【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年11月06日)

濃紺の背景に『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年11月6日のカレンダー。

おはようございます。Trader MTです。高値警戒感からなかなか押し目買いのロング一択というわけにもいなかい難しい局面ですね。それでは、今日もサクッと昨日の振り返り、今日の見通しを確認しておきましょう😌(公開時刻:08:28/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円相場は、東京時間のリスク回避ムードから一転、NY時間には米経済指標の好結果を受けてドルが全面高となる、ボラティリティの高い一日でした。序盤は日本株の急落を背景に152円台まで値を下げましたが、その後は154円台を回復し、終値は154.09円と高値圏で引けています。まさに「行って来い」の展開で、市場センチメントが大きく揺れ動いたことがうかがえます。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年11月5日 153.664 154.354 152.958 154.106

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

昨日の東京市場のドル円は、153円台後半で取引を開始しましたが、寄り付きからリスク回避の円買いが優勢となりました。最大の要因は日本株の大幅な下落です。日経平均株価は過熱感への警戒から売りが殺到し、一時2400円以上も下落、心理的節目の5万円を割り込む場面が見られました。この株価急落が投資家心理を冷やし、安全資産とされる円を買う動きが強まった形です。結果として、ドル円は下値を試す展開を余儀なくされました。

仲値にかけては、一部輸入企業によるドル買い・円売りの需要が観測されたものの、株安を背景としたリスクオフの流れを押しとどめるには至りませんでした。本邦からは特に目立った経済指標の発表や要人発言もなく、市場の関心は海外要因、特に夜に発表を控えていた米国のADP雇用統計やISM非製造業景気指数へと向かっていました。そのため、積極的な取引は手控えられ、株価の動向を睨みながらの神経質な取引が続いたと言えるでしょう。

午後に入っても日経平均の軟調地合いは変わらず、ドル円は上値の重い展開が続きました。欧州勢が市場に参加し始める時間帯にかけても円買い圧力は根強く、一時153円台前半まで下落しました。結局、東京時間は終始、日本株の動向に左右される展開となり、153円台半ばで欧州時間へとバトンを渡すことになりました。

欧州・NY時間

欧州時間に入ると、序盤はロンドン市場の参加者が米経済指標の発表を前に様子見姿勢を強めたため、ドル円は153円台後半で動意に乏しい展開となりました。欧州の主要株価指数が堅調に推移したことは一定の下支え要因となりましたが、相場の方向性を決定づけるほどの材料とはならず、小幅なレンジ内での取引が続きました。ユーロドルやポンドドルも比較的落ち着いた値動きで、クロス円相場も限定的な動きにとどまりました。

流れが大きく変わったのはNY時間です。発表された民間の米経済指標が市場予想を上回る強い内容だったことが、相場の転換点となりました。この結果は、米経済の底堅さを示すものと受け止められ、これまで燻っていた景気減速懸念を払拭。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ開始が遠のくとの観測が強まり、米長期金利は4.157%へと大幅に上昇(+0.066)しました。これに連動する形で、ドル買いが急速に強まったのです。

金利上昇を好感したドル買いは勢いを増し、東京時間に付けた安値から一転、ドル円はV字回復を遂げました。ロンドンフィキシングにかけても実需のドル買いフローが観測され、上昇の勢いは衰えませんでした。ダウ平均株価が+0.48%と堅調に推移したこともリスクセンチメントを改善させ、ドル円は一時154円台後半まで上昇し、再び155円の節目を視野に入れる水準で取引を終えました。

今日の注目材料

本日は、日米ともに市場の方向性を大きく左右するような重要な経済指標の発表は予定されていません。そのため、市場参加者の関心は、金融政策の先行きを探る上で極めて重要な、米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの発言に一身に集まることになります。

特に、日本時間の深夜から未明にかけて、FRBの政策決定において重要な役割を担うメンバーの発言が立て続けに予定されており、為替市場のボラティリティを高める要因となりそうです。

