【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年12月12日)

『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年12月12日のカレンダー

おはようございます。Trader MTです。FOMC通過後のドル円は、高値圏でいったん息継ぎをしながら155円台を中心とした調整レンジに入りつつあるように見えますね。今日は深夜のグールズビー総裁の発言をにらみつつ、155円近辺のサポートと156円台前半の戻り売りゾーンの攻防を意識していきたいところです。それでは、今日も自分のシナリオとルールを大事にしながら相場をチェックしていきましょう😌(公開時刻:07:46/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円は、FOMC後の高値圏で利益確定売りが優勢となったところに、米新規失業保険申請件数が市場予想をやや上回る増加となったことで米金利が低下し、ドル売り・円買いが意識される一日となりました。東京時間では156円台前半からじり安となり、欧州時間には一時154.94円まで下落。その後NY時間にかけては売り一巡後の買い戻しで155円台半ばまで持ち直したものの、終値は155.58円と前日からやや水準を切り下げてクローズしています。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年12月11日 156.003 156.162 154.942 155.576

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

12月11日の東京時間のドル円は、156.00円ちょうど前後で取引をスタートしました。FOMCを通過したとはいえ、前日までのドル高・円安局面の反動もあって、序盤から上値の重さが意識される展開となりました。日経平均株価は堅調さを維持したものの、高値圏での利食い売りも重なり、株高をきっかけにした積極的な円売りにはつながらず、ドル円は156円台前半で上値を抑えられる動きが続きました。

午前からお昼にかけては、FOMC後の値動きの「答え合わせ」をするように、短期筋を中心とした戻り売りが優勢となり、じわじわと水準を切り下げる展開に。156円ちょうどを明確に上抜けることができないと見る向きが増えたことで、テクニカルな売りも加わり、午後には155円台半ばを割り込む場面も見られました。東京時間後半には、欧州勢の本格参入を前にポジションを軽くする動きも出て、ドル円は155円台後半でやや弱含み気味に推移しながら欧州時間へとバトンを渡しています。

欧州・NY時間

欧州時間の序盤、ドル円は155.70円前後で取引を再開しました。欧州株式市場は方向感に欠ける小動きとなり、リスクオン・リスクオフどちらかに大きく傾くような材料は見当たりませんでしたが、FOMC後の利下げサイクル入りを意識した米金利低下観測が重石となり、ドル円はじりじりと下値を探る展開が続きました。

その流れの中で、テクニカルの節目を割り込んだことをきっかけにストップ売りが断続的に持ち込まれ、欧州時間中盤には一時154.94円まで下落し、日中安値を更新しました。ただ、155円割れの水準では、本邦実需筋の買い戻しや短期勢のショートカバーも入りやすく、売り一辺倒の流れにはならずに徐々に下げ渋る形に。

NY時間に入ると、米株式市場はFOMC後の不透明感をある程度織り込みながらも、極端なリスクオフには至らず、比較的落ち着いた推移となりました。米金利は一時低下したものの、その後は下げ渋りを見せ、ドル売り圧力も次第に和らぎました。これに伴い、ドル円も154円台後半からの押し目買いとショートカバーが優勢となり、155円台を回復。NY午後には155.50〜155.70円近辺でのもみ合いとなり、最終的には155.58円前後で引けています。

一日を通じてみると、FOMC後のドル高局面に対する利益確定と、米雇用関連指標をきっかけとした金利低下を背景に、いったん上昇のスピードを緩める「調整日」としての側面が強い値動きだったと言えそうです。

今日の注目材料

☑️ 12月12日(金)の重要度の高い注目材料
時間 通貨 指標 重要度 前回 予想
24:35 🇺🇸 シカゴ連銀総裁グールズビー氏の発言 ⚡⚡️ - -

今日の注目材料は、日本時間24時35分に予定されているグールズビー・シカゴ連銀総裁の発言です。FOMCを終えた直後というタイミングでもあり、今回の決定や今後の利下げペースについてどのような見解を示すのか、市場はそのニュアンスに敏感に反応しやすい状況です。

