おはようございます。Trader MTです。クリスマス明けで流動性が少し戻る中、ドル円は156円台で高値圏レンジが続いています。今日は大きなイベントはありませんが、年末特有のポジション調整で156円前後が上下に振れやすい局面です。年内も残りわずか、無理な高値追いは避けつつ、レンジの端に引きつけて慎重に付き合っていきましょう😌(公開時刻:07:35/日本時間)
先週末の振り返り
昨日のドル円は、クリスマス明けで徐々に流動性が戻るなか、155円台後半から156円台前半にかけて上昇基調を強めた一日となりました。東京時間から押し目買いが優勢となり、欧州・NY時間にかけて156.70円台まで水準を切り上げたあと、引けにかけてはやや伸び悩みながらも156.50円で取引を終了しています。結果として、始値155.967円、高値156.733円、安値155.967円、終値156.500円と、前日の高値圏レンジを上方向に切り上げる形で、年末に向けてドル高・円安基調を再確認する値動きとなりました。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月26日 | 155.967 | 156.733 | 155.967 | 156.500 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
12月26日の東京時間のドル円は、155.96円前後で取引をスタートしました。クリスマス本番を通過し、前日までの極端な薄商い状態からは徐々に正常化しつつあるものの、依然として年末モード特有の落ち着いた地合いのなかでのスタートでした。仲値にかけては実需のドル買いが下値を支える一方、156円ちょうど付近では高値警戒感からの戻り売りも散見され、序盤は155円台後半〜156円ちょうどの狭いレンジでもみ合う展開が続きました。
午前からお昼にかけては、国内株式市場が堅調さを維持するなかでリスク選好のムードも後押しとなり、徐々に押し目買いが優勢となりました。156円台にしっかり乗せてくると、これまでのレンジ上限を上抜けたことを確認するかたちでテクニカルな追随買いも入り、東京時間の後半には156.30円近辺まで水準を切り上げています。とはいえ、年末が近いこともあり、大口の新規ポジション構築というよりは、ショートカバーや既存ポジションの微調整といった性格のフローが中心だった印象です。
欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ドル円は156.30円前後で取引を再開しました。ロンドン勢の本格参入後も、年末・年始の休暇を控えて新たなリスクを取りに行く動きは限定的でしたが、東京時間にかけての上昇を受けてドル買い・円売りの地合いが意識されていたこともあり、押し目では買いが入りやすい展開が続きました。欧州株式市場や米先物が底堅く推移したこともあって、リスクオフに傾くような材料は見当たらず、じりじりと上値を試す流れが優勢になりました。
NY時間にかけては、米国側でも目立った指標や要人発言がなかったものの、年末を前にしたポジション調整のドル買いフローが断続的に入り、ドル円は一時156.733円まで上昇して日中高値を更新しました。ただ、157円台に迫る水準ではさすがに高値警戒感も意識され、利益確定売りや短期筋の戻り売りが出やすくなったことで、終盤にかけては156.50円前後での落ち着いた推移に移行しています。最終的に終値は156.500円と、前日までのレンジ上限を一段切り上げた水準でクローズしており、全体としては「高値圏でのレンジを保ったまま、じわりとドル高・円安方向にバイアスがかかった一日だった」と整理できそうです。
今日の注目材料
今日12月29日(月)は、国内外ともに重要度の高い経済指標や要人発言の予定はなく、イベント面では比較的静かな一日となる見込みです。
とはいえ、年内の取引日数が残り少なくなるなかで、機関投資家や実需筋によるポジション調整やレパトリーフロー、ファンド勢のポートフォリオリバランスといった年末特有のフローが断続的に表面化しやすいタイミングでもあります。こうしたフローは必ずしも直近の経済指標やニュースと連動しているわけではなく、「理由の分かりにくい一方向の動き」が短時間に出ることもあるため、値動きの背景を「年末要因」として割り切る場面も出てきそうです。
ドル円にとっては、先週末に156円台半ばまで水準を切り上げたことで、高値圏での持ち合いからさらに上値を試すのか、それとも一度スピード調整を入れながら年末の居場所を探るのかが、今日以降の焦点になってきます。
今日の見通し
今日のドル円は、先週末の上昇を引き継ぎつつも、年末特有の流動性低下とポジション調整が交錯するなかで、156円ちょうど〜156円台後半を中心としたレンジ取引を基本としながら、上値・下値を探る展開になりそうです。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ面では、日銀が超緩和スタンスを継続している状況に変化はありません。先日の会合および植田総裁の発言を通じて、「賃金と物価の好循環を確認しながら、出口への道筋を慎重に探る」という基本方針は共有されたものの、市場が意識するような明確な政策変更時期やペースについては何も示されておらず、当面はマイナス金利と大規模緩和が続くとの見方が根強い状態です。
