おはようございます。Trader MTです。ドル円は155円台を挟んだレンジの中で、高値圏ながらも方向感が出にくい状態が続いていますね。今夜の米新規失業保険申請件数が、レンジをどちらに抜けるきっかけになるかに注目しつつ、今日も節目を意識しながら無理のないトレードを心がけていきましょう😌(公開時刻:07:37/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、高値圏での持ち合いが続くなか、米経済指標を受けてやや上値の重さが意識される一日となりました。東京時間は155円台後半で底堅く推移したものの、欧州・NY時間にかけては米ADP雇用統計の弱い結果を受けて一時155円ちょうど近辺まで下落。その後、ISM非製造業景況指数が予想を上回る強めの内容となったことで下げ渋りましたが、戻りは限定的でした。最終的に、始値155.86円、高値155.90円、安値155.01円、終値155.21円と、日足では下ヒゲを伴う小幅な陰線で取引を終えています。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月3日 | 155.862 | 155.900 | 155.010 | 155.213 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
12月3日の東京時間のドル円は、前日終値近辺の155.80円台で取引をスタートしました。序盤は材料難のなか、155円台後半を中心とした小幅なレンジでもみ合う展開となり、方向感に乏しい値動きが続きました。日経平均株価は堅調さを維持したものの、高値圏での利益確定売りも意識され、株高を起点とした積極的な円売りにはつながりにくい状況でした。
午前中は、前日までの下値トライからの戻りを引き継いだショートカバーが下値を支えた一方、156円台乗せでは戻り売りも意識され、上値を試す動きは限定的でした。午後に入ると、欧州勢の本格参入を前にポジションを傾けにくいムードが強まり、ドル円は155.70〜80円台での落ち着いた値動きを継続。東京時間全体としては、「155円台後半での底堅さ」と「156円手前での上値の重さ」が改めて確認される一日だったと言えます。
欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ドル円は東京の引け水準である155.70円前後からスタートしました。欧州株は総じて底堅く推移したものの、米国の雇用指標発表を控えて新規ポジションを積み増す動きは限定的で、序盤は155.70〜90円台のレンジ内での推移が続きました。
流れが変わったのはNY時間に入ってからです。まず発表されたADP雇用統計は、市場予想に反して民間雇用者数が減少に転じる弱い内容となり、米雇用市場の減速懸念が意識されました。この結果を受けて米長期金利が低下し、ドル売り・円買いが優勢となったことで、ドル円は一時155.01円まで下落し日中安値を更新しました。
ただし、その後に発表されたISM非製造業景況指数は、総合指数が52.6と前月からわずかながら上昇し、サービス部門を中心とした景気の底堅さが確認される内容となりました。これを受けて、米景気の先行きに対する過度な悲観は後退し、155円ちょうど近辺では押し目買いも入り始めました。とはいえ、雇用指標の弱さが上値を抑えたこともあり、戻りは155円台半ばまでにとどまり、NY終盤は155.20円前後での小動きのまま取引を終えています。
今日の注目材料
| 時間 | 通貨 | 指標 | 重要度 | 前回 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 22:30 | 🇺🇸 | 新規失業保険申請件数 | ⚡⚡️ | 21.6万件 | 22.0万件 |
本日の注目材料は、22時30分に発表される米新規失業保険申請件数です。週次統計であることから一つひとつの数字のブレはあるものの、足もとの雇用市場の強弱をタイムリーに示す指標として、市場参加者から常に意識されています。特に昨日のADP雇用統計が弱い結果となった直後ということもあり、「労働市場の減速が本格化しているのか、それとも一時的なノイズにとどまるのか」を見極めるうえで、今回の数字は重要なヒントとなりそうです。
結果が予想よりも強め(申請件数が少なめ)となれば、労働市場の底堅さが再確認され、米長期金利の下げ渋りや反発を通じてドル買い材料となる可能性があります。一方、予想を上回る増加となれば、労働市場の減速懸念が改めて意識され、利下げ開始時期の前倒し観測を通じてドル売り圧力が強まる展開も想定されます。いずれにしても、本日はNY時間後半にかけて、指標結果と米金利・株価の動向がドル円の方向性を左右する展開になりやすい点に注意が必要です。
今日の見通し
本日のドル円は、昨日のADP雇用統計・ISM非製造業景況指数という「強弱入り混じる」結果を受けたあとだけに、米労働市場と景気のバランスを再評価しながら、新規失業保険申請件数の結果を待つ一日となりそうです。
ファンダメンタルズ分析
雇用面では、ADPがマイナスを示したことで「雇用の頭打ち」への警戒感がやや高まりましたが、一方でISM非製造業は50を上回る水準を維持しており、サービス部門を中心とした米景気の底堅さも同時に確認されています。このため、市場は「利下げを急ぐほど弱くはないが、利上げを続けるほど強くもない」という微妙な均衡状態を意識しており、ドル円も一方向にトレンドを形成しづらい環境が続いています。