特に注目されるポイントとしては、⚫︎インフレ鈍化の進捗度合いに対する評価、⚫︎労働市場の需給バランスに関する見通し、⚫︎今回の利下げ後の「次の一手」にどこまで踏み込んで言及するか、といった点があります。仮に、今後も比較的積極的な利下げを示唆するようなハト派寄りのスタンスが前面に出れば、米金利低下を通じてドル売り・円買い方向に反応しやすくなります。一方、「インフレの完全な収束にはまだ時間がかかる」「早期の緩和加速には慎重」といったタカ派寄りのメッセージが強ければ、利下げ期待の行き過ぎを修正する形でドル買い戻しが入りやすい展開も想定されます。

指標そのものではないものの、FOMC直後の連銀総裁発言は、FRB内部の温度感を探るうえで重要なヒントとなるため、今日のNY後半はヘッドラインの内容と金利の反応に注意を払っておきたいところです。

今日の見通し

今日のドル円は、FOMCと一連の雇用指標を消化したあとということもあり、「利下げサイクル入り」という大きな流れを背景にしながらも、短期的にはポジション調整主導のレンジ相場になりやすいと考えられます。

ファンダメンタルズ分析

昨日の値動きは、FOMC前後にかけて積み上がったドルロングの一部を整理する動きが表面化した格好で、特に目立った新しい悪材料が出たというよりは、「高値圏でいったん息継ぎをした」という色合いが強い一日でした。米金利は依然として歴史的に見れば高水準にあるものの、利下げサイクル入りが意識されているため、ここからさらに上値を追っていくのはやや難しくなっている一方、景気自体は急激に悪化しているわけでもなく、「緩やかな減速と段階的な利下げ」というシナリオがマーケットのメインシナリオとして意識されつつあります。

日本側では、日銀の政策スタンスに目新しい変化はなく、マイナス金利解除や追加利上げの議論がくすぶり続けているとはいえ、短期的には「米側の金利・景況感次第で円高にも円安にも振れやすい」という構図が続いています。このため、しばらくは米金利の動きと要人発言をきっかけにしたポジション調整が主導する相場つきとなり、トレンドフォロー一辺倒よりも、レンジの中での押し目買い・戻り売りを丁寧に組み合わせる方がフィットしやすい環境と言えそうです。

テクニカル分析

チャートをあらためて確認すると、ドル円の日足は依然として高値圏に位置しながらも、ここ数日はやや上値の重さが意識される形となっています。昨日のローソク足は、高値156.162円・安値154.942円と上下にヒゲを伴いつつ、終値が155.576円と始値をわずかに下回る小さめの陰線となりました。FOMC後の値動きとしては、上昇一服から「一段上を目指す前の持ち合い」に移行している印象です。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線に目を向けると、25日移動平均線は依然として右肩上がりを維持しており、中期の75日線・長期の200日線も緩やかな上昇トレンドを描いています。三本の移動平均線がすべて上向きで、かつ短期線が長期線を上回る「順ザヤ」の形は崩れておらず、大局としての上昇トレンドは継続中と判断できます。足元のレートは25日線のやや上側での攻防となっているとみられ、155円台半ば〜前半が、短期トレンドを占う意味で重要な分岐点として意識されやすいゾーンです。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表では、ローソク足が引き続き雲のかなり上方で推移していると想定され、遅行スパンも実線を上抜けた状態を維持していることから、中期の強い地合い自体は保たれていると見られます。一方で、転換線・基準線はここ数日横ばいに近づきつつあり、勢いのある上昇トレンドというよりは、高値圏での価格調整フェーズに入りつつあることも読み取れます。155円台半ばに位置するとみられる転換線〜基準線の帯は、押し目買いが入りやすい水準であると同時に、この帯を下抜けてくると、雲の上限方向まで調整余地が広がりやすいポイントとして意識しておきたいところです。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはゼロラインより上のプラス圏を維持しているものの、ここ数日はMACD線とシグナル線の乖離が縮小しつつあり、ヒストグラムのプラス幅も目立って小さくなっています。これはモメンタムの鈍化を示しており、「トレンドは上向きだが、勢いはやや落ち着いている」という状況を表しています。今後、MACDがシグナル線を下抜けるデッドクロスが明確になってくる場合には、日足レベルでの調整局面入りへの警戒感が高まりやすくなります。

