動かしている主な材料は、①中東情勢の緊迫化、②原油高とインフレ再燃懸念、③日米金融政策スタンスの差の3点です。イランへの大規模軍事作戦やホルムズ海峡の事実上の封鎖観測を受けて、エネルギー供給の停滞懸念が高まり、WTI原油先物は一時75ドル近辺まで急騰しました。
原油高は世界的にインフレ再加速リスクを意識させる一方で、日本のようなエネルギー輸入国にとっては貿易収支悪化や企業収益圧迫を通じて景気の下押し要因にもなり得ます。市場では「日本経済への悪影響を懸念した円売り」や「リスク回避の有事のドル買い」が同時に進んでおり、ドル円は円高ではなく円安方向へと振れやすい構図になっています。
日銀サイドでは、氷見野副総裁が「利上げによる影響は限定的」「金融環境は依然緩和的な領域」と述べたことで、日銀が急ピッチで追加利上げや量的引き締めを進める可能性は高くないとの見方が広がっています。一方、FRBはエネルギー価格の上昇を見ながらも、インフレ動向と金融環境を注視しつつ、利下げ開始のタイミングを慎重に見極めている段階です。こうした日米のスタンスの違いが、地政学リスクのなかでも「ドル高・円安基調を下支えしている」というのが現状のファンダメンタルズと言えるでしょう。
テクニカル分析

日足チャートでは、昨日のローソク足が長い陽線となり、一目均衡表の雲上限から上方へ抜け出す形で157円台に乗せてきました。直近の押し目となっていた152〜153円台から見ると、中期上昇トレンドのなかでの「戻り試し」局面が再び強まっている印象です。とはいえ、昨年から何度も介入警戒が意識されてきた157〜158円台に再接近してきており、上値追いは慎重になりやすい水準でもあります。
📈 移動平均線(25日・75日・200日)
25日線(青)はわずかに横ばいから再び上向きに転じつつあり、75日線(黄)も緩やかな上昇基調を維持。200日線(赤)は150円台前半でしっかり上昇を続けており、長期トレンドとしては依然「ドル高・円安」が優勢です。現在のレートは25日線と75日線の上側に位置しており、「中期トレンドの押し目完了から再上昇を試す局面」とも解釈できますが、157円台後半〜158円近辺には戻り売りオーダーも控えていそうです。
📊 一目均衡表
ローソク足は厚めの雲の上に位置し、基準線・転換線もともに上向き。遅行スパンも実線の上側を推移しており、総じて「三役好転に近い強気寄りの形」になりつつあります。ただし、雲上限と157円台後半のレジスタンスゾーンが重なっているため、一気に上抜けしてトレンド再加速というよりは、雲上限付近でのもみ合いを経ながら方向性を探る展開になる可能性もあります。
📉 MACD
MACDはゼロライン付近のマイナス圏からシグナル線を上抜け、ヒストグラムもプラス圏へ浮上しつつあります。売り圧力が徐々に弱まり、短期的な上昇モメンタムが回復し始めたサインです。ただし、まだ極端な買われ過ぎという水準ではなく、「上値余地を残した戻り局面」というニュアンスが強い印象。中東情勢のヘッドライン次第では、一時的なオーバーシュートにも注意したいところです。

5分足では、東京時間の156円台前半から欧州〜NY時間にかけて、25本移動平均線と75本線の上側で推移するきれいな上昇トレンドが出現しました。NY序盤では中東情勢悪化を受けた買いが加速し、一気に157円台半ばまで上伸。その後は157円台前半〜半ばでもみ合いに移行し、200本線が156円台後半からじわじわと切り上がってきていることから、短期的にも「下がれば買われやすい地合い」が続いていると整理できます。
シナリオ分析
↗ 上昇シナリオ(確率45%)
中東情勢の緊迫化が続き、原油高と米長期金利上昇が重なるなかで、「有事のドル買い+日米金利差拡大期待」が意識されるケースです。植田総裁の発言が金融政策面で無難な内容にとどまり、FRB要人がインフレ再燃リスクを警戒するタカ派寄りのトーンを強めた場合、ドル円は157円台半ば〜後半のレジスタンスを再び試し、158円台方向への上抜けトライとなる可能性があります。
この場合、目先の焦点は157.80〜158.00円ゾーンを明確に上抜けられるかどうか。ここを終値ベースでクリアできれば、「152〜153円台への押し目は完了し、再び高値圏レンジに復帰した」との見方が強まり、昨年の高値圏である158円台後半〜159円方向も視野に入ってきます。ただし、158円台に入ると為替介入警戒が一段と高まりやすく、急落リスクも同時に抱える点には注意が必要です。
↘ 下落シナリオ(確率55%・メインシナリオ)
上昇シナリオに対しては、既に中東リスクや原油高がある程度織り込まれていることや、157円台後半で介入警戒が意識されやすいことから、基本的には「上値の重さを確認しながらの調整」がメインシナリオと考えています。具体的には、地政学リスクに関する新たな材料が出ず、FRB要人も極端にタカ派なメッセージを出さなかった場合、157円台前半から徐々に上値を切り下げ、156円台後半〜半ばへの押し目を試すイメージです。
この場合、まずは156.50〜156.70円付近のサポートが意識されます。ここは5分足の200本線や、日足ベースでも短期サポートが集まりやすい水準であり、ファンダメンタルズが急激に変化しない限り、1回目のトライでは買いが入りやすいゾーンです。ただ、ここを下抜けてしまうと、156円ちょうど〜前日安値近辺の155.80円台まで、やや深めの調整レンジ入りとなる可能性もあります。
時間帯別の展開予想
🕒 東京時間
