【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年12月18日)

おはようございます。Trader MTです。ドル円は昨日、いったん下押しをこなしつつ155円台半ばまで切り返し、今夜のCPIと新規失業保険申請件数を前に「一度ドルを買い戻して待つ」ような流れになってきました。今日は指標次第で上下どちらにも大きく振れやすい一日になりそうですので、ポジションサイズと損切り位置にはいつも以上に気を配りたいところですね。それでは、今夜のイベントを念頭に置きつつ、今日の見通しを確認していきましょう😌(公開時刻:07:34/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円は、前日のFRB要人発言を受けて利下げペースの行き過ぎた織り込みを修正する動きが意識されたほか、今夜の米消費者物価指数(CPI)と新規失業保険申請件数という重要イベントを控えてポジション調整のドル買いが優勢となり、じり高となる一日となりました。東京時間は154円台後半での底堅い推移が中心でしたが、欧州・NY時間にかけては155円台を回復し、一時155.74円まで上昇。最終的には155.64円で引け、始値154.688円、高値155.749円、安値154.512円、終値155.640円と、下値を切り上げながら終盤にかけて水準を戻す展開となっています。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年12月17日 154.688 155.749 154.512 155.640

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

12月17日の東京時間のドル円は、154.68円前後で取引をスタートしました。前日の海外時間でドル売りが一服し、154円台半ばでいったん下げ止まりが確認されていたこともあり、序盤から154円台後半では押し目買いが入りやすい地合いとなりました。

日経平均株価は堅調さを維持したものの、既に高値圏にあることから上値追いは限定的で、株高をきっかけにした大きな円売りにはつながりませんでしたが、リスクオフに傾くような材料も乏しく、ドル円は154.80〜155.00円近辺を中心とした落ち着いた値動きが続きました。

午前からお昼にかけては、前日までのFRB要人発言を受けて、利下げペースを巡る過度なハト派期待がやや修正されるなか、短期筋を中心としたドル買い戻しがじわじわと優勢となりました。155円ちょうどの節目を上抜けたあたりでは、テクニカル面での買いシグナルも意識され、155.20円台まで水準を切り上げる場面も見られましたが、今夜のCPIと新規失業保険申請件数を控えて積極的にポジションを傾ける動きは限られ、東京時間の後半にかけては155円前後でのもみ合いとなりました。

欧州・NY時間

欧州時間に入ると、ドル円は155.10円前後で再スタートしました。欧州株式市場は総じて底堅い推移となり、リスクオフに傾くような材料は見当たらず、米金利も前日の水準をおおむね維持する形でスタートしたことから、欧州序盤は155円ちょうど〜前半での落ち着いた値動きが続きました。

その後、ロンドン勢の参入とともに、前日までの下押し局面で積み上がっていたドルショートの巻き戻しが意識され、ドル円はじりじりと上値を試す展開へシフトしました。155.50円近辺を上抜けると、損切りの買いも巻き込みながら一時155.74円まで上昇し、日中高値を更新しました。ただ、156円台を明確に試すほどの勢いには欠け、CPIというビッグイベントを控えて新たなドルロングを積み上げる動きは限定的でした。

NY時間に入ってからは、米金利が小幅なレンジのなかで下げ渋ったこともあり、ドル円は155円台前半〜半ばでの高値圏もみ合いを継続しました。イベント前の様子見ムードが強く、方向感のあるトレンドが出るというよりは、155円を割り込む手前では押し目買いが入り、155.70円近辺では戻り売りが出るという、ポジション調整主体の値動きが中心となりました。

最終的には、終盤にかけて155.60円台での推移が続き、終値は155.640円と前日比でややドル高・円安方向に水準を切り上げる形でクローズしています。全体としては、前日までのドル安・円高方向への調整が一服し、CPIや雇用関連指標を控えて「いったんドルを買い戻して待つ」というスタンスが優勢になった一日だったといえます。

今日の注目材料

☑️ 12月18日(木)の重要度の高い注目材料
時間 通貨 指標 重要度 前回 予想
22:30 🇺🇸 新規失業保険申請件数 ⚡⚡️ 23.6万件 22.5万件
22:30 🇺🇸 消費者物価指数 ⚡⚡️⚡⚡️ - +3.1%
22:30 🇺🇸 消費者物価指数【コア】 ⚡⚡️⚡⚡️ - +3.0%

今日の注目材料は、日本時間22時30分に集中して発表される米国の物価・雇用関連指標です。新規失業保険申請件数に加え、消費者物価指数(CPI)とコアCPIが同時に発表されるため、為替・金利・株式市場が一斉に反応しやすい非常に重要なイベントとなります。

