おはようございます。Trader MTです。先週金曜のドル円は、日銀会合と植田総裁会見をきっかけに159円台まで一気に買われたあと、日米当局のレートチェック観測も重なって155円台まで急落する激しい展開となりました。週明けの今朝も154円60銭台へと1円弱の窓を開けてスタートしており、市場には「この先、実弾の為替介入が入ってもおかしくない」といった緊張感が漂っています。しばらくは値幅取りのチャンスがある一方で、ポジションサイズとストップ管理がいつも以上に重要な局面ですね😌(公開時刻:07:47/日本時間)
先週末の振り返り
先週金曜のドル円は、日銀金融政策決定会合の結果と植田総裁の記者会見、さらにその後の日米当局によるレートチェック観測が重なり、久しぶりに「往復ビンタ級」のボラティリティとなりました。午前中は前日までの円安トレンドを引き継いでじり高基調が続き、政策金利の据え置きが発表されるとショートカバーも加わって、東京午後の植田会見中には一時159.22円前後まで急伸。その後は、会見の中身が「これ以上の急ピッチな利上げには慎重」と受け止められた一方、急激な円安を警戒した当局の監視強化が意識され、159円台では利益確定と円買い戻しが一気に噴出しました。
特に、午後の会見後には「日銀・財務省がレートチェックを行った」との観測が広がり、ドル円は159円台から157円台前半へと、わずか数十分のうちに約2円の急落。その後、欧州時間には157〜158円台でいったん落ち着きを取り戻したものの、NY時間に入ると今度は米側でもNY連銀によるドル円のレートチェックが伝わり、157円台半ばから155円台後半へと再び大きく円高方向に振れました。最終的には、始値158.336円、高値159.225円、安値155.600円、終値155.741円と、日中の値幅が3.6円超に及ぶジェットコースター相場となっています。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年1月23日 | 158.336 | 159.225 | 155.600 | 155.741 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間(植田会見〜レートチェック観測)
1月23日の東京時間、ドル円は前日NYの流れを引き継ぎ、朝方は158.30円台からスタート。日銀が政策金利を0.75%で据え置きと発表すると、「追加利上げのタイミングは先送り」と受け止めた向きの円売りが優勢となり、午後の植田総裁会見を控えて158円台後半へじり高となりました。
15時30分からの記者会見では、「物価見通しはなお不確実」「追加利上げはデータ次第」といった慎重なトーンが繰り返され、市場は当初これをややハト派的と受け止めました。その結果、5分足チャートでは会見序盤からドル買いが加速し、わずか数本の足で158円後半から159.20円台まで一気に上昇。短期筋のストップ買いも巻き込みながら、「160円台乗せも視野」といったムードが高まる場面もありました。
しかし、高値をつけたのも束の間、その直後から当局の動きに対する警戒感が一気に強まります。会見後の時間帯に、当局が金融機関に対してドル円の取引状況を確認する「レートチェック」を実施したとの見方が広がると、159円台では利益確定の売りに加え、レバレッジ勢のロング手仕舞いが殺到。5分足ベースでもロウソク足が一気に下方向へ並び、東京終盤にかけて157円台前半まで約2円の急落となりました。「上に抜けそうになったところを、レートチェック観測が叩き落とした」形と言えます。
欧州・NY時間(日米レートチェック観測と急落第2波)
欧州時間入り後のドル円は、東京での急落をひとまず織り込みつつ、157円台前半〜半ばでスタートしました。ロンドン勢の参入後も、日銀会合直後ということもあり、「ここからさらに円買いを追いかけるか」「いったん戻りを待つか」で見方が分かれ、157〜158円台前半での神経質な上下動が続きました。欧州株や米金利の動きは比較的落ち着いていたものの、マーケット全体は『当局の次の一手』に神経を尖らせていた印象です。
NY時間に入ると、状況は再び一変します。お昼頃にかけて、NY連銀が主要ディーラーにドル円のレートやフローを問い合わせたと伝わり、「今度は米側でもレートチェックが入ったのではないか」との観測が急速に広がりました。一般的に、日米を含む各国当局のレートチェックは、本格的な為替介入の前段階・『予告編』として実施されることが多いとされており、この報道をきっかけにドルロングの投げ売りが加速。ドル円は157円台半ばから155.60円前後まで、東京時間を上回るスピードで一気に円高方向へ振れました。
その後は155円台後半で押し目買いとショートカバーが交錯し、日付が変わる頃には155.70円前後に収束してクローズ。日中の値動きだけを切り取ると、「植田会見中に159円台まで買い上げられたあと、日米のレートチェック観測をきっかけに、ほぼ丸ごと帳消しにされる形で3円以上戻された一日だった」と整理できます。短期筋にとっては、トレンドフォローと逆張りの両方で振らされかねない、かなり難易度の高い相場だったのではないでしょうか。
今日の注目材料
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| - | - | 主要な経済指標・要人発言の予定なし | - | - | - |
