【ドル円コンパス】今日の為替相場予想(2025年11月05日)

濃紺の背景に『ドル円コンパス/USD/JPY COMPASS』、円とドル記号、コンパスのシンボル、ローソク足。右下に指を立てたロボット。左上に2025年11月5日のカレンダー

おはようございます。Trader MTです。昨晩予定されていたJOLTS求人件数の発表は、米国政府閉鎖の影響で延期されましたね。それでは、サクッと昨日の振り返りと今日の見通しを確認しましょう😌(公開時刻:08:30/日本時間)

昨日の振り返り

昨日のドル円相場は、東京時間には上値の重さが意識されたものの、欧州時間にかけては底堅さを見せました。しかし、ニューヨーク時間に入ると利益確定売りに押されて下落し、153円台で取引を終えるなど、方向感の定まらない一日となりました。特に、注目されていた米経済指標の発表が延期されたことも、市場の様子見ムードを強める要因となったようです。

日付 始値 高値 安値 終値
2025年11月4日 154.216 154.483 153.315 153.664

※当データはTradingViewの日足チャートに基づいています。

東京時間

東京時間のドル円は、朝方154円20銭台で取引を開始しました。仲値公示に向けて国内輸入企業による実需のドル買い・円売りフローが観測され、相場は154円48銭まで上昇する場面も見られました。仲値公示前後では、輸出企業からのドル売り需要と輸入企業からのドル買い需要が交錯し、一時的に需給が拮抗する展開となりました。

しかし、日経平均株価が前週末比で-1.74%(-914.14円)となる51,497.20円まで大幅に反落したことで、市場のリスクセンチメントが急速に悪化しました。株安を背景に、安全資産とされる円に対する買い圧力が強まり、ドル円は上値の重さが意識される展開となりました。東京午後にかけて下落基調が鮮明となり、相場は153円80銭台を割り込むと、さらに下値を探る動きが加速しました。

154円台半ばから始まった調整は想定以上に進み、東京午後の取引では153円30銭台まで値を下げる場面も見られました。高値圏での利益確定の売りに加え、株安に伴うリスク回避の円買いが重なったことで、約1円超の下落幅となりました。市場参加者は新規材料に乏しい中、様子見姿勢を強めており、方向感を探る動きが続きました。東京時間は、上昇後の大幅な反落という値動きとなり、神経質な展開が続きました。

欧州・NY時間

欧州時間に入ると、根強いドル高基調を背景にドル円は再び底堅さを見せました。しかし、ロンドン市場ではポンドが売られる展開となり、これに連動する形で円が買われる動きも加わったため、相場は一進一退の攻防となりました。欧州の主要株価指数がまちまちな動きとなる中、為替市場も明確な方向性を見出しにくい状況が続いたようです。ドル高と円買いの綱引きが、相場のボラティリティを抑制する形になったと考えられます。

ニューヨーク時間に入ると、市場の雰囲気は一変します。高値圏での達成感から利益確定のドル売りが優勢となり、ドル円は153円台へと水準を切り下げました。この日、日本時間24:00に発表が予定されていた米JOLTS求人件数(9月)が、米政府機関の一部閉鎖を理由に発表延期となったことも、市場の様子見ムードを強める一因となりました。重要な経済指標が確認できない状況では、積極的なポジション構築が手控えられ、短期的な利益確定売りが出やすかったと分析できます。

相場の下落を後押ししたのは、米長期金利の低下です。米10年債利回りは一時4.087%まで低下し、日米金利差の縮小を意識したドル売り・円買いを誘いました。また、ダウ平均株価も-0.53%と軟調に推移したことで、リスク回避的なムードが広がり、これもドル円の上値を抑える要因として作用しました。結局、ドル円は153.66円近辺でニューヨーククローズを迎え、方向感を探る展開が翌日に持ち越される形となりました。

今日の注目材料

本日は、今後のドル円相場の動向を占う上で極めて重要な米経済指標の発表が2つ予定されており、市場の関心はこれらに集中することになるでしょう。特に、週末の米雇用統計を前に、労働市場の現状を示すデータと、米国経済の大部分を占めるサービス業の景況感を示すデータが相次いで発表されるため、予断を許さない展開が予想されます。

本日発表される注目の経済指標は以下の通りです。

☑️ 11月5日(水)の重要度の高い注目材料
時間 通貨 指標 重要度 前回 予想
22:15 🇺🇸 ADP雇用統計 ⚡⚡ -3.2万人 +2.5万人
24:00 🇺🇸 ISMサービス業PMI ⚡⚡⚡️ 50.0 51.0
24:00 🇺🇸 JOLTS求人 ⚡⚡ 7.227M 7.198M

