【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年12月2日)

濃紺の背景に『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年12月2日のカレンダー。

おはようございます。Trader MTです。昨日のドル円は一時154円台後半まで売られたものの、最終的には155円台前半まで切り返し、日足では長い下ヒゲを残しました。本日は目立った材料に乏しく、155円近辺を挟んで「押し目買い」と「戻り売り」が交錯するレンジ相場になりそうです。テクニカルの節目を意識しつつ、深追いしすぎないように今日も慎重にいきましょう😌(公開時刻:08:14/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円は、高値圏での持ち合いから一時下方向に振れる場面がありましたが、最終的には155円台前半まで持ち直して引ける展開となりました。東京時間の序盤は156円台前半での小動きが続いたものの、欧州時間にかけてドル売り・円買いが優勢となり、一時154円台後半まで下落しました。その後はNY時間にかけて押し目買いが入り下値を切り上げ、始値156.05円、高値156.15円、安値154.66円、終値155.41円と、約1.5円の値幅を伴いながらも、日足では長い下ヒゲを残す形となりました。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年12月1日 156.054 156.149 154.662 155.407

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

12月1日の東京時間のドル円は、156.05円前後で取引をスタートしました。序盤は先週末からの流れを引き継ぎ、156円台前半を中心とした落ち着いた値動きが続きましたが、前週までの上昇局面で積み上がっていたロングポジションの調整も意識され、徐々に戻り売りが優勢となりました。日経平均株価は底堅さを維持したものの、高値警戒感から上値が重く、株高を起点とした積極的な円売りにはつながりにくい環境でした。このため、ドル円は午前にかけてじりじりと上値を切り下げる展開となり、155円台後半へと水準を下げました。

午後に入ると、海外勢の参入を意識したポジション調整の動きが強まり、155円台後半でロングの手仕舞いが進んだことから、ドル円は一時155.50円割れを試す場面も見られました。ただ、155円近辺には押し目買いニーズも控えていたとみられ、この水準を大きく下抜けることなく東京時間は推移しました。最終的に東京クローズにかけては155円台後半での小幅なレンジに収れんし、次の材料を待つ展開となりました。

欧州・NY時間

欧州時間に入ると、ドル円は東京時間の流れを引き継ぎ、155円台後半からスタートしました。序盤は欧州株がやや軟調に推移したこともあり、リスク回避的な円買いが意識される場面もあって、ドル円はじりじりと下押しされました。米長期金利が低下基調を続けていることもドル売りの一因となり、欧州前半には155円台前半、その後の時間帯には一時154.66円まで下落し、日中安値を更新しました。上昇トレンドの中で高値圏にあったこともあり、テクニカルな利食い売りや短期筋のストップロスが巻き込まれた格好です。

しかしNY時間に入ると、154円台後半では押し目買い意欲が強く、徐々にショートカバー主導の反発が優勢となりました。米国から目立った経済指標や要人発言はなく、米株式市場も落ち着いた値動きとなる中で、ドル円はテクニカルな下値メドと意識されていた155円近辺を割り込まずに切り返し、NY終盤にかけては155円台前半まで水準を戻しました。結果として、安値からは80銭以上切り返して引けており、日足では長い下ヒゲを伴う形となったことで、「下押し局面では依然として押し目買いが入りやすい地合い」が確認された一日だったと言えるでしょう。

今日の注目材料

本日は、ドル円相場に大きなインパクトを与えうるような重要度の高い経済指標や要人発言の予定は特にありません。したがって、ファンダメンタルズ面から新たなトレンドを生む材料は乏しく、前日までのテーマである「米金融政策の行方」と「日銀の正常化スタンス」を背景としつつ、市場は次のイベントを待つ時間帯に入ることになりそうです。

そのため、本日の為替市場では、経済指標や要人発言といったイベントよりも、実需フローやポジション調整、テクニカル要因が相場を動かす主な要因となることが想定されます。特に、昨日の値動きで確認された154円台後半〜155円近辺の下値の堅さと、156円台半ば〜後半の上値の重さをどの程度まで意識するかが、短期的な売買戦略を検討するうえで重要なポイントとなりそうです。

今日の見通し

本日のドル円は、明確なイベント材料に乏しい中で、これまでのテーマを改めて織り込み直しながら、レンジの中で次の方向性を探る一日となりそうです。

ファンダメンタルズ分析

米国では、インフレ指標の鈍化や一部景気指標の弱さを背景に、来年の利下げ開始時期に関する思惑がくすぶり続けており、米長期金利は高値圏からの調整局面にあります。金利面だけを見ればドル安・円高方向にバイアスがかかりやすい一方、株式市場は利下げ期待を好感して底堅さを維持しており、リスクオンによる円売り圧力も一定程度残っています。

