【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年12月8日)

『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年12月8日のカレンダー

おはようございます。Trader MTです。先週末のドル円は154円台半ば〜155円台半ばのレンジを再確認し、高値圏での持ち合いが続いています。今日は目立った指標も少なく、週後半のイベントを前に「どちらの方向にバイアスが傾くか」を探る一日になりそうです。無理にトレンドを決め打ちせず、レンジ前提でサクッと今日のシナリオを確認していきましょう😌(公開時刻:07:34/日本時間)

先週末の振り返り

12月5日の金曜日のドル円は、週末・週明けのイベント待ちムードが強いなかで上下に振れながらも、終盤にかけて155円台前半へ持ち直す展開となりました。東京時間では155円台前半からじり安となり一時154.34円付近まで下落しましたが、欧州時間以降は押し目買いが入り、NY時間には155円台前半を回復。最終的に、始値155.05円、高値155.49円、安値154.34円、終値155.34円と、安値からはやや切り返して週末クローズとなりました。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年12月5日 155.052 155.493 154.341 155.337

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

12月5日の東京時間のドル円は、155.05円前後で取引をスタートしました。序盤は155円台前半での小動きが続きましたが、週末を前にしたポジション調整の売りが優勢となり、じわじわと上値を切り下げる展開となりました。日経平均株価はやや軟調気味の推移となり、リスクオンを背景とした円売りにはつながりにくかったこともあって、ドル円は午前中にかけて155円割れを試す流れが強まりました。、ドル円はじりじりと上値を切り下げる動きが優勢となりました。

その後、輸出企業の売りや短期筋の戻り売りも重なり、ドル円は154.50円近辺まで下落。一時は154.34円まで日中安値を更新し、前日までサポートとして意識されていた155円ちょうどのラインを明確に割り込む場面も見られました。ただ、この水準では本邦実需筋を中心とした押し目買いが下支えとなり、154円台前半〜半ばでの下値は比較的堅い印象でした。東京時間の後半にかけては、欧州勢の参入を控えたショートカバーも加わり、ドル円は再び155円手前まで小幅に戻して欧州時間へバトンを渡しています。

欧州・NY時間

欧州時間に入ると、ドル円は155円近辺で取引を再開しました。欧州株式市場は総じて落ち着いた推移となり、リスクオン・リスクオフいずれにも強く傾かない中で、ドル円も155円台前半を中心としたレンジ取引が続きました。週末にかけての新たな手掛かり材料に乏しかったこともあり、欧州勢はポジション調整を優先し、方向感を伴うフローは限定的でした。

NY時間に入ると、前夜までに注目イベントを一通り消化していたこともあり、米金利・株価ともに様子見ムードが強い展開となりました。米国からは目立ったサプライズ材料が出なかったことから、ドル円も大きくトレンドが発生することはなく、154円台後半から155円台前半にかけての戻りを試す展開が中心となりました。

NY後半には、週末を前にしたショートカバーや実需の買い戻しも支えとなり、ドル円は155.49円まで日中高値を更新。その後は155.30円台で落ち着いた動きとなり、結局、始値155.05円に対して終値155.34円と小幅高で週末の取引を終えています。週末全体としては、154円台半ばで下値の堅さを確認する一方、155円台後半から上では戻り売りが意識されるなど、レンジの上下を再確認するような一日だったと言えるでしょう。

なお、週末から週明け早朝(オセアニア時間帯)にかけてのドル円は、155円ちょうど前後を中心とした小動きにとどまり、材料難のなか実需フロー主体で落ち着いたスタートとなっています。

今日の注目材料

今日の日本時間で、ドル円相場に大きなインパクトを与えうるような重要度の高い経済指標や要人発言の予定は特にありません。先週末までに物価指標や雇用関連指標といった主要材料を一通り消化していることもあり、今日は「次のイベントを見据えつつ、ポジションの持ち方を整理する日」といった位置づけになりやすい地合いです。