今日は、日米ともにカレンダー上の重要指標や要人発言の予定はありません。その一方で、先週末にかけて日米双方でレートチェック観測が相次ぎ、週明けの今朝も1円近い窓を開けてスタートしていることから、マーケットの関心は「いつ・どの水準で本格的な為替介入が入るか」に集中しています。
一般的に、レートチェックは当局が市場参加者に対して「こちらはレートを注視している。いつでも動ける」というメッセージを送る手段とされており、その後しばらくの間は実弾介入が行われやすい環境になります。特に今回のように、日銀会合直後の高値圏で日米のレートチェック観測が立て続けに報じられたケースでは、投機的なドルロングの持ち越しはかなり神経質にならざるを得ません。今日も経済指標以上に、財務省・日銀・米当局からのコメントや、再度のレートチェック報道に細心の注意を払いたい1日です。
今日の見通し
週明けのドル円(1月26日午前7時過ぎ)は、先週金曜終値の155.70円前後から、今朝は154円台後半〜155円台前半へと約1円の窓を開けてスタートしています。レートチェック観測を受けて、週末にドルロングを抱えたくない向きが多かったことに加え、流動性の薄い早朝時間帯にストップロスを巻き込みながらギャップダウンした格好です。月曜前半は、「窓埋めを狙う買い」と「介入リスクを警戒した戻り売り」がせめぎ合う展開を想定しつつ、どちらかへのブレイクにはニュースの後押しが必要になりそうです。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ面では、日銀は今回の会合でも「物価2%の持続的・安定的な達成にはなお距離がある」とし、大枠としては緩和スタンスを維持しました。とはいえ、マイナス金利解除後も徐々に正常化へ向かう方向性自体は変わっておらず、市場は「追加利上げのタイミング」と「YCCに準じる長期金利上限の扱い」を引き続き探っています。一方の米国では、インフレ指標の鈍化を背景に利下げ期待がくすぶりつつも、足元の米景気は総じて底堅く、長期金利は大きく崩れてはいません。
今回の急激な円高は、こうしたファンダメンタルズそのものの変化というより、「日米当局が本気で円安是正に動き始めたのではないか」という市場心理の変化によるところが大きいと言えます。実際、過去の事例を振り返っても、レートチェックとその後の為替介入はセットで語られることが多く、投機筋にとっては「当局と同じ方向にポジションを取るか」「一度様子を見るか」の判断を迫られる局面です。
現時点で実際の介入が行われたとの公式発表はありませんが、155円割れや154円台前半といった水準に近づく場面では、いつ実弾が飛んできてもおかしくないという空気感がしばらく続きそうです。逆に言えば、当局の「口先介入+レートチェック」が意識されたことで、これまでのように160円台を目指してひたすらドルロングを積み上げていく相場とは、少しフェーズが変わってきたと捉えることもできます。
テクニカル分析

日足チャートでは、先週金曜のローソク足が長い上ヒゲと下ヒゲを伴う大陰線となっている点が非常に印象的です。高値159.225円から安値155.600円まで、上下3.6円超の長いヒゲを付けつつ、終値155.741円は前日比で大きく下落。典型的な「上昇トレンドの中でのスパイク高からの叩き落とし」という形状で、これまでの一本調子の円安トレンドに対して、マーケットが初めて本格的な警戒シグナルを点灯させたようにも見えます。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
25日移動平均線は依然として右肩上がりで推移しているものの、足元のレートはそのすぐ上まで一気に巻き戻されてきました。おおよそ25日線=157円前後、75日線は155円台半ば、200日線は149円台後半に位置しているイメージで、今回の急落で短期の過熱感はかなり解消された一方、75日線・200日線から見ればまだ十分高値圏にいる状態です。25日線を明確に割り込んでくるようだと、上昇トレンドのモメンタム鈍化が意識されやすくなります。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表では、ローソク足はなお雲の上に位置しているとみられるものの、先週までの「雲から大きく上に乖離した強気一辺倒」から、徐々に基準線・転換線に引き寄せられる調整局面に移行しつつあります。155〜156円台は、日足チャート上で転換線や過去高値とも重なりやすい価格帯であり、このゾーンを維持できるかどうかが、強気トレンド継続の分岐点になりそうです。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはまだゼロライン上のプラス圏に位置していると考えられるものの、先週まで拡大していたMACD線とシグナル線の乖離は急速に縮小しているはずです。ここからデッドクロス方向に向かうようであれば、「上昇トレンドのピークアウト&レンジ転換」のシグナルとして意識されやすく、当面は戻り売りが出やすい地合いが続く可能性があります。逆に、今日以降の値動きで再び乖離が拡大すれば、当局の牽制をこなしながら上昇トレンドが維持されるシナリオも残されています。
