おはようございます。Trader MTです。ドル円は156円台前半で底堅さを維持しつつも、年末らしい薄商いのなかで、上値と下値のどちらにも抜けきれない状態が続いています。昨日の取引では、東京〜欧州時間にかけて一時155円台後半まで押し込まれる場面もあったものの、NY時間後半のFOMC議事録公表を受けて下値では買い戻しが入り、最終的には156円台前半で引ける展開となりました。今日は22時30分発表の米新規失業保険申請件数がメインイベントとなる見通しで、年末の流動性低下と重なり、一時的にボラティリティが高まりやすい環境と言えそうです。それでは、きょうもサクッと見通しを整理していきましょう😌(公開時刻:07:53/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、156円台前半という高値圏を維持しながらも、イベント前後のポジション調整をこなしつつ、最終的にはやや上昇して引ける展開となりました。東京時間は156円ちょうど前後で方向感に乏しい値動きとなり、その後の欧州時間では一時155.744円まで下押しする場面も見られましたが、NY時間後半のFOMC議事録公表をきっかけに徐々に買い戻しが優勢となり、156円台前半を回復。結果として、始値156.031円、高値156.566円、安値155.744円、終値156.329円と、小幅な陽線を形成し、高値圏を維持したまま一日の取引を終えています。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月30日 | 156.031 | 156.566 | 155.744 | 156.329 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
12月30日の東京時間のドル円は、156.00円台前半で取引をスタートしました。年末が近づき市場参加者が徐々に減少するなか、新規の積極的なポジション構築は手控えられ、朝方は156円ちょうど〜前半の比較的狭いレンジで落ち着いた推移となりました。
国内からは目立った金融政策関連の新材料はなく、市場の関心は引き続き米金融政策の行方や、年明け以降のイベントスケジュールに向いていました。そのため、仲値にかけては実需のドル買いが下値を支える一方、156.30円近辺では高値警戒感から戻り売りも入りやすく、上方向に抜けきれない展開が続きました。
午後にかけても、東京勢は年末要因もあってポジション調整を優先する向きが多く、新たなトレンドを生むようなフローは限定的でした。欧州勢の本格参入を前に、156円台前半を中心としたもみ合いが続き、東京時間は比較的落ち着いた値動きのまま終了しています。
欧州・NY時間
欧州時間入り後、ドル円は156.20円近辺で取引を再開しましたが、ロンドン勢の参入後も、年末要因とNY時間後半のFOMC議事録公表を控えた様子見ムードが強く、序盤は方向感の乏しい展開が続きました。
その後、欧州時間のなかばにかけては、年末に向けた持ち高調整や利益確定売りが優勢となり、ドル円はじりじりと水準を切り下げ、一時155.744円まで下押ししました。ただ、155円台後半の水準ではテクニカルなサポートを意識した押し目買いも入りやすく、下方向に走るような展開にはつながらず、下値では買い戻しが入る展開となりました。
NY時間入り後は、米金利や株式市場が比較的落ち着いた推移となるなか、FOMC議事録公表を控えて大きくポジションを傾けにくい状況が続きましたが、イベント通過後のNY時間後半〜早朝にかけては、極端にハト派・タカ派いずれかに偏った内容とまでは受け止められなかったこともあり、ドル円は徐々に上昇基調を取り戻しました。売り込まれていた155円台後半からの買い戻しも加わり、最終的には156.50円近辺まで上値を試したあと156.329円でクローズ。高値圏での持ち合いを維持しつつ、次の材料待ちという印象の一日となりました。
今日の注目材料
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 22:30 | 🇺🇸 | 新規失業保険申請件数 | ⚡⚡️ | 21.4万件 | 22.0万件 |
今日12月31日の注目材料は、日本時間22時30分に発表される米新規失業保険申請件数です。前回は21.4万件、今回の市場予想は22.0万件と、やや増加(=悪化)方向の見通しとなっていますが、実際の結果がこのコンセンサスからどの程度乖離するかが、為替市場にとってのインパクトを左右しそうです。