日本側では、日銀の追加利上げ観測がなおくすぶりつつも、直近では新たな材料に乏しく、当面は米側の指標動向に相場の主導権を握られやすい状況です。もっとも、155円近辺では本邦実需筋を中心とした押し目買いが確認されている一方、156円台半ばから上では戻り売りも厚く、ファンダメンタルズとテクニカルが重なり合う形で「レンジの上下」が意識されやすい局面と言えます。本日は、指標発表まではこうしたレンジ意識が続き、発表後にそのレンジをどちらに抜けるかを試すような展開をイメージしています。
テクニカル分析

テクニカル面では、日足ベースでの上昇トレンドは維持されているものの、高値圏での持ち合い局面が続いています。昨日のローソク足は実体の小さい陰線ながら、155円ちょうど近辺からの下ヒゲを残して引けており、「155円前後での押し目買い意欲の強さ」と「155円台後半での上値の重さ」という、レンジ相場特有の綱引きが続いていることを示唆しています。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
短期の25日移動平均線は依然として上向きで、中期の75日線および長期の200日線を上回る位置にあります。三本の移動平均線がすべて右肩上がりで推移していることから、中長期的には上昇トレンドが継続していると判断できますが、足元のレートは25日線のごく近辺での攻防となっており、この水準が短期的な分岐点として意識されやすい状況です。155円ちょうど〜前半のゾーンは25日線や直近安値が重なるサポート帯となっており、このゾーンを維持できる限りは「押し目買い優勢」という見方が崩れにくい一方、明確に割り込んだ場合には、調整入りへの警戒感が一気に高まる可能性があります。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
ローソク足は依然として雲の上方で推移しており、遅行スパンもローソク足を上回る位置にあると想定されることから、テクニカル上はまだ強い地合いが続いていると見ることができます。ただし、足元では転換線が横ばい気味となり、基準線との距離も縮小しつつあることから、高値圏でのスピード調整局面に入っていることも示唆されています。155円台前半〜半ばに位置するとみられる転換線・基準線のゾーンがサポートとして機能しているうちは、押し目買いスタンスを維持しやすいものの、このゾーンを下抜けて雲の上限まで接近するようだと、調整幅の拡大に注意が必要な局面と言えます。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはゼロラインよりやや上のプラス圏で推移しているものの、ここ数日でMACD線とシグナル線の乖離が縮小し、ヒストグラムのプラス幅も目立って小さくなってきています。これは、上昇トレンド自体は維持されているものの、モメンタムが明らかに鈍化していることを示しており、直近高値圏での上値追いには慎重さが求められる局面です。もし今後MACDがシグナル線を下抜けるデッドクロスが発生すれば、日足レベルでの調整局面入りを示すサインとして意識される可能性があります。
こうしたテクニカル環境を総合すると、下値では155.00円前後がまず意識されるサポートであり、この水準を維持できる限りはレンジ内での持ち合いが継続しやすいと見られます。一方、上値については156.30〜156.50円近辺が目先のレジスタンスとして意識され、このゾーンを明確に上抜けない限り、157円方向への本格的な上昇トレンド再開を期待するのはやや時期尚早と言えそうです。
シナリオ分析
本日のドル円は、NY時間に控える米新規失業保険申請件数をきっかけに、155〜157円のレンジの中でどちらの方向にバイアスが強まるかを探る展開となりそうです。
↗️ 上昇シナリオ(確率45%)
新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、労働市場の底堅さが改めて意識されるケースを想定します。この場合、昨日のADPの弱さは一時的なノイズと受け止められ、米長期金利の下げ渋りや反発を通じてドル買いが優勢となる可能性があります。テクニカル面でも155円前後のサポートが維持されることにより、ショートカバーを巻き込みながら156円台前半〜半ばへの上値トライが意識されるでしょう。そのうえで156.50円近辺を明確に上抜けることができれば、157円ちょうどを試す流れも視野に入ってきます。
↘️ 下落シナリオ(確率55%・メインシナリオ)
新規失業保険申請件数が予想を上回る増加となり、労働市場の減速懸念が一段と強まるケースを想定します。この場合、来年の利下げ開始時期が前倒しされるとの思惑から米長期金利が低下し、ドル売り・円買いの流れが強まりやすくなります。テクニカル上も155.00円前後のサポートを明確に割り込むと、節目割れをきっかけとしたストップロスの売りが出やすく、154円台後半まで下押しする展開も否定できません。ただし、中長期のトレンドがなお上向きであることを踏まえると、下値が広がった局面では再び押し目買いが入りやすく、急激なトレンド転換というよりは「高値圏での調整局面が一段と進む」というイメージで捉えておきたいところです。の調整局面入りと捉えるのが妥当なイメージです。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