テクニカルとファンダメンタルズを総合すると、短期的な下値の目安としては155.00〜155.20円付近、その下では154.50円前後が意識される一方、上値は157.00円(25日線近辺)と158.00円が戻り売りの候補として意識されやすいと見ています。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(確率40%)
上昇シナリオでは、週明けの窓埋め狙いの買いとショートカバーが優勢となり、当局から新たな円高容認発言や追加のレートチェック報道が出ないケースを想定します。東京午前にかけて155円台後半〜156円台前半まで戻りを試し、欧州時間にかけて157円近辺(25日線)を試す展開となれば、「急落は一時的なポジション調整だった」との見方が強まりやすくなります。この場合、当面のレンジを155〜158円程度に切り上げながら、高値圏での持ち合いに移行するイメージです。
↘️ 下落シナリオ(確率60%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、155円台半ば〜後半で戻り売りが繰り返されるなか、再び当局のレートチェック観測や、財務省・日銀からの「急激な円安を容認しない」趣旨の発言が飛び出すケースを想定します。155円台前半を割り込み、155.00円〜154.50円のサポートゾーンに入ってくると、「次は実弾介入か?」という警戒感が一段と高まり、短期筋のドルロングの投げ売りが加速するリスクもあります。その場合、下値の次のターゲットとしては153円台後半〜154円ちょうどが意識されてきそうです。
時間帯別の展開予想
🕗 東京時間
東京時間は、窓開けスタート後の値動きが焦点です。155円台前半で下げ止まり、155.70〜156.00円方向へ窓埋めを試すようであれば、短期的には上昇シナリオ寄りの展開となりそうです。一方で、戻りが鈍く、155円台前半で上値を抑えられるようであれば、欧州〜NY時間にかけて再び安値を試す地合いが続く可能性があります。いずれにせよ、東京時間に財務省や日銀からのコメントが出るかどうかが、今日一日の方向性を大きく左右しそうです。
🕓 欧州・NY時間
欧州時間は、東京でつけた高安を踏まえてポジション調整が中心となる見込みです。当局から新たなニュースがなければ、155〜156円台のレンジ内での短期売買が主体となりやすい一方、再度レートチェック観測や強い口先介入が出れば、NY時間にかけてもう一段の円高が進むリスクもあります。特に、NY勢は先週末の急落を主導した一角でもあるため、155円割れのストップをどの程度意識しているかには注意を払っておきたいところです。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:151.50円〜157.80円
今日は、先週末の急落と週明けの窓開けを踏まえ、やや広めに151.50円〜157.80円のレンジを想定します。東京〜欧州時間はこのレンジ内での持ち合いを基本シナリオとしつつ、154円割れや157円乗せといった節目をどちらに先にブレイクしてくるかを注視したい場面です。レンジ中央付近で無理にポジションを取るよりも、下限付近では押し目買い候補、上限付近では戻り売り候補として、ゾーンごとにシナリオを分けて構えるのが良さそうです。
🔁 上値抵抗線:157.00円、157.80円
上値側では、まず157.00円前後(25日線&戻り高値候補)が意識されます。この水準はテクニカル的にも重要で、ここを上抜けてしっかり維持できるようなら、「急落は一時的なショックだった」という評価が強まりやすくなります。その上では、先週金曜の戻りの起点とも重なる157.80円近辺が次のレジスタンスとなり、このゾーンを日足ベースでブレイクするようなら、再び158円台後半〜159円方向を意識する展開も視野に入ります。
🔁 下値支持線:154.50円、154.00円
下値側では、まず154.50円が心理的な節目として重要です。ここを維持できるうちは、「日米レートチェック後の調整の範囲内」とみなされやすい一方、これを明確に割り込むと再び投機筋のストップ売りが加速するリスクがあります。その場合の次のサポートとしては、154.00円ちょうどが意識され、この水準をも下抜けてしまうようだと、当局の実弾介入や、トレンド転換を意識した中期の売りも入りやすくなりそうです。
⚠️ 注意すべきリスク要因
今日最大のリスクは、やはり「いつ介入が入ってもおかしくない」という点に尽きます。レートチェックの後に実弾介入が行われた事例は過去にも多く、特に今回のように日米両サイドでの動きが取り沙汰されている局面では、通常時よりも一段と警戒レベルを引き上げておく必要があります。介入が入った場合、短時間で2〜3円動くことも珍しくないため、ストップの位置やロットサイズをあらかじめ決めておかないと、想定を超える損失になりかねません。
☑️ 投資判断における留意点
ボラティリティが高く、当局リスクも意識される局面では、「大きく取ろうとし過ぎないこと」が何より大切です。エントリー前に、①どの水準で入るのか、②どこまで逆行したら必ず切るのか、③1回のトレードで許容する損失額はいくらまでか──を具体的な数字として決めておき、その範囲を超えてまでポジションを抱え込まないようにしたいところです。
レートチェックや介入観測で神経質になりやすい相場だからこそ、「今日は見送る」という選択肢も含めて、自分のルールに沿ったトレードを心がけていきましょう。
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