【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年12月22日)

『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年12月22日のカレンダー

おはようございます。Trader MTです。先週末の日銀イベントをきっかけに、ドル円は一気に157円台後半まで駆け上がり、高値圏でのスタートとなりました。今日は大きなイベントが少ないぶん、日銀の超緩和継続を織り込んだポジション調整と、高値圏での押し目・戻りをどう拾うかがテーマになりそうです。それでは、年末相場らしい値動きに振り回され過ぎないよう、今日も一緒にチェックしていきましょう😌(公開時刻:07:30/日本時間)

先週末の振り返り

先週末のドル円は、日本時間昼前後にかけての全国消費者物価指数(CPI)と日銀金融政策決定会合、その後の植田日銀総裁会見を通じて「日銀は急いで正常化を進めない」との見方が意識され、円売り・ドル買いが優勢となりました。東京時間の前半こそ155円台半ばでの様子見ムードが続いたものの、政策据え置きと想定よりハト派寄りと受け止められた会見をきっかけに円安方向へ一気に振れ、欧州・NY時間にかけて上昇が加速。結果として、始値155.455円、高値157.765円、安値155.446円、終値157.703円と、155円台半ばから一気に157円台後半へと水準を切り上げる強い一日となりました。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年12月19日 155.455 157.765 155.446 157.703

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

12月19日の東京時間のドル円は、155.45円前後で取引をスタートしました。朝方8時30分に発表された全国消費者物価指数(CPI)は、総じて市場予想のレンジ内に収まり、「インフレの基調は大きく崩れていないものの、直ちに追加引き締めを迫るほどの強さでもない」という評価が中心となりました。この時点では、イベント通過直後の短期的な乱高下こそあったものの、155円台半ばを挟んだ比較的落ち着いた値動きにとどまり、むしろ正午前後の政策発表を前に様子見ムードが強まる展開でした。

正午前後に公表された日銀の政策金利と声明は、マイナス金利や長短金利操作(YCC)の運用方針、国債買い入れスタンスを含めて、大枠での現状維持を確認する内容となりました。市場の一部には、もう一歩踏み込んだ正常化シグナルを期待する向きもあったため、「ややハト派寄り」との印象が広がり始めると、イベント通過をきっかけとした円売り・ドル買いが優勢となり、ドル円は156円台をしっかりと回復しました。

その後の植田総裁会見でも、物価・賃金の好循環に向けた議論が続いていることは確認された一方で、具体的なマイナス金利解除のタイミングや、その後の利上げ経路については慎重な姿勢がにじみました。「拙速な引き締めは避けたい」といったスタンスが意識されるにつれ、早期の出口観測はやや後退し、円売り方向へのフローがじわじわと強まりました。東京午後には156円台半ば〜後半まで水準を切り上げ、植田総裁会見をこなすころには、マーケット全体で「日銀は急がない」という評価が徐々に広がるなか、ドル円は高値圏を維持したまま欧州時間へと引き継がれています。

欧州・NY時間

欧州時間に入ると、ドル円はすでに156円台後半で取引を再開しました。日銀が大きな一歩を踏み出すことなく超緩和スタンスを維持したとの見方から、ロンドン勢を中心に円売り・ドル買いの動きが継続し、東京時間で形成された上昇トレンドの延長線上でじり高基調が続きました。156円台後半から157円ちょうど近辺にかけては、短期的な利食い売りも散見されたものの、日銀イベントを通過したことで「円買いポジションを一度解消したい」との思惑も強く、押し目ではドル買いが入りやすい状態が維持されました。

NY時間にかけては、米側に目立った新たな材料がなかったにもかかわらず、日銀のハト派スタンスを起点とした円売りの流れが断続的に続きました。米長期金利は小動きにとどまったものの、対円では「金融政策スタンスの方向性の違い」が改めて意識され、ドル円は157円台前半をしっかりと上抜けました。短期筋のショートカバーや追随買いも重なり、一時157.765円まで上昇して日中高値を更新しています。