本日の東京時間は、前日の米指標を一通り消化しつつも、本命イベントである新規失業保険申請件数をNY時間に控えていることから、155円台前半〜155円台後半を中心としたレンジ取引がメインとなりそうです。仲値にかけては輸入企業のドル買い需要が下値を下支えする一方、156円台手前では戻り売りも出やすく、積極的に上値を追う動きは期待しにくいでしょう。株式市場が海外株高を素直に織り込むようであれば、リスクオンによる円売りがドル円の支えとなる可能性もありますが、イベント前ということもあり、東京時間だけでレンジを大きく抜ける展開はやや想定しづらいと見ています。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、東京時間で形成されたレンジを引き継ぎつつ、ロンドン勢によるポジション調整が中心の相場展開となりそうです。新規失業保険申請件数の発表前に、大きくポジションを傾ける動きは限定的で、むしろイベントリスクを意識したポジション圧縮が優勢となる可能性があります。欧州株や欧州債の動向次第で一時的にリスクオン・リスクオフのフローが出る場面はあり得ますが、本格的なトレンドはやはりNY時間の指標発表を待つ展開になるでしょう。
NY時間は、22時30分の新規失業保険申請件数の発表前後が最大のヤマ場となります。結果がサプライズとなった場合には、米金利と株価が同時に大きく振れ、それに連動する形でドル円もテクニカルの節目を一気に抜ける可能性があります。特に、発表直後はアルゴリズム取引を中心に一方向に動いたあと「往って来い」となるパターンも多いため、短期トレードの場合はスプレッドの拡大や約定の滑りも含めたリスク管理が重要になります。指標の初動が落ち着いたあとで、金利と株価の方向性を確認しながら、改めてトレンドに乗るかどうかを判断したい時間帯です。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:155.00円〜156.80円
本日は155.00円〜156.80円のレンジを中心シナリオとみており、当面はこの価格帯を前提に押し目買いと戻り売りを組み合わせつつ、どちらか一方に明確な抜けが出た場面ではブレイク方向への動きにどこまで追随するかを検討していきたい局面だと考えます。
🔀 上値抵抗線:156.50円、157.00円
上方向では、156.30〜156.50円近辺が目先のレジスタンスとして意識され、その上では156.80円前後が次の上値目処となります。まずは156円ちょうど〜前半の戻り売り圧力をこなしてこの水準を回復できるかが焦点であり、そのうえで156.50円を実体ベースで明確に上抜けることができれば、157円台方向を試す上昇余地が広がると考えられます。
🔀 下値支持線:155.00、154.80円
下方向については、まず155.00円ちょうど前後が最初のサポートとして意識され、この水準を維持できる限りは、レンジ内での押し目買いが優勢となりやすいと見られます。ここを明確に割り込んだ場合には、154.80円近辺が次の下値目処として浮上し、そこまで下押しする場面では一時的に調整色が強まる可能性があります。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向については156.80円前後のレジスタンス帯を日足ベースでしっかりと上抜けて引けるかどうかがポイントとなります。この水準を超えて定着するようであれば、11月高値圏を再び試しながら、158円方向へのトレンド継続が意識されやすくなります。下方向については、155.00円のサポートを明確に割り込み、日足ベースで155円台半ばを回復できない展開となった場合に、154円台後半が次のターゲットとして浮上しやすくなり、「高値圏での持ち合い」から「調整局面入り」へと評価が切り替わるリスクが高まる点に注意が必要です。
⚠️ 注意すべきリスク要因
本日は、米新規失業保険申請件数という単独イベントではあるものの、直前にADP雇用統計の弱い結果が出ていることもあり、市場の雇用に対する敏感度が高まっている点には注意が必要です。指標発表前後の時間帯には、通常よりもスプレッドが広がったり、短時間でレートが大きく振れたりする可能性があり、思わぬ価格で約定してしまうリスクもあります。また、雇用関連ヘッドラインに続いて、要人発言や地政学リスクに関するニュースが重なるようなケースでは、相場のボラティリティが一段と高まりやすくなるため、ポジションサイズや証拠金の管理には普段以上に気を配りたいところです。
☑️ 投資判断における留意点
このように、本日はテクニカル面ではレンジの上下限が比較的明確になっている一方で、ファンダメンタルズ面では「労働市場の減速懸念」と「景気の底堅さ」という相反する要素が並存しており、指標一つで市場心理が揺れやすい地合いとなっています。イベント前に大きくポジションを傾けて方向を決め打ちするよりも、まずは指標結果と初動の値動きを確認したうえで、上位時間軸のトレンドと主要なサポート・レジスタンスを改めて確認しながらポジションを組み立てていくことが重要です。
また、レンジ相場が続いている局面では、値動きの大きさに比べて利幅が取りづらくなる一方で、上下の節目を試すたびにダマシも発生しやすくなります。エントリーの頻度をむやみに増やすのではなく、自分が優位性を感じられるパターンが出た場面だけに絞ること、そしてエントリー前に「どこまで逆行したら必ず手仕舞うのか」「どの水準まで伸びなければ利確するのか」を具体的なレートで決めておくことが、結果として損失の拡大を防ぎ、メンタル面の安定にもつながりやすいと考えます。
免責事項
本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。