こんにちは、Trader MTです。本来は今朝8時ごろに公開予定でしたが、システム不具合でこの時間の更新になってしまいました…。すでに東京時間は一巡していますが、先週の急落からの自律反発の流れと、今夜の米PPI・消費者信頼感指数をカギとしたドル円のポイントをあらためて整理してあります。これからの欧州・NY時間に備える意味でも、サクッと今日のシナリオを確認しておきましょう😌(公開時刻:15:13/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、先週の大幅下落に対する自律反発の動きが主導し、終日買い戻しが優勢な展開となりました。東京時間は日本が祝日で株式市場が休場となるなかでもじり高基調が続き、欧州時間には一時157円台前半まで上昇するなど底堅さを見せましたが、NY時間に入ると米長期金利の低下が重石となり、上値の重い展開に転じました。最終的には156円台後半で引けており、約80銭のレンジの中で、リスクオン地合いと米金利低下という相反する材料が交錯し、方向感を探る一日だったと言えるでしょう。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年11月24日 | 156.374 | 157.188 | 156.374 | 156.911 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
週明け24日の東京時間は、日本が勤労感謝の日の振替休日となり、東京の株式・債券市場が休場となるなかでのスタートとなりました。早朝のドル円は156円台前半で小動きとなりましたが、先週の急落に対する自律反発を意識した買い戻しがじわじわと入り、下値を切り上げる展開となりました。
仲値にかけては、輸入企業によるドル買い需要も観測され、相場の下支え要因となりました。祝日で国内勢の参加が限定的だったことから出来高自体は膨らまなかったものの、「先週の円高進行はやや行き過ぎだった」との見方が広がり、押し目ではドル買いが入りやすい地合いが続きました。
午後に入ると、欧州勢の参入を見据えながら徐々に上値を試す動きとなり、東京時間の終盤には156円台後半まで水準を切り上げました。株式市場が休場でリスクセンチメントを測りにくい環境ではあったものの、実需フローとポジション調整を背景に、東京時間全体としては156円台前半を安値に、欧州時間に向けて上方向へのモメンタムを溜める一日となりました。
欧州・NY時間
ロンドン時間に入ると、円売りの動きはいっそう強まりました。欧州の主要株式市場が概ね堅調に推移したことからリスク選好姿勢が強まり、安全資産とされる円を売る動きが活発化します。この流れに乗り、ドル円は一時157円台前半(約157.20円近辺)まで上昇し、東京時間の高値を更新しました。ユーロやポンドが対ドルで軟調に推移したことも相対的なドル高要因となり、ドル円の上昇を後押ししたと見られます。
しかしNY時間に入ると、相場の流れに変化が生じました。ダウ平均やS&P500は堅調に推移し、株式市場全体としてはリスクオン地合いが続いた一方、米10年債利回りが低下したことでドルには上値圧力がかかりました。市場では「12月の利下げ期待が再び意識され始めた」との見方が広がり、金利低下がドル売り要因として作用した格好です。このため、リスクオンによる円売りと、米金利低下によるドル売りが綱引きとなり、ドル円は157円台前半から徐々に上値を切り下げる展開となりました。
ロンドン・フィキシングを通過した後も方向感は定まらず、NY終盤にかけては156円台後半でのもみ合いが続きました。結果として、24日の値動きは始値・安値がともに156.37円近辺、高値が157.19円近辺、終値が156.91円と、約80銭のレンジ内に収まりました。リスクセンチメントの改善と米金利低下という相反する材料が交錯し、次の方向性をうかがう一日だったと言えるでしょう。
今日の注目材料
本日最も注目されるのは、日本時間22時30分に発表される米国の9月生産者物価指数(PPI)です。これは政府機関の一部閉鎖の影響で発表が延期されていたもので、市場の関心は非常に高まっています。市場予想は前月比+0.3%と、前回の-0.1%からのプラス転換が見込まれています。予想通り、あるいはそれを下回る弱めの結果となり、インフレ圧力の落ち着きが確認されれば、FRBによる利下げ観測が強まり、米長期金利の一段の低下を通じてドル売り圧力となる可能性が高いでしょう。逆に、予想を大きく上回る強い結果となれば、根強いインフレが意識され、利下げ期待が後退しドル買いで反応する展開が想定されます。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIの動向も併せて注視する必要があります。
