おはようございます。Trader MTです。ドル円は155円台後半〜156円台半ばのレンジで、イベント通過後もじり高気味ながら方向感に欠ける展開が続いていますが、きょうは東京発の物価・雇用指標と月末フローがこのレンジを崩してくるかどうかに注目したいところです。それでは、今日も156円近辺の攻防を一緒にチェックしていきましょう😌(公開時刻:08:20/日本時間)
昨日の振り返り
昨日のドル円は、前日までのイベントを一通り消化し、方向感を欠きながらもじり高基調で取引を終えました。東京時間の序盤にかけては戻り売りが優勢となり、一時155円台後半まで下押しする場面も見られましたが、その後は押し目買いが入り徐々に持ち直す展開となりました。欧州時間以降は目立った材料に乏しい中で小幅なレンジ取引が続き、最終的に始値156.45円、高値156.45円、安値155.72円、終値156.28円と、約0.7円の値幅の中で落ち着いた一日だったと言えます。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年11月27日 | 156.454 | 156.454 | 155.716 | 156.278 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
27日の東京時間のドル円は、前日終値近辺の156.45円前後で取引をスタートしました。早朝こそ156円台前半でもみ合いとなりましたが、前日までの戻り局面に対する利益確定売りや、日銀の追加利上げ観測を意識した円買いが断続的に入ったことで、午前中にかけてじり安となりました。国内株式市場は総じて底堅く推移したものの、前日までに織り込まれてきた米利下げ観測と日銀の正常化期待という構図に大きな変化はなく、積極的にドルを買い上げる材料には乏しい状況でした。
その後、ドル円は一時155.70円台まで下落し、155円台後半ではストップロスを巻き込みながら下値を試す場面も見られましたが、この水準では実需筋や短期筋を中心とした押し目買いが入り、下げ渋る展開となりました。午後に入ると、欧州勢の本格参入を前にショートカバー主導の買い戻しが優勢となり、156円台をしっかりと回復。東京時間の終盤にかけては156.10〜156.30円近辺での小動きに転じ、欧州時間へとバトンを渡しました。東京時間全体としては、155円台後半で下値の堅さが確認される一方、156円台半ばから上では戻り売りが出やすく、レンジの上下が意識される一日だったと言えるでしょう。
欧州・NY時間
欧州時間に入ると、ドル円は156円台前半からスタートし、序盤はややドル買いが優勢となりました。しかし、欧州市場から新たな方向感を決定づける材料は乏しく、欧州株も落ち着いた値動きにとどまったことから、ドル円も156.30円前後を中心とした狭いレンジの取引が続きました。日銀の追加利上げ観測や日米金利差縮小への思惑が意識される一方で、前日までの下押し局面を受けてショートカバーも入りやすいなど、上値と下値の両方で売り買いが交錯する状況が続いた印象です。
NY時間にかけても、米国からは目立った経済指標や要人発言がなく、方向感に欠ける展開が続きました。米長期金利は4%前後で小幅な上下を繰り返し、ドルインデックスも大きなトレンドを伴わない推移となったことで、ドル円も156円台前半〜半ばのレンジに収まりました。短期的なポジション調整やオプション絡みの取引は見られたものの、トレンドフォロー型の新規フローは限られ、結果として日中の安値は155.71円、高値は始値と同水準の156.45円にとどまりました。NY終盤にかけては、翌週以降の重要イベントを見据えた様子見ムードが強まり、ドル円は156.20円近辺で引けています。
今日の注目材料
本日は、東京時間に発表される日本の経済指標が最大の焦点となります。米国市場が感謝祭翌日の「ブラックフライデー」で短縮取引となり、重要な経済指標の発表も予定されていないため、東京時間の動向がその日の相場の流れを決定づける可能性が高いでしょう。
指標・イベント面からのサプライズは出にくい一日となる見込みであり、相場の焦点は、これまで織り込まれてきた「米国の利下げ観測」と「日銀の追加利上げ観測」がどの程度まで現在のレベルのドル円に反映されているのか、そのバランスを探る展開になりそうです。
そのため、本日は材料待ちの中で、テクニカル要因や実需フロー、月末要因などが相場を動かす中心となる可能性があります。特に、前日までに形成された155円台後半〜156円台半ばのレンジをどのように意識するかが、短期的な売買戦略を考えるうえで重要になってくるでしょう。
今日の見通し
本日のドル円相場は、東京時間に発表される日本のCPIと雇用統計の結果に大きく左右される展開が予想されます。米国市場が短縮取引で動意に乏しいと見られる中、アジア時間が一日の値動きの主導権を握るでしょう。
ファンダメンタルズ分析
本日のドル円は、材料難の中で、これまでのテーマである「米金融政策の方向性」と「日銀の正常化スタンス」を再確認しながら、次のイベント待ちの時間帯に入る一日となりそうです。米国では、インフレ指標や雇用関連指標の一部に減速の兆しが見え始めており、市場では来年にかけての利下げ開始時期を織り込む動きが続いています。一方で、米景気そのものは必ずしも急速な悪化局面に入っているわけではなく、「緩やかな減速と利下げ期待」という構図から、株高・金利低下・ドル安・円高といった複雑な組み合わせが続いています。