新規失業保険申請件数は、週次統計という性質上ブレもありますが、足元の雇用環境の変化を敏感に映し出す指標です。ここがじわじわと増加してくるようであれば、労働市場の減速を通じて利下げペース加速を正当化する材料となり、逆に低水準が続くようであれば、利下げに慎重なスタンスを補強する材料として意識されます。

一方、CPIとコアCPIはインフレのトレンドそのものを測るうえで最も重視される指標の一つです。ヘッドラインとコアの双方が市場予想を上回る強い結果となれば、「インフレの粘着性」が改めて意識され、利下げペース加速観測が後退することで米長期金利の上昇とドル買いにつながりやすくなります。逆に、両者とも予想を下回る弱い結果となれば、「インフレ鈍化が一段と進んでいる」との評価から、利下げ加速期待が強まり、ドル売り・円買いに傾きやすくなります。

消費者物価と雇用関連の数字が強弱入り混じる結果となった場合には、市場の解釈が短時間で揺れ動きやすく、初動の値動きとは逆方向への巻き戻しが起こる可能性もあります。22時30分以降は、米金利とドルインデックス、株価指数の反応を合わせて確認しながら、マーケット全体がどのシナリオを重視しているのかを見極めていく必要がありそうです。

今日の見通し

今日のドル円は、東京〜欧州時間は「CPIと新規失業保険申請件数待ち」で様子見ムードが強まりやすく、NY時間の指標発表後に本格的なトレンドが出るかどうかを探る一日になりそうです。

ファンダメンタルズ分析

足もとの市場は、すでに利下げサイクル入りという大きなストーリーを意識しつつあり、そのうえで「利下げのペース」と「最終的な金利水準」をどのように織り込むかがテーマになっています。雇用市場は依然として歴史的に見ればタイトである一方、インフレ指標はピークアウトからの鈍化がある程度進んできており、今回のCPIは「インフレ鈍化がどこまで続き得るのか」を確認するうえで重要な節目となります。

もしCPIやコアCPIが市場予想を上回るようであれば、インフレ再燃リスクを意識した金利の再上昇とともに、「利下げペースを急ぎ過ぎるべきではない」との見方が強まり、ドル買い戻しが進みやすくなります。この場合、ドル円は155円台後半から156円台方向を試す展開も視野に入ってきます。

一方、CPIが予想を下回り、賃金や雇用指標の弱さとも相まって「利下げ加速を正当化する」と受け止められた場合には、米長期金利には再び低下圧力がかかり、ドル売り・円買いが優勢となりやすくなります。この場合、昨日の上昇が「イベント前の一時的な戻り」に過ぎなかったとの評価から、155円台前半〜154円台後半方向への下押し圧力が強まりやすくなりそうです。

日本側では、日銀の政策スタンスに大きな変化は見られず、マイナス金利解除や長期金利の運用見直しといった議論は続いているものの、目先の主導権は引き続き米側の物価・雇用指標とFRBのスタンスにあります。そのため、今日のドル円は基本的に「米インフレ指標の結果次第でどちらにも振れ得る局面」ととらえつつ、指標前の時間帯はレンジ内でのポジション整理が主要なテーマになりそうです。

テクニカル分析

テクニカル面では、ドル円の日足は高値圏での調整をこなしながら、再び上値を試す余地を残した形となっています。昨日のローソク足は、高値155.749円、安値154.512円と上下にヒゲを伴いつつ、終値155.640円と始値をしっかり上回る陽線を形成しました。前日までの下押し局面から一転して、154円台後半が下値として意識され、155円台半ばまで水準を回復したことで、「高値圏レンジの中で再び上側を試す動き」が意識されやすい足型です。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線を見ると、25日移動平均線はなお緩やかな右肩上がりを維持しており、その下には75日線・200日線も上向きで控えています。三本の移動平均線がすべて上向きで、短期線が中長期線を上回る構図は維持されていることから、中長期的には上昇トレンドが継続していると判断できます。足もとのレートは25日線のやや上側で推移しているとみられ、155円近辺が「短期的な押し目候補」であると同時に、「ここを割り込むと調整がやや深まりやすい分岐点」として意識されやすい水準です。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表では、ローソク足は依然として雲の上方に位置しているとみられ、遅行スパンも実線を上抜けた状態を維持していることから、中期的な強気基調に大きな変化はありません。ただし、転換線と基準線はここ数日横ばい気味になりつつあり、高値圏での持ち合いが続いていることも読み取れます。155円台前半から半ばにかけては、転換線と基準線が重なりやすいゾーンでもあるため、この帯の上側を維持できるかどうかが、短期の上昇トレンド維持の分かれ目となりそうです。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDに目を向けると、ゼロラインより上のプラス圏を維持しつつも、ここ最近はMACD線とシグナル線の乖離が小さくなっており、モメンタムはやや中立的な状態です。昨日の陽線を受けて、今後MACDがシグナル線から上方へ再び離れていくようであれば、上昇トレンド再加速への期待が高まりやすくなりますし、逆にデッドクロス方向へ進むようであれば、高値圏からの調整がもう一段深くなるシグナルとして意識されます。

