おはようございます。Trader MTです。週明けのドル円は、衆院選での自民党圧勝を受けて一時は円安方向に窓を開けてスタートしましたが、片山財務相や財務省高官から相次いだ円安けん制発言をきっかけに急速に戻すなど、介入警戒と期待が入り混じる不安定な動きとなりました。短期的には上値を抑え込まれた格好ですが、中長期の円安トレンドが崩れたわけではなく、「当局のスタンス」と「米景気指標・金利動向」の綱引きをどう見ていくかがポイントになりそうです😌(公開時刻:07:32/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、衆院選での自民党大勝を受けた「円安・株高期待」と、政府・日銀による為替介入への警戒感がせめぎ合う一日でした。オセアニア早朝の段階では円売り優勢となり、東京市場入り後もしばらくは157円台後半までジリ高。しかし、その後は財務相や財務省高官から円安をけん制する発言が相次いだことで流れが急変し、ドル売り・円買いが一気に強まりました。
具体的には、財務省の高官が「行き過ぎた円安にはあらゆる手段を排除しない」といった趣旨の発言を行ったほか、片山財務相が「マーケットと対話しながら適切に対応していきたい」と述べたことで、市場は「レートチェックから実際の介入に踏み込む線を意識し始めた」との見方が広がりました。これを受けて投機的な円売りポジションの巻き戻しが進み、ドル円は157円台から155円台後半まで一気に水準を切り下げています。
終盤のNY時間でも、政府・日銀による介入警戒がくすぶる中で円買い優勢の流れが続き、ドル円は155円台後半を中心にもみ合いながら引けました。結果として、始値157.556円、高値157.660円、安値155.520円、終値155.867円と、日足ベースでは1.7円超の上ヒゲを残す陰線となり、「選挙後の円安期待から一転して、当局の円安けん制を意識した調整局面」に入った印象です。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年2月9日 | 157.556 | 157.660 | 155.520 | 155.867 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
2月9日の東京時間のドル円は、157.50円前後と前週末終値を上回る水準でスタートしました。衆院選で自民党が「想定以上の大勝」となったことで、高市政権による積極財政や日銀の大規模緩和継続を見込んだ円売り期待が先行し、早朝には157.60円近辺までじり高。ただ、その後は財務省の幹部が「為替市場を高い緊張感を持って注視している」などと発言したと伝わると、介入警戒感が一気に強まり、157円半ばから156円台後半へと急速に押し戻されました。
午前後半からは、日経平均株価が一時3000円超高と大幅続伸となったことでリスクオンの雰囲気も広がりましたが、為替市場では「株高=円安」という単純な連想よりも、「ここから上はいつ当局が動いてもおかしくない」という警戒が勝り、157円台後半を追いかける動きは限定的でした。その後、木原官房長官や片山財務相からも円安について懸念を示すコメントが相次ぎ、5分足ベースでは157円台前半から156円台半ばにかけて、じわじわとドル売り・円買いが優勢となる展開が続きました。
午後に入っても当局の発言に対する警戒感は根強く、仲値通過後も157円台を回復する場面は限定的。実需のドル買いが入ると上値を試す動きも見られたものの、そのたびに介入を警戒した戻り売りが出て、156円後半〜157円ちょうど前後のレンジに収れんしていきました。「株は高いのにドル円は上値が伸びない」という、典型的な介入警戒相場の様相だったと言えそうです。
欧州・NY時間
欧州時間入り後も流れは変わらず、ロンドン勢参入後は156円後半での取引が中心。ロンドン午前には、片山財務相や財務省高官の発言を受けた介入警戒感が欧州勢にも意識され、上値を追う動きは強まりませんでした。一方で、衆院選を通じて確認された「政治的安定」と「財政拡張期待」は中長期の円安要因として意識されており、156円前半では下値拾いの買いも入るなど、上も下も重いもみ合いが続きました。
NY時間に入ると、東京・ロンドンで積み上がった円買いポジションの調整や、米長期金利の低下を背景にドル売りが強まり、ドル円は156円台前半から一気に155円台半ばへと下落。介入そのものが入ったとの報道は出ていないものの、「実弾が飛んできてもおかしくないゾーン」に近づいていたこともあり、投機筋のロングポジションが一斉に手仕舞いに動いたとみられます。
