【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年12月26日)

『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年12月26日のカレンダー

おはようございます。Trader MTです。クリスマス明けのドル円は156円手前の高値圏ながら、薄商いの中で方向感の乏しい展開が続いています。今日は大きなイベントも少なく、年末特有のレンジ相場になりやすい環境ですので、155円台半ば〜156円台前半の攻防を意識しつつ、無理な追いかけ売買は避けて慎重にいきましょう😌(公開時刻:07:45/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円は、クリスマス本番で世界の主要市場の多くが休場となるなか、終日きわめて落ち着いた値動きにとどまりました。東京時間は国内勢のフローと植田日銀総裁の発言をこなしながらも、155円台後半〜156円ちょうど手前の狭いレンジでの推移が続き、海外時間も薄商いの中で大きな方向感は出ませんでした。結果として、始値155.744円、高値155.952円、安値155.620円、終値155.829円と、前日終値からわずかにドル高・円安方向へ水準を切り上げたものの、「高値圏での小動き」という印象の一日でした。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年12月25日 155.744 155.952 155.620 155.829

※当データはLIONFXの日足チャートに基づいています。

東京時間

12月25日の東京時間のドル円は、155.74円前後で取引をスタートしました。前日までに155円台後半での落ち着いたレンジが意識されていたこともあり、仲値にかけては155.80円前後を中心とした小動きが続きました。世界的にクリスマス休場ということもあり、海外勢の参加が極端に細っていたことから、ロンドン勢やNY勢を意識したフローはほとんど見られず、実需フローと国内勢中心の取引に終始した印象です。

お昼前後には、注目されていた植田日銀総裁の発言が行われましたが、市場がこれまで抱いてきた「超緩和スタンスを当面維持しつつ、賃金と物価の好循環を慎重に見極める」という大きな方向性に目立った変化はないと受け止められたようで、ヘッドラインに反応した一時的な上下の振れはあったものの、すぐに落ち着きを取り戻しました。発言前後を通じて、値幅は数十銭程度にとどまり、東京時間全体としては155.60〜155.90円台のレンジ内で、方向感に乏しい推移が続きました。

欧州・NY時間

海外時間に入っても、欧州・北米の多くの市場がクリスマス休場となっていたことから、取引量は通常よりも大きく落ち込みました。インターバンク市場ではレート自体は配信されていたものの、板は薄く、短期筋やアルゴリズムが散発的に売買する程度で、トレンドを伴った大きな値動きにはつながりませんでした。

一時的に155.62円前後まで下押しする場面があったものの、そこではテクニカルなサポートと国内勢の押し目買いが意識され、すぐに155.80円近辺まで切り返しました。その後も、155円台後半から156円ちょうど手前にかけて、数銭〜十数銭単位の細かい行き来が続く展開となり、結局ニューヨーク時間のクローズにかけても動意は盛り上がらないまま、155.829円で一日の取引を終えています。全体としては、「クリスマス休場の中で、植田総裁発言も無難にこなしながら、高値圏で様子見が続いた一日」と整理できそうです。

今日の注目材料

今日12月26日(金)は、国内外ともに目立った重要経済指標や要人発言の予定はなく、イベント面では比較的静かな一日となる見込みです。

クリスマス明けというタイミングではありますが、欧米の一部市場ではボクシングデーに伴う休場や短縮取引が残るため、通常の金曜日と比べると、市場参加者が完全に出そろうというよりは、年末休暇前後の限られたプレーヤーによるポジション調整が中心になりやすい地合いです。

ドル円にとっては、昨日までの薄商い相場から徐々に流動性が戻りつつある一方で、新たな材料に乏しいなかで「どの価格帯を年末の居場所とみなすか」を探る一日になりそうです。年内残りの営業日が限られるなかで、実需フローやリバランス関連の取引が断続的に出やすく、それにテクニカルな売買が上乗せされるかたちで、155円台後半〜156円台前半のレンジ内での値動きを想定しておきたいところです。

今日の見通し

今日のドル円は、クリスマス本番を通過してもなお流動性が完全には戻り切っていないなかで、155円台後半を中心とした高値圏レンジの中で、ポジション調整とテクニカル要因が主導する展開になりそうです。大きなイベントがないぶん、一方向に走るというよりは、156円台前半方向の戻りと、155円台半ば方向の押し目が交互に入りながら、レンジの中身を固めていくような値動きをメインシナリオとして想定します。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズ面では、日銀は直近の会合および植田総裁の発言を通じて、引き続き超緩和スタンスを維持する姿勢を確認させた格好です。賃金と物価の好循環に向けた前向きな兆しには言及しつつも、具体的な政策変更のタイミングやペースについては慎重さを崩しておらず、市場としても「当面はマイナス金利と極めて緩和的な金融環境が続く」という前提が共有されています。

一方で米国サイドでは、利下げサイクル入りを意識しながらも、その開始時期やペースを巡って、インフレ指標と景気指標の内容次第で期待が揺れやすい状況が続いています。最近のデータは、景気の減速感をにじませつつも急激な失速を示すほどではなく、FRBとしても「様子を見ながらの慎重な利下げ」を模索している局面とみられます。

