おはようございます。Trader MTです。昨日のドル円は、米雇用統計を受けて乱高下する中、一時152円台後半まで急速に円高が進んだあと、153円台前半で引ける展開となりました。東京市場が祝日で休場だったこともあり、薄商いのなかで米景気減速懸念と利下げ前倒し観測が意識されやすく、ボラティリティの高い一日でしたね。今後は、雇用統計の強弱をどう解釈するかに加え、高市政権の財政運営や政府・日銀の介入スタンスも含め、より俯瞰的にドル円の行方を見ていく必要がありそうです😌(公開時刻:08:22/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、東京が建国記念の日で休場となるなか、早朝の154円台前半からスタートしました。アジア時間は、前日の米指標を受けた米景気減速懸念や、ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長による「今後数カ月は雇用の伸びが鈍化する可能性」との発言を材料に、海外勢主体の円買いが強まり、じわじわと水準を切り下げる展開に。薄商いのなかで値が飛びやすく、一時は153円台前半までドル安・円高が進みました。
欧州時間に入っても円高の流れは続き、ロンドン午前には153円前半での小動き。ニューヨーク時間では、予想を上回る強めの米雇用統計を受けて一時154円台半ばまで急反発したものの、その後は米長期金利の上昇が続かず、利下げ前倒し観測とポジション調整のドル売りが再び優勢となりました。最終的に、始値154.371円、高値154.650円、安値152.549円、終値153.224円と、日足では上値・下値ともに広げた長めの陰線でクローズしています。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年2月11日 | 154.371 | 154.650 | 152.549 | 153.224 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間(アジア時間)
11日の東京市場は祝日で休場だったものの、アジア時間のドル円は前日のニューヨーク市場で進んだドル安・円高の流れをそのまま引き継ぐ形でスタートしました。早朝は154円台前半でもみ合ったあと、時間の経過とともに米景気減速懸念に絡んだドル売りがじわじわと強まり、155円台からの戻り売りをこなしながら153円台半ば、さらには153円ちょうど近辺へと水準を切り下げました。
昼過ぎにかけては、米雇用統計を目前に控える中で、前日から続く円ショートの巻き戻しや裁定取引の手仕舞いが重なり、流動性の乏しいアジア市場で円買いが加速。5分足チャートでは、154円台前半から152円台後半までほぼ一方向に下げるトレンドが確認でき、オフショア市場の一部ではストップロスを巻き込みながら値が飛ぶ場面も見られました。東京勢が不在の中での急伸(円高)は、イベント前のポジション調整色が濃い動きだったと言えそうです。
欧州・NY時間
ロンドン勢参入後の欧州時間は、アジアでつけた153円台前半での小動きに終始しました。高市政権の積極財政運営に対する市場の見方や、日本の財政・金利動向への警戒感がくすぶる一方で、主導権を握ったのはあくまで米サイドの材料。米景気減速を意識したドル売りと、米金利の底堅さを背景にしたドル買いが綱引きするなか、雇用統計待ちで新規のフローは次第に細りました。
ニューヨーク時間入り後、注目の米1月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回る増加となり、一見「ドル買い材料」と受け止められる内容でした。発表直後にはアルゴリズム取引も巻き込みながら、ドル円は一気に154円台半ばまで急反発。しかし、雇用の底堅さが示される一方で賃金の伸びは鈍化傾向をにじませており、失業率も高止まりしているとの見方から、米長期金利は上昇一服。利下げ前倒し観測が完全に後退したわけではないとの判断から、ドル買いは長続きせず、その後は153円台前半〜半ばへと押し戻されました。
NY後半には、上昇と下落が何度も入れ替わる「乱高下」の値動きとなりましたが、最終的には153円台前半での引け。5分足ベースでは、雇用統計直後の急騰・急落のスパイクを挟みつつも、欧州時間から続く153円台を中心としたレンジに回帰しており、「強い雇用統計=ドル高」とはならず、むしろ米景気の先行き不透明感と利下げ時期をめぐる思惑が交錯する、難しい相場だった印象です。
今日の注目材料
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 22:30 | 🇺🇸 | 新規失業保険申請件数 | ⚡⚡ | 23.1万件 | 22.4万件 |
