おはようございます。Trader MTです。今日は世界的にクリスマス休場で、ドル円も高値圏ながら値幅の出にくい一日になりそうです。昼の植田総裁の発言前後は、薄商いの中で一時的なスパイクもあり得るので、無理にポジションを追わずレンジ感の確認を優先したいところですね。それでは、今日もサクッと地合いをチェックしていきましょう😌(公開時刻:07:55/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、クリスマス休場を控えて海外勢の参加が細るなか、全般的に値動きの落ち着いた一日となりました。東京時間の序盤は156円ちょうど台を中心とした小動きでしたが、徐々に上値の重さが意識されるとじりじりと水準を切り下げ、欧州時間帯には155円台半ばまで下押しする場面も見られました。
その後は、薄商いのなかで押し目買いも入り、引けにかけては156円手前まで持ち直して取引を終了しています。結果として、始値156.214円、高値156.281円、安値155.553円、終値155.967円と、値幅自体は限定的ながら「高値圏での小幅調整」という印象の一日でした。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月24日 | 156.214 | 156.281 | 155.553 | 155.967 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
12月24日の東京時間のドル円は、156.21円前後で取引をスタートしました。前日までの米景気指標の弱さを背景に上値の重さが意識される一方で、クリスマス休暇入りで海外勢の参加が細りつつあったこともあり、序盤は156円ちょうど前後に値動きが収れんしやすい展開となりました。国内からは新たな材料に乏しく、仲値前後にかけては実需のドル買いが下値を支える一方、156.20円近辺からは短期筋の戻り売りが断続的に出て、上値・下値ともに限られた小動きが続きました。
お昼以降は、クリスマス本番を翌日に控えたことによるポジション調整の売りがじわじわと優勢となり、156円ちょうどを割り込むと、テクニカルな押し目を狙った売りも重なって156円割れの水準を試す流れにシフトしました。もっとも、155円台半ばに近づくにつれては、先週からの上昇トレンドの中で押し目を待っていた向きの買いも入り始め、東京時間としては155.80〜156.10円近辺を中心とした、比較的落ち着いたレンジ取引のまま欧州時間へとバトンを渡しています。
欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ドル円は155.80円前後で取引を再開しましたが、ロンドン市場もクリスマス休暇で参加者が限られていたことから、序盤は方向感に乏しい推移となりました。欧州勢の一部からは、前日までの高値圏からの戻り売りが断続的に持ち込まれ、じりじりと下値を試す値動きが優勢となり、欧州時間のなかばには一時155.553円まで下落して日中安値を更新しました。ただ、155円台前半に接近した水準では、テクニカルなサポートを意識した押し目買いやショートカバーも入りやすく、そこから一段と売り込むほどの流れには発展しませんでした。
NY時間は、主要市場こそクリスマス休暇ムードが色濃く薄商いだったものの、22時30分には予定通り米新規失業保険申請件数が発表されました。結果は概ね市場予想のレンジ内に収まり、雇用市場の急激な悪化・改善のどちらも示唆しない内容だったと受け止められたことから、米金利の反応も小幅にとどまり、指標をきっかけにした大きなトレンドは生まれませんでした。発表直後こそアルゴ取引主体とみられる小さな上下の振れが見られたものの、すぐに156円前後へと水準を戻し、その後は参加者の少なさもあって、押し目買いと利益確定売りが交錯する中で落ち着いた値動きが続きました。
最終的にドル円は、始値156.214円に対して終値155.967円と、わずかに水準を切り下げつつも、155円台後半を維持したまま一日の取引を終了しました。全体としては、クリスマス休場による流動性低下のなかで、米失業保険指標を無難にこなしながら、高値圏レンジの中で小幅な調整にとどまった一日だったと整理できそうです。
今日の注目材料
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 12:30 | 🇺🇸 | 植田日銀総裁の発言 | ⚡⚡️⚡️ | - | - |