その後は155円台後半で下値を固めながらの推移となり、終値は155.867円前後。NY朝にはFRB理事らがイベントに参加する予定が控えていたものの、足元では「当局の円安けん制」に対する敏感な反応が相場の主導要因となっており、米金利や株価の動き以上に、円ショートポジションの調整フローが価格形成を左右した一日だったと言えます。
今日の注目材料
| 時間(日本) | 通貨 | 指標/イベント | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 22:30 | 🇺🇸 | 小売売上高(前月比) | ⚡⚡⚡ | +0.6% | +0.4% |
| 22:30 | 🇺🇸 | 小売売上高(除自動車・前月比) | ⚡⚡⚡ | +0.5% | +0.4% |
| 26:00 | 🇺🇸 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 発言 | ⚡⚡ | - | - |
| 27:00 | 🇺🇸 | ローガン・ダラス連銀総裁 発言 | ⚡⚡ | - | - |
今晩は米国の小売売上高がメインイベントです。FRBは既に「利下げフェーズ」入りを見据えていますが、足元の消費が想定以上に底堅いようであれば、「利下げペースはあくまで緩やか」との見方が強まり、米長期金利やドルが下支えされやすくなります。一方で、ヘッドライン・除自動車ともに予想を明確に下回るようだと、「消費減速→利下げ前倒し」の連想から米金利低下→ドル安・円高に反応しやすい地合いです。
ただし、足元のドル円は衆院選の結果や当局の円安けん制発言など、日本サイドの材料でも大きく振らされているタイミングです。小売売上高だけを「今日のすべて」と見なすよりも、「選挙後の円安期待」「介入警戒」「米景気指標」「FRBのタカ・ハト両面の発言」といった複数の要因が、どの方向にベクトルを揃えてくるかを見極めることが重要になりそうです。
今日の見通し
今日のドル円は、155円台後半を中心に上下1円程度のレンジを意識しながら、「介入警戒を背景にした円買い」と「選挙後の円安期待+米金利動向を背景にしたドル買い」が綱引きする展開になりそうです。東京〜欧州時間は当局発言への警戒感から上値が抑えられやすく、NY時間の小売売上高をきっかけに、どちらかにややレンジを広げるイメージを持っておきたいところです。
ファンダメンタルズ分析
日本サイドでは、衆院選で自民党が大勝したことで、高市政権の基盤強化と積極財政の継続が意識されています。中長期的には「財政拡張+日銀の緩和継続」が円安材料となり得ますが、足元では財務相や財務省幹部からの円安けん制発言が相次いでおり、市場は「どこまで行ったら本当に介入が入るのか」を探っている状況です。レートチェックが行われた可能性も取り沙汰される中、当局の一言で相場が1円程度動く局面が続きやすく、レバレッジをかけすぎるのは危険な場面と言えます。
米国側では、インフレ指標の落ち着きと雇用の堅調さが同居する中、FRBは「急がない利下げ」を模索している段階です。今回の小売売上高が強ければ、「家計はまだ十分に耐性があり、急いで利下げする必要はない」との見方が強まり、米長期金利上昇を通じてドル高要因となる可能性があります。一方、消費の減速がはっきりする場合には、利下げ開始時期の前倒しや回数増加が織り込まれ、ドル安・円高方向の圧力が強まりやすくなります。
加えて、米株式市場は高値圏にあり、ここからは「好材料でも上がりづらく、悪材料には敏感」というフェーズに入りつつあります。もし小売売上高が弱く、株式市場がリスクオフに傾くようであれば、ドル円もリスク回避の円買いと金利低下に伴うドル売りの両面から下押しされるシナリオも想定されます。逆に、米株が堅調さを維持し、当局の円安けん制が一服するようだと、再び円売り圧力が強まる余地も残っています。
テクニカル分析

日足チャートでは、昨日のローソク足は長い上ヒゲを伴う陰線となり、高値157.660円から安値155.520円まで1円以上上から叩かれた形です。ここ数日で見れば、衆院選前後の高値圏(157〜158円台)から一段下のゾーンに押し戻されつつあり、「トレンド自体は上向きだが、上値追いは当局のけん制でかなり重くなっている」状態と整理できます。
📈 移動平均線(25日・75日・200日)
