おはようございます。Trader MTです。先週末は乱高下の末に154円台半ばで引け。週明けの今日は、日本のGDP速報値とFRB高官発言が重なる重要な一日です。指標結果次第で相場が一気に動く可能性もあり、朝から神経質な展開となりそうですね。それでは、今日もマーケットの流れを見ていきましょう😌(公開時刻:08:35/日本時間)
先週末の振り返り
先週のドル円相場は、米国の利下げ期待の後退がドルを支える一方で、世界的な株安がリスク回避の円買いを誘い、両者の綱引きが続く展開となりました。週を通じて154円台を主戦場とするボラティリティの高い相場でしたが、週末にかけてはリスク回避ムードがやや後退し、154円台半ばで取引を終えています。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年11月14日 | 154.510 | 154.763 | 153.613 | 154.520 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
先週金曜日(11月14日)の東京市場は、朝方に154円50銭台でしっかりとした動きで始まったものの、その後は急速に上値が重くなる展開でした。最大の重しとなったのは、日本株の大幅な下落です。日経平均株価はハイテク株を中心に売りが膨らみ、一時1000円を超える下げ幅を記録、終値では前日比905.30円安(-1.77%)の50,376.53円と大幅反落しました。この急激なリスクオフムードは為替市場にも波及し、安全資産とされる円が買われる要因となり、ドル円の上昇を抑制する形となったのです。
仲値にかけては、輸出企業による円買いと輸入企業によるドル買いが交錯しましたが、株価の急落を前にしては買いの勢いも限定的でした。市場では、発足した高市早苗政権の経済政策への思惑や、週明けに発表を控える日本の第3四半期GDP速報値への警戒感もくすぶっており、積極的なポジション構築は手控えられました。特に、GDPが6期ぶりのマイナス成長に陥るのではないかとの懸念が、日本経済の先行き不透明感を強め、投資家心理を冷やした側面もあったでしょう。
結局、ドル円は154円台前半がサポートとして意識される一方、154円台後半では戻り売り圧力に押されるという、方向感に欠ける値動きに終始しました。午後は日経平均の下げ幅拡大に連動する形で上値の重い展開が続き、引けにかけて若干持ち直す場面も見られましたが、力強さはなく、欧州時間へとバトンを渡すことになりました。東京時間全体としては、株安を背景としたリスク回避の円買いが優勢だったと言えるでしょう。
欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ドル円は154.7円台で堅調に推移していました。しかし、日本時間20時頃から市場の雰囲気が一変しました。チャベスデリマー米労働長官が「米労働統計局は10月のCPIデータを完全に収集できていない」「10月CP Iを発表できるかわからない」と述べたことで、経済指標発表の不透明感が市場に広がりました。
この発言を受けて、米10年債利回りが4.06%台まで急低下し、ダウ先物や日経平均先物も大幅に下落しました。ドル円は20時時点の154.5円付近から急落を開始し、わずか2時間あまりで153.613円まで1円以上の大幅な下落となりました。
その後、ドル円は急速に反発し、154.7円台まで全戻しする展開となりました。NYクローズにかけては、週末を控えたポジション調整が続く中、154.520円で取引を終えました。金曜日の欧州・NY時間は、米国の経済指標発表をめぐる不透明感を背景に、短時間で約1円幅の急落と急反発という極めてボラティリティの高い展開となりました。
今日の注目材料
週明け月曜日の本日は、朝方の日本の経済指標から深夜の米国要人発言まで、一日を通じて重要な材料が控えており、相場の変動性が高まる可能性に注意が必要です。特に、日本と米国の金融政策の方向性を見極める上で重要な手がかりが得られる一日となるでしょう。
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 08:50 | 🇺🇸 | 第3四半期GDP【速報値】 | ⚡⚡ | — | - |
| 23:00 | 🇺🇸 | NY連銀総裁ウィリアムズ氏の発言 | ⚡⚡ | - | - |
| 23:30 | 🇺🇸 | FRB副議長ジェファーソン氏の発言 | ⚡⚡ | - | - |
| 29:35 | 🇺🇸 | FRB理事発言ウォラー氏の発言 | ⚡⚡ | - | - |
最大の注目は、日本時間8時50分に発表される日本の第3四半期実質GDP(域内総生産)速報値です。市場では、個人消費や設備投資の落ち込みから、経済成長率が6期ぶりにマイナスに転じるとの警戒感が広がっています。もし市場の懸念通りマイナス成長となれば、日本銀行による金融緩和策の長期化観測が強まり、円売り圧力となる可能性があります。一方で、予想外に強い結果となれば、金融政策の正常化期待が再燃し、円買いで反応することも考えられ、発表前後での値動きの活発化が予想されます。
