【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年11月07日)

濃紺の背景に『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年11月7日のカレンダー

おはようございます。Trader MTです。 昨夜はリスクオフの円買いで152円台まで急反落しましたね 。 今日は雇用統計が発表延期となる可能性が高いので 、深夜の「ミシガン大学消費者信頼感指数」 に市場の注目が集中しそうです。 それでは、今日もサクッと昨日の振り返り、今日の見通しを確認しておきましょう😉 (公開時刻:07:54 /日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円相場は、東京時間では前日の円安に対する調整が優勢でしたが、欧州時間に入ると一時的にドルが買い戻されました。しかし、ニューヨーク時間に入ると米国の雇用関連データや株価の急落を背景にリスク回避の動きが強まり、ドルは急反落して一時152円台まで値を下げるなど、ボラティリティの高い一日となりました。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年11月6日 154.106 154.140 152.831 153.057

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

東京時間のドル円は、前日の大幅な円安進行に対する調整ムードが広がる中で始まりました。寄り付きから上値の重い展開となり、じりじりと値を下げる動きが続きました。日経平均株価は堅調に推移したものの、為替市場への影響は限定的で、ドル円の買い材料とはなりませんでした。市場参加者の間では、短期的な過熱感から利益確定の売りが出やすい地合いであったと考えられます。この時間帯は、明確な方向感に欠け、153円台半ばを中心とした比較的狭いレンジでの取引に終始しました。

午前9時55分の仲値に向けては、輸入企業による実需のドル買いが観測された一方で、輸出企業からのドル売りも交錯し、相場を大きく動かすには至りませんでした。この日は特に目立った国内の経済指標の発表もなく、政府・日銀関係者からの新たな発言も聞かれなかったため、市場は海外市場の動向を見極めたいとの雰囲気が強かったようです。前日の円安に対する自然な調整という側面が強く、積極的な取引は手控えられました。

午後に入っても、相場の基調に大きな変化は見られませんでした。サポートラインとして意識されていた153円台前半で下げ渋る場面も見られましたが、上値を試す力強さもなく、欧州勢の本格参入を待つ展開が続きました。結局、東京時間は終始、前日の上昇分を調整するドル安・円高がやや優勢な地合いのまま取引を終えることとなりました。全体として、次の材料を待つ「凪」のような相場だったと言えるでしょう。

欧州・NY時間

欧州時間に入ると、一旦はドルの買い戻しが優勢となりました。ロンドン市場序盤には、米長期金利の下げ止まりなどを背景にドル買いが強まり、一時153円台半ばまで値を戻す場面が見られました。しかし、この動きは長続きせず、米国の経済指標の発表を前にして再び上値が重くなりました。欧州の主要株価指数であるドイツDAXや英FTSEが軟調に推移したことも、リスク選好ムードの後退につながり、ドルの上値を抑える一因となったと考えられます。

ニューヨーク時間に入ると、相場の雰囲気は一変しました。発表された米企業の人員削減数が市場の予想を上回って急増したことが伝わると、米国の労働市場への先行き懸念が台頭。これが景気減速への警戒感を強め、リスク回避の動きを一気に加速させました。ダウ平均株価はAI関連銘柄への懸念も再燃し反落、S&P500種指数も大きく値を下げました。この株安の動きに連動する形で、安全資産とされる円が買われ、ドル円は急落しました。

このリスクオフの流れは、債券市場にも波及しました。投資家が安全資産である米国債に資金を逃避させた結果、米10年債利回りは顕著に低下しました。長期金利の低下は日米金利差の縮小を意味するため、ドル売りの強力な材料となります。この金利低下と株安のダブルパンチを受け、ドル円は153円の節目を割り込み、一時152円台後半まで下落しました。市場の不安心理を示す「恐怖指数」も大きく上昇しており、市場センチメントが急速に悪化していることを示唆する形で昨日の取引を終えました。

今日の注目材料

本日は、毎月第一金曜日に発表される米国雇用統計が、米政府機関閉鎖の影響で発表延期となる可能性が高まっています。このため、市場の注目は、日本時間の深夜に発表される経済指標に集まることになります。昨日のニューヨーク市場でリスク回避の動きが強まっただけに、今後の米経済の方向性を示すデータには、いつも以上に敏感な反応が予想されます。

