おはようございます。Trader MTです。昨日のドル円は、「高市トレード」の巻き戻しと米利下げ観測の継続を背景に、153円台前半から152円台後半までじりじりと水準を切り下げる一日になりました。東京時間では財務官による円安けん制発言に反応して152円前半まで下落し、その後は買い戻しと売りが交錯する荒い値動き。今夜は米CPIを控えており、インフレ指標が利下げペースをどう左右するのか、週末に向けて重要な分岐点になりそうです😌(公開時刻:07:45/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、東京朝方の153円台前半からスタートしたあと、序盤は選挙後の円買い戻しの流れや米利下げ観測の強さを背景に戻り売りが優勢となり、じわじわと水準を切り下げました。午前中は一時153.70円付近まで持ち上がる場面もあったものの、日経平均株価が失速するにつれてリスク回避的な円買いが強まり、節目の153円を割り込んで152円台後半へと下落。その後も「高市トレード」の巻き戻しや財務官の円安けん制発言が意識され、ドルの戻りは限られました。
結果として、始値153.224円、高値153.759円、安値152.267円、終値152.707円と、前日に続き上値と下値の両方を切り下げた「陰線」でクローズしています。選挙後の円売りポジションの巻き戻しに加え、米金利低下と利下げ前倒し観測が重なったことで、「ドルの戻りは売られやすい」という地合いが改めて確認された格好です。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年2月12日 | 153.224 | 153.759 | 152.267 | 152.707 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
12日の東京時間のドル円は、前日の海外市場でのドル安・円高の流れを引き継ぎ、153円台前半で取引を開始しました。序盤は前日からのショートカバーと実需のドル買いが入り、一時153.70円近辺まで持ち上がりましたが、その水準では輸出勢や短期筋の戻り売りが厚く、上値は重い展開。その後、日経平均の上昇が一服して失速すると、リスク回避の円買いが強まり、ドル円は153円を割り込んで152円台後半へと押し戻されました。
午前後半からは、三村財務官による「高い緊張感を持って市場動向を注視する」といった円安けん制発言も伝わり、ドル売り・円買いが一段と強まる格好に。5分足チャートでは、東京後場にかけて152.20円台まで下落したのち、直近安値圏では押し目買いとショートカバーが入り、152円台前半〜153円ちょうど近辺で荒い値動きが続いたことが確認できます。選挙後に積み上がっていた円売りポジションの巻き戻しが続いていることもあり、「戻れば売られる」地合いが鮮明だった時間帯と言えそうです。
欧州・NY時間
ロンドン勢参入後の欧州時間は、日本の衆院選を前に進んでいた「高市トレード」の巻き戻しが継続し、円買い・ドル売りが優勢な流れを維持しました。ただ、水準としては152円台後半〜153円前半を中心としたレンジ取引にとどまり、方向感はやや乏しい展開。米長期金利がじりじりと低下基調をたどるなかで、ドルはユーロやポンドなど対主要通貨でも上値の重さが意識され、ドル円も戻りは限定的でした。
NY時間に入ると、米新規失業保険申請件数が市場予想比でややまちまちの内容だったこともあり、大きなサプライズにはならず、153円前後での小動きが続きました。米長期金利は、直近の景気指標の弱さや中国による米国債保有削減への懸念などを背景に、総じて上値の重い推移。株式市場も高値警戒感から伸び悩んだことで、ドル円は上値を追う力に欠け、NY終盤は152円台後半に押し戻されて取引を終えています。
今日の注目材料
| 時間 | 通貨 | 指標・イベント | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 08:30 | 🇯🇵 | 田村日銀審議委員の発言 | ⚡⚡⚡ | - | - |