一方、米国では金融政策の鍵を握るFRB高官の発言が相次ぎます。日本時間23時にはウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、23時30分にはジェファーソンFRB副議長、そして本日深夜(翌18日5時35分)にはウォラーFRB理事と、いずれも投票権を持つ金融政策の中枢メンバーが発言を予定しています。先週、後退した利下げ期待を裏付けるようなタカ派的な発言が出れば、米長期金利の上昇を通じてドル買いが強まるでしょう。逆に、景気への配慮を示すなどハト派的なニュアンスが示されれば、ドル売りの材料となる可能性があり、発言のトーンには細心の注意が必要です。
その他、22時30分に発表される米ニューヨーク連銀製造業景気指数も、米国の景況感を測る上で注目されます。今週は19日(水)に10月開催分のFOMC議事録の公表、そして政府機関の再開に伴い発表が遅れていた9月分の米雇用統計が20日(木)に控えています。これらの重要イベントを前に、本日の材料で市場がどのような方向性を見出すのか、慎重に見極める必要があります。
今日の見通し
本日のドル円は、朝方の日本のGDP速報値と、夜から深夜にかけて相次ぐFRB高官発言という日米の材料にらみの展開が予想されます。154円台での方向感を探る動きが中心となるでしょう。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ面では、日米の金融政策の方向性の違いが改めて意識される一日となりそうです。朝方発表の日本の第3四半期GDPが市場の警戒通りマイナス成長となれば、日銀の緩和継続姿勢が正当化され、円売り地合いが強まる可能性があります。これはドル円にとって上昇要因となるでしょう。
一方、米国ではインフレ抑制を重視するFRBの姿勢が焦点です。本日発言が予定されているウィリアムズ総裁、ジェファーソン副議長、ウォラー理事といった要人から、利下げに慎重なタカ派的見解が示されれば、米長期金利の上昇とともにドルが買われる展開が想定されます。逆に、景気減速への懸念などハト派的なトーンが聞かれれば、ドルは売られるでしょう。
リスク要因としては、先週から続く世界的な株価の調整が挙げられます。米国株市場が本日も下落基調を強めるようであれば、リスク回避の円買いがドル円の上値を抑える可能性があります。今週はNVIDIAの決算発表(19日)も控えており、ハイテク株の動向には特に注意が必要です。高市早苗政権の政策運営や、トランプ米大統領の発言といった政治的な不確実性も、相場の波乱要因として念頭に置くべきでしょう。
テクニカル分析

ドル円は154円台という高値圏でのもみ合いが続いており、テクニカル的には次の方向性を模索する重要な局面に差し掛かっています。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
日足チャートでは、25日・75日・200日移動平均線が上から順に並ぶパーフェクトオーダーが続いており、相場の大きな流れとしては依然として上昇トレンドが優勢です。ただし、短期の25日線は上昇の勢いが鈍り始めており、やや横ばい気味に推移しています。一方、75日線は上向きを維持し、200日線も緩やかな上昇基調へと移行しつつあります。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
日足の一目均衡表では、ローソク足が分厚い「雲」のはるか上に位置し、基準線も上向きを維持していることから、買い方優位の地合いが続いています。遅行スパンも日々線を上回っており、「三役好転」の強い買いシグナルが点灯中です。目先のサポートは転換線や基準線が位置する水準となります。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはゼロラインの上で推移し、買いシグナルが継続していますが、シグナル線との乖離が縮小し、上昇の勢いがやや鈍化している様子もうかがえます。ヒストグラムの縮小が続けば、トレンド転換の可能性も意識され始めるため、デッドクロス形成には注意が必要です。
主要なサポートレベルは心理的節目の154.00円、その下は先週の値固めの中心であった153.50円近辺が意識されます。一方、レジスタンスは先週高値圏の154.80円、そして最大の関門である155.00円がターゲットとなります。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(メインシナリオ:確率60%)
日本のGDPが市場予想通り、あるいはそれ以上に弱い結果となり円売りが加速すること、FRB高官らが相次いでタカ派的な発言を行いドル買いを誘うこと、そして米長期金利が再び上昇基調を強めること、などが強気要因として挙げられます。これらの要因が重なれば、ドル円は上昇圧力を強めるでしょう。この場合、まずは先週高値圏である154.80円を突破し、次の心理的節目である155.00円、さらには政府・日銀による円買い介入への警戒感を試す形で155.50円を目指す動きが考えられます。