本日は、米週間新規失業保険申請件数が主な注目指標です。単体ではサプライズが出ない限り、昨日の雇用統計ほど相場を大きく動かすイベントではありませんが、「雇用の減速が一時的なのか、それともトレンドとして鮮明になりつつあるのか」を見極めるうえでの補助材料として意識されます。結果が予想より悪化すれば、昨日の円高・ドル安の流れを引き継いで利下げ前倒し観測が再燃しやすく、一方で予想より強い内容であれば、雇用統計を受けたドル売りの巻き戻しが進む可能性もあるでしょう。
とはいえ、足元のドル円相場を動かしているのは、個別指標というより「米景気減速懸念と利下げ時期を巡るFRBのスタンス」「高市政権下での日本の財政・金利政策」「政府・日銀による為替介入への警戒感」といった、より大きなテーマです。今日の失業保険統計は、こうしたストーリーの中で位置づける必要があり、この指標だけをもって上昇・下落を語るのは危険だと考えています。
今日の見通し
今日のドル円は、昨日の大きなイベントである米雇用統計を通過した直後ということもあり、基本的には「雇用統計の内容消化とポジションの整理」がテーマになりそうです。153円台前半を中心に、152円台後半〜154円台前半のレンジで、戻り売りと押し目買いが交錯する展開をメインシナリオと見ています。雇用統計はヘッドライン上は強めの結果だった一方で、賃金や失業率には力強さを欠く部分もあり、市場の解釈が分かれやすい内容でした。そのため、「ドル高トレンドへの回帰」と見る向きと、「景気減速のサインが増えている」と見る向きのせめぎ合いが続きやすい局面と言えるでしょう。
ファンダメンタルズ分析
米国では、雇用はなお底堅さを保っているものの、小売売上高や雇用コスト指数などに減速の兆しが見え始めており、「ソフトランディング」を意識しつつも、どこまで景気スローダウンが進むのかが焦点になっています。ハセットNEC委員長の「今後数カ月は雇用の伸びが鈍化する可能性」との発言は、市場にとっては、雇用統計の数字だけを見て安心するにはまだ早いというシグナルでもあります。さらに、中国が米国債保有を抑制しているとの報道も相まって、米金利やドルに対する先行き不透明感がくすぶっています。
日本側では、衆議院選挙での与党圧勝と高市政権の発足により、一定の政治的安定は意識されつつも、積極財政が長期的な金利・財政にどう響いてくるのかが新たなテーマになりつつあります。加えて、片山財務相や財務官、官房長官らから続く「為替はファンダメンタルズを反映する形で安定的に推移することが望ましい」といったメッセージは、157円台以降での円安進行に対するけん制として市場に強く意識されています。実際、最近は157円台に乗せる場面では上値追いが鈍く、介入の思惑もあってドルロングの積み上げは慎重にならざるを得ない状況です。
テクニカル分析

日足チャートでは、昨日のローソク足が長めの陰線となり、実体部分が前日の安値を大きく下抜けて152円台後半まで下押ししたあと、153円台前半で引けています。直近の高値圏(157円台後半〜158円近辺)からの調整局面が続いており、一目均衡表の雲上限付近まで食い込む形で下押ししたことで、「強い上昇トレンドがいったん一服し、ひとつ下のレンジに移行しつつある」印象が強まっています。
📈 移動平均線(25日・75日・200日)
25日移動平均線(青)は155円台後半で横ばいからやや下向きに転じつつあり、短期的なモメンタムの鈍化を示唆しています。75日移動平均線(黄色)は155円台前半でなお上向きを維持しているものの、現在レートは両線を明確に下回って推移しており、「中期上昇トレンドの中での調整局面」という色合いが濃くなっています。一方、200日移動平均線(赤)は150円台前半で緩やかな上昇を続けており、長期トレンドそのものが崩れたとは言い難い状況ですが、25日線と75日線の傾きがさらに弱まるようなら、トレンド減速のシグナルとして注意が必要です。
📈 一目均衡表
一目均衡表では、ローソク足が雲の上限〜内部にかかる水準で推移しており、これまでサポートとして意識されていた雲上限(おおよそ153円台前半〜半ば)が、短期的には攻防の分岐点になっています。遅行スパンは実線付近に接近しており、ここから実線を明確に下抜けるようだと、トレンドの弱気転換が意識されやすくなります。ただし、雲自体は依然として上向きに推移しているため、152円台後半〜153円台前半のゾーンは「中期上昇トレンド内の押し目候補」としても注目されるエリアと言えそうです。
📈 MACD