| 22:30 | 🇺🇸 | 消費者物価指数(前月比) | ⚡⚡⚡⚡ | +0.3% | +0.3% |
| 22:30 | 🇺🇸 | 消費者物価指数(前年比) | ⚡⚡⚡⚡ | +2.7% | +2.5% |
| 22:30 | 🇺🇸 | 消費者物価指数コア(前月比) | ⚡⚡⚡⚡ | +0.2% | +0.3% |
| 22:30 | 🇺🇸 | 消費者物価指数コア(前年比) | ⚡⚡⚡⚡ | +2.6% | +2.5% |
今夜は米CPIとコアCPIがメインイベントです。ここ数週間、米小売売上高や雇用関連指標がやや弱めに出ていることもあり、市場は「インフレは徐々に落ち着き、FRBは年内の利下げに向けて動きやすくなる」との見方を強めています。ただ、CPIが予想を上回れば、利下げ前倒し観測は一気に巻き戻される可能性もあり、ドル円にとっては上にも下にも振れやすいイベントとなりそうです。
日本側では、朝方に予定されている田村日銀審議委員の発言に注目が集まります。最近はマイナス金利解除後の正常化ペースや、物価見通しの不確実性について発言するたびに、円買い・円売りどちらにも振れやすい環境が続いており、特に152円台前半の水準では発言のニュアンス次第でボラティリティが高まりやすい点に注意が必要です。
今日の見通し
今日のドル円は、東京時間こそ152円台後半〜153円近辺でのもみ合いを想定しますが、欧州・NY時間は米CPIの結果次第で上下どちらにも1円以上動く可能性があり、「イベント待ちのレンジから、一気にトレンドが発生しやすい地合い」と見ています。足元では選挙後の円売りポジションの巻き戻しと米利下げ観測によるドル安が重なっており、ファンダメンタルズ面ではやや下方向(ドル安・円高)に傾きやすいものの、インフレ指標次第でこの流れが反転する余地も十分に残っています。
ファンダメンタルズ分析
米国では、これまで市場を支えてきた「堅調な消費と雇用」にやや減速の兆しが見え始めています。小売売上高や雇用コスト指数が予想を下回る月が増え、長期金利も高値圏からじりじりと低下。加えて、中国の米国債保有削減観測や、米政権内から聞こえてくるドル高牽制の声なども相まって、投機筋は「ドルロングを積み増すより、上がったところは売りたい」スタンスに傾きつつあります。
一方、日本側では、衆議院選挙での自民党大勝を受けて一時は「財政拡張→円安」という期待から円売りが進んだものの、その後は財政規律を重視する姿勢が意識され、いわゆる「高市トレード」の巻き戻しが継続しています。さらに、財務省要人から相次ぐ円安けん制発言もあり、157円台以降でのドル買い・円売りポジションを新たに積み上げにくい地合いが続いています。こうした構図から、短期的には「上値は介入・けん制で重く、下値は利下げ観測で試されやすい」という、ややドル安・円高寄りのファンダメンタルズ環境になっていると言えるでしょう。
テクニカル分析

日足チャートでは、前日に続く陰線が出現し、実体部分が25日・75日移動平均線を明確に下回る位置で引けています。直近高値(157円台後半〜158円台)からの調整局面が続いており、ローソク足は一目均衡表の「雲」の中腹〜下限付近に差し掛かっている状態。高値圏での持ち合いから、「一段下のレンジ(151〜154円台)」に移行しつつあるサインと見ることもできそうです。
📈 移動平均線(25日・75日・200日)
25日移動平均線と75日移動平均線はともに155円台半ばで横ばい〜わずかに下向きに転じつつあり、中期的な上昇トレンドの勢いが明らかに鈍っています。現在レートはこれらの線を下抜けて推移しており、「上昇トレンドのなかでの押し目」というよりは、「いったんトレンドの調整フェーズに入った」との印象の方が強くなってきました。一方、200日移動平均線は150円台半ばで緩やかな上向きを維持しており、このラインが中長期の最終防衛線として意識されやすい状況です。
📈 一目均衡表