まず、日本時間22時15分に発表されるADP雇用統計は、民間部門の雇用者数の動向を示す指標であり、週末金曜日に発表される米雇用統計(非農業部門雇用者数)の先行指標として、市場から常に高い注目を集めています。今回の市場予想は11.5万人と、前回値の14.3万人から伸びが鈍化する見込みです。もし結果が市場予想を上回る強い数字となれば、米国の労働市場の底堅さが示され、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が後退することから、ドル買い材料となる可能性が高いでしょう。逆に、予想を大きく下回る弱い結果となった場合は、景気減速懸念からドル売りが強まる展開が想定されます。

続いて、本日深夜24:00(11月6日0:00)に発表されるISMサービス業PMI(以下、ISM非製造業景況指数)は、米国経済の約7割を占めるサービス業の活動状況を示す最重要指標の一つです。この指数は50を好不況の分岐点としており、市場予想は50.8と、前回値の51.0からわずかに低下するものの、依然として景気拡大を示す水準が維持されると見られています。結果が予想を上回れば、米経済の強さが再確認され、ドルが買われる要因となります。一方で、予想外に50に近づくような弱い結果となれば、景気後退リスクが意識され、ドル売り圧力が高まるでしょう。特に、構成項目である「新規受注」や「雇用」の指数は、それぞれ今後の景気の先行性や労働市場の動向を示すため、細部まで注目が集まります。

これらの指標結果が市場予想からどの程度乖離するかによって、相場の変動幅も大きく変わってくるでしょう。発表時刻が近付くにつれてポジション調整の動きが活発化し、発表直後にはボラティリティが急上昇する可能性があるため、取引には細心の注意が必要です。

今日の見通し

本日のドル円相場は、ADP雇用統計とISM非製造業景況指数という2大指標の結果に一喜一憂する、神経質な展開が予想されます。指標が強弱入り混じる結果となれば、方向感を見出しにくい乱高下となる可能性も否定できません。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズの観点からは、本日発表される米経済指標が最大の焦点となります。ADP雇用統計とISM非製造業景気指数が共に市場予想を上回る強い結果を示した場合、米経済の底堅さが改めて証明されることになります。これはFRBの金融引き締めスタンスが長期化するとの観測を強め、米長期金利の上昇を通じてドル買いを加速させるでしょう。その場合、昨日上値を抑えられた154円台を再び試す展開が視野に入ってきます。

逆に、両指標がそろって市場予想を下回る弱い内容となれば、米国の景気減速懸念が一気に高まります。市場ではFRBによる早期利下げ期待が再燃し、米長期金利の低下とともにドルが全面的に売られる可能性があります。このシナリオでは、153円の節目を割り込み、下値を探る動きが本格化することも想定しておく必要があるでしょう。昨日のJOLTS求人件数の発表延期に見られるように、米政府機関の閉鎖が経済データに与える影響も不透明要因として残っており、市場のセンチメントを不安定にさせるリスクもはらんでいます。

テクニカル分析

テクニカル的には、昨日154円台のレジスタンスに上値を阻まれたことで、短期的な上昇の勢いが一服した格好です。現在は、次の方向性を模索するための重要な局面に差し掛かっていると分析できます。

📈 移動平均線(25日・75日・200日線)
日足チャートでは、短期(25日)、中期(75日)、長期(200日)の各移動平均線が上から順に並ぶ「パーフェクトオーダー」が継続しており、長期的な上昇トレンドが維持されていることを示唆しています。しかし、現在の価格は短期の25日移動平均線に接近しており、この線を明確に下抜けるようだと、短期的な調整局面入りのシグナルとなるため注意が必要です。

📈 一目均衡表(雲・基準線・転換線)
日足の一目均衡表では、価格は依然として「雲」の上限よりも上で推移しており、地合いの強さを示しています。目先は、短期的なトレンドを示す「転換線」がサポートとして機能するかが焦点となります。もし価格が転換線を下抜け、さらに中期的なトレンドを示す「基準線」をも下回るようであれば、調整色が強まる可能性が高まります。

📈 MACD(シグナル・ヒストグラム)
MACDはシグナルラインの上で推移しているものの、両者の乖離が縮小傾向にあり、上昇の勢いが鈍化していることを示唆しています。今後、MACDがシグナルラインを下抜ける「デッドクロス」が形成されると、明確な売りサインと見なされ、下落基調が強まる可能性があるため、その動向を注視する必要があります。

