おはようございます。Trader MTです。ドル円は156円台前半で年末らしいこう着が続いていますが、今夜深夜のFOMC議事録公表をきっかけに一方向へ振れる可能性もありそうです。日中はポジション調整中心の流れを想定しつつ、イベント前後の急な値動きにはしっかり備えておきたいですね。それでは、今日もサクッと見通しを確認していきましょう😌(公開時刻:07:32/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、FOMC議事録公表を控えるなか、156円台前半を中心とした高値圏での持ち合いが続きました。東京時間は156円ちょうど前後で方向感に乏しい推移となり、欧州時間には一時155.916円まで下押しする場面も見られましたが、その後は押し目買いが入り、NY時間にかけて156円台を回復。最終的には始値156.500円、高値156.530円、安値155.916円、終値156.031円と、週末につけた高値圏を維持しつつも、やや上値の重さを残した形で一日の取引を終えています。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月29日 | 156.500 | 156.530 | 155.916 | 156.031 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
12月29日の東京時間のドル円は、156.50円前後で取引をスタートしました。先週末にかけて156円台半ばまで水準を切り上げていたこともあり、朝方は高値警戒感と年末特有のポジション調整が意識されるなかで、156円ちょうど〜前半のレンジで落ち着いた推移となりました。
国内から新たな金融政策関連の材料は乏しく、市場参加者の関心は翌日に控えるFOMC議事録公表や、年内残りわずかな取引日程の中でどの水準でポジションを締めていくかに向かっていました。そのため、仲値前後にかけては実需のドル買いが下値を支える一方で、156.50円近辺では戻り売りが断続的に持ち込まれ、上値・下値ともに限られた値幅のなかでの小動きが続きました。
お昼以降も、東京勢は積極的に新規ポジションを傾けるというよりは、既存ポジションの微調整や年越しを意識した持ち高の整理が中心となり、156円台前半を中心としたもみ合いが継続しました。欧州勢の参入を前に、様子見ムードの強いまま、東京時間は比較的静かな値動きのまま終了しています。
欧州・NY時間
欧州時間入り後、ドル円は156.20円近辺で取引を再開しましたが、ロンドン勢の本格参入後も、翌日のFOMC議事録公表を控えて新たな方向感が出にくい状況が続きました。欧州時間の前半には、年末にかけたポジション圧縮の流れもあり、高値圏に積み上がっていたドルロングの手仕舞い売りが優勢となって、じりじりと水準を切り下げる展開に移行しました。
その結果、欧州時間のなかばには一時155.916円まで下落し、日中安値を更新しましたが、155円台後半の水準ではテクニカルなサポートを意識した押し目買いも散見され、下押し一辺倒の展開にはなりませんでした。FOMC議事録がイベントとして控えていることもあり、155円台半ば以下の深掘りを狙う動きは限定的で、下値では買い戻しが入りやすい地合いが続きました。
NY時間に入ると、米国側にも目立った新規材料が乏しいなか、米長期金利や株式市場は比較的落ち着いたレンジでの推移となり、ドル円もそれに歩調を合わせる形で、155.90〜156.20円近辺での行き来が中心となりました。FOMC議事録公表を翌日に控えていることから、米勢も大きくポジションを傾ける動きは見送る向きが多く、結果として156.031円でクローズ。高値圏を維持しながらも、方向感には欠ける一日だったと言えそうです。
今日の注目材料
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 28:00 | 🇺🇸 | FOMC議事録公表 | ⚡⚡️⚡️ | - | - |
今日12月30日の注目材料は、日本時間28時に予定されている米FOMC議事録の公表です。会合自体の結果や、その後の記者会見でのメッセージはすでに市場に織り込まれているものの、議事録を通じて、メンバー個々の発言のニュアンスや、インフレ・成長見通しに対する議論のバランスがより詳しく明らかになる点が注目されています。