日本側では、日銀の正常化に向けた議論が続いているものの、具体的な利上げのタイミングやペースは依然として不透明であり、「近い将来の追加利上げは意識しつつも、急激な引き締めには踏み切らない」というコンセンサスが市場に広がっています。このため、中長期的には円買い方向へのポジション調整が意識されやすいものの、足もとでは米金利水準の相対的な高さや、ドル円の日足チャートが依然として上昇トレンドを維持していることもあり、押し目ではドル買い・円売りも入りやすい複雑な構図となっています。

こうした環境を踏まえると、本日のドル円は155円近辺を挟んだ押し目買いと、156円台半ばから上の戻り売りがせめぎ合う展開となりやすく、明確なトレンドというよりはレンジ内での振れを前提とする相場つきになりそうです。大きな材料がない分、テクニカルの節目や実需フローに相場が振らされやすい一日になると想定されます。

テクニカル分析

テクニカル面では、日足ベースで明確な上昇トレンドが続いていることが確認できます。10月以降、ドル円は安値を切り上げながら上昇を続けており、先週までに一時157円台手前まで水準を切り上げました。昨日のローソク足は実体の小さい陰線ながら、安値154.66円から終値155.41円まで大きく切り返したことで長い下ヒゲを伴う形となっており、高値圏での調整局面の中でも押し目買い意欲の強さがうかがえる足形です。しょう。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線を見ると、短期の25日移動平均線が中期の75日線、長期の200日線のいずれも上回る位置にあり、三本とも上向きで推移している典型的な上昇トレンドのパターンとなっています。足元のレートは25日線のやや上方〜近辺で推移しており、昨日の下押し局面でも25日線近辺でしっかりとサポートされた形です。75日線と200日線はそれぞれより下の水準で緩やかに右肩上がりとなっており、中長期的なトレンドも依然として上向きであることを示唆しています。短期的には25日線(155円台前半〜半ば)が押し目買いの目安として意識される一方、156円台後半から157円近辺では戻り売りが出やすいゾーンとなりつつあります。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表を見ると、ローソク足は雲のかなり上方で推移しており、遅行スパンもローソク足を上抜けた状態を維持していることから、中期的には「三役好転」に近い強い上昇基調が続いていると判断できます。直近では転換線が基準線の上に位置し、両線とも上向きで推移しているものの、ローソク足との距離は以前よりやや縮小しており、高値圏での調整色が出始めている格好です。昨日の下押し局面では、転換線〜基準線のゾーンが下支えとなったとみられ、このゾーンを明確に割り込まない限りは、テクニカル上は「押し目買い優勢」というスタンスを維持しやすい状況が続くと考えられます。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはゼロラインより上のプラス圏で推移しており、トレンドとしては上昇バイアスが続いていますが、ここ数日はMACDとシグナルの乖離が徐々に縮小しており、ヒストグラムのプラス幅もやや縮小傾向にあります。これは、上昇モメンタムそのものは維持しつつも、勢いがやや鈍化していることを示しており、高値圏での一服感を示唆するサインと捉えることができます。今後、MACDがシグナルを下抜けてくるようであれば、調整局面入りを意識する必要が出てきますが、現時点では依然としてプラス圏に位置していることから、「上昇トレンドの中のスピード調整」という評価が妥当とみられます。

こうしたテクニカル環境を総合すると、下値では155.00〜155.20円近辺がまず意識されるサポートゾーンとなり、この水準を維持できる限りは、押し目では再び買いが入りやすい地合いが続きそうです。一方、上値については156.50円近辺から157.00円ちょうどにかけてが重要なレジスタンス帯となり、このゾーンを明確に上抜けない限り、上値追いの動きは途中で失速しやすいと考えられます。

シナリオ分析

本日のドル円は、明確なイベント材料がない中で、テクニカルの節目と実需・ポジション調整のフローを手掛かりに、上昇トレンドの継続か一段の調整入りかを探る一日となりそうです。日足では依然として上昇トレンドが優勢であり、昨日の長い下ヒゲからも押し目買い意欲の強さがうかがえることから、全体としてはやや上方向へのバイアスが勝っていると見ています。

↗️ 上昇シナリオ(確率60%)
155円近辺での押し目買いが継続し、25日移動平均線や一目均衡表の転換線を下値の目安とした買いが優勢になるケースを想定します。米金利が大きく低下せず、株式市場も比較的落ち着いた推移となるようであれば、リスクオンの円売りも重なり、じりじりと上値を試す展開になりやすいでしょう。この場合、まずは155円台後半〜156円ちょうどの節目をしっかりと回復できるかが焦点となり、その上で156.50円近辺、さらには157.00円ちょうどのレジスタンス帯を試す動きが視野に入ってきます。高値圏での戻り売りも出やすい環境ではあるものの、テクニカル面のサポートが機能し続ける限り、押し目は買われやすいと考えられます。