↘️ 下落シナリオ(サブシナリオ:確率40%)
弱気要因としては、日本のGDPが予想外のプラス成長となり円買い戻しを誘うこと、FRB高官らが市場の引き締め懸念を和らげるようなハト派的な発言を行うこと、そして米国株の調整が一段と進み、リスク回避の円買いが本格化することなどが考えられます。これらの要因が顕在化した場合、ドル円は下落に転じる可能性があります。この場合、まずは心理的サポートである154.00円を割り込み、次のサポートである153.50円、さらには153.00円を試す展開が想定されます。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
本日の東京時間は、8時50分に発表される日本の第3四半期GDP速報値が最大の焦点となります。結果が市場の事前予想(マイナス成長懸念)と大きく乖離した場合、相場が乱高下する可能性があります。マイナス成長が確認されれば円売りが優勢となり154円台後半を目指す一方、サプライズのプラス成長となれば円買いが強まり154円台前半へ下押す展開が予想されます。仲値にかけては実需筋のフローも絡み、神経質な値動きとなりそうです。日経平均株価が先週の大幅下落から反発できるかどうかも、市場心理を左右する上で重要となります。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間は、東京時間の流れを引き継ぎつつも、米国のイベントを前に様子見ムードが広がり、比較的小動きになる可能性があります。相場が本格的に動き出すのはニューヨーク時間に入ってからでしょう。22時30分のNY連銀製造業景気指数の結果を受けた後、23時のウィリアムズ総裁、23時30分のジェファーソン副議長、そして深夜5時35分のウォラー理事と、FRB高官の発言が続きます。これらの発言内容がタカ派的であれば、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化し、155.00円の節目を試す展開も視野に入ります。逆に、慎重な姿勢が示されれば、利益確定のドル売りに押され、154円台前半まで値を下げる展開も想定しておく必要があります。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:153.80円~155.20円
日本のGDPと複数のFRB高官発言という強弱双方の材料が控えており、上下に振れやすい地合いを想定します。下値は先週のサポートレベル、上値は心理的節目を意識したレンジ設定です。
🔀 上値抵抗線:154.80円、155.00円
154.80円は先週記録した高値圏であり、最初の重要なレジスタンスとして意識されます。ここを明確に上抜けた場合、市場の注目は155.00円という大台の心理的節目に集まるでしょう。この水準は政府・日銀による円買い介入への警戒感が一段と高まるレベルであり、強い抵抗となる可能性があります。
🔀 下値支持線:154.00円、153.50円
154.00円は心理的な節目であり、直近の攻防でもサポートとして機能した水準です。このレベルを割り込むと、下落に勢いがつく可能性があります。その場合、次のターゲットは先週の値固めの中心であった153.50円近辺となり、ここが重要な支持線として機能するかどうかが焦点となります。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向へのブレイクアウトは、日本のGDPが大幅なマイナス成長となり、かつFRB高官らが明確なタカ派姿勢を示した場合に考えられます。米長期金利が4.2%台に乗せるような展開となれば、155.00円の抵抗を突破し、新たな上昇局面に入る可能性があります。下方向へのブレイクは、日本のGDPが予想外のプラス成長を記録し、FRB高官らがハト派的な見解を示した場合です。このシナリオでは154.00円を明確に割り込み、153円台前半への調整が進むリスクが高まります。
⚠️ 注意すべきリスク要因
最も注意すべきは、FRB高官らの発言内容が市場の事前予想と大きく異なる「サプライズ」となるリスクです。特に、金融政策の方向性について踏み込んだ発言が出た場合、ボラティリティが急上昇する可能性があります。また、日本時間早朝に発表されるGDPの結果が極端な数値となった場合も、朝方の取引で相場が大きく動くため、ポジション管理には細心の注意が必要です。
☑️ 投資判断における留意点
本日は、東京時間とニューヨーク時間にそれぞれ重要なイベントが控えているため、時間帯によって相場のテーマが変化する可能性があります。東京時間のGDP発表後の値動きに飛び乗る際は、夜のFRB高官発言で流れが変わるリスクを考慮する必要があります。イベントを跨いでのポジション保有はリスクが高いため、短期的な売買に徹するか、あるいは全てのイベントを消化するまで様子見に徹するのも有効な戦略と言えるでしょう。
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