日本側では、日銀の複数の審議委員が追加利上げに前向きな発言を行ってきたことから、「次の一手は利上げ方向」という市場コンセンサスは広がりつつありますが、そのタイミングやペースについては依然として不透明感が残っています。インフレの持続性や賃金動向に対する評価次第では、利上げが小出しにとどまる可能性もあれば、ある程度まとまったペースで進むシナリオもあり、どちらにも振れ得る状況です。このため、円は中長期的には買い戻されやすいポジションにある一方、短期的には米利下げ期待を背景とした株高・リスクオンが円売り要因として作用しやすく、ドル円は方向感を出しにくい相場付きが続いています。
本日は、こうしたファンダメンタルズ要因に大きな変化をもたらすイベントが予定されていないことから、基本的には実需フローやポジション調整、テクニカル要因を中心としたレンジ取引がメインシナリオとなります。次週以降に控える主要な米経済指標や、日銀関係者の追加発言を見据えながら、156円台を挟んで上下に振れつつも、終値ベースでは大きなトレンドは出にくいと考えられます。
テクニカル分析

テクニカル面では、先週の急落からの自律反発が一巡し、155円台後半〜156円台半ばにかけてのレンジ相場色が一段と強まっています。昨日のローソク足は、高値156.45円・安値155.72円と上下にヒゲを伴う小幅な実体となっており、売り買いが交錯する中で、市場が次の方向性を見極めきれていない様子がうかがえます。終値は156.27円近辺と前日比で小幅高となったものの、上昇の勢いが加速しているというよりは、あくまでレンジ内での持ち合いの一環と捉えるのが妥当な形です。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
短期の25日移動平均線は依然として下向きで推移しており、足元のレートはそのやや下側での攻防が続いています。中期の75日線や長期の200日線は上向きを維持しているため、大局的には上昇トレンドの調整局面と見ることができますが、少なくとも短期的には戻り局面の中で上値の重さが意識されやすい配置です。昨日の値動きも、156円台半ば手前で戻り売りが出やすく、155円台後半では押し目買いが入りやすいという、「移動平均線を挟んだ綱引き」が続いている状況と言えるでしょう。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
終値ベースで依然として雲の下側に位置しており、遅行スパンもローソク足を下回る状態が続いていると想定されます。足元では転換線付近での攻防となっていますが、その上方には基準線や雲の下限が重なっており、上抜けを試みても上値を押さえ込まれやすいチャート形状です。短期的な反発が入りながらも、テクニカルの大枠としては「三役逆転が継続する中での戻り売り優勢」という見方を崩しにくく、157円台を明確に回復するような動きが出るまでは、本格的な上昇トレンドへの転換を期待しにくい環境が続きそうです。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
ゼロラインの下で推移しているものの、MACDとシグナルの乖離は徐々に縮小しており、ヒストグラムのマイナス幅もやや縮小傾向にあります。先週までのような強い下落モメンタムは一服しつつあり、155円台前半〜半ばのサポートを維持できれば、いったんは自律反発を試す余地も残されている形です。一方で、MACDがなおマイナス圏にとどまっていることを踏まえると、「本格的な上昇トレンドに転じた」というよりは、あくまで下落トレンドの中の戻り局面と見るのが自然であり、戻り場面では上値追いよりも戻り売り戦略が意識されやすい局面だと考えられます。ます。今後のデッドクロスの発生には注意が必要です。
こうしたテクニカル環境を総合すると、下値では昨日安値に近い155.70円前後が一つの分岐点となり、この水準を維持できる限りはレンジ内でのもみ合いが続きやすいと見られます。一方、上値については156.70円台から157.00円ちょうどにかけてが目先の重要なレジスタンスとなり、このゾーンを明確に上抜けない限り、上値追いの動きは限定的となりやすいでしょう。
シナリオ分析
本日のドル円は、材料難の中で、前日までに形成されたレンジを意識しながら上下どちらの方向に振れやすいかを探る一日となりそうです。ファンダメンタルズ面で大きなイベントが予定されていないことから、テクニカル要因や実需フロー、月末要因などが主導する展開となりやすく、短期的にはノイズに振らされやすい相場つきが続くと考えられます。
↗️ 上昇シナリオ(確率55%)
155円台後半でのサポートが意識されるなかで、ショートカバー主導の買い戻しが優勢となり、156円台半ばから上の水準を試す流れが強まるケースが考えられます。特に、米株式市場が堅調さを維持し、リスクオンの流れが継続するようであれば、クロス円を通じた円売りがドル円の下支え要因となりやすく、テクニカル上の戻り売り圧力を一時的に吸収しながら、157円方向への上値トライが意識されてくる可能性があります。この場合、まずは156.70円台をしっかりと上抜けられるかが焦点となり、その上では157.00円ちょうど前後が次のターゲットとして意識されるでしょう。
↘️ 下落シナリオ(確率45%)