テクニカルを総合すると、目先の下値としては155.00円前後が最初の防波堤、その下では154.50円近辺が意識される一方、上値は156円台前半〜半ば、さらにその上の156.80〜157.00円が戻り売りのポイントになりやすい構図です。

シナリオ分析

今日の相場は、FOMC後のポジション調整を続けながら、要人発言を手掛かりに「レンジのどちら側に重心が移るか」を探る一日になりそうです。

↗️ 上昇シナリオ(確率45%)
上昇シナリオでは、昨日の下押しがあくまで利食いと短期的な調整にとどまり、155円台半ばが堅いサポートとして意識されるケースを想定します。グールズビー総裁の発言が「インフレ鈍化は認めつつも、利下げペース加速には慎重」といったトーンで、市場の過度な利下げ期待をやや冷ます方向に働いた場合、米長期金利の下げ渋りを通じてドル買いが優勢となる余地があります。この場合、155円台後半〜156円ちょうどが押し目買いのポイントとなり、156.20〜156.50円のレジスタンス帯を試す展開が視野に入ります。その上を明確に抜けてくれば、再び156.80〜157.00円方向を試す動きも想定されます。

↘️ 下落シナリオ(確率55%・メインシナリオ)
一方の下落シナリオでは、FOMC後の利下げサイクル入りという大きな構図を意識した「戻り売りスタンス」が優勢になるケースをメインに見ています。グールズビー総裁がインフレ鈍化や景気減速に対して慎重な見通しを示し、「必要なら追加利下げも辞さない」といったニュアンスが強く出た場合、米金利には再び低下圧力がかかり、ドル売り・円買いの流れが意識されやすくなります。この場合、156円台前半では戻り売りが優勢となり、155.50円前後の押し目を割り込んで155円ちょうど方向を試す展開も考えられます。

とはいえ、中長期の上昇トレンドがまだ崩れているわけではないため、下押しした局面では実需のドル買いや短期筋の押し目買いも入りやすく、「一気にトレンド転換」というよりは、「高値圏での調整をもう一段こなす」というイメージで捉えておくのが現実的なところです。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
東京時間は、前日の下押しを一度消化し直す形で、155円台半ばを中心としたレンジ取引になりやすいと見られます。仲値にかけては輸入企業のドル買いが散発的に入りやすく、155.30〜50円近辺では下値が支えられやすい一方、156円ちょうどから上では前日の高値水準が意識され、戻り売りが出やすいゾーンになりそうです。

目立った国内材料に乏しいこともあり、東京時間単体でレンジを大きく抜けていくイメージは持ちにくく、「週末を意識しつつ、ポジションとリスク量を整える時間帯」という位置づけになりやすいでしょう。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、東京で形成されたレンジを引き継ぎつつ、ロンドン勢がFOMC後の調整の行き過ぎを見極めながら、戻り売り・押し目買いの水準感を探る展開になりそうです。欧州株や欧州債の動向次第では、一時的にリスクオン・オフのフローが出る場面もあり得ますが、今日の本命はあくまでNY後半のグールズビー発言であり、それまでは大きな方向感は出にくいと想定されます。