注目すべき発言は以下の通りです。

☑️ 11月6日(木)の重要度の高い注目材料
時間 通貨 指標 重要度 前回 予想
25:00 🇺🇸 FRBバー氏発言 ⚡⚡ - -
25:00 🇺🇸 NY連銀総裁ウィリアムズ氏発言 ⚡⚡ - -
29:30 🇺🇸 FRBウォラー氏発言 ⚡⚡ - -

▶️ 本日深夜25:00(= 11月7日 1:00):FRB バー副議長(監督担当)発言
バー副議長は金融システムの安定を司る立場にあり、その発言は金融政策全般に影響を与えます。昨日の強い経済指標を受けて、現在のインフレ見通しや経済状況についてどのような認識を示すのか、また、今後の利下げペースに関してどのようなヒントを与えるのかが注目されます。

▶️ 本日深夜25:00(= 11月7日 1:00):NY連銀 ウィリアムズ総裁 発言
連邦公開市場委員会(FOMC)で副議長を務めるウィリアムズ総裁の発言は、市場への影響力が特に大きいことで知られています。現在の経済成長や雇用市場の状況をどう評価しているのか、そして今後の金融政策スタンスについて踏み込んだ発言が出る可能性があります。彼の見解は、市場がFRBの「本音」を探る上で重要な手掛かりとなるでしょう。

▶️ 本日深夜29:30(= 11月7日 5:30):FRB ウォラー理事 発言
ウォラー理事は、FRB内でもタカ派的なスタンスで知られています。インフレ抑制を重視する姿勢を改めて示すのか、あるいは最近のデータを受けて見解に変化があるのか、その発言のトーンが注目されます。もし、利下げに対して引き続き慎重な姿勢を強調するようならば、ドル買いをさらに後押しする材料となり得ます。

これらのFRB高官の発言が総じてタカ派的な内容、つまり利下げに慎重な姿勢を示すものであれば、昨日の流れを引き継いで米長期金利が上昇し、ドル円は上値を試す展開が予想されます。逆に、予想に反してハト派的なトーンが示された場合は、ドル売りの材料となる可能性も十分に考えられます。発言が相次ぐ時間帯は市場の流動性が低下しやすいため、突発的な値動きには十分な注意が必要でしょう。

今日の見通し

本日のドル円は、重要な経済指標の発表がない中、深夜に控える複数のFRB高官発言を前に、154円台を中心とした方向感の定まりにくい展開が予想されます。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズの観点からは、昨日の強い米経済指標の結果を受けて、市場の雰囲気はドル高に傾いています。米国の景気後退懸念が和らぎ、FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの観測がドル相場を支える構図です。この流れの中、本日深夜に予定されているバー氏、ウィリアムズ氏、ウォラー氏らFRB高官の発言が、この市場観測を追認するタカ派的な内容となれば、ドル買いの動きはさらに強まるでしょう。特にインフレへの警戒感や、性急な利下げを牽制する発言が出た場合、米長期金利の上昇を通じてドル円は155円の節目を目指す展開が想定されます。一方で、高官らが経済の先行きに慎重な見方を示したり、インフレ鈍化に自信を見せるなど、市場の期待ほどタカ派的でなかった場合には、利益確定のドル売りを誘発するリスクも念頭に置く必要があります。

テクニカル分析

現在のドル円は154円台を回復し、短期的な下落基調から脱却しました。昨日のV字回復は、下値の堅さと買い意欲の強さを示しており、市場心理は改善していると考えられます。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
日足チャートでは、短期の25日移動平均線が再び上向きに転じ、中期(75日)、長期(200日)の各線も安定した上向きを維持しています。価格がこれら全ての移動平均線の上方に位置していることから、上昇トレンドが継続していると判断できます。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
価格は厚い「雲」の上限を明確に上回って推移しており、強い買いシグナルとされています。また、短期的な勢いを示す転換線が、中期的なトレンドを示す基準線を上回る「好転」の状態も続いており、地合いの強さを裏付けています。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACD線がシグナル線を下から上にクロスする「ゴールデンクロス」の形成が間近に迫っています。これは買いサインとされ、売り圧力が後退し、上昇モメンタムが強まりつつあることを示唆しています。

