おはようございます。Trader MTです。ドル円は155円台を維持しつつも、高値圏での神経質な値動きが続いています。今日は午後の高市首相と植田総裁の会談が最大の焦点。発言内容次第では相場が一気に振れる可能性もあり、イベント通過までは様子見ムードが強まりそうです。それでは、今日も慎重に相場を見ていきましょう😌(公開時刻:07:37/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、世界的な株安を背景としたリスク回避ムードが広がる中、ドル買いが優勢となり底堅く推移しました。東京時間は154円台半ばで方向感に乏しい展開でしたが、欧州時間からじり高となると、NY時間には一時155円台を回復し、高値圏で取引を終えるなど、終日ドルが強い地合いを維持した一日となりました。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年11月17日 | 154.372 | 155.306 | 154.372 | 155.174 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
東京時間のドル円は、前週末の流れを引き継ぎ、154円台半ばを中心とした比較的狭いレンジでの取引に終始しました。寄り付きから午前中にかけては、日経平均株価が続落(終値-0.10%)するなど、日本株が軟調に推移したことを受けて上値の重い展開となりましたが、下値を売り込む動きも限定的でした。具体的な値動きとしては、154円台半ばでのもみ合いが続き、市場参加者は新たな材料を待つ様子見姿勢を強めていた印象です。
仲値公示に向けては、本邦実需筋のフローが観測されましたが、輸出企業の円買いと輸入企業のドル買いが交錯し、相場を大きく動かすには至りませんでした。市場では「ドル円は売り買い交錯、ユーロドルなどはドル高優勢」との声が聞かれたように、明確な方向感が出にくい状況でした。政府・日銀関係者からの目立った発言もなく、手掛かり材料難の中で、投資家は欧州時間の本格参入を待つ展開となったのです。
午後に入っても、相場全体の地合いに大きな変化は見られませんでした。154円台前半がサポートとして意識される一方、155円の大台を前に上値の重さも感じられる展開が続きました。結局、東京時間を通じてドル円は大きな方向性を見出すことができず、静かな値動きのまま欧州時間へとバトンを渡すことになりました。日本時間8時から17時にかけては、リスク回避的な地合いとドル高の流れが綱引きするような状況だったと言えるでしょう。
欧州・NY時間
欧州時間に入ると、それまでの膠着状態が徐々に変化し始めました。欧州株式市場が総じて軟調に推移する中、リスク回避的なセンチメントが強まり、安全資産としてのドルへの資金流入が加速しました。この結果、ドル円は154円台後半へとじりじりと水準を切り上げる展開となり、日本時間18時過ぎには一時154.83円レベルまで高値を伸ばす場面が見られました。ユーロドルやポンドドルが対ドルで下落したことも、相対的なドル高を促し、ドル円の支援材料となった形です。
NY時間に入ると、このドル買いの流れはさらに勢いを増しました。ダウ平均株価が大幅安(-1.18%)、S&P500種指数も下落(-0.92%)し、「恐怖指数」が大きく上昇するなど、米国市場ではリスクオフムードが一層鮮明になりました。しかし、通常のリスクオフ局面で見られる円買いは限定的で、むしろドル買いの動きが優勢となりました。ドル円は日本時間0時過ぎに節目の155.00円を突破すると、その後も底堅く推移し、155円台を固める動きを見せました。
この日の市場で特徴的だったのは、米10年債利回りが4.129%へと低下したにもかかわらず、ドル円が上昇した点です。これは、金利差を意識した動きよりも、世界経済の先行き不透明感を背景とした「質への逃避」としてのドル買い需要が市場を支配していたことを示唆しています。また、ユーロ円が一時180円台に乗せ、ユーロ発足以来の高値を更新するなど、クロス円の上昇もドル円のサポート要因として機能しました。最終的にドル円は155.17円近辺で取引を終え、リスクオフ下でのドル高という複雑な様相を呈しました。
今日の注目材料
本日は、日米両国で金融政策の方向性を占う上で極めて重要なイベントが予定されており、市場の注目度が非常に高まっています。特に、日本時間午後に予定されている高市首相と植田日銀総裁の会談は、今後の金融政策や為替政策のスタンスを探る上で最大の焦点となるでしょう。
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 15:30 | 🇯🇵 | 高市早苗首相と植田和男日銀総裁の会談 | ⚡⚡⚡️ | - | - |
| 24:30 | 🇺🇸 | FRB理事バー氏の発言 | ⚡⚡ | - | - |