MACDはゼロライン近辺のマイナス圏で推移しており、シグナル線の下側を走る形が続いています。昨日の下落でMACDヒストグラムのマイナス幅は再び拡大しており、短期的な下落モメンタムが強まりつつある状況です。一方で、直近安値圏ではヒストグラムの伸びが極端に大きくなっているわけでもなく、「売られ過ぎシグナル」が点灯しているとまでは言えません。今日以降、153円台前半での下げ渋りが続くようであれば、MACDのダイバージェンス(価格は安値更新でも指標は下げ渋り)に発展するかどうかも注目ポイントになりそうです。
5分足チャートを見ると、アジア時間〜ロンドン午前にかけては、25本移動平均線(青)と75本線(黄)の下側で推移する明確な下落トレンドを形成しており、152円台後半まで一気に売り込まれました。その後、ロンドン午後からNY序盤にかけては153円台前半〜半ばでの戻り基調となり、雇用統計発表直前には一時200本線(赤)付近まで切り返しています。指標発表直後には、スパイク状の上ヒゲ・下ヒゲを伴う乱高下となりましたが、結局は25本・75本線近辺に収れんしてクローズしており、「急落後の戻り売りと買い戻しがせめぎ合う持ち合い局面」に移行しつつあるように見えます。
シナリオ分析
↗ 上昇シナリオ(確率40%)
上昇シナリオでは、昨日の雇用統計を市場が「米景気は減速しているものの、リセッションに陥るほどではない」とポジティブに解釈し直し、今日の新規失業保険申請件数も落ち着いた内容にとどまるケースを想定します。米長期金利が4%台半ばへじり高となり、株式市場もリスクオンの流れを維持するようであれば、これまで積み上がったドルショートの巻き戻しが進み、ドル円は153円台後半〜154円台半ばにかけて戻りを試す展開が考えられます。
この場合、まずは153.80円近辺(NY時間で何度か上値を抑えられた水準)を明確に上抜けられるかがポイント。その上には、日足ベースでの戻りの節目となる154.20〜154.50円ゾーン、さらに25日・75日移動平均線が位置する155円台前半〜半ばが控えています。154円台後半を終値ベースで回復できれば、「152円台後半までの下落は一時的なスパイクだった」との見方が強まり、再び156円台方向への戻りを模索する動きが意識されるでしょう。ただし、157円台に近づくにつれて介入警戒感が強まるため、上昇余地は段階的に限定されやすい点には注意が必要です。
↘ 下落シナリオ(確率60%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、雇用統計後も米景気減速懸念がくすぶり続け、今日の新規失業保険申請件数が予想より悪化する、または前回値が上方修正されるなどして、「労働市場の軟化」が改めて意識されるケースを想定します。この場合、米長期金利は再び上昇が重くなり、米株式市場も調整色を強めることで、安全資産としての円買い・ドル売りが再度優勢となりやすい地合いとなります。
具体的には、153円ちょうど〜153.20円付近のサポートを下抜けると、テクニカルな売りとストップロスを巻き込みながら、昨日の安値に近い152.50〜152.70円ゾーンを再度試す展開が想定されます。ここを割り込むと、一目均衡表の雲下限や日足ベースの節目が意識され、152円ちょうど前後、さらには151円台後半まで下値を探るリスクも出てきます。雇用統計が「強いヘッドラインの割に質はそれほど良くない」と評価されている現状では、下方向へのバイアスがやや強いと見ておいた方が無難かもしれません。
時間帯別の展開予想
🕒 東京時間
東京市場は祝日明けとなるため、朝方は昨日の海外市場の動きを受けたギャップ調整と、実需のフローが交錯しやすい時間帯です。153円前後を中心に、輸入企業の押し目買いと輸出企業の戻り売りがぶつかりやすく、日経平均や国内金利の動きも含めながら、じわじわとレンジの中心が探られるイメージ。大きなイベントを通過した直後ということもあり、東京時間単体でトレンドが大きく発生する可能性は高くありませんが、152円台後半や154円台前半といった節目を明確に抜けた場合には、海外勢がその動きに乗ってくる可能性もあります。
🕔 欧州時間
ロンドン勢参入後は、東京時間のレンジを引き継ぎつつ、欧州株や債券市場の動きを織り込む形でポジション調整が進むと見ています。153円台前半〜半ばでは戻り売りと押し目買いが交錯し、どちらかといえば「NY時間に備えたポジションの整理」が中心になりそうです。欧州発の材料やヘッドラインが乏しければ、152.80〜153.80円程度のレンジ内での往来がメインシナリオ。一方で、米景気やFRBのスタンスに関するコメントが出た場合には、米金利先物主導で先行して動く可能性もあるため、その場合はNY序盤での反応も含めて慎重に追いかけたいところです。