足元では、米雇用市場は依然として大崩れしているわけではないものの、過熱感が徐々に剥落してきているとの見方もあり、新規失業保険申請件数についても中長期的にはじり高傾向が意識されつつあります。もし今回の結果が予想を上回る増加となり、雇用市場の減速懸念が強まる内容となれば、利下げ開始時期の前倒し期待や利下げペース加速観測が意識され、米金利低下を通じてドル売り・円買いが進みやすい局面が生じる可能性があります。
一方で、結果が予想を下回る強い数字となり、雇用の底堅さが改めて確認されるようであれば、利下げ観測の行き過ぎ修正を通じた米金利の下げ渋りや反発につながり、ドル買い・円売りを背景にドル円が156円台後半〜157円方向を試す展開が意識される場面もあり得ます。ただし、きょうは年末最終営業日ということもあり、通常よりも市場参加者が少なく流動性が低下しやすい点には要注意です。指標そのもののサプライズ度合い以上に、「薄商いのなかでアルゴリズム取引やストップ注文を巻き込みやすい時間帯」であることを意識しておきたいところです。
今日の見通し
今日のドル円は、156円台前半という高値圏を維持しながら、22時30分の米新規失業保険申請件数をメインイベントとして意識する一日になりそうです。東京時間から欧州時間前半にかけては、年末・月末要因に伴うポジション調整や実需フローが中心となり、156円ちょうど〜156円台半ばを中心としたレンジ取引がメインシナリオと考えています。NY時間に入ってからは、指標結果と米金利・株式市場の反応を織り込みながら、レンジの上下を試す展開を想定しておきたい局面です。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ面では、日銀は依然としてマイナス金利や長期金利操作(YCC)を含む超緩和スタンスを維持しており、植田総裁の発言などを通じて「賃金と物価の好循環を確認するにはなお時間が必要」とのスタンスが繰り返し示されています。来年以降の政策正常化に向けた議論は続いているものの、足元で急激な金融引き締めに踏み切るとの見方は乏しく、円高方向へのバイアスは限定的となりやすい環境が続いています。
一方、米国では、インフレ指標や雇用指標の結果を受けて、利下げ開始時期やペースに関する市場の見方が揺れ動きやすい状況が続いています。今回の新規失業保険申請件数は、FOMC議事録公表を経て市場が再確認しようとしている「雇用の強さ」と「景気減速リスク」のバランスを測るうえで、タイミング的にも注目を集めやすい指標と言えます。
結果が予想と大きく乖離しない場合、ドル円は日米金利差の構図を背景に、高値圏でのレンジ取引を続ける展開がメインとなりそうです。ただし、年末の薄商いという特殊要因もあるため、サプライズが出た場合には通常よりも値が飛びやすく、短時間で往って来いになる可能性も含めて、いつも以上に慎重な対応が求められる一日と言えます。
テクニカル分析

テクニカル面では、昨日のローソク足は、高値156.566円、安値155.744円という値幅のなかで上下にヒゲをつけつつ、始値156.031円に対して終値156.329円と小さな陽線を形成しました。一時的に155円台後半まで押し込まれたものの、最終的には156円台前半を回復して引けており、下値では押し目買い意欲の強さがうかがえる形です。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線に目を向けると、25日移動平均線は依然として右肩上がりを維持しており、その下で75日線・200日線も上向きで推移しているとみられます。短期・中期・長期の三本が順ザヤ構造を保っていることから、中長期的な上昇トレンドに大きな変化は見られず、現在のレートはそのなかでの「高値圏における持ち合い」と整理できます。一方で、足元のレートは25日線からやや上方に乖離しており、追いかけのロングポジションには慎重さも必要な水準と言えそうです。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表を想定すると、ローソク足は雲のかなり上方に位置し、遅行スパンも実線を上回る状態を維持していると考えられます。