↘️ 下落シナリオ(確率40%)
昨日の下押し局面からの戻りが一時的なショートカバーにとどまり、再び155円近辺を割り込む展開を想定します。米金利の一段の低下や、日銀の正常化期待を意識した円買いが再び強まるような局面では、高値警戒感からロングの手仕舞いが優勢となり、調整色が強まる可能性があります。この場合、155.00円を明確に割り込むと、テクニカル上の節目を下抜けたことでストップロスを巻き込み、154円台半ば〜後半まで下押しするリスクも否定できません。もっとも、雲や中長期の移動平均線は依然としてかなり下の水準に位置しているため、一気にトレンドが下向きに転換するというよりは、上昇トレンドの中での調整幅がやや広がるイメージで捉えておきたい局面です。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
本日の東京時間は、国内から目立った経済指標や要人発言の予定がないこともあり、155円台前半〜156円近辺を中心としたレンジ取引がメインとなりそうです。仲値にかけては、輸入企業のドル買い需要が下値を支える一方で、156円台に乗せる場面では戻り売りも出やすく、上抜けにはやや時間がかかる展開が想定されます。株式市場が前日の海外株高を素直に織り込んで堅調に推移するようであれば、リスクオンによる円売りがドル円の支えとなる可能性がありますが、テクニカル上のレジスタンスが上値を抑える構図に変化はなく、東京時間だけでレンジを大きく抜け切るイメージは持ちにくい状況です。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、東京時間の値動きを引き継ぎつつ、ロンドン勢によるポジション調整やクロス円のフローが中心となる展開が見込まれます。欧州株や欧州債の動向次第では一時的にリスクオフ方向へ振れる場面も考えられますが、米国から目立った指標が予定されていないことを踏まえると、ドル円単体で大きなトレンドが生じる可能性は高くありません。NY時間にかけては、月初要因やオプションカットを意識したフローが断続的に出る可能性があり、薄い時間帯には短時間で値が飛ぶ場面も想定されますが、最終的には155〜156円台のレンジに押し戻されるイメージをメインシナリオとして見ています。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:155.00円〜157.00円
米国の重要経済指標発表を控え、結果次第で上下に大きく振れる可能性を考慮しました。指標が強ければ上値を試し、弱ければ下値を試す神経質な展開を予想します。

🔀 上値抵抗線:156.50円、157.00円
上方向では、156.50円近辺から157.00円ちょうどにかけてのゾーンが短期的なターゲットとなります。まずは156円ちょうど〜156.20円の戻り売り圧力をこなしてこの水準を回復できるかが重要であり、そのうえで156.50円を実体ベースで明確に上抜けることができれば、157円台前半を試す上昇余地が広がると考えられます。

🔀 下値支持線:155.00、154.70円
まず155.00円ちょうど前後が最初のサポートとして意識され、この水準を維持できる限りは、テクニカル面からの押し目買いが入りやすく、レンジ内でのもみ合いが続きやすいと考えられます。ここを明確に割り込んだ場合には、154円台半ば〜後半が次の下値目処として意識され、調整局面が一段と深まる可能性があります。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向は156.50〜157.00円のレジスタンス帯を日足でしっかりと上抜けて引けるかどうかがポイントとなり、これが達成されれば158円方向へのトレンド継続が意識されやすくなります。下方向については、155.00円ちょうどのサポートを明確に割り込み、日足ベースで154円台半ばより上を回復できない展開となった場合に、「高値圏での持ち合い」から「調整局面入り」へと評価が切り替わるリスクが高まる点に注意が必要です。

⚠️ 注意すべきリスク要因
本日は重要指標や要人発言が予定されていない一方で、テクニカルの節目が比較的はっきりしている局面にあります。こうした状況では、通常よりも小さなフローでも節目割れ・節目抜けをきっかけにストップロスを巻き込み、短時間で値が大きく振れるリスクがあります。また、突発的な地政学リスクや要人発言のヘッドラインが流れた場合には、材料に乏しい地合いだけに相場の反応が過度に拡大しやすい点にも留意が必要です。

☑️ 投資判断における留意点
このように、ファンダメンタルズ面では新たな材料に乏しいものの、テクニカル上は「上昇トレンドの中の高値圏での持ち合い」という局面にあります。イベントドリブンで大きく方向が出る日というよりは、レンジを前提とした戻り売り・押し目買いの戦略が有効になりやすい一日と言えるでしょう。ただし、レンジの上下限付近ではストップロス注文が溜まりやすく、一度ブレイクが発生すると予想以上に値が走る可能性があります。ポジションサイズと損切り水準をあらかじめ明確にし、短期的なノイズに振り回されすぎないよう、中期的なシナリオの中で自分がどの水準でリスクを取るのかを整理しながら、冷静に売買判断を行っていきたいところです。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。