おはようございます。Trader MTです。昨日はリスクオンの流れが強く、ドル円は高値圏をキープしたまま今朝を迎えています。本日も目立った指標はなく、引き続き米議会の動向や市場センチメントが相場を左右しそうです。今日も落ち着いて、サクッと見通しをチェックしていきましょう😌(公開時刻:07:47/日本時間)
昨日の振り返り
昨営業日である11月10日(月)のドル円相場は、米国の政治リスク後退を好感したリスクオンの流れに乗り、終日堅調な展開となりました。東京時間から円売りの流れが強まると、欧州、ニューヨーク時間にかけてその動きは加速し、一時154.249円まで上値を伸ばしました。最終的に154.131円で取引を終え、高値圏を維持したまま週明けの取引をスタートさせています。
| 日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年11月10日 | 153.769 | 154.249 | 153.399 | 154.131 |
※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。
東京時間
週明け月曜日の東京市場は、前週末からの流れを引き継ぎ、米政府機関閉鎖の解除期待を背景にリスク選好の円売りが先行する形で始まりました。寄り付きから底堅く推移すると、日経平均株価が前日比+1.26%となる+635.39円の50,911.76円と大幅に反発したことが相場を力強くサポートしました。この株高を好感し、ドル円はリスクオンの円売り圧力に押される形で、じりじりと下値を切り上げる展開が続きました。
午前9時55分の仲値公示に向けては、本邦輸入企業によるドル買い・円売りの観測があった一方で、高値圏では輸出企業によるドル売り・円買いも観測され、需給は交錯した模様です。しかし、市場全体の地合いは「米連邦政府機関閉鎖解除期待でリスク警戒後退の円売り」というヘッドラインに象徴されるように、円売り優勢の状況は変わりませんでした。国内からは特に目立った経済指標の発表や要人発言はなく、市場の関心は完全に米国の政治動向に集中していました。
午後に入っても、ドル円は堅調な地合いを維持しました。欧州勢の本格参入を前に、一時的に上値が重くなる場面も見られましたが、下値では根強い押し目買い意欲が確認されました。サポートラインとしては153円台半ばが意識され、これを割り込むことなく底堅く推移しました。結局、東京時間は終始リスクオンムードに支えられ、次の主要市場である欧州時間に向けて、さらなる上値追いの期待感を残す形で取引を終えることとなりました。
欧州・NY時間
ロンドン時間に入ると、東京時間からのリスク選好の流れはさらに勢いを増しました。欧州の主要株式市場である英FTSE100指数が+1.08%、ドイツDAX指数なども軒並み上昇したことを受け、円は全面安の展開となります。「円売り優勢、米つなぎ予算成立への期待で株式市場が活況、ドル円は154円台乗せ」との報道通り、ドル円は154円の大台を突破し、一時154.24円まで上昇しました。この動きはドル円に限らず、ユーロ円も一時178.45円まで値を上げるなど、クロス円全般で円売りが加速したことが特徴的でした。
ニューヨーク時間も、このリスクオン地合いは継続しました。ダウ平均株価が+0.81%の続伸となったほか、ハイテク株中心のナスダック総合指数はさらに大幅高となり、S&P500種株価指数も+1.54%と力強い上昇を見せました。この全面的な株高を受けて、投資家のリスク許容度は大きく改善し、ドル円は154円台前半での高止まりとなりました。この日は米国でも重要な経済指標の発表がなかったため、市場の関心は米議会でのつなぎ予算案の審議状況に集中し、進展期待が相場を牽引し続けた形です。
相場の上昇を後押ししたもう一つの要因が、米長期金利の動向です。米10年債利回りは一時4.11%まで上昇(+0.017)し、日米金利差の拡大を意識したドル買い・円売りを誘いました。市場の不安心理を示す恐怖指数(VIX)が大きく低下したことも、リスクテイクしやすい環境を裏付けています。結局、ドル円はニューヨーク市場のクローズにかけても154円台を維持し、154.131円で一日の取引を終えました。
今日の注目材料
本日は、日本時間11月11日(火)7:00から翌12日(水)7:00までの24時間において、日米ともに市場の方向性を決定づけるような重要な経済指標の発表は予定されていません。そのため、為替相場は引き続きファンダメンタルズ、特に政治的なヘッドラインや市場全体のセンチメントに左右される展開が予想されます。
経済指標という明確な手掛かりに欠ける中、市場参加者が最も注目するのは、昨日から相場を動かしている米国の政治動向です。米連邦政府機関の閉鎖を回避するための「つなぎ予算案」を巡る議会の審議が大詰めを迎えています。与野党間の交渉が進展し、予算案成立が確実視されるような報道が出れば、リスクオンムードがさらに強まり、ドル円は一段高となる可能性があります。逆に、交渉が難航したり、一部議員から反対の声が強まったりするようなネガティブなニュースが流れれば、昨日上昇した分の利益を確定する動きが強まり、相場が反落するリスクも考えられます。