このため、マーケットの関心は、今週後半に控える米経済指標や中銀関係者の発言など、今後の金融政策スタンスを占う為の材料に向かいやすくなります。とはいえ、今日の段階では新規材料が乏しいことから、実需フローやテクニカル要因を中心としたレンジ取引になりやすく、急激に方向感が出るよりは「上値・下値のどちらが重いか」を探る一日になりそうです。

今日の見通し

今日のドル円は、先週までに出そろった米インフレ・雇用関連指標の内容を改めて消化しつつ、「来年の利下げ開始時期」と「日銀の正常化ペース」を意識した中での様子見ムードが続きやすいと考えられます。

ファンダメンタルズ分析

米国では、インフレ鈍化の流れが続くなかで、来年の利下げ開始を織り込む動きがなお根強いものの、景気そのものは急激な悪化局面に入っているわけではなく、「緩やかな減速と利下げ期待」が同居する状態が続いています。このため、米長期金利は高値圏からの調整局面にある一方、株式市場は利下げ期待を好感しながら底堅く推移しやすいという、やや複雑な組み合わせが続いています。金利面だけを見ればドル安・円高方向へのバイアスがかかりやすい一方、リスクオンの局面では円売りフローも入りやすく、ドル円は一方向にトレンドを形成しづらい環境が続いていると言えるでしょう。

日本側では、日銀の追加利上げやマイナス金利解除をめぐる思惑がくすぶり続けているものの、そのタイミングやペースについては依然として不透明です。物価・賃金の動向次第では「段階的な利上げ」や「緩やかな正常化」といったシナリオが意識されやすく、中長期的には円の下支え要因となりやすい一方、足もとでは米金利との水準差がなお大きく、ドル円の高値圏維持を許容しやすい環境とも言えます。

こうしたファンダメンタルズを踏まえると、今日のドル円は154円台半ば〜155円台後半のレンジを中心とした「方向感探り」の展開となりやすく、イベントドリブンで大きく動くというよりは、実需フローとテクニカル要因が主導する相場つきを想定しておくのが無難な一日と言えそうです。

テクニカル分析

チャートを俯瞰してみると、ドル円の日足は依然として「高値圏での持ち合い」を続けています。10月以降、安値を切り上げながら上昇してきた流れは大きくは維持されているものの、11月以降は155〜157円のレンジ内での往来が目立ち、トレンドの勢いはやや鈍化しています。ることを示しています。

先週末のローソク足は、高値155.49円・安値154.34円と上下にヒゲを伴うものの、終値は155.33円と始値をわずかに上回る水準で引けており、売り買いが拮抗するなかでも154円台半ばでは押し目買い意欲が根強いことがうかがえる足型となりました。154円台前半から中盤にかけては直近安値が複数回意識されており、ここが当面の下値メドとして市場参加者の意識に残りやすい水準です。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線に目を向けると、短期の25日移動平均線はなお右肩上がりを維持しており、その下側には75日線と200日線が緩やかな上昇基調で控えています。三本の移動平均線が上向きかつ短期線が長期線を上回る形は、大局としての上昇トレンドが続いていることを示しており、現状はその中での調整・持ち合い局面と捉えるのが自然です。足元のレートは25日線近辺での攻防となっており、154円台後半〜155円ちょうど付近が、移動平均線と直近安値が重なるサポートゾーンとして意識されやすい状況です。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表では、ローソク足が依然として雲の上方で推移しているとみられ、遅行スパンもローソク足を上回る位置にあると想定されることから、中期的な上昇基調が大きく崩れているわけではありません。一方で、転換線や基準線はやや横ばい気味となっており、「強いトレンド」から「持ち合いを伴う高値圏」といった雰囲気に変化してきている印象です。155円前後に位置する転換線〜基準線のゾーンは、押し目買いが入りやすい水準であると同時に、このゾーンを明確に下抜けた場合には調整が一段深まりやすいポイントとして意識しておきたいところです。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDを見ると、ゼロライン近辺のプラス圏で推移しながら、MACD線とシグナル線の乖離は小さな状態が続いています。ヒストグラムの振れ幅も限定的で、モメンタムが強くも弱くもない「様子見」の状態と言えます。今後、イベントを契機にMACDがシグナル線から上方へ大きく乖離するようであれば上昇トレンド再加速のシグナルとなり得ますが、逆にデッドクロスが明確になってくるようだと、日足レベルでの調整局面入りを強く意識する必要が出てきます。