シナリオ分析

↗️ 上昇シナリオ(メインシナリオ:確率60%)
強気要因としては、(1)本日深夜のFRB高官発言が総じてタカ派的な内容となり、市場の利下げ期待が後退すること、(2)米長期金利が4.2%台に向けて上昇すること、(3)昨日のV字回復を受けた市場の強気センチメントが維持されること、が挙げられます。これらの要因が重なれば、ドル買いが一段と強まるでしょう。この場合、まずは昨日の高値である154.80円を突破し、次の心理的節目である155.00円、さらには155.20円を目指す動きが考えられます。

↘️ 下落シナリオ(サブシナリオ:確率40%)
弱気要因としては、(1)FRB高官発言が市場の期待に反してハト派的な内容となること、(2)日経平均株価などが再び大きく調整し、リスク回避の円買いが再燃すること、(3)155円の大台を前に、本邦通貨当局による円買い介入への警戒感が強まり、上値が抑制されること、が考えられます。この場合、まずは154.00円の節目を割り込み、次のサポートである153.50円、さらには153.00円を試す展開が想定されます。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
本邦からの主要な経済指標の発表はなく、基本的に様子見ムードが支配的となりそうです。昨日大幅に下落した日経平均株価が反発するのか、それとも続落するのかが市場心理に影響を与えるでしょう。株価が落ち着きを取り戻せばドル円の下値は堅くなりそうですが、大きな方向感は出にくく、154円台前半でのもみ合いに終始する可能性が高いとみています。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間も大きな材料に乏しく、NY時間序盤までは静かな展開が続く見込みです。市場の関心は完全に日本時間深夜のFRB高官発言に集中するため、それまではポジション調整の動きが中心となるでしょう。本格的に相場が動き出すのは、バー副議長とウィリアムズ総裁の発言が伝わる深夜25時以降となります。発言内容を受けて米長期金利が大きく動くことで、ドル円相場のボラティリティも一気に高まる展開に警戒が必要です。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:153.50円~155.20円
昨日のドル高の流れと深夜のFRB高官発言へのタカ派期待が下値を支える一方、155円台での介入警戒感が上値を抑えるため、神経質な展開を予想します。

🔀 上値抵抗線:154.80円、155.20円
154.80円は昨日の高値圏であり、最初の重要なレジスタンスとなります。ここを明確に上抜けた場合、市場の注目が集まる心理的な大台である155.00円、そしてその先にある直近の戻り高値155.20円が次のターゲットとして意識されるでしょう。

🔀 下値支持線:153.80円、153.50円
153.80円は昨日の上昇過程で一度もみ合った水準であり、最初のサポートとして機能する可能性があります。この水準を割り込むと、心理的な節目であり、複数の時間足チャートで支持線として意識される153.50円が次の重要なサポートラインとなります。

🔃 ブレイクアウト条件
上値は155.20円を明確に上抜ける展開となれば、上昇トレンドが加速し、年初来高値の更新を視野に入れた一段高の可能性が出てきます。FRB高官発言が市場の予想を上回るタカ派的な内容だった場合に想定されるシナリオです。下値は、153.50円を割り込むと、昨日のV字回復が一時的なものだったとの見方が広がり、再び152円台を目指す下落トレンドに回帰するリスクが高まります。

⚠️ 注意すべきリスク要因
最大のリスクは、深夜に相次ぐFRB高官発言の内容です。市場ではタカ派的な発言がある程度織り込まれているため、内容が中立的、あるいはハト派的と受け止められた場合、期待が剥落し急激なドル売りに見舞われる可能性があります。また、155円に接近する局面では、本邦通貨当局者による円買い介入への警戒発言(口先介入)や、実弾介入への警戒感が再び高まることにも注意が必要です。

☑️ 投資判断における留意点
本日は東京時間からNY時間序盤にかけては値動きが限定的となる可能性が高く、短期的な売買は仕掛けにくい地合いです。取引の主戦場はFRB高官発言が集中する日本時間深夜以降となるでしょう。流動性が低下する時間帯での重要イベントとなるため、スプレッドの拡大や予期せぬ価格変動に備え、ポジション管理と損切り注文(ストップロス)の設定を徹底することが極めて重要です。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。