155.70円前後のサポート水準を割り込むような動きが出た場合、テクニカル上の節目を下抜けたことをきっかけに、先週安値圏である155.00円前後を試す流れが強まる可能性があります。特に、日銀の追加利上げ観測が改めて意識される場面や、欧州時間以降に米長期金利の低下が再び進むような局面では、ドル売り・円買いのモメンタムが強まりやすく、レンジ下限を下抜けて下落トレンドが再開するリスクにも注意が必要です。短期筋のポジションが一方向に傾いている場合には、節目割れからストップロスを巻き込み、オーバーシュート的な円高が進むシナリオも頭に入れておきたいところです。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
東京時間は、国内から目立った経済指標や要人発言の予定がないこともあり、基本的には155円台後半〜156円台前半を中心としたレンジ取引が想定されます。仲値にかけては輸入企業によるドル買いが散発的に観測される一方、156円台半ばに近づく場面では戻り売りも出やすく、方向感に乏しい値動きとなりやすいでしょう。株式市場が前日までの海外株高を素直に織り込んで堅調に推移するようであれば、リスクオンによる円売りがドル円の下支え要因となる可能性はありますが、テクニカル上のレジスタンスが上値を抑える格好となりそうです。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、東京時間に形成されたレンジを引き継ぎつつ、欧州勢によるポジション調整やクロス円のフローが中心となる展開が見込まれます。欧州株や欧州債の動向次第では一時的にリスクオフ方向に振れる場面も考えられますが、米国から大きな材料が出ない限り、ドル円単体でトレンドが発生する可能性は高くありません。NY時間にかけては、週末・月末要因も意識される中で、実需フローやヘッジ調整を中心とした値動きとなる公算が大きく、155.50〜156.80円程度のレンジの中で、上下に振れながらも最終的には元の水準に押し戻されるような展開も想定されます。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:155.50円〜157.00円
東京時間の日本の重要指標発表が相場の方向性を決定づける見通しです。結果次第で上下に振れる展開を想定しつつ、米市場が短縮取引で動意に乏しいことから、レンジは限定的と予想します。
🔀 上値抵抗線:156.50円、156.80円
156.70円台から157.00円ちょうどにかけてのゾーンが短期的なターゲットとなります。昨日は156.45円が高値となり、この水準を超えられなかったことから、まずは156円台半ばをしっかりと上抜けられるかが焦点となります。その上で、156.70円台を実体ベースで明確に超えることができれば、短期的には157円台前半を試す上昇余地が広がる可能性があります。
🔀 下値支持線:155.70円、155.50円
昨日の安値水準に近い155.70円前後が最初のサポートとして意識され、この水準を維持できる限りはレンジ内でのもみ合いが続きやすいと見られます。ここを明確に割り込んだ場合には、155.50円、さらには155.00円前後が次の下値目処として意識され、先週安値圏を試す展開への警戒感が高まることになるでしょう。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向については156.70円台から157.00円ちょうどにかけてのレジスタンスゾーンを日足ベースで実体を伴って明確に上抜けることが必要となります。この水準をしっかりと超えて引けるようであれば、短期的には157円台半ばを目指す動きが意識されやすくなり、場合によっては158円方向へのトレンド転換を模索する流れに発展する可能性もあります。一方、下方向については155.70円前後のサポートを明確に割り込み、日足で155円台半ばを回復できない展開となった場合に、155.00円ちょうどや154円台後半といった水準が次のターゲットとして浮上しやすくなります。この場合は、先週の急落局面の再開と受け止められやすく、テクニカル上も「レンジ相場から再び下落トレンドへ」と評価が切り替わるリスクが高まる点に注意が必要です。
⚠️ 注意すべきリスク要因
本日は重要度の高いイベントが予定されていないものの、その分、流動性が低下した時間帯におけるフロー次第でレートが大きく振れやすいというリスクも存在します。特に、月末要因やオプションカットを意識した断続的なフローが集中した場合には、テクニカルの節目を一瞬で抜けるような動きが出る可能性も否定できません。また、突発的な要人発言や地政学リスクに関するヘッドラインが流れた場合には、普段以上に反応が増幅される地合いであることも念頭に置いておきたいところです。
☑️ 投資判断における留意点
イベント面からは新たなトレンド材料が乏しい一方で、テクニカル上はレンジ上限・下限が比較的明確になっている局面では、ブレイクを狙ったポジションよりも、レンジを前提とした戻り売り・押し目買いを組み合わせた戦略が有効になりやすいと考えられます。ただし、レンジの上下限付近ではストップロス注文が溜まりやすく、一度ブレイクが発生すると短時間で値が飛びやすいため、損切り水準とポジションサイズの管理を徹底することが重要です。短期的な値動きに翻弄されすぎず、中期的なシナリオの中で自分がどの水準でリスクを取るのかをあらかじめ整理したうえで、冷静に売買判断を行っていきたいところです。
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