【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年11月04日)

濃紺の背景に『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年11月4日のカレンダー。

おはようございます。ドル円コンパス配信2日目です。今日もサクッとドル円相場の流れを掴んでおきましょう😌
(公開時刻:08:26/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円相場は、東京市場が休場だったことから序盤は動意に乏しかったものの、海外時間に入るとドル買いが活発化し、一時154.296円まで上値を伸ばしました。米国の金融政策への期待感がドルを押し上げる中、円は主要通貨に対して軟調な展開となり、日米の金融政策の方向性の違いが改めて意識される一日となりました。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年11月3日 153.949 154.296 153.885 154.216

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

昨日の東京時間は、11月3日(月)が文化の日で祝日だったため、本邦株式市場は休場となり、為替市場も極めて閑散とした取引となりました。流動性が著しく低下する中、ドル円は154円を前にした水準で方向感の乏しい値動きに終始しました。市場参加者が限定的であったことから、積極的な売買は手控えられ、海外市場の動向を見極めたいとのムードが支配的だったと言えるでしょう。

市場の流動性が低い状況下では、実需筋のフローも限定的でした。祝日で国内金融機関が休場だったことから、仲値関連の実需フローも見られず、ドル円は閑散とした値動きとなりました。政府・日銀関係者からの新たな発言もなく、市場は静寂を保ったまま欧州時間の開始を待つことになりました。この時間帯のドル円は、非常に狭いレンジ内での推移となり、エネルギーを溜め込む展開だったと分析できます。

結局、東京時間のドル円は大きな方向性を示すことなく、小動きのまま取引を終えました。サポートラインやレジスタンスラインを試すような動きも見られず、市場参加者の関心は海外時間、特に米国市場の動向へと向けられていました。東京時間(日本時間9時〜18時ごろ)のドル円は大きな方向感を欠き、小動きに終始しました。祝日要因もあり、ロンドン勢参入前までは明確なトレンドが形成されませんでした。

欧州・NY時間

欧州時間に入っても、ドル買いの流れは継続しました。ロンドン市場序盤には、東京時間からの勢いを引き継ぎ、ドル円は154円台での高止まりが続きました。欧州の主要株価指数である英FTSE100が-0.16%と小幅に下落するなど、欧州株はまちまちな動きとなりましたが、ドル円相場への直接的な影響は限定的でした。むしろ、根強いドル需要が相場を支配していたと言えるでしょう。

ニューヨーク時間に入ると、相場はやや落ち着きを取り戻し、154円台前半での上下動に終始しました。米株式市場は、ダウ平均が-0.48%と下落した一方で、S&P500種は+0.17%と上昇するなど、方向感に欠ける展開となりました。この中で、日本時間24:00に発表された米国の10月ISM製造業景気指数に注目が集まりましたが、発表後も相場の大きな流れを変えるには至らず、高値圏での推移が続きました。

相場の下支え要因となったのは、米長期金利の動向です。米10年債利回りは+0.006ポイント上昇し、4.107%で取引を終えました。この金利上昇が日米金利差を意識させ、ドル買い・円売りをサポートする形となりました。結局、NYクローズにかけても大きな変動はなく、ドル円は154.20円近辺で取引を終え、週明けのドル高地合いを維持したまま一日を締めくくったのです。

今日の注目材料

今日のドル円相場は、米国の労働市場関連の重要指標と、金融政策の方向性を示唆するFRB高官の発言が最大の焦点となります。高値圏での推移が続く中、これらの材料が新たなトレンドを生み出すきっかけとなるか、市場の関心が集まっています。

☑️ 11月4日の重要度の高い注目材料
時間 通貨 指標 重要度 前回 予想
20:35 🇺🇸 FRB副議長ボウマン氏発言 ⚡⚡ - -
24:00 🇺🇸 JOLTS求人 ⚡⚡ 7.227M 7.198M

(追記:JOLTS求人は延期

まず、日本時間20時35分に予定されているボウマンFRB理事の発言です。同理事はFRB内でもタカ派的なスタンスで知られており、その発言は常に市場の注目を集めます。現在のインフレ動向や今後の金融政策、特に利下げのペースに関する見解が示されるかどうかが焦点となります。もし、依然としてインフレへの警戒感を強く示すようなタカ派的な発言が聞かれれば、米長期金利の上昇を通じてドル買いが強まる可能性があります。逆に、少しでも景気への配慮を見せるなど、ハト派的なニュアンスが感じられれば、ドル売りの材料となるでしょう。