NY時間も前半は、米金利と株価の動きを確認しながらのレンジ中心の展開となりやすく、155円台半ば〜156円近辺の往来がメインとなるイメージです。24:35のグールズビー発言前後は、一時的にヘッドラインに振らされる値動きや、金利のスパイク的な上下動に連動したドル円の乱高下が生じる可能性もありますが、最終的には「利下げサイクル全体の中でどの位置づけか」という視点で落ち着きどころを探る展開が予想されます。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:154.80円〜156.80円
今日は154.80円〜156.80円のレンジ内での推移をメインシナリオと想定しています。基本的にはこのレンジを前提に、155円割れに近づく場面では押し目買いを意識しつつ、156円台半ば〜後半では戻り売りを検討するような「レンジ前提」の戦略がフィットしやすい局面だと考えます。グールズビー総裁の発言をきっかけに、レンジの外側に明確なブレイクが出た場合には、その動きが一時的なノイズか、トレンド転換のサインかを慎重に見極める必要があります。

🔀 上値抵抗線:156.20円、156.80円
上方向では、まず156.20円近辺が目先のレジスタンスとして意識されます。この水準は前日の高値圏にも近く、短期筋の利食い売りや戻り売りが出やすいゾーンです。その上では156.80円前後が次の上値目処となり、この水準まで上昇した場合には、「高値圏レンジの上限を試す動き」としていったんポジションの軽量化を検討しやすいポイントと言えます。

🔀 下値支持線:155.00円、154.80円
下方向については、まず155.00円ちょうど前後が直近のサポートとして意識されます。前日もこの水準に近いゾーンで押し目買いが入っていることから、同様に買いが出やすいと考えられます。ここを明確に割り込んだ場合には、154.80円近辺が次の下値支持として浮上し、この水準まで下押しする場面では、一時的に調整色が強まりやすい点には注意しておきたいところです。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向のブレイク条件としては、156.80円前後のレジスタンス帯を日足ベースでしっかりと上抜けて引けるかどうかがポイントになります。この条件を満たした場合には、11月高値圏や157円台方向を視野に入れた「高値更新トレンド継続」のシナリオが強まりやすくなります。下方向については、155.00円および154.80円の支持帯を連続して割り込み、日足で155円台を回復できない状態が続くようであれば、154円台前半が次のターゲットとして意識され、「高値圏での持ち合い」から「調整局面の深まり」へと評価が変わるリスクを意識する必要が出てきます。

⚠️ 注意すべきリスク要因
今日は、経済指標こそ予定されていないものの、FOMC直後というタイミングと、連銀総裁発言という「ヘッドライン次第で空気が変わりやすいイベント」が控えている点に注意が必要です。とくにNY後半の時間帯は、市場参加者の流動性が細り始めるなかでコメントが流れることも多く、想定以上にレートが振れるケースもあり得ます。

また、マーケット全体が「利下げサイクルモード」に入っている分、インフレや景気に対して慎重なトーンの発言があった場合、金利・株価・為替が同時に反応し、短時間でポジションの偏りを解消しにいく動きが出る可能性もあります。ポジションサイズやレバレッジをいつもより意識的に抑え、想定外の値動きにも耐えられる余裕を持っておきたいところです。

☑️ 投資判断における留意点
今日のように、明確なトレンドが出にくい高値圏レンジの局面では、「どこで勝ちに行くか」よりも「どこで無理をしないか」を決めておくことが大切です。レンジの真ん中で勢いだけを頼りに売買を繰り返してしまうと、値幅の割にリスクだけが積み上がりやすくなります。

エントリーを考える場合は、あらかじめ決めた支持線・抵抗線にできるだけ引きつけてからポジションを取ること、そしてエントリー前の段階で「この水準まで逆行したら必ず切る」「このあたりまで伸びなければ利確する」というラインを、レートと金額ベースで具体的に決めておくことが重要です。

レンジ相場の期間は、一回一回のトレードで大きく狙うよりも、「負けをコントロールする」「ルールを守り続ける」ことが、最終的なパフォーマンスとメンタルの安定につながりやすい局面です。今日も、マーケットのノイズに振り回されすぎず、自分のシナリオとルールに沿った取引を意識していきたいところです。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。