一目均衡表では、ローソク足が雲の中〜下限付近に位置しており、遅行スパンも実線を下抜けつつあるように見えます。これまでサポートとして機能してきた雲上限(おおよそ154円前後)を割り込んだことで、短期的には「強気から中立〜弱気方向へのシフト」が意識されやすい形です。ただし、雲全体は依然として右肩上がりで推移しているため、152円割れ〜151円台後半のゾーンでは、中期的な押し目買いも入りやすいエリアと言えるでしょう。
📈 MACD
MACDはゼロラインの下側でデッドクロス状態が続いており、ヒストグラムもマイナス圏で拡大気味です。トレンド系・オシレーター系ともに、現時点では「下方向のモメンタムが優位」であることを示していると言えますが、直近安値圏ではマイナス幅の伸びがやや鈍化してきており、CPIの結果次第では「売られ過ぎからのショートカバー」が一気に入る可能性も頭に入れておきたいところです。
5分足チャートを見ると、東京午前の153.70円近辺から欧州序盤にかけて、25本移動平均線(青)と75本線(黄)の下側で推移する時間帯が長く、短期的なトレンドは明確に「下方向優位」でした。152.20円台までの下押し後はいったん153.50円近辺まで切り返したものの、200本線(赤)付近で戻り売りに抑えられ、その後は152円台後半での戻り売りと押し目買いが交錯する展開。「下落トレンドのなかで、CPIを前にしたポジション調整の持ち合いに入った」と整理できそうです。
シナリオ分析
↗ 上昇シナリオ(確率40%)
上昇シナリオでは、米CPIが総じて市場予想を上回り、「インフレ圧力はなお根強い」と受け止められるケースを想定します。特に、コアCPIの前月比が+0.4%以上、前年比も2.6%を上回るようであれば、年内の利下げ回数が減らされるとの思惑から米長期金利が反発し、ドル買い戻しが優勢となる可能性があります。この場合、ドル円はまず153円台半ばのレジスタンスを試し、上抜ければ154円台前半〜半ばまでの戻りも視野に入ってきます。
ただし、157円台以降では介入警戒感や政府要人のけん制発言が再び意識されるため、上昇しても「戻り売りをこなしながらじり高」というイメージ。短期的には、154円台前半〜半ばまで回復できるかどうかが、調整一服から再度上昇トレンドに戻れるかの試金石になりそうです。
↘ 下落シナリオ(確率60%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、CPIが予想を下回り、「インフレ鈍化→利下げ前倒し」という流れが改めて意識されるケースを想定します。ヘッドライン・コアともに前月比で+0.2%以下、前年比でも2.4%割れとなるようであれば、米長期金利は一段と低下しやすく、ドル売り・円買いが再加速しやすい地合いです。既に選挙後の円売りポジションの巻き戻しが進んでいることもあり、152円を割り込むとストップロスを巻き込みながら151円台後半まで下押しするシナリオも十分考えられます。
さらに、CPIの弱さに加えて米株式市場がリスク回避の売りに傾いた場合や、中国の米国債保有削減報道が再燃するような場面では、ドル売り圧力が増幅される可能性もあります。その場合、一目均衡表の雲下限や心理的節目である151円ちょうどまで、より長い時間軸での調整局面を意識する必要が出てくるかもしれません。
時間帯別の展開予想
🕒 東京時間
東京時間は、朝方の田村日銀審議委員の発言内容が焦点です。金融政策の正常化ペースや物価見通しについてタカ派寄りの発言があれば、152円前半を試すような円高圧力が一時的に強まる可能性があります。一方、慎重姿勢や海外リスクへの言及が目立つようであれば、152円台後半〜153円近辺までの戻りも想定されます。ただし、CPIを控えて積極的にポジションを取りにいく参加者は限られそうで、基本的には152.20〜153.20円程度のレンジを想定します。
🕔 欧州時間
ロンドン勢参入後は、東京でつくられたレンジを引き継ぎつつ、欧州株・債券市場の動きを織り込む形でじわじわとポジション調整が進むと見ています。CPIを前に新規ポジションは作りにくく、152円後半〜153円ちょうど付近を中心とした持ち合いがメインシナリオ。指標の事前予想に関するヘッドラインや、米金利先物の織り込みに関するニュースが出た場合には、短期的に行き過ぎた動きが出ることもあり得るため、その際は「逆張りのチャンス」か「トレンドの初動」かを見極める冷静さが求められます。