米国側では、利下げサイクル入りを見据えつつも、その開始時期やペースを巡って、インフレ指標と景気指標の結果次第で期待が揺れやすい局面が続いています。足もとのデータは「成長の減速」と「インフレの鈍化」がじわじわ進んでいることを示唆しているものの、急激な景気後退に陥るほどの悪化ではなく、FRBとしては「様子を見ながらの緩やかな利下げ」を模索しているとみられます。
このように、日米それぞれの金融政策スタンスを踏まえると、金利差のピークアウト感はやや意識されつつも、依然として円側の金利が極端に低位にある構図は変わっていません。中長期的にはドル高・円安バイアスが残る一方で、年末特有のポジション調整やリバランスの動きが短期的な上下の振れを生みやすく、ファンダメンタルズだけでは説明しにくいノイズの多い値動きになりやすい点には注意が必要です。
テクニカル分析

テクニカル面では、ドル円の日足は先週末の上昇により、再び高値圏での上昇トレンドを意識させる形状となっています。12月26日のローソク足は、始値と安値が同水準(155.967円)で、そこから高値156.733円まで一方的に上昇したあと、終値156.500円で引けた陽線となっており、下ヒゲのない「陽の丸坊主」に近い足型です。これは、日中を通じて押し目らしい押し目を形成せず、買い優勢の地合いが続いたことを示唆しています。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線を見ると、25日移動平均線は引き続き右肩上がりを維持しており、その下で75日線と200日線も上向きで推移していると考えられます。短期・中期・長期の三本がそろって上向き、かつ短期線が中長期線を上回る順ザヤ構造に変化はなく、中長期的な上昇トレンドは継続中と判断できます。一方で、現在のレートは25日線からやや上方に乖離しており、短期的な過熱感と「一度のスピード調整を挟みやすいゾーン」に入っていることも意識しておきたいところです。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表を前提にすると、ローソク足は依然として雲の上方に位置し、遅行スパンも実線を上抜いた状態を維持しているとみられるため、中期的な強気シグナルに変化はありません。ただし、先週までの急伸局面から、ここ数日は高値圏での持ち合いを挟みつつある状況でもあり、156円ちょうど〜台前半の水準は、転換線や基準線との関係も含めて、短期的な分岐点として注目されます。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDを見ると、ゼロラインより上のプラス圏で、MACD線がシグナル線を上回る状態が続いていると考えられ、上昇モメンタムはなお生きています。ただ、ヒストグラムの伸びが鈍化してくるようであれば、「高値圏での勢いの一服」として、いったんレンジ調整を挟む可能性にも気を配る必要がありそうです。
これらのテクニカル環境を総合すると、目先の下値めどとしては156.00円近辺、その下では155.60〜155.50円が意識される一方、上値については156.80円前後と157.20円近辺が戻り売りの目安として意識されやすく、この範囲内での攻防を想定した戦略が機能しやすい局面といえます。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(確率45%)
上昇シナリオでは、先週末の上昇トレンドを引き継ぎ、156円台前半での押し目買いが優勢となるケースを想定します。年末特有のフローがドル買い方向に傾いた場合や、米金利が底堅く推移する場合には、156.00円〜156.20円近辺でサポートが意識され、そこから156.80円方向への戻りを試す展開が見込まれます。この水準を明確に上抜けることができれば、157.20円近辺まで一段高となる可能性もあり、高値更新トレンド再開への期待が高まりやすくなります。
↘️ 下落シナリオ(確率55%・メインシナリオ)
下落シナリオでは、年末に向けた利益確定売りやポジション解消の動きが優勢となり、156円台前半からじりじりと水準を切り下げるケースを想定します。156.00円を割り込むと、テクニカル的にも一度高値圏レンジの下限を試したいという意識が強まり、155.60〜155.50円前後までの下押しが広がる可能性があります。ただし、中長期トレンドはなお上向きであるため、155円台半ばを明確に割り込むような展開にならない限り、「上昇トレンドのなかのスピード調整」といった位置付けにとどまる公算が高いと見ています。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