特に、市場が敏感になりやすいのは、利下げ開始時期やペースに関する言及、インフレの鈍化をどう評価しているか、そして金融環境全体の引き締まり具合に対する認識です。もし議事録の文言から、「インフレ再燃への警戒が依然として強く、性急な利下げには慎重」といったトーンが強く読み取られれば、米長期金利の下げ渋りやドル買い戻しを通じて、ドル円の上値を再び試す流れにつながる可能性があります。
逆に、複数のメンバーが景気減速への懸念や金融環境の引き締まり過ぎに言及している様子が確認され、「必要に応じて早期の利下げも視野に入る」といった印象をマーケットが受け取るようであれば、利下げペース加速期待が再燃し、米金利低下とドル売り・円買い圧力が強まりやすくなります。
いずれにせよ、議事録の公表時間が日本時間では深夜帯から明け方にかけてとなるため、実際の値動きの本格化はNY時間後半〜翌東京早朝にまたがる展開が想定されます。東京〜欧州時間帯は、議事録を前にしたポジション調整とレンジ取引が中心となりやすく、イベント直前・直後の流動性低下やスプレッドの変動には注意が必要です。
今日の見通し
今日のドル円は、156円台前半という高値圏での推移を続けながら、28時のFOMC議事録公表を意識した様子見ムードと、年末特有のポジション調整が交錯する一日になりそうです。大きな材料が出るのは日本時間の深夜帯であることから、東京〜欧州時間は156円ちょうど前後を中心としたレンジを形成しつつ、イベントに向けてポジションの傾きを調整する展開がメインシナリオになると考えています。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ面では、日銀は依然として超緩和スタンスを維持しており、マイナス金利と長期金利操作(YCC)を含む極めて緩和的な金融環境に大きな変化は見られません。先日の会合や植田総裁の発言を通じて、「賃金と物価の好循環の確認にはなお時間が必要」との認識が共有されており、来年以降の正常化に向けた議論は続くものの、目先で急激な引き締めに動くとの見方は広がっていません。
一方、米国では利下げサイクル入りのタイミングとペースを巡る思惑が、インフレ指標や雇用指標のたびに揺れ動いている状況です。今回の議事録では、インフレ鈍化がどの程度「持続的」と評価されているのか、景気の減速リスクをどこまで深刻に捉えているのか、といった点にマーケットの関心が集まりそうです。タカ派的な文言が目立てばドル買い・円売り方向、ハト派的なニュアンスが強ければドル売り・円買い方向にバイアスがかかりやすく、イベントを境に短期的なトレンドが切り替わる可能性も否定はできません。
ただし、これまでの会合やパウエル議長の発言で大枠のメッセージはすでに示されているため、議事録が完全なサプライズとなる可能性は高くありません。市場がどの部分に注目して解釈するか次第で、実際の値動きが予想以上に大きくなることもあり得るため、内容そのものだけでなく、「どのフレーズにマーケットが反応したのか」にも目を配る必要がありそうです。
テクニカル分析

テクニカル面では、昨日のローソク足は、高値156.530円、安値155.916円という比較的コンパクトな値幅のなかで上下にヒゲをつけつつ、始値156.500円に対して終値156.031円と小さな陰線を形成しました。上値・下値ともにそれほど大きく試されておらず、高値圏での持ち合いとエネルギー溜めが続いている印象です。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線に目を向けると、25日移動平均線は依然として右肩上がりを維持しており、その下では75日線と200日線も上向きで推移していると考えられます。短期・中期・長期の三本がそろって上向きで、かつ短期線が中長期線の上に位置する順ザヤ構造は崩れておらず、中長期的な上昇トレンドは継続していると判断できます。一方で、現状のレートは25日線からやや上方に乖離しており、短期的にはスピード調整を挟みやすい水準にあることも意識しておきたいところです。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表を想定すると、ローソク足は雲のかなり上方に位置しているとみられ、遅行スパンも実線を上回る状態を維持しているため、中期的な強気サインに大きな変化はありません。