【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年11月13日)

濃紺の背景に『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年11月13日のカレンダー。

おはようございます。Trader MTです。ドル円はついに155円台に到達。上昇トレンドは続いていますが、ここからは政府・日銀の介入警戒が一段と意識されるゾーンです。政治要因主導の相場だけに、今日もヘッドラインには要注意ですね。それでは、今日もマーケットの流れを見ていきましょう😌(公開時刻:08:17/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円相場は、終日円安地合いが継続し、米国市場で一時155円台に乗せるなど、上値を試す展開となりました。東京時間からじり高歩調を強めると、欧州・NY時間にかけて米国の政治情勢を好感した円売りが加速。米長期金利が低下する場面でもドル円の底堅さは揺るがず、強い上昇モメンタムを見せつけました。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年11月12日 154.138 155.044 154.040 154.793

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

東京時間のドル円は、前日の海外市場からの円安の流れを引き継ぎ、底堅い展開で始まりました。寄り付きからじりじりと下値を切り上げる展開となり、午前中には154円台後半へと水準を切り上げました。この動きを支えたのは、堅調な日本株の動向です。日経平均株価が前日比で+0.43%と反発し、TOPIXに至っては最高値を更新する強さを見せたことが、リスク選好の円売りを誘いました。市場参加者のリスクセンチメントが改善し、相対的に安全資産とされる円を売る動きが優勢となったのです。

仲値に向けては、輸入企業による実需のドル買い・円売り観測が相場を下支えしました。目立った円安牽制発言が政府・日銀関係者から聞かれなかったことも、投機筋の円売りを後押しする一因となったと考えられます。また、「ドル円、直近高値更新、ユーロ円やスイス円は史上最高値更新」と報じられたように、円が主要通貨に対して全面安となる展開であり、ドル円だけではない構造的な円安地合いが明確に意識されました。

午後に入ってもこの流れは変わらず、ドル円は高値圏でのもみ合いを続けました。大きな押し目を作る場面はなく、下値の堅さを確認しながら、欧州勢の参入を待つ形となりました。東京時間を通じて、明確なサポートラインを試すことなく、終始買い意欲の強さが際立つ一日であり、154円台後半という重要なレジスタンスを固めながら、次の上昇へのエネルギーを蓄積した時間帯だったと言えるでしょう。

欧州・NY時間

欧州時間に入ると、ドル円の上昇ペースはさらに加速しました。ロンドン市場の序盤には、「円売り継続、米つなぎ予算成立への期待で ドル円155円目前へ上昇」とのニュースが市場のセンチメントを一段と強気に傾けました。米議会で政府機関閉鎖を回避するためのつなぎ予算が成立するとの期待感が高まり、これがリスクオンムードを醸成。安全資産である円を売却し、ドルを買い戻す動きが活発化しました。欧州の主要株価指数も堅調に推移したことが、このリスク選好の流れを後押しした形です。

NY時間に入ると、その勢いのままドル円は一時155円台へと到達しました。これは市場参加者にとって重要な心理的節目であり、達成感が意識されました。注目すべきは、この日の米国市場では主要な経済指標の発表がなかった点です。市場は純粋にセンチメントと政治的な期待感によって動いており、ファンダメンタルズの裏付けがない中での上昇であったことは特筆すべきでしょう。このセンチメントを支えたのが米株式市場で、ダウ平均は4日続伸し最高値を更新(終値で+0.68%)しました。この株高がドル買い・円売りを強力にサポートしました。

一方で、米10年債利回りは原油価格の下落などを背景に低下し、一時4.06%台まで水準を下げました。通常、米金利の低下はドル売り要因となりますが、昨日は株高とつなぎ予算への期待感がそれを凌駕し、ドル円は底堅く推移しました。ただし、市場の警戒感を示すVIX(恐怖指数)は上昇しており、高値圏での取引に対する一抹の不安も垣間見えました。結局、ドル円は155円台を付けた後は若干押し戻されたものの、高値圏を維持して取引を終え、強い地合いを翌日に引き継ぐ形となりました。

今日の注目材料

本日の外国為替市場は、昨日に引き続き米国の政治動向が最大の焦点となります。特に、つなぎ予算案を巡る協議の行方が市場センチメントを左右するでしょう。経済指標については、米国で主要な発表が延期されており、ファンダメンタルズを手掛かりとした取引が難しい状況です。そのため、市場はより一層、政治ニュースや要人発言、そして株価や長期金利といった周辺市場の動向に敏感に反応することが予想されます。