日本国内の材料としては、昨日報じられた高市内閣の高い支持率が意識されるかもしれません。NHKの世論調査で内閣支持率が66%に達したと報じられており、これは小泉・鳩山内閣に次ぐ高水準です。安定した政権運営への期待は、海外投資家にとって日本市場への安心材料となり、間接的に円売り・株買いを支える要因となる可能性があります。
また、金融政策に関連して、昨日伝えられた片岡元日銀審議委員の発言も注目されます。同氏は「デフレからの完全脱却が目の前に来ている」と述べ、日本の経済状況が改善しているとの認識を示しました。こうした見解は、将来的な日銀の金融政策正常化への思惑につながる可能性がありますが、現時点では市場の反応は限定的です。しかし、今後、同様のタカ派的な発言が相次ぐようであれば、円の買い戻し圧力として意識される場面も出てくるでしょう。
本日は、これらの政治・金融政策関連のニュースに加え、昨日活況を呈した日米の株式市場の動向や、ドル円との相関性が高い米長期金利の動きを注意深く見守る必要があります。明確な方向感が出にくい地合いとなる可能性もあり、突発的なヘッドラインに振らされやすい神経質な展開に警戒が必要です。
今日の見通し
本日のドル円相場は、米政府機関閉鎖の解除期待を背景としたリスクオン地合いが継続するかが最大の焦点となります。154円台を固め、上値を試す展開が予想されるものの、高値圏での警戒感も燻っており、神経質な値動きとなりそうです。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ面では、引き続き米国の政治情勢が相場の主導権を握るでしょう。つなぎ予算案の成立に向けた具体的な進展が見られれば、市場の安心感からドル買い・円売りが一段と進む可能性が高いと考えられます。この場合、リスクセンチメントの改善を背景に、米長期金利の上昇と株高が同時に進行し、ドル円にとって追い風となるでしょう。
一方で、日本国内の要因も無視できません。昨日報じられた高市内閣の66%という高い支持率は、政治の安定を好感する海外投資家からの資金流入期待につながり、相場の下支え要因として機能する可能性があります。また、片岡元日銀審議委員の「デフレ脱却」発言のように、日銀の政策修正観測を刺激する材料が出てくれば、円高方向への揺り戻し圧力となることも考えられます。ただし、現時点では米国の材料が市場の関心を独占しており、日本国内の要因が相場を大きく動かす可能性は低いと見ています。本日は経済指標の発表がないため、ニュースヘッドラインに一喜一憂する展開が想定され、特に米議会の動向に関する報道には細心の注意が必要です。
テクニカル分析

昨日の上昇で154円台を回復したことにより、テクニカル的には短期的な上昇トレンドがより鮮明になっています。主要なテクニカル指標も強気のシグナルを示しており、地合いの強さがうかがえます。
📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
日足チャートでは、短期の25日線、中期の75日線、長期の200日線が上から順に整列しており、価格もこれらの移動平均線の上方に位置しています。これは一般的に「パーフェクトオーダー」と呼ばれる強気相場の形状であり、上昇基調が続いていることを示唆します。ただし、25日線はやや横ばい〜反転気味の動きを見せており、短期的には調整が入りやすい局面でもあります。
📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
日足の一目均衡表では、ローソク足は分厚い「雲(抵抗帯)」の上限を大きく上抜けており、強い買いシグナルが点灯しています。短期的な勢いを示す転換線が中期的な方向性を示す基準線を上回って推移しており、両線ともに上向きです。さらに、現在の価格から26日過去にずらした遅行スパンも日々線のはるか上方にあり、「三役好転」の買いサインが継続中です。
📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACD(マックディー)を見ると、MACDラインがシグナルラインを上回った状態で推移しており、上昇モメンタムの継続を示しています。両者の乖離を示すヒストグラムもプラス圏で拡大傾向にあり、買いの勢いが衰えていないことを示唆しています。
主要なサポートとしては154.00円の心理的節目、レジスタンスとしては昨日の高値である154.24円が意識されます。
シナリオ分析
↗️ 上昇シナリオ(メインシナリオ:確率60%)