ただし、高値更新の勢いはやや鈍化しており、156円台前半から半ばのゾーンは、転換線・基準線との位置関係を含めて「上昇トレンドを維持しながらどのあたりで持ち合うか」を探る価格帯になりつつあります。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDを見ると、ゼロラインより上のプラス圏を維持しているものの、先行していた上昇モメンタムはやや落ち着きつつあり、MACD線とシグナル線の乖離も徐々に縮小している局面と考えられます。ここから再び上方に拡大し始めれば、高値更新トレンド再開のサインとして意識されますが、逆にデッドクロス方向への動きが強まるようであれば、高値圏での調整入りを示唆する材料として警戒される可能性があります。
こうしたテクニカルの状況から見ると、目先の下値めどとしては156.00円前後、その下では155.70円付近が意識される一方、上値については156.70〜156.80円近辺と157.20円前後が戻り売りの候補として意識されやすく、この範囲内での攻防を前提にシナリオを組み立てておくのが適切な局面といえそうです。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(確率45%)
上昇シナリオでは、FOMC議事録の内容が市場の懸念ほどハト派的ではなく、「インフレに対する警戒感はなお根強く、利下げには慎重」と受け止められるケースを想定します。この場合、米長期金利の下げ渋りや小幅な反発を通じてドル買い・円売りが入りやすくなり、ドル円は156円ちょうど近辺を下値に、156.70〜156.80円方向への戻りを試す流れが意識されます。議事録のなかで一部タカ派寄りの発言がクローズアップされるようであれば、157.20円近辺まで一段高となる可能性も出てきます。
↘️ 下落シナリオ(確率55%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、議事録のトーンが総じて慎重で、インフレ鈍化や景気減速への配慮が強くにじむ内容となり、市場が利下げペース加速や早期利下げ開始の可能性を再び意識するケースを想定します。この場合、米長期金利には下押し圧力がかかりやすく、ドル売り・円買いが優勢となるなかで、156.00円のサポートを試し、これを明確に割り込むようであれば155.70円近辺までの調整が視野に入ってきます。ただし、中長期的な上昇トレンドはなお維持されていると考えられるため、155円台半ばでは改めて押し目買いが入りやすく、一気にトレンドが反転するというよりは、「高値圏での一段深い調整局面」として意識される公算が高いと見ています。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
東京時間は、前日の値動きを引き継ぎながら、156円ちょうど〜156円台前半を中心とした小動きになりやすいと見ています。仲値にかけては実需のドル買いが下値を支えやすい一方で、156.30〜156.50円近辺では高値警戒感からの戻り売りも出やすく、レンジの中ほどで無理にポジションを追いかける優位性は高くなさそうです。
FOMC議事録公表を控え、積極的に新規ポジションを積み増す動きは限られやすく、「イベント前にどの水準で持ち高を調整しておくか」という視点での取引が中心になりやすい時間帯です。テクニカルな支持線・抵抗線に引きつけて、短期の往復を狙うか、あるいはあえて様子見を優先するか、いずれにせよリスク量を抑えた運用が望ましい局面と言えます。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ロンドン勢の参入とともに、東京時間で形成されたレンジの上下を試す値動きが増えやすくなります。欧州債・株式市場の動きや、ドルインデックスの変化に連動するかたちで、一時的にドル買い・ドル売りのどちらかに振れやすくなりますが、FOMC議事録公表前に大きくポジションを傾ける動きはやや限定的かもしれません。
NY時間に入ると、いよいよ議事録公表を見据えた取引が中心となります。発表直後は、ヘッドラインの一部にアルゴリズム取引が反応し、一方向に走ったあと、内容全体の解釈が進む過程で逆方向への巻き戻しが起こるといった「往って来い」の値動きが発生しやすい点には注意が必要です。特に、ストップ注文が集中している水準のすぐ外側では、短時間でのヒゲ状の値動きに巻き込まれやすくなるため、イベント前後のポジション管理には普段以上の慎重さが求められます。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:155.70円〜156.90円