今日12月25日(木)は、世界の主要市場の多くがクリスマスで休場となるなか、国内では12時30分に予定されている植田日銀総裁の発言が唯一と言ってよい注目イベントです。
総裁発言自体は形式的な挨拶やイベント出席の一部として行われる可能性が高く、市場が大きく反応するような具体的な政策変更示唆が盛り込まれるケースは必ずしも多くありません。ただし、先日の金融政策決定会合以降、「来年以降の正常化プロセス」や「賃金と物価の好循環」に関する言及には敏感になっている投資家も多く、文言のニュアンス一つで円買い・円売りどちらかに傾きやすい点には一定の注意が必要です。
一方で、海外勢の多くが休場または参加を控えるなかでの総裁発言となるため、仮にヘッドラインに反応したアルゴリズムや短期筋の注文が出た場合でも、相対的に薄い板を突いてレートが一時的に振れやすいという側面もあります。実際のファンダメンタルズに比べて値動きが過度に大きくなりやすい局面でもあるため、「動きの大きさ=中身のインパクト」とは限らない点を意識しておきたいところです。
今日の見通し
今日のドル円は、世界的なクリスマス休場による流動性低下と、日本時間昼に予定される植田総裁発言という国内要因が重なり、「普段より値幅は出にくいが、一時的なスパイクには要注意」という一日になりそうです。前日の値動きで156円台から155円台後半へと、やや上値を切り下げる調整が入っているものの、高値圏のレンジ自体は依然として維持されており、156円ちょうど前後を挟んだ上下の値動きが中心になるイメージを持っておきたい場面だと考えられます。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ面では、日銀の超緩和スタンスと、米国の利下げサイクルを巡る思惑という構図に大きな変化は見られません。先週の金融政策決定会合を経て、「日銀は出口を見据えた議論を続けているものの、目先で性急に動く意図はない」というメッセージがマーケットに共有されており、足もとの円金利は依然として極めて低位にとどまっています。
一方の米国では、利下げ開始時期やそのペースを巡る思惑が指標の度に行き来しているものの、直近の弱めの指標を受けて「急激な景気失速を懸念するほどではないが、利下げを正当化しやすい地合い」がじわりと強まっている状況です。ただし、クリスマス〜年末にかけては新規のマクロ材料が出にくく、市場参加者も大きなポジションを積み増すよりは、既存ポジションの調整や翌年への持ち越しを意識した取引が中心となりやすいため、ファンダメンタルズによるトレンド形成というよりは、需給と流動性が主役になりやすい期間に入っていると言えます。
こうしたなかで、今日の植田総裁発言がマーケットに与える影響は、内容そのものが極端にサプライズでない限りは、あくまで「期待や警戒を微調整する材料」にとどまる可能性が高いと考えられます。むしろ、薄商いのなかで一時的にレートが振れたとしても、その後のフォローのフローが続かなければ、時間の経過とともに元のレンジに収束していくケースの方が多いと見ておく方が妥当かもしれません。
テクニカル分析

テクニカル面で見ると、昨日のローソク足は、高値156.281円、安値155.553円と値幅自体は比較的コンパクトな範囲にとどまりながら、始値156.214円に対して終値155.967円と小さな陰線を形成しました。実体部分が比較的短い「コマ足」に近い形状であり、高値圏での迷いと持ち合いが続いていることを示唆する足型と捉えられます。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線に目を向けると、25日移動平均線はなお緩やかな右肩上がりを維持しており、その下では75日線や200日線も上向きで推移していると考えられます。三本の移動平均線がすべて上向きで、短期線が中長期線を上回る順ザヤ構造に変化はなく、中長期的な上昇トレンドは維持されていると評価できます。一方で、直近のレートはやや25日線に近づきつつあり、155円台半ば〜後半の水準は「上昇トレンドを維持するための分岐点」として意識されやすいゾーンになってきました。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表を前提にすると、ローソク足は依然として雲の上方で推移しており、遅行スパンも実線の上側に位置しているとみられることから、中期的な強気状態は続いていると考えられます。