🕙 NY時間
NY時間は22時30分発表の新規失業保険申請件数がひとつの山場ですが、雇用統計に比べれば単発のインパクトは限定的になりやすく、「結果と同時にマーケットがどう解釈するか」がより重要になります。すでに雇用統計というビッグイベントを通過しているため、指標直後に一方向へ走っても、その後30分〜1時間ほどで反動が出るパターンも想定しておきたいところです。米長期金利と株価指数、他のドルストレート通貨の動きとセットで確認し、ドル円だけの値動きに振り回されないようにしたいですね。
今日の予想レンジ
↕ 予想レンジ:152.50円〜154.50円
昨日の高ボラティリティを踏まえつつも、雇用統計通過後ということを考慮し、今日はやや広めながらも152.50円〜154.50円のレンジを想定します。東京〜欧州時間は153円近辺を中心とした持ち合いをメインシナリオとし、NY時間の指標結果と米金利・株価の反応次第で、レンジ上限または下限を試す動きが出るイメージです。
🔼 上値抵抗線:153.80円、154.20円、154.50円
上方向では、まずNY時間で何度か頭を抑えられた153.80円近辺が最初のレジスタンス。その上の154.20円前後は、日足の戻り高値や短期レジスタンスラインが重なるゾーンであり、ここを一気に抜けて終値ベースでも定着できるかが、反発トレンドの強さを測るうえでひとつの目安になります。さらに154.50円を上抜けるようなら、155円台前半〜半ばまでショートカバーを巻き込みながら上伸する余地もありますが、155円台後半〜157円台では再び介入警戒と要人発言リスクが意識されやすく、上昇の勢いは徐々に鈍りやすいと見ています。
🔻 下値支持線:153.00円、152.50円
下方向では、まず心理的節目としての153.00円ちょうど付近が最初のサポート候補です。ここを明確に割り込むと、昨日の安値圏に近い152.50円前後までの下押しを試すリスクが高まります。152.50円は日足の安値と雲の下限が意識されやすいゾーンであり、いったんは押し目買いが入りやすい価格帯ですが、終値ベースでこの水準を割り込んでしまうと、151円台後半〜150円台前半にかけて、中期的な調整レンジへの移行を視野に入れざるを得なくなります。
💥 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件は、「新規失業保険申請件数が予想より少なく、かつ株高・金利高のリスクオンが素直に進み、NYクローズまでに154.50円を明確に上回って推移すること」です。この場合、翌営業日以降もショートカバーを巻き込みながら155円台半ば〜後半、さらには157円方向への高値追いが視野に入ります。
下方向のブレイクアウト条件は、「指標や要人発言をきっかけに153.00円を割り込み、152.50円のサポートもほとんど反発らしい反発がないまま下抜けて、152円台前半〜151円台後半でクローズすること」。このケースでは、中期的な調整トレンド入りを意識しつつ、戻り売り優位の地合いがしばらく続くと考えるべきでしょう。
⚠️ 注意すべきリスク要因
本日の相場で注意したいのは、
・新規失業保険申請件数の結果そのものよりも、「雇用統計をどう補完する数字として解釈されるか」
・前回値の大きな改定や、関連するコメント(FRB高官・ホワイトハウス・財務省など)
・日本側からの円安けん制発言や、介入を連想させるようなヘッドライン
といった点です。特に、昨日のようにボラティリティが高い局面のあとでは、流動性が十分に戻っておらず、比較的小さなニュースでも値が飛びやすくなります。スプレッドの拡大や約定の滑り(スリッページ)も起こりやすいため、指標前後のロット管理にはいつも以上に気を配りたいところです。
☑️ 投資判断における留意点
昨日の雇用統計で大きく振らされたトレーダーも多いと思いますが、こうした高ボラティリティ局面の翌日は、とくに「取り返したい気持ち」が強くなりやすいタイミングです。今日は、
・どの水準を背にポジションを取るか(152.50円割れか、154.50円超えか)
・どの時間帯で勝負するか(東京の実需中心か、NYの指標後か)
・1回のトレードで許容できる損失額はいくらか
といったルールを事前に決めておき、「条件が揃ったときだけエントリーする」という姿勢を徹底したいところです。チャンスを待つことも立派な戦略ですので、焦らず、自分の得意なパターンだけを丁寧に拾っていきましょう。
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