続いて、本日深夜24時(日本時間11月5日0時)に発表される米国JOLTS求人件数です。この指標は、労働市場における求人、採用、離職の動向を示し、労働需要の強さを測る上で非常に重要なデータとされています。市場予想は719.8万件と、前回値の722.7万件からの減少が見込まれています。もし結果が市場予想を上回れば、米国の労働市場が依然として引き締まっている証左と見なされ、FRBが利下げを急がないとの観測からドル買いが優勢になることが想定されます。反対に、予想を大きく下回る結果となれば、労働市場の減速懸念が強まり、早期利下げ期待からドル売り圧力が高まる展開が考えられます。今週末に発表される米雇用統計を占う上でも先行指標となるため、結果には細心の注意が必要です。

経済指標以外では、地政学的な動向にも注意が必要です。先月末のニュースではありますが、中国主席がAPEC首脳会議の場で多国間貿易の保護を訴え、日本やカナダの首脳と会談したと報じられています。こうした米中関係を含む国際情勢の変化は、市場のリスクセンチメントに影響を与える可能性があります。

現在の市場は、日米の金融政策の方向性の違いを背景としたドル買い・円売り地合いが継続している一方で、155円の節目を前にした日本政府・日銀による為替介入への警戒感も非常に強い状況です。本日深夜のJOLTS求人件数の結果が、この膠着状態を打破するきっかけとなるか、市場参加者の注目が集中しています。

今日の見通し

本日のドル円は、154円台の高値圏で方向感を探る神経質な展開が予想されます。ボウマンFRB理事の発言とJOLTS求人件数の結果次第では、ボラティリティが高まる可能性があり、注意が必要です。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズの観点からは、日米の金融政策の方向性の違いという根源的なテーマが、引き続きドル円相場を下支えするでしょう。日本の長期金利が1.668%で推移する一方、米国の長期金利は4.1%台を維持しており、この金利差がドル買い・円売りのインセンティブとなっています。

今日の注目材料であるJOLTS求人件数が市場予想を上回る強い結果となれば、米経済の底堅さが再確認され、ドルは一段高となる可能性があります。加えて、タカ派で知られるボウマンFRB理事がインフレへの警戒を改めて強調すれば、ドル買いの動きはさらに加速することも考えられます。

一方で、JOLTSが予想を下回り、労働市場の明確な減速を示唆する内容となれば、市場のムードは一変する可能性があります。米国の利下げ期待が再燃し、米長期金利の低下とともにドルが売られる展開が想定されます。

また、155円の節目が近づくにつれて、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が市場の上値を重くすることも忘れてはなりません。高市首相が経済対策の取りまとめを指示したニュースも、今後の財政規律への懸念から円売りを誘う可能性はありますが、本日の直接的な材料としては限定的と見られます。

テクニカル分析

現在のドル円は、短期的な上昇トレンドが継続しているものの、154円台という高値圏での推移が続いているため、過熱感も意識される局面です。テクニカル指標は強気を示唆するものが多く、地合いの強さを裏付けています。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
日足チャートでは、短期の25日線、中期の75日線、長期の200日線の全てが上向きを維持し、上から順に並ぶ「パーフェクトオーダー」が継続しています。これは非常に強い上昇トレンドを示唆しており、押し目買い意欲の強さを示しています。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
日足の一目均衡表では、ローソク足が分厚い「雲」のはるか上に位置し、転換線が基準線を上回る「三役好転」の買いシグナルが点灯中です。遅行スパンもローソク足の上方にあり、明確な上昇トレンドが継続していることを示唆しています。雲の上限が強力なサポートゾーンとして意識されるでしょう。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはシグナルラインを上回って推移しており、買いの勢いが優勢であることを示しています。ただし、高値圏での推移が続いているため、MACDと価格の間に弱気のダイバージェンスが発生しないか、注意深く監視する必要があります。