25日移動平均線はおおよそ156.6円前後で右肩上がりを維持している一方、75日線は155.7円近辺で緩やかな上昇、200日線は150円台前半で下から相場を支える形となっています。現在値155円台後半は、25日線をやや下抜けつつも75日線のすぐ上に位置しており、「中期上昇トレンドは維持しながらも、短期的には調整局面に入っている」バランスの取れた位置と言えます。25日線を明確に回復できるかどうかが、再び高値トライへ向かうか、レンジ相場へ移行するかの分岐点になりそうです。
📊 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表では、ローソク足は依然として日足の雲の上で推移しており、中期的な上昇基調は維持されています。ただ、転換線は157円前後から下向きに折れ始めており、基準線(およそ155円後半)との乖離が縮小しつつある状況です。155円前半〜半ばは、雲の上限や基準線と重なりやすいゾーンでもあり、「押し目買いが入りやすい一方で、ここを割り込むとストップ売りを誘発しやすい」重要なサポート帯として意識しておきたいところです。
📉 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはゼロラインのやや下で推移しており、シグナルとの乖離は縮小傾向にあります。ヒストグラムもマイナス圏ではあるものの、直近ではマイナス幅がやや縮小してきており、「深い売られ過ぎからの戻り局面に入りつつあるが、まだ本格的な上昇シグナルには至っていない」状態と解釈できます。小売売上高をきっかけに上方向へモメンタムが付けばゴールデンクロスに向かう余地もある一方、指標が弱く再び下押しされるようだと、デッドクロス継続で調整が長引く可能性も残っています。
テクニカルとファンダメンタルズを総合すると、155.50円前後が直近の重要なサポート、上方向は156.60円(25日線付近)と157.20円近辺が目先のレジスタンスとして意識されやすく、「155円台後半を中心としたレンジ内で、当局の発言と米指標の組み合わせ次第でどちらにも振れ得る局面」と見るのが妥当そうです。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(確率40%)
上昇シナリオでは、まず日本側で新たな円安けん制発言が出ず、介入警戒がやや後退することが前提となります。そのうえで、今晩の米小売売上高が予想通り〜やや上振れとなり、米長期金利がじり高、米株も大きく崩れない展開を想定します。衆院選後の政治的安定と積極財政期待は中長期の円安要因であり、当局のスタンスが「急いで介入に踏み込むほどではない」と市場に受け止められれば、再び円売りポジションを積み上げる動きが出てきてもおかしくありません。
この場合、155円台後半で下値を固めたあと、156.60円付近の25日線を上抜けてくると、短期筋のショートカバーを巻き込みながら157.00〜157.20円ゾーンへの戻りを試す展開が考えられます。ここを日足終値ベースでしっかりと回復できれば、衆院選前後の高値圏(157.50〜158.00円)を再び視野に入れる動きもあり得るでしょう。
↘️ 下落シナリオ(確率60%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、米小売売上高が予想を下回り、消費の減速懸念から米長期金利が低下するケースを想定します。加えて、ドル安を歓迎するようなトーンのFRB高官発言や、米株の調整が重なると、ドル全体に対する売り圧力が強まりやすくなります。そこに日本の財務相や財務省幹部から再び円安けん制発言が出れば、「介入前夜」との思惑も相まって、円買いが一段と強まる可能性があります。
この場合、まず155.50円前後のサポートを試す動きとなり、ここを明確に割り込むとストップロスを巻き込みながら155.00円ちょうど付近まで下押しするシナリオも視野に入ります。155.00円は心理的な節目であると同時に、日足の雲上限とも重なりやすいエリアであり、ここを割り込むようだと「高値圏から一段下のレンジ(154円台前半〜155円台半ば)へのシフト」を市場が意識し始める可能性もあります。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