本日の最大の注目点は、経済指標そのものよりも、その「不在」がもたらす影響です。リサーチデータによれば、「10月分の米雇用統計とCPIは発表なしの可能性」が示唆されており、本日予定されていた新規失業保険申請件数も発表延期が見込まれています。これは、米国政府機関の一部閉鎖が影響している可能性を示唆しており、米経済の健全性を測るための重要なデータが得られない状況が続くことを意味します。このデータ真空地帯では、市場は憶測やセンチメントに振らされやすくなるため、注意が必要です。

このような状況下で、市場の関心は必然的に米国の政治情勢、特に「つなぎ予算後が焦点」というテーマに向かいます。つなぎ予算が順当に成立すれば、目先の政府閉鎖リスクが後退し、リスクオンムードからドル円は一段高となる可能性があります。しかし、その後の本格的な予算協議が難航するとの見方が広がれば、一転してリスクオフの円買い戻しを誘発する可能性も否定できません。関連するヘッドラインには最大限の注意を払う必要があります。

日本時間に目を向けると、相場への影響は少なそうですが、午前8時50分に発表される10月の国内企業物価指数が注目されます。市場予想は前年同月比+25%と、前回の+27%から若干鈍化する見込みですが、依然として歴史的に高い水準です。この結果が日銀の金融政策判断に直ちに影響を与える可能性は低いものの、国内のインフレ圧力が根強いことを示せば、将来的な政策修正への思惑を僅かに刺激するかもしれません。

市場は、ダウ平均の最高値更新に象徴される株式市場の楽観論と、VIX(恐怖指数)の上昇に見られる潜在的な警戒感との間で揺れ動くことになりそうです。155円という大台を突破した今、日本政府・日銀による円安牽制発言や為替介入への警戒感も一段と高まるため、神経質な展開が予想されます。

今日の見通し

本日のドル円相場は、155円台を固めることができるか、それとも介入警戒感から上値が重くなるかを見極める重要な一日となりそうです。米国の政治動向と市場センチメントが主導する展開が予想されます。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズ面では、引き続き米国の「つなぎ予算」を巡る動向が最大の材料となります。議会での協議が順調に進み、成立への道筋が確実になれば、政府機関閉鎖というテールリスクが後退し、リスク選好のドル買い・円売りが優勢となるでしょう。米株価が最高値圏で推移していることも、このリスクオン地合いを支える要因です。

しかし、注意すべきは、経済指標の発表が相次いで延期されている点です。米国の景気やインフレの現状を正確に把握できない「視界不良」の状態が続いており、これは市場の不確実性を高める要因となります。金融政策の先行きが見通しにくい中、市場は些細なニュースにも過敏に反応しやすくなっています。

日本サイドでは、ドル円が155円という心理的な節目を超えたことで、政府・日銀による為替介入への警戒感がこれまで以上に高まっています。鈴木財務大臣や神田財務官から、これまでの「あらゆる選択肢を排除しない」といった表現から一歩踏み込んだ、より強いトーンでの口先介入が聞かれれば、相場の流れが急変するリスクがあります。日米の金利差という構造的な円安要因は不変ですが、短期的には介入リスクがドル円の上値を抑制する最大の要因となるでしょう。

テクニカル分析

テクニカル的には強い上昇トレンドが継続していますが、短期的な過熱感も意識される水準です。高値圏での推移が続く中、利益確定売りが出やすい局面でもあり、各種指標のサインを慎重に見極める必要があります。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
日足チャートでは、短期の25日線・中期の75日線・長期の200日線が上から順に並ぶ「パーフェクトオーダー」が維持されています。これは地合いの強さを示していますが、すべてが明確に上向きというわけではありません。25日線は上昇の勢いをやや緩め、75日線は上向きに転じつつあり、200日線はほぼ横ばいで推移しています。全体としては買い優勢の形を保っていますが、上昇トレンドの持続力を確認する局面に差しかかっているといえるでしょう。特に25日線(153円台半ば付近)が短期的なサポートとして意識されます。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
日足の一目均衡表では、価格が分厚い「雲」の上限を大きく上抜けており、遅行スパンも日々線を上回っています。また、転換線が基準線を上抜く「三役好転」の買いシグナルが点灯した状態が続いています。抵抗となる要素が見当たらない、典型的な上昇相場の形です。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDは0ラインの上方で、シグナルラインを上回って推移しており、買いの勢いが強いことを示しています。ヒストグラムもプラス圏で拡大傾向にあり、上昇モメンタムの継続を示唆しています。ただし、価格が新高値を更新する一方でMACDの山の高さが切り下がる「弱気のダイバージェンス」が発生しないか、注意深く監視する必要があります。