総じて、154.50〜155.00円のゾーンは当面の下値メドとして意識されやすく、一方の上値は156円方向に向かう途中の155円台後半〜156.00円近辺で戻り売りが出やすい構図が続いていると考えられます。

シナリオ分析

今日のドル円は、はっきりしたイベント材料に欠けるなかで、先週末に確認されたレンジの中でどちらの方向にバイアスが強まるかを探る一日になりそうです。トレンドの大枠としては上昇バイアスが残るものの、モメンタムの鈍化や高値警戒感もあり、上値を積極的に追いにくい地合いが続いているのが現状です。

↗️ 上昇シナリオ(確率40%)
上昇シナリオでは、154円台後半〜155円ちょうどのサポートが意識されるなかで、押し目買いが優勢となり、じりじりと155円台後半〜156円方向への戻りを試す展開を想定します。米長期金利が大きく下押しされず、株式市場も比較的落ち着いたリスクオン寄りの雰囲気を保つようであれば、クロス円を通じた円売りがドル円の下支え要因となりやすく、上値抵抗線までの戻りを試しやすい環境となるでしょう。この場合、まずは155円台半ばの戻り売りをこなして156円ちょうどを明確に回復できるかが焦点となり、その上では156.20〜156.50円といったレベルが次のターゲットになってきます。

↘️ 下落シナリオ(確率60%・メインシナリオ)
一方、下落シナリオでは、先週末から続く上値の重さが意識されるなかで、米金利の小幅な低下や円買い戻しのフローが重なり、再び155円を割り込んで154円台半ば方向への下押しを試す展開を想定します。明確なネガティブ材料がなくとも、「イベント前のポジション調整」や「高値圏での利食い売り」が優勢となれば、節目割れをきっかけにストップロスを巻き込み、154.50円近辺まで下げ幅を広げる可能性もあります。もっとも、中長期のトレンドはなお上向きであることから、下押しが進んだ局面では再び押し目買いが入りやすく、一気にトレンドが反転するというよりは、「高値圏での調整がじわじわ進む」といったイメージで捉えるのが妥当な局面と言えそうです。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
東京時間は、国内から目立った経済指標や要人発言の予定がないこともあり、155円ちょうどを挟んだレンジ取引が中心になりやすいと見られます。仲値にかけては輸入企業のドル買いが散発的に観測される一方、155円台半ばにかけては戻り売りも出やすく、上値を一気に抜けていくような勢いは出にくい地合いが想定されます。動きは限定されそうです。

株式市場が先週末の海外株高を素直に織り込んで堅調に推移するようであれば、リスクオンによる円売りがドル円の支えになる可能性があるものの、イベント前で市場参加者の姿勢も慎重になりやすく、「下がれば買い、上がれば売り」といったレンジ前提の取引が中心になる公算が大きいでしょう。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、東京時間の値動きを引き継ぎつつ、ロンドン勢によるポジション調整が主体の展開になりそうです。今週後半に控える米経済指標や中銀関連イベントを意識するなかで、新規ポジションを大きく傾ける動きは限られ、むしろ既存ポジションのリスク調整が優先される可能性があります。欧州株や欧州債の動きに連動して一時的にリスクオン・リスクオフに振れる場面があっても、ドル円単体で大きく方向が出るイメージは持ちにくい局面です。