NY終盤にかけても、大きな調整売りは見られず、高値圏での持ち合いを維持したまま取引を終了しました。終値は157.703円と、日中の高値圏に近い水準でクローズしており、「日銀イベントをきっかけに、ドル円は高値圏レンジの上側へと一段切り上がった」と総括できる一日だったと言えます。

今日の注目材料

今日12月22日(月)は、国内外ともに重要度の高い経済指標や要人発言の予定はなく、先週末の日銀イベントの余韻をどの程度引きずるかがテーマになりそうです。材料面では一息つく形となるため、マーケットの関心は、日銀の超緩和継続というスタンスを織り込んだあとのポジション調整と、米金利動向の小さな変化に集まりやすくなります。

来週以降に控える米経済指標や、年末に向けた流動性低下を意識し始めるタイミングでもあるため、ニュースフローよりもフロー要因や需給がレートを動かしやすく、テクニカルな節目やオプション関連の水準を意識した値動きが目立ちやすい一日になると考えられます。

今日の見通し

今日のドル円は、先週末の日銀イベントを受けて一気に157円台後半まで水準を切り上げた流れの「余韻」をどこまで引き継げるかを試す一日になりそうです。新たなビッグイベントは予定されておらず、材料面は一息つきやすい環境のため、高値圏での押し目形成と続伸余地のバランスを探りながら、ポジション調整とテクニカル要因が中心となる展開を意識しておきたい場面だと考えます。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズ面では、先週末の日銀金融政策決定会合と植田総裁会見を通じて、「日銀は出口を見据えた議論を続けているものの、足元で性急にマイナス金利解除や大幅な引き締めに踏み切るつもりはない」とのメッセージがマーケットに伝わった形です。これにより、早期の政策正常化に賭けていた円買いポジションはかなり整理され、対ドルでの円売り・ドル買い優勢という構図が改めて意識されやすい環境になりました。

ファンダメンタルズ面では、先週末の日銀金融政策決定会合と植田総裁会見を通じて、「日銀は出口を見据えた議論を続けているものの、足元で性急にマイナス金利解除や大幅な引き締めに踏み切るつもりはない」とのメッセージがマーケットに伝わった形です。これにより、早期の政策正常化に賭けていた円買いポジションはかなり整理され、対ドルでの円売り・ドル買い優勢という構図が改めて意識されやすい環境になりました。

この二つの流れを組み合わせると、「米は利下げサイクル入りの手前〜初期段階」「日本はなお超緩和のまま」という金利差構造は当面続きやすく、ドル円は高値圏での推移を基本としながらも、米金利の小さな上下や、投機的なポジション調整を背景に上にも下にもある程度の振れを伴う展開になりやすいと考えられます。特に今日は目立った材料がない分、日銀イベント後に積み上がったポジションの調整が主なテーマとなり、157円台後半という高い水準を維持できるのか、それとも一度156〜157円台前半へ押し戻されるのかを探る一日になりそうです。

テクニカル分析

テクニカル面で見ると、ドル円の日足は先週末の大陽線により、高値圏レンジの上側へ一段切り上がった形となっています。高値157.765円、安値155.446円という比較的大きな値幅を伴いつつ、終値157.703円と日中高値に近い水準で引けていることから、強い上昇圧力と買い意欲の強さが確認された格好です。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
移動平均線に目を向けると、25日移動平均線はこれまで以上に明確な右肩上がりとなり、その下で75日線・200日線も上向きのトレンドを維持していると考えられます。短期・中期・長期の三本の移動平均線がすべて上向きで、かつ短期線が中長期線を上回る順ザヤ構造がより強化されたことで、中長期的な上昇トレンドは改めて確認されたと言えます。現状のレートは25日線からかなり上方に乖離しているとみられ、短期的な過熱感は意識されつつも、「押し目があれば拾いたい」という向きも増えやすいチャート形状です。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
一目均衡表では、ローソク足が雲から大きく上に離れて推移していると想定され、遅行スパンも実線を大きく上回る状態にあると考えられます。これは、トレンドとしては明確な強気相場であることを示す形です。一方で、短期間での急伸によって、転換線や基準線との距離が開き過ぎている場合には、テクニカルなスピード調整が入りやすくなる点にも注意が必要です。もし157円台前半〜半ばからの戻り売りが意識されるようであれば、156円台後半〜半ばにかけて、一度押し目を形成しながら値固めを行う展開も想定されます。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDを確認すると、ゼロラインより上のプラス圏でMACD線がシグナル線から再び上方へ大きく乖離しつつあると考えられます。先週末の大陽線をきっかけに、上昇モメンタムが再加速している可能性が高く、トレンドフォローの観点からは「押し目買い優勢」の地合いが意識されやすくなります。ただし、急伸直後の局面では短期的な利益確定売りが入りやすく、一時的にオシレーター系指標が過熱感を示すことも想定されるため、押し目をどの水準まで待つのかがポイントになりそうです。