ただし、ここ数日の値動きは、高値更新というよりもレンジ内での持ち合い色が濃く、転換線や基準線に徐々に価格が近づきつつある局面と捉えられます。155.50円近辺は、こうしたライン類と重なりやすい水準でもあり、このゾーンをしっかり維持できるかどうかが、年末に向けて再び上値トライに向かえるかどうかを占うポイントになりそうです。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDを見ると、ゼロラインより上のプラス圏を維持しながらも、先週までの強い上昇局面に比べるとモメンタムはやや落ち着きつつあると考えられます。MACD線とシグナル線の乖離も縮小傾向にある可能性があり、ここからデッドクロス方向への動きが強まるようであれば、高値圏での一服からレンジ調整入りを示唆するシグナルとして意識される場面も出てきそうです。
こうしたテクニカル状況を総合すると、短期的には155.50円前後が下値の目安、上値については156.50円前後が戻り売りの目途となりやすく、その間でのレンジ取引を前提とした戦略が機能しやすい局面と見ることができそうです。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(確率40%)
上昇シナリオでは、植田総裁発言が市場予想の範囲内に収まり、日銀のスタンスに大きな変化がないことが改めて確認されるケースを想定します。
この場合、「出口を見据えた議論は続けつつも、急いで動く必要はない」という現状認識が再確認されることで、日銀の超緩和政策が継続するとの安心感が広がりやすくなります。海外勢の多くが休場であることからフローは限定的ではあるものの、国内勢によるじわりとしたドル買い・円売りが入り、155円台後半から156円台前半への戻りを試す展開が考えられます。薄商いのなかで一時的に買いが偏れば、156.50円近辺まで上値を伸ばす場面も視野に入ってきます。
↘️ 下落シナリオ(確率60%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、市場が過度にタカ派と受け止めるほどではないにせよ、植田総裁の発言の一部から「賃金・物価の好循環に対する評価が一歩前進した」と解釈され、来年以降の正常化を意識した円買いがじわりと入るケースを想定します。
薄商いのなかでアルゴリズムや短期筋がヘッドラインに反応すると、156円手前から155.50円方向への円高方向の振れが強まり、一時的には155円台前半まで下押しする可能性もあります。ただし、155.00円ちょうど近辺にはテクニカルなサポートや押し目買いニーズも控えているとみられ、この水準を明確に割り込むような「崩れ」に発展する公算は現時点では高くないと見ています。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
東京時間は、クリスマス休場で海外勢の参加が乏しいなか、12時30分の植田総裁発言を軸とした値動きになりそうです。午前中は155.80〜156.10円近辺を中心とした小動きが続きやすく、イベント前に敢えてポジションを大きく傾ける参加者は多くないと見られます。
総裁発言の直後には、ヘッドラインに反応したアルゴリズム取引や短期筋の注文により、一時的に値が飛ぶ可能性があります。内容が中立〜ややハト派寄りと受け止められれば156円台前半へ、逆に市場が少しタカ派寄りに感じる表現があれば155円台半ば方向への振れが出るイメージです。ただし、その後の流れを左右するのは「どこまでフォローのフローが続くか」であり、イベント通過後に値動きが急速に落ち着くようであれば、再び155.80〜156.10円前後のレンジに収れんしていく可能性も十分考えられます。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間からNY時間にかけては、主要市場の多くがクリスマス休場となるため、実質的には「東京時間の延長」といった位置づけになりやすいと考えられます。取引ボリュームは通常より大きく低下し、インターバンクの板も薄くなりやすいため、まとまったフローが出た際には瞬間的にレートが振れやすい一方で、値動きが長く続くとは限らない点に注意が必要です。