NY時間も、今日は大きな指標イベントが予定されていないことから、金利と株価の動きを見ながらのレンジ主体の相場が想定されます。米長期金利が落ち着いた推移を続けるようであれば、ドル円も155円台前半〜半ばを中心とした小動きにとどまりやすく、155円割れから154円台後半にかけては押し目買い、156円方向への戻り場面では戻り売りが意識される「往って来い」になりやすい地合いと言えそうです。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:154.50円〜156.00円
今日は154.50円〜156.00円のレンジをメインシナリオとして想定しており、この価格帯を前提に押し目買いと戻り売りを組み合わせながら、週後半のイベントを見据えてポジションの傾きとリスク量を調整していきたい局面だと考えます。大きなトレンドを狙うというよりは、レンジ内での短期的な値動きを前提に戦略を組み立てるイメージが適しているでしょう。

🔀 上値抵抗線:155.60円、156.00円
上方向では、まず155.60円近辺が目先のレジスタンスとして意識されます。この水準は先週から複数回意識されてきた戻り売りのポイントであり、ここを明確に上抜けない限り、上値追いの動きは途中で失速しやすいと見られます。その上では156.00円ちょうど前後が次の上値目処となり、この水準まで上昇した場合には、利益確定売りや短期筋の戻り売りが出やすくなるゾーンとして意識しておきたいところです。

🔀 下値支持線:155.00円、154.50円
下方向については、まず155.00円ちょうど前後が最初のサポートとして意識されます。先週末にも一度割り込んだものの、その後すぐに買い戻されていることから、この水準近辺には押し目買いニーズが集まりやすいと考えられます。ここを明確に割り込んだ場合には、先週末の安値圏と重なる154.50円近辺が次の下値目処となり、この水準まで下押しする場面では、一時的に調整色が強まりやすくなる点に注意が必要です。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向については、156.00円ちょうどのレジスタンス帯を日足ベースで明確に上抜けて引けるかどうかがポイントになります。この水準をしっかりと超えて定着するようであれば、156円台半ば〜157円方向への上値トライを意識した「高値圏レンジからの上放れ」のシナリオが強まりやすくなります。下方向については、155.00円と154.50円の支持帯を連続して割り込み、日足ベースで155円台を回復できない展開となった場合に、154円ちょうど〜前半が次のターゲットとして浮上しやすく、「高値圏での持ち合い」から「調整局面の深掘り」へと評価が切り替わるリスクが高まる点を意識しておきたいところです。

⚠️ 注意すべきリスク要因
今日は大きな経済指標や要人発言が予定されていない分、流動性が薄くなりやすい時間帯に、少し大きめのフローが入っただけでレートが想定以上に振れやすいというリスクがあります。特に、仲値前後や海外市場の序盤・終盤といった時間帯は、実需フローやポジション調整が集中しやすく、テクニカルの節目を一瞬だけ抜ける「ダマシ」の動きが出やすくなります。

また、材料難のなかでも、地政学リスクや要人の突発的なコメントなど、予定外のヘッドラインが出れば、市場のセンチメントが急速に傾く可能性もゼロではありません。表面的には落ち着いた値動きに見える日ほど、流れが変わった際のスピードに備えて、ポジションサイズや証拠金に余裕を持たせておくことが重要になります。

☑️ 投資判断における留意点
今日のように、大きなイベントの「合間」に位置する日では、値幅の割にトレンドの方向感が出にくく、無理に売買を繰り返してもリターンに見合わないリスクだけが積み上がりがちです。エントリーする場合は、レンジの中程で追いかけるのではなく、自分が優位性を感じられる水準──たとえば、事前に決めた支持線・抵抗線付近──まで引きつけてからポジションを取ることを心がけたいところです。

さらに、エントリー前の段階で「どこまで逆行したら必ず損切りするのか」「どのあたりで利確するのか」をレートと金額ベースで具体的に決めておくことが、結果として感情に左右されないトレードにつながります。レンジ相場が続く局面では、一回一回のトレードで大きく稼ごうとするよりも、「無駄な負けを増やさない」「ルールを守り続ける」という姿勢が、トータルの成績とメンタルの安定に直結しやすいことを意識しながら、今日の相場に向き合っていきたいところです。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。