🕙 NY時間
NY時間は22時30分のCPI発表がクライマックスです。発表直後はアルゴリズム取引とストップ注文が交錯し、数分〜十数分で1円以上動く可能性もあるため、「最初の一発目の動き」に飛び乗るのはリスクが高い場面です。米金利・株価・他通貨(ユーロドルなど)の反応が出揃い、市場がどちらのストーリー(インフレ鈍化 or インフレ粘着)に傾いているのかを確認してから、押し目買い・戻り売りのポイントを探る戦略が有効だと思います。
今日の予想レンジ
↕ 予想レンジ:151.80円〜154.20円
CPIというビッグイベントを控えていることもあり、今日はやや広めに151.80円〜154.20円のレンジを想定します。東京〜欧州時間はレンジ中央付近(152.50〜153.50円)でのもみ合いがメインシナリオですが、NY時間のCPIの結果次第では、レンジ上限または下限を一気に試す動きも想定しておきたいところです。
🔼 上値抵抗線:153.30円、153.80円、154.20円
上方向では、まず前日東京午後に何度も抑えられた153.30円近辺が最初のレジスタンス。その上は、日足の25日・75日移動平均線が控える153.80円前後、さらにCPIを材料に上振れした場合の154.20円近辺が意識されます。154円台前半〜半ばを終値ベースで回復できれば、短期的には「152円台への下振れは一時的」との見方が強まり、155円台方向への戻りも視野に入ります。
🔽 下値支持線:152.20円、151.80円
下方向では、まず昨日の安値に近い152.20円前後が重要なサポート。ここを明確に割り込むと、ストップロスを巻き込みながら151.80円付近まで下押しするリスクが高まります。この水準は一目雲の下限や過去の戻り安値とも重なりやすく、いったんは買い支えが入りやすいゾーンと考えます。151.80円を終値ベースで割り込むようだと、200日移動平均線のある150円台半ばまで、より長い調整トレンド入りを警戒する必要が出てきます。
💥 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件は、「CPIが予想を大きく上回り、米長期金利の急反発とともに154.20円を明確に上抜け、その後もNYクローズにかけて154円台を維持すること」。この場合、翌週以降もショートカバーを巻き込みながら155〜156円台方向への自律反発を試す展開が視野に入ります。
下方向のブレイクアウト条件は、「CPIが明確に弱く、152.20円→151.80円とサポートを次々と割り込み、NYクローズで152円割れ水準にとどまること」。このケースでは、中期的な調整トレンド入りを前提に、戻り売りスタンスが一段と優勢になると考えられます。
⚠️ 注意すべきリスク要因
今回のCPIでは、ヘッドラインとコアの方向性の違いや、前月分の大幅な改定が出た場合、市場の解釈が二転三転しやすくなります。また、指標直後の値動きに加え、その後に予定されているFRB高官の発言や、米株・金利市場の反応によってストーリーが変わる可能性もあるため、「数字だけで決め打ちしないこと」が重要です。さらに、日本側では円安けん制&介入警戒が続いているため、急激な円安方向の動きには口先介入ヘッドラインが飛び出すリスクも意識しておきたいところです。
☑️ 投資判断における留意点
イベントドリブンの局面では、「全部取りに行く」のではなく、自分の得意なパターンだけを狙うことが何より大切です。今日は、
・どの水準を背にポジションを取るのか(152円割れ/153.80円超えなど)
・どの時間帯で勝負するのか(CPI直後か、落ち着いた30分〜1時間後か)
・ロットと損切りラインをどこに置くのか
をあらかじめ決めたうえで、「条件が揃わなければ見送る」くらいの割り切りが有効だと思います。高ボラティリティ環境だからこそ、ノーポジションも立派な選択肢のひとつとして、冷静に相場と向き合っていきたいですね。
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