続いて、本日深夜24時00分(=11月26日0時00分)にはコンファレンスボード消費者信頼感指数が発表されます。住宅価格はインフレの先行指標として、消費者信頼感は個人消費の先行指標としてそれぞれ重要視される指標です。特に消費者信頼感指数は、市場予想が93.3と前回の94.6からの小幅な悪化が見込まれており、予想以上に落ち込むようであれば、景気減速懸念からドル売り材料となる可能性があります。逆に底堅い結果となれば、米景気の粘り強さが意識され、ドルの下支え要因となるでしょう。
以下に、本日発表が予定されている米国の主要経済指標をまとめました。
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 22:30 | 🇺🇸 | 生産者物価指数 | ⚡⚡⚡️ | - | - |
| 22:30 | 🇺🇸 | 生産者物価指数コア | ⚡⚡⚡️ | - | - |
| 24:00 | 🇯🇵 | 消費者信頼感指数 | ⚡⚡ | - | - |
今日の見通し
本日のドル円は、米PPIと消費者信頼感指数という二つの重要指標を前に、発表までは方向感の出にくい展開が想定されます。昨日の相場では、株高・VIX低下といったリスクオン要因が円売りを促す一方、米長期金利の低下がドル売り要因として働き、結果として156〜157円台前半のレンジにとどまりました。本日は、こうした綱引きに決着がつくかどうかが焦点となります。
ファンダメンタルズ分析
本日の相場を動かす最大の要因は、間違いなく米国の経済指標群です。特に9月の生産者物価指数(PPI)が市場予想からどの程度乖離するかによって、市場の金融政策見通しが大きく左右されるでしょう。予想を上回る強い数字は、インフレの根強さを示し、市場にくすぶる「早期利上げ観測」を再燃させ、ドル買いを誘発する可能性が高いです。逆に、予想通りかそれ以下の弱い数字であれば、インフレ鎮静化期待からFRBの利上げサイクル終了観測が強まり、米長期金利の低下とともにドル売り圧力が強まる展開が想定されます。
PPIが予想通りもしくはそれ以下となり、インフレ鈍化が確認されれば、市場は「利下げ開始時期の前倒し」を意識しやすくなります。その場合、米長期金利の一段の低下とともにドル売り・円買いが優勢となり、ドル円には下方向へのバイアスがかかると見られます。一方、PPIが予想を上回る強い数字を示した場合には、「まだ利下げは急げない」との見方が広がり、米長期金利の反発とともにドル買いが再燃する可能性があります。
消費者信頼感指数についても、予想以上の悪化となれば景気後退懸念が強まり、FRBに対する利下げ圧力が高まりやすくなります。総じて、本日はインフレと景気の両面から、FRBの次の一手に対する期待・不安が交錯する一日となりそうです。
テクニカル分析

テクニカル面では、先週の急落からの自律反発局面にあるものの、依然として下向きバイアスは解消されていません。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
日足ベースでは、短期の25日移動平均線が下向きに転じており、足元の下落トレンドがなお継続していることを示唆しています。現在のレートは25日線に向けた戻りを試す局面にありますが、明確に上抜けられない限りは「戻り売りのポイント」と見なされやすい位置づけです。中期・長期の75日線や200日線はなお上向きを維持しているものの、短期的な調整圧力の方が意識されやすい地合いです。いています。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表では、価格が雲の下に位置し、遅行スパンもローソク足を下抜けるなど、「三役逆転」が点灯している状態です。現在は転換線を一時的に上回っているものの、その上方の基準線や雲の下限が強力なレジスタンスとして控えており、本格的な上昇トレンドへの回帰には相応のエネルギーが必要と考えられます。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはシグナルを下回るマイナス圏で推移しており、トレンドとしてはまだ下向きです。ただしMACDとシグナルの乖離は縮小しており、ヒストグラムのマイナス幅も徐々に縮小しつつあることから、下落の勢い自体は弱まりつつある可能性があります。今後、MACDがシグナルを上抜ける「ゴールデンクロス」が発生すれば、短期的な反発局面入りのサインとなるでしょう。
こうしたテクニカル環境を踏まえると、主要なサポートとしては昨日の安値水準に近い156円台前半〜半ば(特に156.40円近辺)、レジスタンスとしては昨日の高値圏である157円台前半(157.20円近辺)が意識されます。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(確率40%)
米PPIが市場予想を上回る強い結果となり、インフレの根強さが意識されるケースです。この場合、FRBの早期利下げ観測は後退し、米長期金利の反発とともにドル買いが優勢となると見られます。消費者信頼感指数も底堅さを示せば、米景気への安心感が広がり、リスクオンの円売りも重なりやすくなります。