本日最大の注目材料は、日本時間15時30分に予定されている高市首相と植田日銀総裁の会談です。新政権と日本銀行のトップによる会談であり、今後の経済財政運営や金融政策の連携についてどのような議論が交わされるのか、市場は固唾をのんで見守っています。会談後の記者会見などで、急速な円安進行に対する政府・日銀の認識や、為替介入の可能性、あるいは金融政策の正常化に向けた踏み込んだ発言が出た場合、円相場が大きく変動する可能性があります。特に、具体的な為替水準に言及するような強い円安牽制発言が飛び出せば、急激な円買い戻しを誘発するリスクには最大限の警戒が必要です。
一方、米国では経済指標の発表に加え、FRB高官の発言が予定されています。日本時間22時30分に発表される輸入物価指数は、インフレの先行指標として注目されます。市場予想を上回る結果となれば、米国のインフレ圧力が根強いとの見方からドル買い材料となる可能性があります。
そして、本日深夜24時30分(翌0時30分)には、投票権を持つバーFRB理事の発言が控えています。同氏が最近の経済情勢やインフレ見通しに対してタカ派的な見解を維持すれば、FRBによる利下げ期待が後退し、ドルが一段高となる展開が想定されます。逆に、景気減速への懸念を示すなどハト派的なトーンが聞かれれば、ドル売り圧力が高まるでしょう。昨日のリスクオフ地合いが継続する中、日米の金融政策スタンスを見極めたいとする市場参加者の思惑が交錯し、神経質な値動きとなりそうです。
今日の見通し
本日のドル円は、高市首相と植田総裁の会談、バーFRB理事の発言という日米の要人発言を控え、神経質な展開が予想されます。155円台を固められるか、あるいは調整が入るかの分岐点となるでしょう。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ面では、日米の金融政策スタンスが最大の焦点となります。日本時間15時30分の高市首相と植田日銀総裁の会談は、本日の相場を左右する最重要イベントです。会談で政府と日銀の協調姿勢が改めて確認されるにとどまれば、市場は現状維持と捉え、大きな反応は見せないかもしれません。しかし、足元の円安進行に対して強い懸念が示され、為替介入も辞さないという強いメッセージが発信された場合、円買い戻しが一気に強まる可能性があります。
一方、米国では深夜24時30分(翌0時30分)のバーFRB理事の発言に注目が集まります。FRB内の政策スタンスを見極める上で、投票権を持つ同氏の発言は重要です。インフレ抑制を最優先するタカ派的な姿勢が示されれば、米長期金利の上昇を通じてドル買いが強まるでしょう。逆に、景気への配慮を示すようなハト派的な発言であれば、ドル売りにつながります。また、22時30分の輸入物価指数などの経済指標が市場予想から大きく乖離した場合も、相場の変動要因となり得ます。昨日に引き続き、米国株市場が不安定な動きを見せれば、リスク回避の円買いとドル買いが交錯し、方向感の定まらない展開となることも想定しておく必要があります。
テクニカル分析

昨日の上昇で155円台を回復し、短期的な上昇トレンドが継続しています。ただし、高値圏での警戒感もくすぶっており、過熱感を示す指標には注意が必要です。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
短期の25日線は明確に上向きを維持しており、価格はその上方で安定して推移しています。中期の75日線も緩やかながら上昇基調に乗っており、長期の200日線はほぼ横ばいながらも下向きの流れを脱しつつあります。3本の移動平均線は上から順に25日・75日・200日と並ぶパーフェクトオーダーを形成しており、全体として上昇トレンドは継続中と評価できます。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
日足チャートでは、ローソク足が厚い「雲」の上限を明確に上抜けており、強い上昇シグナルとされる「三役好転」が点灯しています。目先のサポートとしては、転換線や基準線が意識されるでしょう。これらの水準を維持できる限り、地合いの強さが継続すると考えられます。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはシグナル線を上回って推移しており、買いシグナルが継続中です。ヒストグラム(MACDとシグナル線の乖離)もプラス圏で拡大傾向にあり、上昇モメンタムの強さを示唆しています。ただし、高値圏での推移が続いているため、デッドクロスへの転換には注意が必要です。
主要なサポートとしては155.00円の心理的節目、レジスタンスとしては昨日の高値である155.24円が意識されます。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(メインシナリオ:確率60%)