今日は、FOMC議事録公表を控えた様子見と、年末のポジション調整が交錯することを踏まえ、155.70円〜156.90円のレンジを想定します。東京〜欧州時間はこの範囲の内側での推移が中心となりやすく、NY時間後半から議事録の内容を織り込みにいく過程で、レンジの上限または下限方向を試す展開をメインシナリオとします。
🔀 上値抵抗線:156.70円、157.20円
上方向については、まず156.70円前後が目先のレジスタンスとして意識されます。先週末の高値圏とも重なる水準であり、このあたりでは短期筋の利益確定や戻り売りが出やすく、一度は上値の重さを試される場面が増えそうです。その上では157.20円近辺が次の上値目処となり、この水準を明確に上抜けて日足ベースで定着するようであれば、高値更新トレンドが再開し、158円方向への上値余地も意識されてきます。
🔀 下値支持線:156.00円、155.70円
下方向については、まず156.00円ちょうど前後が直近のサポートとして重要です。ここを維持できる限りは、「高値圏でのスピード調整を挟みながらも、上昇トレンドは継続している」という評価が優勢となりやすく、押し目買いの意欲も残りやすいと考えられます。これを明確に割り込んだ場合には、155.70円近辺が次の下値支持として浮上し、このゾーンまで下押しが進む場面では、FOMC議事録の解釈をきっかけとした一段の調整や、年末に向けたポジション解消の動きが意識されることになりそうです。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、FOMC議事録公表後の値動きを経たうえで、157.20円前後のレジスタンス帯をしっかりと上抜け、日足が157円台前半〜半ばでクローズできるかどうかが一つの目安になります。この条件が満たされれば、高値更新トレンドが再び意識され、158円方向への一段高シナリオが強まりやすくなります。
下方向については、156.00円と155.70円のサポートを連続して割り込み、そのうえで日足が155円台半ばを明確に下回る水準で引けるようであれば、「高値圏での持ち合い」から「調整色の強い局面」へと評価が切り替わるリスクが高まります。その場合、155.20円〜155.00円近辺が次のターゲットとして意識されやすくなり、短期的には円買い優勢の展開が続く可能性にも注意が必要です。
⚠️ 注意すべきリスク要因
FOMC議事録公表は、会合直後の声明や記者会見と比べるとサプライズの度合いは小さいことが多いものの、マーケットがどのフレーズに注目するかによって、実際の値動きが想定以上に大きくなることがあります。特に、インフレや利下げのタイミングに関わる表現は、アルゴリズム取引がヘッドラインに反応しやすく、発表直後の数分間はスプレッド拡大や約定の滑りが起こりやすい時間帯です。
また、年末で流動性が完全には回復していないなかでは、ストップ注文を巻き込みながら短時間で数十銭程度走る「スパイク」の発生リスクも通常より高まります。こうした動きは、その後に往って来いで元の水準近くまで戻されることも多く、短期的な値動きだけを追いかけてしまうと、思わぬ損失につながりかねません。
☑️ 投資判断における留意点
イベント前後の相場では、「大きく動くかもしれない」という期待と不安から、ついポジションサイズが大きくなったり、普段よりもエントリー頻度が増えてしまいがちです。しかし、こうした局面だからこそ、あらかじめ許容できる損失額を明確にし、その範囲から逆算してロットと損切り水準を決めておくことが、結果的にパフォーマンスとメンタルを守るうえで非常に重要になります。
特に今日のように、深夜帯のイベントがメインとなる日は、「イベント前にポジションを軽くしておく」「そもそもポジションを持たずに内容と反応を確認してから次の一手を考える」といった、守り寄りの選択肢も十分に検討する価値があります。自分のトレードルールとリスク許容度に照らし合わせながら、無理のない構え方で相場と向き合っていきたい一日ですね。
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