このシナリオでは、まずは昨日の高値である157円台前半(157.20円近辺)のレジスタンスを明確に上抜けることが条件となります。そこを超えると、次の心理的節目である157.50円、さらには158.00円台乗せを試す展開も視野に入ってきます。ただし、介入警戒感がくすぶる水準でもあるため、上値追いは一気に進まず、戻り売りも出やすい局面となるでしょう。
↘️ 下落シナリオ(確率60%)
一方、米PPIが予想通りもしくはそれ以下となり、インフレ鈍化が確認されるケースでは、米長期金利の一段の低下を通じてドル売り圧力が強まりやすくなります。加えて、消費者信頼感指数が予想以上に悪化した場合には、景気後退懸念が意識され、利下げ期待がさらに前倒しされる可能性があります。
この場合、まずは156.40円近辺のサポートを割り込めるかどうかが焦点となります。同水準を明確に下抜けた場合、次のターゲットとしては155.80円、その下では先週安値圏の155.00円付近が意識される展開が想定されます。テクニカル的にも一目均衡表の雲の下に位置していることから、下方向へのブレイクが起きた場合の値幅は大きくなりやすく、注意が必要です。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
本日の東京時間は、夜に控える米PPIと消費者信頼感指数を見極めたいとの思惑から、基本的には様子見ムードが強い展開となりそうです。国内から目立った材料は予定されておらず、仲値にかけては輸入企業のドル買いが散発的に入る一方で、上値では戻り売りも出やすい構図が続くと考えられます。株式市場が前日の海外株高を受けて落ち着いた動きとなれば、リスクオンによる円売りがじわりとサポートする可能性はありますが、156円台後半を中心としたレンジ取引にとどまりそうです。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間も基本的には「米指標待ち」の展開が続くと見られますが、ロンドン勢のフロー次第では一時的に157円台を試す場面もあり得ます。もっとも、本番はNY時間です。22時30分発表のPPIをきっかけに、米金利・株価・ドル円が一斉に大きく振れる可能性があります。その後の24時00分の消費者信頼感指数も、初動の方向性を補強する材料として意識されるでしょう。NYクローズにかけては、一連の指標結果を織り込んだ新たなレンジでの値固めの動きに移行すると見ています。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:155.80円〜157.30円
米重要指標の結果次第で上下に大きく振れる可能性を考慮しつつ、昨日の値動きとテクニカルな節目を踏まえてレンジを設定します。上方向は昨日高値をわずかに上回る157.30円近辺まで、下方向は一目・節目が重なる155.80円近辺までを想定レンジとします。
🔀 上値抵抗線:157.20円、157.30円
157.20円近辺は昨日の高値に相当する水準であり、心理的な節目としても強く意識されます。ここを明確に上抜けるには、PPIが予想を大きく上回るなど、市場の利下げ期待を打ち消すだけの強い材料が必要です。157.30円を超えると、158.00円台へのチャレンジも視野に入ります。
🔀 下値支持線:156.40円、155.80円
156.40円近辺は昨日の始値・安値が集中したゾーンであり、最初のサポートとして意識されます。ここを割り込むと売りが加速しやすく、その下の155.80円は日足テクニカル上の節目が重なる重要なサポートです。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向は157.20円台を実体ベースで明確に超えた場合、短期的な買いシグナルと見なされ、157円台後半〜158円方向への上昇余地が広がります。下方向は156.40円割れで下落バイアスが強まり、155円台前半までの下値余地を警戒する必要が出てきます。
⚠️ 注意すべきリスク要因
最大のリスクは、米PPIや消費者信頼感指数が市場予想から大きく乖離し、アルゴ取引を巻き込んだ乱高下を引き起こすケースです。指標発表前後はスプレッド拡大や一瞬のストップロス狩りが発生しやすいため、レバレッジを高めに取っている場合はポジションサイズの調整や逆指値の管理が重要になります。
☑️ 投資判断における留意点
本日はイベントドリブンの一日となるため、指標発表前に無理にポジションを積み増すよりも、結果と初動の値動きを確認してから、トレンドの方向に合わせて慎重にエントリーする方が無難です。特に、発表直後の「往って来い」に振り回されないよう、短期チャートだけでなく1時間足・4時間足など上位時間軸のトレンドも併せて確認しながら取引判断を行いたいところです。
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