☑️ 11月7日(金)の重要度の高い注目材料
時間 通貨 指標 重要度 前回 予想
22:15 🇺🇸 ミシガン大学消費者信頼感指数 ⚡⚡ 53.6 53.2

本日最大の注目材料は、日本時間24:00(11月8日0:00)に発表される11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)です。この指標は、米国の個人消費の先行指標として非常に重要視されており、FRBの金融政策判断にも影響を与えることがあります。特に、昨日の米人員削減数の増加を受けて、労働市場ひいては個人消費への懸念が燻っている中での発表となるため、市場の注目度は極めて高いと言えるでしょう。

この指標は、消費者の景気に対する現在の見方を示す「現況指数」と、将来の見通しを示す「期待指数」から構成されています。市場の関心は、総合指数だけでなく、これらの内訳にも向けられます。特に、同時に発表される「インフレ期待」は、FRBがインフレ動向を判断する上で参考にするデータの一つであり、こちらの数値が上振れるようであれば、FRBの利下げ期待が後退し、ドル買い材料となる可能性があります。

逆に、総合指数や期待指数が市場予想を下回る弱い結果となれば、昨日の流れを引き継ぐ形で米景気減速懸念が一段と強まり、リスク回避のドル売り・円買いが加速する展開も想定されます。雇用統計という大きな材料がない分、この指標の結果が短期的な方向性を決定づける可能性が高く、発表前後には相場が大きく変動することも考えられるため、最大限の注意が必要です。指標の結果だけでなく、米株価や長期金利がどう反応するかも含めて、総合的に判断していく必要があります。

今日の見通し

本日のドル円相場は、深夜に発表される米ミシガン大学消費者信頼感指数の結果を見極めたいとの思惑から、積極的な取引が手控えられ、神経質な展開が予想されます。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズの観点からは、ドル円の上値は重いと考えられます。昨日の米人員削減数データは、これまで堅調と見られていた米労働市場に陰りが見え始めた可能性を示唆しており、市場の景気減速懸念を煽っています。本日発表されるミシガン大学消費者信頼感指数がこの懸念を裏付けるような弱い結果となれば、FRBによる早期利下げ観測が再燃し、ドル売り圧力が一層強まるでしょう。

一方で、日米の根本的な金融政策の方向性の違いは依然としてドル円を下支えする要因です。日本銀行が当面大規模な金融緩和を維持する姿勢を示す一方、FRBはインフレ抑制を最優先課題としており、たとえ利下げ期待が浮上したとしても、絶対的な金利差は依然として大きいままです。この金利差を背景とした円売り・ドル買いの需要は根強く、ドル円が一本調子で下落し続ける展開も考えにくい状況です。

また、150円台前半では日本政府・日銀による為替介入への警戒感が常に意識されます。急激な円安進行は望ましくないとの当局からの発言が繰り返されれば、投機的な円売りポジションの巻き戻しを誘発する可能性もあります。本日は、米国の景気減速懸念というドル売り材料と、根強い日米金利差や介入警戒感という下支え要因が綱引きする、方向感の定まりにくい相場展開となりそうです。

テクニカル分析

テクニカル的には、短期的な下落圧力が強まる一方、中長期的な上昇トレンドは維持されているという、判断の難しい局面に来ています。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
日足では、価格が短期の25日移動平均線付近で推移しており、ここを明確に割り込むかどうかが目先の焦点となります。割り込む場合は、短期的な調整局面入りの可能性が高まります。中期を示す75日線は引き続き緩やかな上向きを維持しており、中期的な上昇基調自体は崩れていません。一方、長期トレンドを示す200日線は、これまでの下向き基調から横ばいに移行しつつある段階で、長期的な下落トレンドが弱まりつつあることを示唆しています。まずは 25日線がサポートとして機能できるか が短期トレンドを見極める上で重要なポイントとなります。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
価格は依然として分厚い「雲」の上で推移しており、地合いの強さを示唆しています。しかし、短期的な勢いを示す転換線が、中期的な基準線を下抜ける「デッドクロス」の発生が近づいており、短期的な調整局面入りを示唆するサインとして警戒が必要です。雲の上限が強力なサポートとして意識されるでしょう。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはシグナル線を下抜け、明確な売りシグナルが点灯しています。MACDとシグナルの差を示すヒストグラムもマイナス圏で拡大しており、下落モメンタムが強まっていることを示唆しています。短期トレーダーにとっては、売り方優位の状況と判断できるでしょう。

主要なサポートレベルは昨日の安値圏である152.80円、そして心理的な節目である152.00円が意識されます。一方、レジスタンスとしては、153.50円、そして153円台後半が上値抵抗線として機能すると考えられます。