主要なサポートとしては154.50円、レジスタンスとしては心理的節目である155.50円や156.00円が意識されます。

シナリオ分析

↗️ 上昇シナリオ(メインシナリオ:確率60%)
米国のつなぎ予算が無事に成立し、政府閉鎖リスクが完全に払拭されることが最も強い強気要因です。加えて、米ダウ平均株価が最高値更新を続けるなど、世界的なリスクオンムードが継続すること、そして日本政府・日銀からの円安牽制が市場に織り込まれ、大きな影響を与えないことも追い風となります。この場合、まずは昨日の高値圏である155.20円を突破し、次の心理的節目である155.50円、さらには156.00円を目指す動きが考えられます。

↘️ 下落シナリオ(サブシナリオ:確率40%)
米国のつなぎ予算協議が土壇場で難航し、不透明感が再燃することが最大の弱気要因です。また、155円台に乗せたことで、神田財務官などから「断固たる措置」といった極めて強いトーンでの口先介入が発せられた場合や、実際に覆面介入などが観測された場合も相場を押し下げるでしょう。さらに、好調な米株式市場が利益確定売りに押されて急反落するような展開も、リスクオフの円買い戻しを誘発します。この場合、まずは154.80円を割り込み、次のサポートである154.40円、さらには25日移動平均線が位置する154.00円近辺を試す展開が想定されます。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
午前8時50分発表の国内企業物価指数の結果が市場予想から大きく乖離しない限り、相場への影響は限定的でしょう。仲値にかけては、引き続き輸入企業からのドル買い需要が観測され、下値を支えると考えられます。日経平均株価が続伸するようであれば、リスク選好の円売りが継続し、155円台前半での底堅い動きが予想されます。最大の注目は政府・日銀関係者の発言であり、円安を牽制するコメントが出れば、一時的に154円台後半へ押し戻される場面もありそうです。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間以降は、米国の政治情勢に関するヘッドラインが相場を動かす中心的な材料となります。つなぎ予算案の採決に向けた報道に一喜一憂する展開が想定されます。米国の経済指標がないため、NY時間は米株価と米長期金利の動向を睨んだ神経質な値動きとなるでしょう。株価が堅調を維持すればドル円は高値を試す一方、金利が一段と低下するようであれば上値が重くなる可能性もあります。ロンドンフィキシングにかけては、ポジション調整のフローも出やすく、ボラティリティが高まる可能性に注意が必要です。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:154.40円~155.80円
米つなぎ予算への期待感が相場を支える一方、155円台では政府・日銀による介入警戒感が上値を抑えるため、高値圏での神経質なもみ合いを想定します。

🔀 上値抵抗線:155.50円、155.80円
155.50円は重要な心理的節目であり、短期的な目標となりやすい水準です。ここを明確に上抜けると、上昇に弾みがつく可能性があります。次のターゲットは、155.80円で、昨晩の高値圏に近く、戻り売りや利益確定売りが出やすいポイントと考えられます。

🔀 下値支持線:154.80円、154.40円
154.80円は、昨日のNY時間でサポートとして機能した水準であり、最初の押し目買いの目処となります。ここを割り込むと、調整色が強まり、次のサポートとして意識されるのが154.40円です。この水準は時間足チャートにおける重要な支持線であり、ここを維持できるかが短期的なトレンドの鍵を握ります。

🔃 ブレイクアウト条件
上値は155.80円を終値ベースで明確に超えてきた場合、上昇トレンドの継続が確認され、156円台を目指す動きが本格化するでしょう。その際は、介入警戒感をこなしながらの上昇となり、ボラティリティが高まる可能性があります。下値は、154.40円を割り込むと、短期的な上昇トレンドが一服し、調整局面入りが意識されます。その場合、25日移動平均線が位置する154.00円近辺までの下落も視野に入ってきます。

⚠️ 注意すべきリスク要因
最大のリスク要因は、日本政府・日銀による実弾為替介入です。155円を超えたことで、その可能性は常に意識しておく必要があります。また、米国のつなぎ予算協議が予期せず難航・決裂する事態となれば、リスクセンチメントが急速に悪化し、円が急激に買い戻されるリスクがあります。米株価の突然の調整にも注意が必要です。

☑️ 投資判断における留意点
現在は強い上昇トレンドが続いていますが、155円台という高値圏では、いつ利益確定売りや介入が入ってもおかしくない状況です。高値追いの買いは慎重に行い、エントリーする際は必ずストップロス注文を設定し、リスク管理を徹底することが肝要です。経済指標が少ない分、政治的なヘッドラインで相場が急変する可能性があるため、ニュース速報には常に気を配るようにしてください。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。