東京時間は、中東情勢のヘッドラインと株式市場の寄り付き動向をにらみながら、157円前後を中心とした神経質なレンジを想定します。植田総裁のフィンテックフォーラムでの発言は、基本的にはデジタル金融や金融インフラに関するテーマが中心とみられますが、物価・賃金や金融政策の出口戦略に踏み込んだコメントがあれば、一時的に円買い・円売りのどちらかに振れやすくなります。ただ、イベント性よりも地政学リスクの方が相場インパクトは大きく、ヘッドラインには引き続き注意が必要です。
🕔 欧州時間
ロンドン勢参入後は、原油や欧州株の動きと中東情勢のニュースフローを織り込みながら、157円台前半〜半ばでの方向感探しが続きそうです。新たな軍事行動の報道や、停戦に向けた外交的な動きなど、どちらかに偏ったヘッドラインが出れば、ドル円も短時間で50銭〜1円程度振れる余地がありますが、その後は米金利や米株先物の動きを確認しながら再びレンジに収れんするパターンも想定されます。
🕙 NY時間
NY時間は、ウィリアムズ総裁とカシュカリ総裁の発言が予定されている23時55分以降が一つのヤマ場です。インフレや労働市場についてタカ派寄りの発言が目立てば、米長期金利の一段高とともにドル買い・円売りが再び強まる可能性があります。一方で、地政学リスクを踏まえた景気下振れリスクに言及し、「必要なら利下げも辞さない」といったニュアンスが強まれば、金利低下を通じたドル売りのきっかけになり得ます。ただし、いずれのケースでも中東情勢や原油市況と組み合わさって相場が評価されるため、単一のイベントで一方向に走り続けるというよりは、「上下に振れながら徐々に市場コンセンサスが形成されていく」イメージで見ておきたいところです。
今日の予想レンジ
↕ 予想レンジ:156.30円〜158.00円
地政学リスクと要人発言をにらみつつも、前日の大きな上昇の後ということもあり、今日はやや広めに156.30〜158.00円のレンジを想定します。東京〜欧州時間は157円前後を中心としたもみ合い、NY時間はFRB要人の発言や米金利の動きを受けてレンジ上下限を試す展開をイメージしています。
🔼 上値抵抗線:157.80円、158.00円、158.50円
上方向では、まず昨日の高値圏に近い157.80〜158.00円ゾーンが最初の難所になります。ここは心理的節目の158円と重なるため、利食い売りや介入警戒のヘッドラインに敏感になりやすい水準です。これを上抜けて158.50円付近まで定着するようであれば、有事のドル買いと日米金利差拡大期待が相まって、昨年の高値圏を意識した「上振れリスクシナリオ」に入る可能性も出てきます。
🔻 下値支持線:156.70円、156.30円
下方向では、まず156.70円前後(前日NY時間の押し目+短期移動平均線付近)が浅めのサポートとして意識されます。ここを割り込むと、5分足200本線や日足の短期サポートが意識される156.30円付近まで下落する可能性があります。この水準は直近の押し目候補としても重要で、終値ベースで下抜けるようだと、155円台後半〜156円ちょうどを中心とした新たなレンジへシフトするリスクが高まります。
💥 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件は、「中東情勢の一段の悪化+原油高継続+FRB要人のタカ派発言」が重なり、158円台で引けるような展開です。この場合、有事のドル買いとインフレ再燃懸念が同時に意識され、短期的には上値追いが加速する一方、介入警戒も急速に高まりやすくなります。
下方向のブレイクアウト条件は、「停戦や緊張緩和に向けた明確な動きが出て原油が反落し、FRB要人がハト派寄りのメッセージを発した結果、156円台前半を割り込んで155円台後半まで押し戻されるケース」です。この場合、有事のドル買いの解消と金利低下が重なり、中期的な調整局面への入り口となる可能性があります。
⚠️ 注意すべきリスク要因
現在の相場は、中東情勢のヘッドライン次第で短時間に大きく振れやすい環境です。軍事行動の拡大や停戦協議の進展、各国首脳の発言など、どちらの方向にも影響し得るニュースが相次ぐ可能性があります。また、原油価格の急騰・急落は、インフレ期待や金利市場を通じてドル円に波及するため、為替だけでなくコモディティ・金利・株式市場の動きも合わせて確認したいところです。加えて、157〜158円台では日本当局による口先介入や実弾介入への警戒感もくすぶっており、急激な円高への巻き戻しリスクも頭の片隅に置いておきたい場面です。
☑️ 投資判断における留意点
今日のように地政学リスク主導でボラティリティが高まりやすい局面では、「ニュースの一行だけで飛び乗らない」ことが特に大切だと思います。
・どの水準を背にロットを落とすのか(例:158円手前でのショート、156.30円近辺での押し目買い など)
・どの時間帯で勝負するのか(東京の薄い時間か、欧州・NYの厚い時間か)
・想定外のヘッドラインが出たときの「撤退ライン」はどこに置くのか
を事前に決めておくことで、感情的なトレードを抑えやすくなります。
有事相場はどうしても「取り損ねたくない」気持ちが強まりがちですが、自分のルールから外れるトレードは、長い目で見るとパフォーマンスをむしろ悪化させます。無理に全部を取りに行くのではなく、「取りに行く局面」と「見送る局面」をしっかり分けていきたいですね。
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