シナリオ分析

↗️ 上昇シナリオ(メインシナリオ:確率60%)
最も考えられる強気要因は、①本日深夜に発表されるミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を大幅に上回り、米国の個人消費の底堅さが示されること、②昨日の株安が一過性のものに終わり、米株式市場が反発してリスクオンムードが回復すること、そして③それに伴い米長期金利が再び上昇に転じることです。これらの要因が重なれば、景気減速懸念が後退し、再びドル買いが優勢となるでしょう。この場合、まずは153.50円を突破し、次の心理的節目である154.00円、さらには154.50円を目指す動きが考えられます。

↘️ 下落シナリオ(サブシナリオ:確率40%)
弱気要因としては、①ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回り、消費マインドの悪化が確認されること、②米株安の流れが継続し、投資家のリスク回避姿勢が一段と強まること、③米長期金利がさらなる低下を見せ、日米金利差の縮小が意識されることです。特に、指標のインフレ期待が鈍化するようであれば、FRBの利下げ期待が強まり、ドル売りが加速する可能性があります。この場合、まずは昨日の安値である152.80円を割り込み、次のサポートである152.20円、さらには152.00円の節目を試す展開が想定されます。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
東京時間は、昨日のニューヨーク市場でのドル急落の流れを引き継ぎ、上値の重い展開が予想されます。日本時間に目立った経済指標の発表はなく、手掛かり材料難から様子見ムードが強まるでしょう。仲値にかけては実需のフローが交錯するものの、大きな方向感を出すには至らない可能性が高いです。日経平均株価が軟調に推移するようであれば、リスク回避的な円買いが意識され、153円台前半でのもみ合いが続くと考えられます。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入っても、深夜の米経済指標の発表を控えているため、積極的なポジション構築は手控えられそうです。ロンドン勢参入後も、東京時間からのレンジを引き継ぐ展開が続く可能性があります。相場が本格的に動き出すのはニューヨーク時間、特に日本時間24:00のミシガン大学消費者信頼感指数の発表後となるでしょう。指標の結果を受けてボラティリティが急上昇する可能性があり、発表内容と同時に米株価、米長期金利の動向を注意深く見守る必要があります。指標が市場の景気減速懸念を強めるか、あるいは払拭するかによって、この時間帯のトレンドが決定づけられることになりそうです。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:152.20円~153.80円
米景気減速懸念による上値の重さと、根強い日米金利差を背景としたドル買い需要が交錯し、方向感の定まりにくい展開を予想します。

🔀 上値抵抗線:153.50円、153.80円
153.50円は昨日のニューヨーク時間での戻り高値水準であり、最初の重要なレジスタンスとして意識されます。ここを明確に上抜けることができれば、次は欧州時間に付けた高値圏である153.80円がターゲットとなります。この水準は短期的な売り圧力が強まりやすいゾーンと考えられます。

🔀 下値支持線:152.80円、152.20円
152.80円は昨日の安値圏であり、最初のサポートラインとなります。この水準を割り込むと、下落の勢いが強まる可能性があります。次の節目としては、心理的にも意識されやすい152.20円近辺が考えられ、ここが本日の重要な下値支持線となるでしょう。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向へのブレイクアウトは、153.80円を終値ベースで明確に上抜けた場合と考えられます。この場合、短期的な下落トレンドが一巡したとの見方が広がり、154円台回復を目指す動きが本格化する可能性があります。逆に下方向では、152.20円を割り込むと、テクニカル的な売りシグナルが強まり、151円台後半への下落が視野に入ってきます。

⚠️ 注意すべきリスク要因
本日最大の注意点は、日本時間24:00に発表されるミシガン大学消費者信頼感指数の結果が市場予想から大きく乖離することです。雇用統計がない分、この指標への注目度が高まっており、予想外の結果が出た場合には相場の急変リスクがあります。また、予定されている要人発言はありませんが、地政学リスクに関する突発的なニュースにも引き続き注意が必要です。

☑️ 投資判断における留意点
本日は重要な経済指標の発表が深夜帯に集中しているため、日中は様子見ムードが強まり、値動きが限定的になる可能性があります。しかし、指標発表をきっかけにトレンドが発生することも考えられるため、ポジション管理には細心の注意を払うべきです。特に、発表直後のスプレッド拡大やスリッページには警戒し、余裕を持った資金管理を心掛けることが賢明です。昨日のリスクオフの流れが継続するのか、あるいは一服するのか、慎重に見極める一日にしましょう。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。