これらのシグナルを総合すると、目先の下値めどとしては155.00円近辺、その下では154.50円付近が意識される一方、上値については155.80〜156.20円近辺が戻り売りのポイントとして意識されやすく、CPIをきっかけにこのレンジの外側へどちらにブレイクするかが、今後のトレンドを占ううえでの焦点となりそうです。

シナリオ分析

今日のドル円は、CPIと新規失業保険申請件数の結果次第で上下どちらにも大きく振れ得る局面ですが、ここでは上昇シナリオと下落シナリオを整理しておきます。

↗️ 上昇シナリオ(確率45%)
上昇シナリオでは、CPIやコアCPIが市場予想をやや上回る結果となり、インフレの粘着性が改めて意識されるケースを想定します。新規失業保険申請件数も低水準を維持し、労働市場のタイトさが確認されるようであれば、利下げペース加速を織り込み過ぎていた市場のポジション調整が進み、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢になりやすくなります。

この場合、155円台半ばを起点として156円ちょうど〜156円台前半を試す展開が視野に入り、テクニカル上の戻り高値を上抜けることができれば、156.50円近辺まで上値余地が広がる可能性があります。さらに、米金利上昇が持続するようであれば、156.80円〜157.00円方向を試す動きも意識されてきます。

↘️ 下落シナリオ(確率55%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、CPIやコアCPIが市場予想を下回り、インフレ鈍化の流れが一段と進んでいることが確認されるケースを想定します。新規失業保険申請件数も増加方向に振れ、労働市場の減速感が意識されるようであれば、「利下げペースの加速」と「最終金利水準の一段の切り下げ」が意識され、米長期金利には再び低下圧力がかかりやすくなります。

この場合、155円台前半から154円台後半にかけてのサポートゾーンを試す展開となり、155.00円を明確に割り込んだ場合には154.50円近辺までの下押しが進む可能性があります。154円台半ばでも下げ止まりが確認できない場合には、154円ちょうど付近を試す動きも視野に入ってきますが、中長期のトレンド自体はなお上向きであるため、そのような水準では押し目買い意欲も改めて強まりやすいと考えられます。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
東京時間は、CPIと新規失業保険申請件数というビッグイベントを控えていることもあり、155円台前半〜半ばを中心としたレンジ取引がメインとなりそうです。仲値にかけては実需のドル買いが下値を支える一方、155.70円前後から上では前日の高値圏が意識され、短期筋の戻り売りが出やすく、方向感に乏しい値動きが続くとみるのが自然です。

国内からは新たな大きな材料は見込みにくく、市場参加者の関心はほぼ米インフレ指標に集中しているため、東京時間は「今夜のイベントに向けてポジションとリスク量を整える時間帯」という位置づけになりやすい局面です。レンジの真ん中で無理にポジションを増やすよりも、自分が重視する支持線・抵抗線にできるだけ引きつけてからエントリーを検討する方が、リスク管理のうえでも有利になりやすいでしょう。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、東京時間で形成されたレンジを引き継ぎながら、ロンドン勢がCPI前の最終的なポジション調整を行う時間帯になります。欧州株や欧州債の動きに連動して一時的にリスクオン・オフのフローが出る場面はあり得ますが、22時30分の指標発表までは、155円台前半〜半ばを中心とした比較的落ち着いた値動きが続くとみるのが妥当です。

NY時間の前半は、CPIと新規失業保険申請件数の発表直前まで様子見ムードが続きやすく、取引量も徐々に細りやすい時間帯です。22時30分の指標発表と同時に、為替・金利・株式が一斉に反応し、ドル円も瞬間的に上下どちらかに大きく振れやすくなります。指標の結果が強弱入り混じる場合には、最初の数分間で一方向に走ったあと、その後数十分で逆方向に切り返す「往って来い」のパターンも起こりやすいため、初動だけで方向を決め打ちすることは避けたいところです。