これらを組み合わせると、日米金利差はピークアウト感こそあるものの、依然として円側が極端に低位にある構図は変わっておらず、ドル円は中長期的には高値圏での推移を続けやすい環境と言えます。ただし、年末相場特有のポジション調整や流動性低下も重なっているため、ファンダメンタルズだけで一方向にトレンドが出るというよりは、テクニカルな水準感と需給が、短期の値動きを左右しやすい局面が続きそうです。

テクニカル分析

※2025年12月25日はクリスマス休場の影響のため、Trading Viewでは日足が更新されておりませんので、前日のチャートをそのまま掲載しています。

テクニカル面では、ドル円の日足は、先週の高値圏からやや押し戻されたあと、155円台後半〜156円台前半での持ち合いを続けている形状とみられます。昨日のローソク足は、高値155.952円、安値155.620円と非常に狭い値幅の中で上下にヒゲを残しつつ、始値155.744円に対して終値155.829円と小さな陽線を形成しており、高値圏でのエネルギー溜めといった印象です。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線を見ると、25日移動平均線は依然として緩やかな右肩上がりを維持しており、その下の75日線や200日線も上向きで推移していると考えられます。三本の移動平均線がすべて上向きで、短期線が中長期線の上に位置する順ザヤ構造は崩れておらず、中長期的な上昇トレンドは継続していると判断できます。一方で、足もとのレートは25日線との距離がやや縮まりつつあり、155円台半ば付近が「トレンドを維持したままスピード調整をこなせるかどうか」を見極める重要なゾーンとなりつつあります。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表を想定すると、価格は依然として雲の上方で推移しているとみられ、遅行スパンも実線を上回る位置にあることから、トレンド判定としてはなお強気継続のシグナルが優勢です。ただし、ここ数日は高値を更新する動きよりも横ばいに近いレンジを形成しているため、転換線や基準線との距離も徐々に縮まり、155.50円前後ではこれらのラインがサポートとして意識されやすい場面が増えていきそうです。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDに関しては、ゼロラインより上のプラス圏を維持しながらも、先行していた上昇モメンタムは一服しており、MACD線とシグナル線の乖離も徐々に縮小している局面と考えられます。ここから再び上向きに拡大できるか、それともデッドクロス方向へ向かうのかは、年末にかけての値動きを占ううえでの重要なサインとなるため、156円台にしっかり乗せられるかどうかが、テクニカル面での一つの分岐点と言えそうです。

こうしたテクニカル環境を総合すると、目先の下値めどとしては155.60円〜155.50円近辺、その下では155.20円前後が意識される一方、上値については156.20円と156.50円前後が戻り売りの目安として意識されやすく、この範囲内でのレンジ取引を基本シナリオとするのが妥当な局面と考えられます。

シナリオ分析

↗️ 上昇シナリオ(確率45%)
上昇シナリオでは、クリスマス明けで徐々に流動性が戻るなか、155円台後半での押し目買いが優勢となり、156円台前半への戻りを試す展開を想定します。ファンダメンタルズ面での大きなネガティブ材料が見当たらないなか、日銀の超緩和スタンスが改めて意識されれば、155.60〜155.70円台では実需・投資家ともにドル買い意欲が高まりやすく、じりじりと上値を試す動きが出やすくなります。156.20円前後の上値抵抗をしっかり上抜けることができれば、156.50円近辺まで一段高となる可能性もあり、ここを突破できるかどうかが、高値更新トレンド再開の起点になり得ます。

↘️ 下落シナリオ(確率55%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、年末に向けたポジション調整や利益確定売りが優勢となり、155円台半ばを試す場面が増えるケースを想定します。155.80〜156.00円台では戻り売りが出やすく、上値を切り下げる形でじりじりと水準を下げていくパターンです。155.60円を明確に割り込むと、チャート上でも「高値圏レンジの下限」を試す動きが意識されやすくなり、155.50円前後まで下押しが進む可能性があります。ただし、中長期トレンドはなお上向きであるため、155.20円近辺までの下押しがあった場合には、改めて押し目買いが入りやすいことも頭に入れておきたいところです。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
東京時間は、昨日に比べれば若干流動性が戻るものの、依然として年末休暇ムードが残るなかで、155.60〜156.00円近辺を中心としたレンジ取引となりやすいと見ています。仲値にかけては実需のドル買いが下値を支えやすい一方、156円台ちょうどを挟んだ水準では、クリスマス前後の高値圏でポジションを持ち越した向きの戻り売りも出やすく、上値を追いかけるような勢いは限定的となりそうです。