シナリオ分析

↗️ 上昇シナリオ(メインシナリオ:確率60%)
最も可能性が高いメインシナリオは、米経済指標が市場予想を上回るか、少なくとも予想通りの底堅い結果となるケースです。具体的な強気要因としては、(1) ADP雇用統計が予想を上回り、労働市場の強さが示されること、(2) ISM非製造業景気指数が高水準を維持し、米経済の健全性が確認されること、(3) これらの結果を受けて米長期金利が再び上昇基調に転じること、などが挙げられます。この場合、まずは昨日の高値圏である154.00円を突破し、次の心理的節目である154.50円、さらには直近高値が意識される154.80円を目指す動きが考えられます。

↘️ 下落シナリオ(サブシナリオ:確率40%)
サブシナリオとして、米経済指標が市場予想を大きく下回る弱い結果となる可能性も十分に考えられます。具体的な弱気要因としては、(1) ADP雇用統計が予想を大幅に下回り、雇用市場の減速懸念が強まること、(2) ISM非製造業景気指数が予想外に悪化し、景気後退リスクが台頭すること、(3) 米長期金利が低下し、日米金利差の縮小が意識されること、などが挙げられます。この場合、まずは昨日の安値圏である153.20円を割り込み、次のサポートである心理的節目の153.00円、さらには25日移動平均線が位置する152.50円近辺を試す展開が想定されます。

時間帯別の展開予想

🕘 東京時間
東京時間は、夜に発表される米国の重要経済指標を前に、積極的な取引が手控えられ、様子見ムードの強い展開となる可能性が高いでしょう。153円台半ばを中心とした狭いレンジでの値動きが想定されます。仲値にかけては実需のフローが観測されるものの、方向性を決定づけるほどの力強さはないと見られます。日経平均株価の動向をにらみながらも、基本的には欧米市場の動向を見極めたいとする市場参加者が多く、動意に乏しい展開が続きそうです。

🕔 欧州・NY時間
欧州時間に入ると、米経済指標の発表を控えて徐々に神経質な展開となり、ポジション調整の動きが活発化する可能性があります。そして、NY時間に入り、22時15分のADP雇用統計、深夜24時のISM非製造業景気指数の発表をきっかけに、相場のボラティリティは一気に高まるでしょう。指標結果が市場予想と大きく乖離した場合には、一方向に強いトレンドが発生する可能性があります。米長期金利や米国株の動きと連動しながら、その日の方向性が決定づけられる、最も重要な時間帯となります。

今日の予想レンジ

↕️ 予想レンジ:153.00円~154.80円
本日発表される米国の重要経済指標の結果次第で上下に大きく振れる可能性を考慮し、やや広めのレンジを設定します。根強いドル高期待と景気減速懸念が交錯し、神経質な展開が予想されます。

🔀 上値抵抗線:154.50円、154.80円
最初の上値抵抗線として意識されるのは、心理的な節目であり、昨日も上値を阻まれた154.00円です。ここを明確に上抜けた場合、次の目標は直近の高値圏である154.50円となります。さらにドル買いが加速するようであれば、154.80円が次のレジスタンスとして視野に入ってくるでしょう。

🔀 下値支持線:153.20円、153.00円
下値については、まず昨日の安値圏である153.20円が最初のサポートラインとして機能するか注目されます。この水準を割り込むと、心理的な節目である153.00円が次の重要な支持線となります。ここも下抜けるようであれば、下落に弾みがつき、152円台後半への調整も視野に入ってきます。

🔃 ブレイクアウト条件
上方向へのブレイクアウトは、154.80円を明確に上抜けた場合に意識されます。この水準を超えると、短期的な売りポジションの損切りを巻き込みながら、155円の大台を目指す動きが加速する可能性があります。一方、下方向では153.00円の心理的節目を割り込むと、下落トレンドが強まるサインと見なされ、152.50円近辺までの下値余地が広がる展開が想定されます。

⚠️ 注意すべきリスク要因
本日最大の注意点は、ADP雇用統計およびISM非製造業景気指数の結果が市場予想から大きく乖離することです。予想外の強い、あるいは弱い数字が出た場合、相場が急変動するリスクがあります。また、米政府機関の閉鎖に関連する新たなヘッドラインや、金融当局者からの予期せぬ発言にも警戒が必要です。

☑️ 投資判断における留意点
本日は重要指標の発表が相次ぐため、ポジション管理を徹底することが肝要です。特に指標発表前後はスプレッドが拡大し、スリッページが発生しやすくなるため、成行注文ではなく指値注文を活用するなどの対策が有効です。指標の結果を見極めてからエントリーする「飛び乗り」はリスクが高いため、冷静に市場の反応を確認し、トレンドが定まってから慎重に判断することをお勧めします。

免責事項

本記事は、為替相場の動向に関する一般的な情報提供・分析を目的としたものであり、特定の通貨ペアの売買や投資を推奨するものではありません。投資判断は、読者ご自身の責任と判断において行ってください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト運営者は一切の責任を負いません。