基準線や転換線との位置関係からは、上昇トレンドを維持しながらも、156円台前半〜半ばのゾーンでエネルギーを溜めているような印象が強まっており、今後157円台方向へブレイクするのか、それとも155円台半ば方向へ調整に移行するのか、分岐点に近づきつつあるようにも見えます。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDを見ると、ゼロラインより上のプラス圏を維持しつつも、MACD線とシグナル線の乖離は徐々に縮小しており、上昇モメンタムはやや一服感が出ている局面と考えられます。ここから再びMACD線がシグナル線の上方へ大きく離れていく動きが見られれば、高値更新トレンド再開のサインとして意識される一方、デッドクロス方向への傾きが鮮明になってくるようであれば、高値圏での調整入りを警戒する必要が出てきます。
総合すると、目先の下値めどとしては156.00円前後、その下では155.60〜155.70円近辺が意識されやすい一方、上値については156.80円近辺と157.20円前後が戻り売りの候補となりやすく、きょうはこの範囲内での攻防を基本シナリオとしつつ、指標結果次第でどちらかに振れ幅が広がる展開も念頭に置いておきたい局面です。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(確率45%)
上昇シナリオでは、米新規失業保険申請件数が予想を下回る堅調な結果となり、米雇用市場の底堅さが改めて確認されるケースを想定します。この場合、利下げ開始時期の前倒し観測がやや後退し、米長期金利の下げ渋りや小幅な反発が意識されることで、ドル買い・円売りが優勢となりやすくなります。ドル円は156.00円近辺を下値として、まずは156.80円前後のレジスタンスを試し、この水準を実体ベースで明確に上抜けることができれば、157.20円近辺まで一段高となる展開も視野に入ります。年末の薄商いのなかでショートカバーが重なった場合には、一時的に上方向への値動きが増幅される可能性にも注意が必要です。
↘️ 下落シナリオ(確率55%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、新規失業保険申請件数が予想を上回る増加となり、雇用市場の減速懸念が意識されるケースをメインシナリオとします。この場合、米金利には下押し圧力がかかりやすく、ドル売り・円買いが優勢となるなかで、まずは156.00円のサポートを試す展開が想定されます。この水準を明確に割り込むと、155.60〜155.70円近辺までの下押しが視野に入り、高値圏で続いていた持ち合いから「やや深めの調整局面」へと評価が変わる可能性があります。ただし、中長期的な上昇トレンド自体はなお維持されているとみられるため、155円台半ばでは押し目買いも入りやすく、一気にトレンドが反転して円高が加速するというよりは、上昇トレンドのなかでのスピード調整として位置付けられる公算が高いと考えています。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
東京時間は、前日のNYクローズ水準を引き継ぎながら、156円ちょうど〜156円台前半を中心とした比較的落ち着いたレンジ取引になりやすいと見ています。仲値にかけては、期末・年末要因も絡んだ実需のドル買いが相場の下支え要因となる一方で、156.30〜156.50円近辺では高値警戒感からの戻り売りも出やすく、レンジの中ほどで無理にポジションを追いかけるメリットはそれほど大きくなさそうです。
今日は年末最終営業日ということもあり、東京勢の多くは新規ポジションの積み増しよりも、既存ポジションの整理やリスク管理を優先する傾向が強まりやすいと考えられます。イベントを見越して大きく勝負するよりも、「来年に向けてどの水準でポジションを持ち越すか」「そもそも持ち越さないか」を意識した慎重な運用が中心となりやすい時間帯と言えそうです。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ロンドン勢の参入とともに、東京時間で形成されたレンジの上限・下限を試す値動きが増えやすくなります。欧州株式・債券市場の動向やリスク選好度合いに応じて、一時的にドル買い・ドル売りいずれかの方向に振れる場面も想定されますが、22時30分の米新規失業保険申請件数までは、基本的にレンジの範囲内での推移が続きやすいと見ています。