主要なサポートとしては154.00円の心理的節目、レジスタンスとしては155.00円の大台が強く意識されます。

シナリオ分析

↗️ 上昇シナリオ(メインシナリオ:確率60%)
最も可能性が高いと考えられるのは、ドル高地合いが継続するシナリオです。具体的な強気要因としては、①根強い日米の金利差、②本日発表のJOLTS求人件数が市場予想を上回り、米労働市場の底堅さが示されること、③ボウマンFRB理事がタカ派的な姿勢を崩さないこと、などが挙げられます。この場合、まずは昨日の高値である154円台半ばを突破し、次の心理的節目である154.80円、さらには政府・日銀の介入警戒感が強まる155.00円を目指す動きが考えられます。

↘️ 下落シナリオ(サブシナリオ:確率40%)
一方で、調整売りが優勢となるシナリオも十分に想定されます。具体的な弱気要因としては、①JOLTS求人件数が予想を大幅に下回り、米国の景気減速懸念が台頭すること、②ボウマンFRB理事の発言が市場の想定よりもハト派的と受け止められること、③155円を前にした政府・日銀による円買い介入への強い警戒感、などが挙げられます。この場合、まずは心理的サポートである154.00円を割り込み、次のサポートである153.80円、さらには昨日の上昇の起点となった153.50円近辺を試す展開が想定されます。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
本日深夜のJOLTS求人件数の発表を控えているため、東京時間は積極的な売買が手控えられ、様子見ムードが支配的となる可能性が高いでしょう。ドル円は154円台前半を中心とした、比較的小幅なレンジでの推移が予想されます。昨日に続き日経平均株価が堅調な動きを見せれば、下値は限定的となりそうです。仲値公示にかけては、国内実需筋のフローに一時的に振らされる場面も想定されますが、大きな方向感は出にくいと考えられます。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間も引き続き、NY時間のイベントを前にしたポジション調整が中心となり、動意に乏しい展開が続く可能性があります。市場の関心はNY時間、特に日本時間24:00のJOLTS求人件数の発表に集中します。発表直後は結果に反応してボラティリティが急上昇する可能性が高く、一日の値幅の大半がこの時間帯に形成されることも考えられます。発表後は、米長期金利や米株価の動向を睨みながら、新たな方向性を探る展開となるでしょう。ロンドンフィキシングやNYクローズにかけても、指標結果を受けたフローが続く可能性があり、注意が必要です。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:153.70円~155.20円
本日深夜の米JOLTS求人件数の結果次第で上下に振れる展開を想定します。基本的なドル買い地合いと、155円手前での強い介入警戒感が交錯し、神経質な値動きとなりそうです。

🔀 上値抵抗線:154.80円、155.00円
154.80円は直近高値圏として意識され、最初の抵抗線となります。ここを明確に上抜けた場合、最大の関門となるのが155.00円の大台です。心理的な節目であると同時に、政府・日銀による為替介入が最も警戒される水準であり、強力なレジスタンスとして機能するでしょう。

🔀 下値支持線:154.00円、153.70円
154.00円は心理的な節目として、短期的なサポートとして機能することが期待されます。この水準を割り込むと、下落に勢いがつく可能性があり、昨日の値動きの中で意識された153.70円近辺が次の重要な支持線として浮上します。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向へのブレイクアウトは、JOLTS求人件数が市場予想を大幅に上回る強い結果となり、米長期金利が急騰した場合に考えられます。155.00円を突破するには相当なエネルギーが必要ですが、強いファンダメンタルズが後押しすれば可能性はあります。下方向へは、JOLTSが予想を大きく下回り、労働市場の急減速が示された場合に154.00円を明確に下抜ける展開が想定されます。

⚠️ 注意すべきリスク要因
最大のリスク要因は、日本政府・日銀による円買い介入です。特に155円に接近する場面では、当局者による口先介入が頻発する可能性があり、実際の介入がなくとも相場が急落するリスクがあります。また、本日深夜のJOLTS求人件数が市場予想から大きく乖離した場合、アルゴリズム取引などを巻き込んで相場が瞬間的に大きく変動する可能性があるため、注意が必要です。

☑️ 投資判断における留意点
本日は重要なイベントを控えているため、結果が判明するまでは無理なポジションメイクは避けるのが賢明と考えられます。特に、高値圏での順張りには、常に介入リスクが伴うことを念頭に置く必要があります。取引を行う際には、ストップロス注文を設定し、予期せぬ相場変動に備えることが推奨されます。JOLTSの結果と市場の初動反応を見極めてから、慎重にエントリーポイントを探るべきでしょう。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。