強気要因としては、①深夜のバーFRB理事がインフレへの警戒を崩さず、タカ派的な姿勢を維持する、②米国の輸入物価指数などが市場予想を上回り、米国の景気の底堅さが示される、③高市首相と植田総裁の会談が現状の金融政策を追認する無難な内容に終わる、などが挙げられます。これらの要因が重なれば、日米金利差の拡大を意識したドル買い・円売りが再び活発化するでしょう。この場合、まずは昨日の高値である155.24円を突破し、次の心理的節目である155.50円、さらには156.00円を目指す動きが考えられます。
↘️ 下落シナリオ(サブシナリオ:確率40%)
弱気要因としては、①高市首相と植田総裁の会談後の会見で、政府・日銀が為替の過度な変動に対して強い懸念を表明し、介入を強く示唆する、②バーFRB理事が景気減速リスクに言及するなど、ハト派的な見解を示す、③米国株が大幅に続落し、リスク回避の円買い圧力がドル買いを上回る、などが考えられます。特に①のインパクトは大きく、市場の警戒感を一気に高める可能性があります。この場合、まずは155.00円の心理的節目を割り込み、次のサポートである154.50円、さらには25日移動平均線が位置する154.00円近辺を試す展開が想定されます。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
午前中は、午後3時半に予定されている高市首相と植田総裁の会談を前に、積極的な取引が手控えられ、155円台前半での様子見ムードの強い展開が予想されます。仲値にかけては実需筋のフローが交錯し、方向感は出にくいでしょう。会談内容が伝わる午後3時半以降は、ボラティリティが急激に高まる可能性があります。円安牽制のトーンが強ければ円買い、無風通過であればドル買いが優勢となるなど、発言内容に一喜一憂する神経質な展開となりそうです。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間序盤は、東京時間の流れを引き継ぎ、会談結果を消化する動きが中心となるでしょう。NY時間に入ると、市場の関心は米国の材料に移ります。22時30分の輸入物価指数、そして深夜24時30分(翌0時30分)のバーFRB理事の発言が最大の注目点です。FRBの金融政策スタンスを巡る思惑から、米長期金利や米国株の動向を睨みながらの展開が予想されます。タカ派的な発言が出れば155円台固めから上値を試す動き、ハト派的なら利益確定売りに押されて154円台へ下落するシナリオが考えられます。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:154.50円~156.00円
日米の重要イベントを控え、上下に振れやすい展開を想定します。高市・植田会談での円安牽制と、バーFRB理事のタカ派発言への期待が交錯し、ボラティリティが高まる可能性を考慮しました。
🔀 上値抵抗線:155.50円、156.00円
155.50円は心理的な節目として意識され、短期的な目標となりやすい水準です。このレベルを明確に上抜けると、政府・日銀による為替介入への警戒感が一段と強まる156.00円が次のターゲットとして視野に入ってきます。
🔀 下値支持線:155.00円、154.50円
155.00円は昨晩に回復した重要な心理的節目であり、最初のサポートラインとして機能することが期待されます。この水準を割り込むと、昨日の上昇過程でサポートとなった154.50円近辺が次の下値目処として意識されるでしょう。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向へのブレイクアウトは、バーFRB理事の明確なタカ派発言や強い米経済指標をきっかけに、155.50円のレジスタンスを実体線で上抜けた場合に想定されます。その際は、ショートカバーを巻き込みながら156.00円を目指す動きが加速する可能性があります。下方向へは、高市首相・植田総裁の会談で市場の想定を上回る強い円安牽制発言が出され、155.00円のサポートを割り込んだ場合に、下落の勢いが強まるでしょう。
⚠️ 注意すべきリスク要因
本日最大の注意すべきリスク要因は、高市首相と植田総裁の会談におけるサプライズ発言です。特に、為替の過度な変動は容認しないといった従来の発言から一歩踏み込み、具体的な為替介入の実施を強く示唆するような発言が出た場合、市場はパニック的な円買いで反応する可能性があります。ポジションを保有している場合は、会談の時間帯(15時30分以降)のヘッドラインには細心の注意を払う必要があります。
☑️ 投資判断における留意点
本日はイベントドリブンな相場展開が予想されるため、決め打ちのトレードは避けるべきです。特に、高市・植田会談とバーFRB理事の発言という2つの大きなイベントを控えているため、ポジションサイズを通常より落とす、あるいはイベント通過まで様子見に徹するなどの慎重な姿勢が求められます。各イベントの結果を受けて市場の方向性が定まってから、トレンドフォローでエントリーする方が賢明と言えるでしょう。
免責事項
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