23時台以降は、CPIと雇用関連指標の結果を踏まえたうえで、米長期金利や株価指数がどの水準で落ち着くのかを確認しながら、ドル円も新たなレンジやトレンドを模索していく時間帯となります。イベント後の値動きが一巡したあとに、改めてエントリーポイントを探すというスタンスも十分に選択肢として検討に値する局面だといえるでしょう。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:154.50円〜156.80円
今日はCPIと新規失業保険申請件数という非常に重要な指標が集中しているため、やや広めに154.50円〜156.80円のレンジを想定しています。東京〜欧州時間はこのレンジの内側での推移が中心となり、22時30分以降の値動き次第でレンジの上限または下限を試しに行く展開が見込まれます。レンジの真ん中付近で追いかけるのではなく、上下のめどにできるだけ引きつけてから押し目買い・戻り売りを検討することが重要な一日だと考えます。

🔀 上値抵抗線:156.20円、156.80円
上方向では、まず156.20円近辺が目先のレジスタンスとして意識されます。この水準は直近の戻り高値圏と重なりやすく、指標をきっかけに上振れした場合でも、いったんは利益確定売りや新規の戻り売りが出やすいゾーンです。その上では156.80円前後が次の上値目処となり、この水準まで到達した局面では、高値圏レンジの上限を試す動きとして、一度ポジションを軽くすることを検討しやすいポイントになりそうです。

🔀 下値支持線:155.00円、154.50円
下方向については、まず155.00円ちょうど前後が直近のサポートとして強く意識されます。この水準は心理的な節目であると同時に、短期的な押し目候補とも重なりやすく、ここを維持できる限りは押し目買いスタンスが優勢になりやすいと考えられます。これを明確に割り込んだ場合には、154.50円近辺が次の下値支持として浮上し、この水準まで下押しする場面では、高値圏での持ち合いから一段深い調整に発展する可能性にも注意を払う必要があります。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、CPI発表後の値動きを経たうえで、156.80円前後のレジスタンス帯を日足ベースでしっかりと上抜け、156円台後半〜157円近辺で引けるかどうかが一つの目安となります。この条件を満たすようであれば、11月高値圏や157円台方向を視野に入れた「高値更新トレンド継続」のシナリオが強まりやすくなります。

下方向については、155.00円と154.50円の支持帯を連続して割り込み、日足が154円台前半でクローズするような展開となった場合、高値圏での持ち合いから一段下の価格帯へのシフトが意識され、次のターゲットとして154円ちょうど〜153円台後半が意識されやすくなります。その場合、日足レベルでの調整局面がよりはっきりと意識される点に注意が必要です。

⚠️ 注意すべきリスク要因
今日は、雇用・物価・景気の三つの柱のうち、とくに「物価」に焦点が当たる一日です。22時30分のCPIと新規失業保険申請件数が同時に発表されることで、アルゴリズム取引や高頻度取引も重なり、指標直後の数分間はスプレッドの拡大や約定の滑りが発生しやすくなります。最初のヘッドラインだけを頼りに飛び乗ると、その後の全体的な文脈が判明した段階で逆方向に大きく戻されるリスクもあるため、金利・株価・ドルインデックスの動きをセットで確認しながら、相場の評価がどちらに傾いているのかを慎重に見極める姿勢が重要です。

☑️ 投資判断における留意点
今日のようなビッグイベントの日は、「どこで勝負するか」以上に「どこではあえて勝負しないか」を決めておくことが、資金とメンタルを守るうえで非常に大切です。指標直前や直後のもっとも荒い時間帯に大きなポジションを持ち込むほど、スリッページや一時的な乱高下に翻弄されやすくなります。

エントリーを検討する際には、自分が許容できる損失額から逆算してロットサイズを決めること、どのレートまで逆行したら必ず損切りするのかをあらかじめ具体的に決めておくこと、そして指標直後の最初の値動きだけで方向を決めつけず、ある程度落ち着いたタイミングで再度チャートとファンダメンタルズを確認することが重要です。

高値圏レンジが続くなかでは、一回一回のトレードで大きく利益を狙いにいくよりも、自分のルールに沿って負けを小さくコントロールし続けることが、結果としてトータルのパフォーマンスとメンタルの安定につながりやすくなります。今日も、マーケットのノイズに振り回されすぎず、自分のシナリオとリスク管理のルールに忠実に相場と向き合っていきたいところです。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。