東京時間は、前日に引き続き財務省や政府要人からの発言に神経質な展開が想定されます。衆院選後の円安期待は根強いものの、「当局と真っ向からケンカする水準では買い上がりにくい」との心理から、156円ちょうどを挟んだレンジ取引になりやすいでしょう。実需のドル買いが持ち上げた局面では157円方向への上値トライもあり得ますが、その際はヘッドラインリスクに十分注意したいところです。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ロンドン勢が前日の円高分をどの程度巻き戻すかが焦点になります。欧州株が堅調でリスクオンムードが続くようであれば、じわじわと円売り・ドル買いが優勢となる場面も想定されますが、NY時間の小売売上高を控えてポジションを傾けにくい面もあります。NY時間は22時30分の指標発表前後にボラティリティが高まりやすく、指標結果と米金利の反応を見極めてからエントリーするくらいの慎重さが必要になりそうです。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:155.00円〜157.20円
当局の円安けん制と米小売売上高というイベントリスクを踏まえ、今日はやや広めに155.00〜157.20円のレンジを想定します。東京〜欧州時間はレンジ内での持ち合い、NY時間の指標後に上限または下限を試すイメージで、レンジ中央付近での「なんとなくのエントリー」は避けたいところです。
🔼 上値抵抗線:156.60円、157.20円
上方向では、まず25日移動平均線の位置する156.60円前後が最初のレジスタンスとして意識されます。この水準を一気に抜けるには、小売売上高の強い結果や当局の牽制トーン後退といった、複数の好材料が重なる必要がありそうです。その上では、選挙後の戻り高値圏と重なる157.20円前後が次の壁となり、ここを日足終値ベースで上抜けると、158円方向への高値更新トライも視野に入ってきます。
🔽 下値支持線:155.50円、155.00円
下方向では、まず155.50円前後が直近安値と75日移動平均線が重なるサポートとして重要です。ここでは短期勢の買い戻しや実需のドル買いも入りやすく、いったんは下げ止まりやすい水準と見ています。これを明確に割り込むと、心理的節目の155.00円ちょうどが次のターゲットとなり、このラインを日足で割り込むようであれば、「高値圏から一段下のレンジ」へと相場観を切り替える必要が出てきそうです。
💥 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、
・米小売売上高が予想を大きく上回る(ヘッドライン・除自動車ともに強い)
・米長期金利の上昇と米株高が同時に進む
・日本当局からの円安けん制コメントが一服、もしくはトーンがやや和らぐ
といった要素が重なり、156.60円を上抜けたうえで157.20円をも明確に突破するイメージです。
一方、下方向は、
・小売売上高の明確な弱さやFRB高官のハト派寄り発言
・米株のリスクオフ、長期金利低下
・日本側からの強い牽制発言(レートチェックに言及するようなもの)
などが同時に出て155.00円を割り込むようであれば、テクニカル的にも「一段安局面」入りを警戒したいところです。
⚠️ 注意すべきリスク要因
今日は、日本側の当局発言と米指標に加え、株式市場の動向や地政学リスクのヘッドラインなど、複数の要因が同時多発的に相場を揺さぶりやすい一日です。特に、介入警戒が強い局面ではスプレッド拡大や約定の滑りが起こりやすく、「思っていたよりも悪いレートで約定してしまった」というケースが増えがちです。指標直後や要人発言直後の薄い板を追いかける場合は、ロットを落とす、成行を多用しないなど、普段以上にリスク管理を意識したいところです。
☑️ 投資判断における留意点
いまのドル円は、「円安トレンドに乗り遅れたくない投資家」と「当局の一言で急落を恐れる短期筋」の思惑が複雑に絡み合っています。すべての波を取りに行こうとすると、結果的に高値掴みと安値投げを繰り返しやすい局面です。今日は、どの水準を背にするのか(155.50円のサポートか、156.60円のレジスタンスか)、どの時間帯で勝負するのか(東京か、NY指標後か)をあらかじめ決めておき、そのシナリオに合致した場面だけでエントリーするくらいの割り切りが、資金とメンタルを守るうえで有効だと思います。
高値圏でボラティリティも高まりやすいタイミングだからこそ、「あえて入らない」という選択肢も含めて、自分のルールに沿ったトレードを心がけていきたいですね。
免責事項
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