NY時間に入ると、いよいよ指標発表をきっかけとした値動きがメインとなります。発表直後は、ヘッドラインの数字にアルゴリズム取引が反応し、一方向に大きく走ったあと、その後の解釈の進展とともに逆方向への巻き戻しが起こる「往って来い」のパターンも起こりやすい時間帯です。特に、ストップ注文が集中していそうな水準のすぐ外側では、短時間でのヒゲ状の値動きに巻き込まれやすくなるため、ポジションサイズや損切り水準の設定には普段以上の慎重さが求められます。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:155.80円〜157.00円
今日は、年末の流動性低下と22時30分発表の米新規失業保険申請件数という組み合わせを踏まえ、155.80円〜157.00円のレンジをメインシナリオとして想定します。東京〜欧州時間はこのレンジ内側でのもみ合いが中心となりやすく、NY時間後半から指標結果の解釈を織り込む過程で、レンジの上限または下限方向を試す動きが強まりやすい一日になりそうです。
🔀 上値抵抗線:156.80円、157.20円
上方向については、まず156.80円前後が目先のレジスタンスとして意識されます。この水準では、直近の高値圏とも重なることから、短期筋の利益確定売りや戻り売りが出やすく、一度は上値の重さを試される展開が想定されます。その上では、157.20円近辺が次の上値目処として注目され、この水準を実体ベースでしっかりと上抜けてくるようであれば、高値更新トレンドが再び意識され、158円方向を視野に入れた一段高シナリオが強まりやすくなります。
🔀 下値支持線:156.00円、155.60円
下方向については、まず156.00円ちょうど前後が直近の重要なサポートです。この水準を維持できている限りは、「高値圏で調整を挟みながらも、上昇トレンドは継続している」という評価が優勢となりやすく、押し目買い意欲も残りやすいと考えられます。これを明確に割り込んだ場合には、昨日の安値とも重なる155.60円近辺が次の下値支持として意識され、このゾーンまで下押しする場面では、年末・イベント要因が絡んだ一段の調整局面として捉えられる可能性が高まりそうです。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、米新規失業保険申請件数の発表後の値動きを経たうえで、157.20円前後のレジスタンス帯を明確に上抜け、日足が157円台前半〜半ばでクローズできるかどうかが一つの目安になります。この条件が満たされれば、高値更新トレンドが意識されやすくなり、158円方向への上値余地を試す展開が現実味を帯びてきます。
下方向のブレイクアウト条件としては、156.00円と155.60円のサポートを連続して割り込み、そのうえで日足が155円台半ばを明確に下回る水準で引けるかどうかがポイントになります。この場合、「高値圏での持ち合い」から「調整色の強い局面」へと評価が切り替わり、155.20〜155.00円近辺が次の下値ターゲットとして浮上し、短期的には円買い優勢の流れに注意が必要となります。
⚠️ 注意すべきリスク要因
今日は年末最終営業日であることから、通常以上に市場参加者が少なく、流動性が低下しやすい一日です。そのため、指標結果のサプライズ度合いにかかわらず、薄商いのなかでアルゴリズム取引やまとまった注文が出た場合、短時間で数十銭程度の値動きが生じるリスクがあります。また、ストップ注文が集中している水準を一時的に巻き込み、ヒゲ状の乱高下を起こしたあと、すぐに元の水準近辺へ戻される「往って来い」のパターンにも警戒が必要です。
☑️ 投資判断における留意点
イベントと薄商いが重なる局面では、「せっかく動くなら取りに行きたい」という感情が強まりやすい一方で、普段よりもポジションサイズやエントリー頻度が増えがちです。きょうのような環境では、あらかじめ許容できる損失額を明確にし、その範囲から逆算してロットと損切り水準を決めておくことが、結果的にパフォーマンスとメンタルを守るうえで非常に重要になります。
指標前にポジションを軽くしておく、あるいはあえてノーポジションで内容と初動を確認してから次の一手を考えるといった「守り寄りの選択肢」も十分に合理的です。自分自身のトレードルールとリスク許容度に照らし合わせながら、無理のない構え方で、今年最後の取引日と向き合っていきたいですね。
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