東京時間は、先週末の上昇を引き継ぎつつも、年末相場特有の薄商いを背景に、156.00〜156.40円近辺を中心としたレンジ取引になりやすいと見ています。仲値にかけては実需のドル買いが下値を支えやすい一方、156.50円手前では高値警戒感からの戻り売りも出やすく、新規にロングを積み増す動きはやや慎重となりそうです。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、東京で形成されたレンジを引き継ぎながら、ロンドン勢が年末のレバランスやポジション調整を進める時間帯となります。欧州株や債券の動向次第では、一時的にリスクオン・オフのフローがドル円にも波及する可能性がありますが、基本的には156円台前半〜後半の範囲にとどまる推移を想定しています。
NY時間は、重要指標の予定がないなかで、米金利と株式市場の動き、そして年末のフローが主導する展開になりそうです。欧州時間までに上値・下値どちらかへ偏ったポジションが積み上がっていれば、その巻き戻しがNY時間で表面化し、短時間の値動きが拡大する場面もあり得ますが、157円台後半や155円台前半といった、レンジを大きく抜けるようなトレンドに発展する可能性は高くないと見ておくのが妥当でしょう。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:155.80円〜156.80円
今日は、先週末の上昇を踏まえつつも、年末特有のポジション調整と流動性低下が続くことを考慮し、155.80円〜156.80円のレンジを想定します。156円台前半では押し目買いと戻り売りが交錯しやすく、レンジの上下限付近に引きつけてから売買を検討するスタンスが有効になりやすいと考えられます。
🔀 上値抵抗線:156.80円、157.20円
上方向では、まず156.80円近辺が目先の上値抵抗として意識されます。先週末の高値156.733円をわずかに上回る水準でもあり、このゾーンでは短期筋の利益確定売りや戻り売りが出やすく、一度は上値の重さを試す展開となりやすいでしょう。これを明確に上抜けることができれば、次の上値目処として157.20円前後が浮上し、この水準を突破して定着できるかどうかが、高値更新トレンド再開のカギになりそうです。
🔀 下値支持線:156.00円、155.60円
下方向については、まず156.00円ちょうど前後が直近のサポートとして重要です。ここを維持できる限り、先週末の上昇トレンドを保ったまま高値圏レンジを形成しているとの評価が優勢となりやすく、押し目買いが入りやすいゾーンといえます。これを明確に割り込んだ場合には、155.60円前後が次の下値支持として意識され、この水準まで下押しが進む場面では、スピード調整の深まりと年末のポジション調整による一時的な円買いの強まりに注意が必要です。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、156.80円前後のレジスタンス帯を実体ベースで上抜け、日足が157円台前半を維持してクローズできるかどうかが目安となります。この条件が満たされれば、157円台後半〜158円方向への一段高を視野に入れたトレンド継続シナリオが強まるでしょう。
下方向については、156.00円と155.60円のサポートを連続して割り込み、そのうえで日足が155円台半ばを明確に下回る水準で引けるようであれば、高値圏での持ち合いから一歩踏み込んだ調整局面に入るリスクが高まります。その場合、155.20円〜155.00円近辺が次のターゲットとして意識されやすくなり、一時的には円買い優勢の流れが強まりやすくなる点に注意が必要です。
⚠️ 注意すべきリスク要因
年末の相場は、通常よりも出来高が細りやすく、流動性が落ち込む時間帯が増えることから、比較的小さなフローでもレートが偏って動きやすいのが特徴です。特に、ストップ注文が集中している水準のすぐ外側では、一度そのゾーンを突き抜けると短時間で数十銭走る「ヒゲ」をつくりやすく、その後に元の水準へ戻されるといった、テクニカル的にはノイズに近い動きも起こりがちです。
また、機関投資家のポートフォリオリバランスやレパトリーフローといった年末特有の取引は、ニュースとして表に出にくい一方で、為替レートに一定のインパクトを与えることがあります。こうしたフローによって一時的に方向感が分かりにくくなる場面では、短期的な値動きだけを追いかけてしまうと、想定外の振れに巻き込まれやすくなるため注意が必要です。
☑️ 投資判断における留意点
レンジ相場が続きやすい環境では、「少しの値動きでも取りに行きたい」という心理から、ついエントリー回数が増えがちです。しかし、はっきりしたトレンドが出ていない局面で回数だけを重ねると、スプレッドや小さな損切りが積み上がりやすく、結果的にパフォーマンスを削ってしまうリスクが高まります。
今日のように大きなイベントがない日こそ、自分のシナリオと支持線・抵抗線の水準を明確にしておき、そのゾーンに引きつけてからのみエントリーを検討する姿勢が重要です。ポジションサイズは、想定レンジと損切りラインから逆算して無理のない水準に抑え、年末特有の突発的な値動きがあっても冷静に対処できる余裕を残しておくことが、長く相場と付き合っていくうえで何よりのリスク管理になるはずです。
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