これらを総合すると、目先の下値めどとしては156.80円〜157.00円近辺、その下では156.20円前後が意識される一方、上値については158.00円前後が心理的節目として、さらにその上では158.50円近辺が次のターゲットとなりやすい水準として意識される局面と言えます。

シナリオ分析

↗️ 上昇シナリオ(確率50%)
上昇シナリオでは、先週末の日銀イベントをきっかけとした円売り・ドル買いの流れが今日も素直に継続し、157円台前半〜半ばでの押し目買いが優勢となるケースを想定します。目立ったマイナス材料が出ないなかで、米金利が現状水準を維持、あるいは小幅に上向くような動きとなれば、「日銀超緩和継続」と「米金利の相対的な優位性」を背景に、ドル円は158円ちょうど近辺を試す展開も視野に入ってきます。157円台後半での上値の重さをこなし、158円台にしっかり乗せることができれば、高値更新トレンドが継続しているとの評価が強まり、年末にかけてさらに一段高を試すシナリオも意識されやすくなります。

↘️ 下落シナリオ(確率50%)
下落シナリオでは、先週末の急伸に対する利益確定売りや、テクニカルな過熱感を意識した戻り売りが優勢となり、一度157円台から156円台後半方向への調整が進むケースを想定します。材料難のなかで新規の買い手がやや手控え気味となれば、157円台後半からの戻り売りがじわじわと積み上がり、156.80〜157.00円のサポートを試す展開があり得ます。この水準でも押し目買いが十分に入らない場合には、156.20円近辺まで押し戻され、「急伸後の値固め」としてのレンジを形成する可能性もあるでしょう。ただし、中長期トレンドはなお上向きであるため、調整が進んだ局面では再び押し目買い意欲が強まりやすい点も念頭に置いておきたいところです。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
東京時間は、先週末の日銀イベントを一通り消化したあとということもあり、157円台前半〜半ばを中心とした「高止まりレンジ」を形成しやすいと見ています。仲値にかけては実需フローのドル買いが下値を支えやすい一方で、157.80円前後から上のゾーンでは、短期筋を中心とした利益確定売りが意識されやすく、上値を追いかける動きはやや限られそうです。

日本側から新たな材料は乏しいため、東京時間だけでトレンドが大きく転換するというよりは、「日銀イベントを通過してもなお円安基調が維持されているか」を確認する時間帯になりやすいでしょう。157円台前半〜後半の中で、押し目買いと戻り売りが交錯する展開を想定しつつ、156円台後半まで押し目が入った場合にどの程度買い支えが入るかが、その後の欧州時間のトーンを占ううえでのポイントになりそうです。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、東京で形成されたレンジやトレンドを受けて、ロンドン勢が「どの水準でドル円の高値を評価するか」を探る展開になりそうです。特段の欧州材料がなければ、157円台を維持できている限りは、押し目買いスタンスが継続しやすい一方、158円ちょうど前後ではオプション関連の思惑や節目意識も加わり、上値が重くなる場面も想定されます。