最も可能性が高いシナリオは、リスクオン地合いが継続し、上値を試す展開です。強気要因としては、①米議会でつなぎ予算案が順調に可決されること、②米長期金利が4.1%台を維持、あるいはさらに上昇すること、③日米の株式市場が堅調に推移すること、などが挙げられます。これらの要因が重なれば、投資家の円売り・ドル買い意欲はさらに高まるでしょう。この場合、まずは昨日の高値である154.24円を突破し、次の心理的節目である154.50円、さらには155.00円の大台を目指す動きが考えられます。
↘️ 下落シナリオ(サブシナリオ:確率40%)
一方で、相場が反落するシナリオも十分に考えられます。弱気要因としては、①米つなぎ予算交渉が暗礁に乗り上げるとの報道、②昨日上昇した分の利益を確定する売りが優勢になること、③政府・日銀による円買い介入への警戒感が市場で強まること、などが挙げられます。特に、米国の政治情勢に関するネガティブなヘッドラインが出た場合、リスクセンチメントは急速に悪化する可能性があります。この場合、まずは心理的節目の154.00円を割り込み、次のサポートである153.50円、さらには昨日の上昇の起点となった153.00円近辺を試す展開が想定されます。
時間帯別の展開予想
🕘 東京時間
昨日のニューヨーク市場の力強い流れを引き継ぎ、底堅い展開でスタートすることが予想されます。日経平均株価が続伸するようであれば、リスク選好の円売りがドル円を支えるでしょう。仲値にかけては、実需筋のフローが注目されますが、154円台という水準では輸出企業の円買い需要も出てきやすく、上値を抑える要因となる可能性もあります。高市内閣の高い支持率といった国内材料が、相場の下支えとして意識されるかもしれません。
🕔 欧州・NY時間
欧州時間以降は、米国の政治動向に関するヘッドラインに一喜一憂する展開が続きそうです。欧州株や米株先物の動向が、市場のセンチメントを測る上で重要な指標となります。ニューヨーク時間に入ると、米長期金利の動きがより一層注目されるでしょう。経済指標の発表がないため、市場参加者のポジション調整や、もしあればFRB関係者の発言などに市場は敏感に反応する可能性があります。ロンドンフィキシングにかけて大きなフローは期待しにくいものの、株価が大きく動く場面では、投機的な売買が活発化し、ボラティリティが高まることも考えられます。
今日の予想レンジ
↕️ 予想レンジ:153.50円~154.80円
米政府機関閉鎖の解除期待によるリスクオン地合いが相場を支える一方、154円台後半では利益確定売りや介入警戒感も意識され、上値の重い展開を予想します。
🔀 上値抵抗線:154.50円、154.80円
最初の抵抗線は、心理的な節目となる154.50円です。昨日の高値(154.24円)を超えてこの水準に到達すると、達成感から一旦は売りが出やすいと考えられます。ここを明確に上抜けることができれば、次のターゲットとして154.80円が視野に入ってきます。この水準は、さらなる上値を目指す上での重要な関門となりそうです。
🔀 下値支持線:154.00円、153.50円
まず意識されるサポートは、154.00円の心理的節目です。この水準を維持できるかどうかが、短期的な地合いの強さを測る上で重要となります。万が一ここを割り込むと、下落に勢いがつく可能性があり、昨日の上昇過程でサポートとして機能した153.50円近辺が次の重要な支持線として意識されるでしょう。
🔃 ブレイクアウト条件
上方向へのブレイクアウトは、154.80円を明確に上抜けた場合に意識されます。米つなぎ予算案の成立が正式に決定するなど、強力なポジティブ材料が出た場合、155.00円の大台を目指す展開が加速する可能性があります。逆に下方向では、153.50円のサポートラインを割り込むと、リスクセンチメントが悪化したと見なされ、調整局面入りが濃厚となります。その場合、153円台前半への下落も視野に入ってくるでしょう。
⚠️ 注意すべきリスク要因
本日最大の注意点は、米国の政治情勢に関する突発的なニュースです。つなぎ予算案の交渉が決裂する、あるいは難航するといったネガティブなヘッドラインが流れた場合、リスクオンムードは一気に後退し、相場が急落する可能性があります。また、155円に近づくにつれて、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が再び高まることにも注意が必要です。当局者からの円安牽制発言などにも気を配る必要があります。
☑️ 投資判断における留意点
本日は重要な経済指標の発表がないため、テクニカル分析や市場のセンチメントをより重視したトレードが求められます。相場は高値圏にあり、ボラティリティが高まりやすい状況です。突発的なニュースによる価格の急変動リスクを常に念頭に置き、ポジションを持つ際には必ずストップロス注文を設定するなど、リスク管理を徹底することが極めて重要です。上値を追う場合は、短期的な過熱感にも注意し、慎重な判断を心がけましょう。
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