国内から新たな金融政策関連の材料は見込みにくく、市場参加者の関心はむしろ年内残りの日程や、来週以降の重要指標・イベントに移りつつあります。そのため、東京時間は「レンジの位置と厚みを確認する時間帯」といった位置付けになりやすく、短期トレードを行う場合でも、テクニカルな支持線・抵抗線にできるだけ引きつけてからエントリーを検討するのが賢明といえます。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、クリスマス明けで再開する市場が増える一方、一部ではボクシングデーの影響も残るため、通常の金曜日に比べるとやや参加者は限定的かもしれません。それでも、ロンドン勢の本格参入とともに、東京時間で形成されたレンジの上下を試す動きが出やすく、156.20円近辺への戻りや155.60円近辺への下押しといった、節目を意識した攻防が活発化する可能性があります。

NY時間は、目立った米経済指標の予定がないため、米金利や株式市場の動向を確認しながら、年末に向けたポジション調整が中心となると見られます。もし欧州時間までにどちらか一方に偏ったポジションが積み上がっていれば、NY時間ではその巻き戻しが出やすく、指標のない日であっても、時間帯の切り替わりをきっかけにある程度の値動きが生じる可能性があります。ただし、いずれにせよ大きなテーマが出てくる日ではないため、156.50円を大きく超える、あるいは155.20円を明確に割り込むといった「レンジを抜けたトレンド」まで発展する可能性は、現時点では高くないと見ておくのが妥当でしょう。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:155.30円〜156.50円
今日は、クリスマス明けで徐々に流動性が戻りつつも、目立ったイベントがないことを踏まえ、155.30円〜156.50円のレンジを想定します。155円台半ばを中心に上下に揺れながらも、156円台前半では戻り売り、155円台前半では押し目買いがそれぞれ意識されやすく、基本的にはレンジ内での値動きを前提にシナリオを組み立てておきたい局面だと考えます。

🔀 上値抵抗線:156.20円、156.50円
上方向については、まず156.20円前後が目先のレジスタンスとして意識されます。この水準では、短期筋の戻り売りや高値圏での利益確定の売りが出やすく、一度は上値の重さを試される場面が増えそうです。その上では156.50円近辺が次の上値抵抗として浮上し、この水準を実体ベースで明確に上抜けるようであれば、高値圏レンジの上限を切り上げ、157円方向を視野に入れたトレンド再開シナリオも意識されやすくなります。

🔀 下値支持線:155.50円、155.20円
下方向については、まず155.50円前後が直近のサポートとして重要です。ここはテクニカルなサポートと25日移動平均線付近の水準が重なりやすいゾーンでもあり、この水準を維持できる限りは「高値圏でのスピード調整」にとどまると見る向きが多くなりそうです。これを明確に割り込んだ場合には、155.20円前後が次の下値目処として意識され、このゾーンまで下押しが進む場面では、年末のポジション調整を背景とした一時的な円買い圧力の強まりに注意が必要です。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、156.50円前後のレジスタンス帯を明確に上抜けたうえで、日足が156円台後半を維持してクローズできるかどうかが一つの目安となります。この条件が満たされれば、高値圏レンジを上に放れて再び157円台を試す流れが意識されやすくなり、中期的な上昇トレンド継続シナリオが強まるでしょう。

下方向については、155.50円と155.20円のサポートを連続して割り込み、日足が155円ちょうど〜前半の水準でクローズするようであれば、高値圏での持ち合いから一段下のレンジへのシフトを警戒する必要が出てきます。その場合でも、154円台後半には再び押し目買いニーズが控えていると考えられるため、一気にトレンドが反転するというよりは、時間をかけた調整局面入りを意識するイメージを持っておきたいところです。

⚠️ 注意すべきリスク要因
今日は大きな指標がない一方で、クリスマス〜年末にかけて流動性が完全には回復していないタイミングでもあります。板が薄い時間帯には、通常より少ないフローでもレートが一方向に偏って動きやすく、ストップ注文を巻き込みながら一時的に値が走る「小さなスパイク」が起こりやすい点には注意が必要です。

また、年末特有のリバランスフローや、機関投資家・実需勢の決済・持ち越し調整が断続的に入ることも想定されます。こうした動きは、必ずしも直近の指標やニュースと連動していないことも多く、チャートだけを見ていると「理由がよく分からない値動き」と感じられる場面も出てきます。短期的な値動きに振り回され過ぎず、どの水準が中長期的なトレンドの分岐点なのかを意識しておくことが大切です。

☑️ 投資判断における留意点
レンジ相場が続きやすい環境では、「少しでも動いたらすぐに取りに行きたい」という気持ちから、ついエントリー回数が増えがちです。しかし、明確なトレンドが出ていない局面で回数だけを重ねると、スプレッドや細かな損切りが積み上がりやすく、気づかないうちにパフォーマンスを削ってしまうリスクがあります。

今日のように明確な材料が乏しい日こそ、自分があらかじめ決めたシナリオと水準に合致したときだけエントリーすること、そしてそれ以外の場面では「何もしない」という選択肢を持ち続けることが、結果的に資金とメンタルを守ることにつながります。ポジションサイズは、想定レンジと損切り幅から逆算して無理のない水準に抑え、年末特有の突発的な値動きに対しても、落ち着いて対応できる余裕を残しておきたいところです。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。