NY時間は、米側に大きな指標がないため、基本的には米金利の小さな変動と株式市場のセンチメントを確認しつつ、ポジション調整を進める時間帯になりそうです。先週末にかけて積み上がったドルロング・円ショートの整理が意識されれば、158円手前からの戻り売りが優勢となり、一時的に157円台前半〜156円台後半まで押し戻されるシナリオもあり得ますし、逆に材料難のなかで売り手が乏しければ、高値圏での持ち合いを続けながらジリジリと上値を切り上げる展開も考えられます。いずれにせよ、明確な新材料が乏しい分、テクニカルな節目と需給バランスが相場を動かしやすい時間帯になると想定されます。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:156.80円〜158.50円
今日は先週末の日銀イベントによって一段高となったあとの「高値圏での調整」と「続伸余地」のバランスを探る一日と位置づけ、やや上側に重心を置いた156.80円〜158.50円のレンジを想定します。157円台前半〜半ばを中心とした推移をメインシナリオとしつつ、下押しがあった場合には156円台後半からの押し目買い、上振れの場面では158円近辺でいったん動きを見極めるイメージを持っておきたい局面だと考えます。

🔀 上値抵抗線:158.00円、158.50円
上方向については、まず158.00円ちょうど前後が心理的節目かつ直近のターゲットとして意識されます。この水準では、オプション関連の思惑や短期筋の利益確定売りが出やすく、一度は上値の重さを試される展開になりやすいと考えられます。その上では158.50円前後が次の上値抵抗として意識され、この水準を明確に上抜けるようであれば、高値更新トレンドがさらに加速する可能性も出てきます。

🔀 下値支持線:157.00円、156.50円
下方向については、まず157.00円ちょうど前後が直近のサポートとして重要です。ここを維持できる限りは、高値圏での押し目買い優勢という構図が続きやすくなります。これを明確に割り込んだ場合には、156.50円近辺が次の下値支持として浮上し、このゾーンまでの下押しは「先週末の急伸に対する妥当なスピード調整」として、市場参加者の多くが押し目買いの好機とみなす可能性が高いと考えられます。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向のブレイクアウト条件としては、158.50円前後のレジスタンス帯を明確に突破し、そのうえで日足ベースで158円台後半を維持して引けるかどうかが重要なポイントになります。この条件を満たせば、159円台方向への新たな上値ターゲットが意識され、年末にかけて一段高を試すトレンド継続シナリオが強まりやすくなります。

下方向については、157.00円と156.50円のサポートを連続して割り込み、日足が156円台前半以下でクローズするようであれば、先週末の急伸がいったん行き過ぎだったとの評価が強まり、高値圏からの調整局面入りを意識せざるを得ない展開となります。その場合でも、中長期トレンドはなお上向きであるため、156円ちょうど〜155円台後半のゾーンでは、改めて押し目買いの意欲が強まりやすい点も意識しておきたいところです。

⚠️ 注意すべきリスク要因
今日は特段の大きなイベントがない一方で、先週末の急伸直後ということもあり、テクニカルな過熱感とポジション調整が複雑に絡み合いやすい一日です。ニュースフローが乏しい分、大口のフローやオプション関連の取引がレートを大きく動かす場面もあり得ますし、流動性がやや薄くなった時間帯には、ストップ注文を巻き込みながら一方向に走る場面も想定されます。ファンダメンタルズだけでなく、テクニカルの節目や市場参加者のポジションの偏りにも注意を払っておきたい局面です。

☑️ 投資判断における留意点
急伸後の高値圏では、「もっと上がるかもしれない」という期待と、「そろそろ一度は調整が来るのでは」という警戒が交錯しやすく、どうしても感情に振り回されがちになります。こうした局面では、値幅を狙う前に、まず自分が許容できるリスクの大きさを明確にし、その範囲内でポジションサイズを決めることが何より重要です。

エントリーに際しては、自分が意識している支持線・抵抗線にできるだけ引きつけてから判断すること、あらかじめ決めた損切りラインを相場の状況にかかわらず尊重すること、そして高値圏だからこそ「見送る」という選択肢も常に持ち続けることが、結果的に資金とメンタルを守ることにつながります。今日も、先週末の勢いに過度に飲み込まれ過ぎず、自分のルールとシナリオに沿って、冷静に相場と向き合っていきたいですね。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。