特に、東京時間で形成されたレンジの上下限近辺にストップ注文が溜まりやすく、その水準を一度突き抜けると一気に数十銭程度走るケースも想定されますが、その後は往って来いで元の水準近くに戻ってくる、といった動きも起こりやすい局面です。欧州・NY時間でのトレードを検討する場合は、普段以上にスプレッドや約定状況にも目を配りながら、無理な追随を避けるスタンスが求められます。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:155.40円〜156.40円
今日は世界的なクリスマス休場と植田総裁発言という組み合わせを踏まえ、155.40円〜156.40円の比較的タイトなレンジを想定します。東京時間のイベントを中心に、この範囲内で上下に振れやすいものの、方向感のはっきりしたトレンドというよりは、高値圏レンジのなかでの「ノイズを含んだ小幅な行き来」をイメージしておきたい一日です。
🔀 上値抵抗線:156.20円、156.50円
上方向については、まず156.20円近辺が目先のレジスタンスとして意識されます。ここは昨日の高値圏とも重なりやすく、植田総裁発言を受けて上振れした場合でも、いったん利益確定売りや戻り売りが出やすい水準と考えられます。その上では156.50円前後が次の上値抵抗として浮上し、この水準を明確に上抜けて定着するようであれば、157円方向を意識する上昇余地も視野に入ってきますが、クリスマス休場中の流動性を踏まえると、そこまでの動きが出るかどうかはフロー次第と言えそうです。
🔀 下値支持線:155.60円、155.30円
下方向については、まず155.60円近辺が直近のサポートとして重要です。昨日の安値155.553円に近く、この周辺では押し目買いやショートカバーが入りやすいゾーンとなりやすいと考えられます。ここを明確に割り込んだ場合には、155.30円前後が次の下値目処として意識され、この水準ではテクニカルなサポートとともに、「高値圏レンジの下限をどこに設定するか」を巡る攻防が意識されやすくなりそうです。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、植田総裁発言後の値動きを経た上で156.50円前後のレジスタンス帯をしっかりと上抜け、日足ベースで156円台後半を維持して引けるかどうかが一つの目安となります。この条件が満たされれば、157円台方向への高値再トライの可能性が少しずつ意識されやすくなります。
下方向については、155.30円のサポートを明確に割り込んだうえで、日足が155円ちょうど〜前半のゾーンでクローズするようであれば、高値圏での持ち合いから一段下へのレンジシフトを警戒する必要が出てきます。その場合でも、154円台に一気に突入するというよりは、まず155円ちょうど前後で押し目買いの強さを試しにいくイメージを持っておくのが妥当と言えそうです。
⚠️ 注意すべきリスク要因
今日は世界的に流動性が細りやすい一日であり、「薄商いのなかでの植田総裁発言」という条件が重なることで、普段よりも価格が飛びやすい環境になります。実際の発言内容に比べて、ヘッドラインだけが先行して解釈され、一時的に相場が過度に反応してしまう場面も想定されるため、「値動きの大きさ=メッセージの強さ」と短絡的に結びつけないことが大切です。
また、インターバンクの板が薄くなっている時間帯には、ストップ注文を巻き込みながら短時間で数十銭動くこともあり得ます。特に、マーケットが意識している節目のすぐ外側に逆指値やストップを置いている場合、想定よりも不利なレートで約定してしまうリスクも高まるため、発注レベルには普段以上の注意が必要となります。
☑️ 投資判断における留意点
ホリデーシーズンの相場は、「一見動いていないように見えて、局所的には振れが大きい」という難しさがあります。ボラティリティが低下しているからといってレバレッジを上げてしまうと、薄商いのスパイクに巻き込まれた際に、想定以上の損失につながりやすくなります。
今日のような日は、あくまで「勝負する日」というよりも、「地合いとレンジ感を確認しつつ、年末・年始の戦略を整理する日」と割り切ることも一つの選択肢です。エントリーする場合でも、普段よりロットを抑える、損切り幅を明確に決めておく、イベント直後のもっとも荒い時間帯を敢えて避けるといった工夫が、資金とメンタルを守るうえで大きな意味を持ちます。
今日も、無理にポジションを取りにいくのではなく、自分のルールとシナリオに沿ったトレードができているかどうかを意識しながら、落ち着いてマーケットと向き合っていきたいですね。
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